熱意が何より大事というのは同感。 もしドラ 第6話 『みなみは戦略と現状について考えた』 のレビューです。
今回は主に、人事の話でした。 みなみはマネジメントチームの中で、人事を任されるわけですが、大役ですね。 組織とは人の集まりであって、集めた人がダメであれば、どんなにマネジメントしてもダメだからです。 あくまで参考意見であって、最後に決めるのは監督でしょうけど。
では、何を基準に人を評価すればよいのでしょうか。 野球のテクニックなのか、体格なのか。 みなみが重視したのは、そういうことよりも、「なぜ野球部を志望したのか」でした。 それが、野球部の方向性に合っていることが、重要だと考えたのです。
僕も採用面接をやりますが、その人が本当に仕事ができるかは、面接ではなかなか分からないのですよね。 新卒ならば学校の勉強について、中途採用ならばこれまでやってきた仕事について、いろいろ質問すると、その人の理解力や知識レベルはある程度分かるけれど、それと「仕事ができるかどうか」は必ずしも直結しません。 なので、その人がなぜ志望したのかという動機は、僕もかなり重視します。
僕らの仕事は、締め切りがきつく、長時間拘束されることが多いので、個人の時間を重視したいという人には、全く向いていません。 仕事そのものを楽しめないと、やっていられないし、楽しんで仕事をする人は、義務感で仕事をする人よりも遥かにパフォーマンスを発揮します。 だから、こういう仕事が好きで、それに使命感を持てるかどうかを見極めるために、あれこれ質問して探るのでした。
野球部もそうなのではないでしょうか。単に運動したいとか、試合に出て楽しみたいという目的であれば、野球部は割に合わないと思えます。 「とにかく野球が好きで、甲子園に行きたくて、そのためならば何でもやる」という真摯な気持ちの持ち主が、チームに必要なのでしょう。それは多少の野球のスキルや、身体能力の高さよりも優先するのでしょう。
ただ、そうやってモチベーション重視で集めたメンバーが、高いモチベーションを維持できるかどうかは、マネジメント次第のところがあるのですよね。 モチベーションを生かせる目的を掲げて、そこへの具体的な道筋を示す必要があるからです。 二階君をキャプテンにしたのは、その意味で重要でした。
せっかく集まった新入部員を、テストでふるい落とすことに批判的な向きもあるかと思いますが、練習場所や機材に限りがある以上、仕方ないと思えます。 希望者にしても、レギュラーになれる見込みが薄いのであれば、玉拾い三昧になるより、早い段階で他の部活に移った方が幸せかもしれません。 そう考えて、みなみは振い落すことを決断して、それにずいぶん悩んだことは描写されていました。
夕紀とのシーンは、今回も短いですがありました。 あいかわらず、携帯ストラップのクマ?を強調していますが、何の意味があるのでしょうね。 お見舞い面談の人数を減らすと聞いたとき、夕紀がひどく淋しそうだったのが気になります。 なにかの伏線でしょうか。 みなみは気付かなかったようですが。
プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクトを始める前に準備をすることと、実際に走り出した後に出てくる、予想外の問題(いわゆるトラブル)に対処することです。 準備段階は終わって、次からは夏の大会のようなので、どんなトラブルが起って、みなみたちがどう対処するか楽しみにしています。
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社会人としては、この回のみなみの対応は良く頑張ってる方だと思うのですが……
その辺は年代によって意見が違ってそうです
そういう意味でも部活ものというよりはマネジメントありき、なのでしょうけど
たとえばブラスバンド部で、楽器が足りないのに部員を入部させて、何人かで楽器を共用して、それで楽しいでしょうか。結局、誰も幸せにならないでしょう。
練習場所に限りがあるのだから、適正な人数を入部させて、残りは他の部活をあっせんするのは、幸せを最大化できる対応だと思えます。
もちろん、マネジメントのたとえ話だから、こういう筋なのですが、そんなにおかしくないと思うのですね。
個人的には、その甘さを批判したい気分です。
面接してふるい落として他の部活へ…
面接なんかしないで全部入れて使いつぶして、つぶれた奴から捨てていけばいいのでは?と思いました。
残る奴はつぶれても立ち上がるし他の奴をつぶしてでも残る、つぶれる奴はつぶれてそのまま。
それだけのことでつぶれる奴、つぶれた奴、そんなののことは気にもとめてやる必要はないのではないか。
そんな甘いなんて高校になるまでどんだけ温室育ちだよ、とか思いながら見ちゃいました。
会社だと就職希望する人間全て養うのは不可能なんで、面接等で落とすわけなんですが。
野良猫さんの言われる方式は、運動部で一般的に行われていますね。最初のうちは玉拾いなどさせて、根性がある奴だけ残ればいいという。
この作品は、そういう根性論ではないところが新しいのだと思います。 根性が重視される高校野球チームを、あえてドラッカー式にマネジメントするという。 現実に上手くいくかは分かりませんが。
■hogeさんコメントありがとうございます!
練習場所などのリソースに限りがあるわけなので、2軍を作っても解決しないと思えます。別の場所で練習させるなど、リソースを増やせればいいのかもしれませんが。
みなみのやり方は、志望者の幸せや、他の部活のことも総合的に考えたものなので、野球部の利益だけを優先すれば、他のやりかたはあるかもしれません。
うーん、富の再分配ということで言うなら、他の部に部員紹介した結果、他の部活動が活発化して練習場所の確保が以前より難しくなる、なんて「リソース不足」も考えられるんですけどね。
後はまぁ、面接で落とされた入部希望者が他の部を紹介されて幸せか?仕方なく入部してきた部員を迎え入れるのが部にとって幸せか?ってのもありますし。
むしろ、単純に幸せを「利益」の問題として割り切るのであれば、みなみのマネジメントは妥当な解だと思えます。