崎谷はるひさんの新刊『
花がふってくる』を読みました。
大好きな
今市子さんの表紙ですっ 美しい~~♪
でも崎谷小説とイメージが違いすぎるのでは??と微妙に心配・・が、読んでみれば
かなりOKでしたっ。崎谷ものにしては珍しく静かで上品。
全体的に美しく、しっとりとまとまり
とにかく久々のヒット最近の余談多めの文章も見当たらず
(キャラの仕事内容とか、職場の雑談とか・・)ひたすら主人公二人の駆け引きと心理描写がたくさんで、のめり込める展開
一文字、一文字丁寧に読めました♪
「花がふってくる」はある理由から同居をしている従兄弟同士の物語。
二人は同じ歳でありながら、しっかり者の
涼嗣が生活能力ゼロの
秋祐を過保護に甘やかす関係。
が、涼嗣は秋祐への自分の感情が<恋>だと分っていないため、
秋祐の長年の想いには全く気付きません。
そんな訳で涼嗣の結婚が決まった時点で秋祐は家を出て行こうとします。
ところが、
結婚=秋祐との別居 が結びつかなかった涼嗣は独立を告げられ動揺。
ついでに秋祐の気持ちも知ることになり、
自分の感情がどういう種類のものだったのかはっきりしてきます。
この作品で1番印象的なのはこのシーンで、
鈍い涼嗣が秋祐への想いを自覚していく過程が切なくて面白い。そして蛍と暗闇の演出も素晴らしくよかったです
今回の小説は崎谷さんの夢だった
<今市子さん挿絵>のせいか、イイ意味で今さん風。
いとこ同士と男同士という二重の複雑さが切なさをUPさせていますが
イラストの効果か落ち着いた雰囲気。
今後もこんな作風が続くと嬉しいです。
さて、いとこ同士で即思い出したのは今さんのオリジナル「いとこ同士」。
こちらは親戚同士の難しさや背徳感が淡々と描かれているコミックですが、
やはり子供の頃からの思い出や関係が背景にあって面白い。
約15年前の作品にも関わらず、絵やストーリーに古さを感じない
何度読んでもツボな秀作です。
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家族の手前もあってまだ読んでません。
でも、ピーチシルクさんのお勧めなら読むのがとても楽しみです。