設定についての謎は、ほとんど明らかになりましたね。 あとは、ここからどう解決するかです。 ギルティクラウン 第18話 『追想:a diary.』 のレビュー。
シリーズ構成の吉野弘幸さんは、科学的(理科的)なテーマを据えるのが好きみたいで、『聖痕のクェイサー』は元素でしたが、この作品は遺伝子と進化です。
すべての生物は、単純な細菌のような生物から、進化を繰り返して今の姿になりました。 その『進化』に遺伝子が関わっていることは間違いないですが、進化の仕組みについては完全に分かっているわけではありません。 ”突然変異”と“自然選択”でほとんど説明できるのですが、時々起る大幅な進化(大進化)は、それだけでは説明しにくいと考える研究者もいて、いくつかの説があります。
地球の歴史上では何回か、大量絶滅と呼ばれる現象が起っています。 有名な恐竜の絶滅もその一つで、6550万年前(K-T境界)に、恐竜だけでなく生物の種の70%が絶滅してしまいました。 2億5100万年前のP-T境界はもっと酷くて、95%の種が絶滅したとされます。 でも大量絶滅は大進化のチャンスでもあり、絶滅で空いた生態系の隙間を、新たに進化した生物た埋めていきました。 人間を含む今の生物は、大量絶滅を土台にして進化したとも言えるのです。
「やがて真名がイブとして成熟したとき、地球史上4度目の黙示録、生命の一斉淘汰と進化が行われます。アポカリプスは、そのための神の見えざる手、なのですよ。」
『ダアトの使者』を名乗る、ユウの言葉です。 「生命の一斉淘汰と進化」のことを黙示録と呼んでいて、それは既に3回起っているらしい。 これはつまり、過去にあった『大量絶滅』を表しているのでしょう。 大量絶滅の原因は、隕石の衝突とか、大陸移動による火山活動とか諸説あり、絶滅の時期によっても異なるとも言われます。 一般に大量絶滅は5回あったとされますが、そのうちの3回の原因が実はアポカリプスウイルスだ!というのが、この作品の世界観ですね。
K-T境界の大量絶滅で恐竜が絶滅した後、哺乳類が大きく進化して、地上の主役になりました。 ダアトの狙いは、黙示録(大量絶滅)を起こして、人類をさらに進化されることなのでしょうか。 かなりクレイジーですが、ダアトは『ユダヤの秘密結社』的なもののようなので、宗教的な理由があるのかもしれません。
「アポカリプスは神の摂理ではない。人の知恵でコントロールできるのだ」
と、桜満黒周は日記に書いていました。 彼は子供たちのためにも、大量絶滅を引き起こす「種の淘汰の非合理性」を避ける手段を探していて、それが「ボイドゲノム」なのでしょう。 『王の力』とは、人の心を具象化して進化させることです。 ユウは「神の見えざる手」と言っているので、大量絶滅の焼け野原から、神の摂理で選ばれたものが進化するというやり方を狙ってるはずですが、ボイドゲノムと『王の力』を使えば、そんな乱暴なやり方ではなく、人の知恵で乗り越えられるのかもしれません。
ではどう使えばいいのか、その具体的な方法は、黒周の死によって失われました。 でも集が黒周の日記を手に入れたことで、そこから手掛かりが得られるのかもしれません。 そして涯は、どんな想いで集にそれを託したのでしょうか。
集たちが都心に閉じ込められ、露骨に圧力を掛けられていたのは、淘汰と進化を促すためだと考察したいたのですが、それは当たらずとも遠からずだったでしょうか。 閉じ込められた人々が、集を介してボイドを操るようになり、これは黒周の考え方では『進化』です。 そうやって進化した人々から「かけら」を集めることで、真名が復活に近付くわけですね。
涯はいのりの体を使って真名を復活させようとし、集はそれを阻止していのりを奪還しようとしています。 でも、これはゼロサムゲーム(一方が勝てば一方は負ける)なのですかね? 進化や淘汰はゼロサムゲームではなく、みんなが高めあう決着もありえますが、いずれにしても、二人がいのりを巡って対決することは避けられないのでしょう。
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それが神に対する反逆の一つの形なのかなと思います。
この世界の神は今選んでいる最中なんです。
人間達なんてそっちのけで次の駒を選ぶのに夢中。
猿がいいか、アメーバにでもしてやろうか、それとも…
そんな感じに駒を手にとっては妄想に耽り悦に浸っている。
そしてそれが決められた瞬間にその時の種など無視して次へと変えられる。
それが非合理であるということ。
人ができる反逆があるとすれば神を騙すこと。
人のなかから二つの種が生まれそれらが殺し合いをしている。
それが神とやらの興味を引けばその内のどちらかが生き残る。
何のことはない、真田のとった行動と同じことを神相手にしているそれだけのことなのかなと思います。
アポカリプスウイルスというのは、大量絶滅というプログラムの内の一つで生物が主な場合の世界に対してプログラムの名で、大量絶滅というプログラムは5回起動している。
桜満黒周が本気でそれに挑んだというのなら日記ですら二人と世界を騙すための道具であるのかなと思います。
子供を守るために神を騙し、世界を壊し、人間であることすらやめてしまう父親はもうすでにほかの作品でも出てきているのでそちらの線が強いかなと思います。
人間が神とやらに勝つための方法があるとしたらそれくらいしかないと思います。
神と同じことをするくらいしか…
自分勝手にどこまでもグチャグチャに修復不可能なほどに世界を壊し神の手に負えないようにしてしまうこと位しか
神とやらがもう戻せないと頭抱えて世界を捨てるか、こちらの人類を次の種にでもしてみるかと思わせたなら勝ち、神が世界を戻そうとする限り戦い続けてるしかない、子供の人生、運命を滅茶苦茶にし続けるしかないというそんな勝負を桜満黒周は日記に姿を変え続けているのではないでしょうか
もしかしたら、戻そうとさせられれば勝ちとも思っているかもしれませんが、世界の修復に手を取られる間は選択は止まる
二人の争いはその程度の時間稼ぎなのかもしれません
丸ごと全消去の危険もある賭けですがその程度はリスクを払わないと神とやらには勝負にすらならないのかもしれません
桜満黒周が見出した策とは、最終回で涯が行ったことなのかもしれませんね。ここは20話のコメント欄なので書きませんが。