読了:約6分(3465字)
公開:2020-11/18
英語名言#007
(私たちにとって最高の栄誉とは、まったく失敗しないことではなく、失敗する度に立ち上がることの中に存在する)
[Ralph Waldo Emerson]
語句・文法・発音の解説
● greatest:最大の/最高の※「great」には「大きな」という意味以外に「素晴らしい、優れた、偉大な」で使われることも多いんですよね。
● glory:誇り、栄誉、栄光
● be in A:Aの中にある
※「A is in B.」は「A lies in B. (AはBにある、存在する)」みたいに使われることがあるなと。
Ex: Your future lies in your hands.(自分の未来は自分の手の中にある→未来は自分次第だ)
Ex: Our greatest weakness lies in giving up. The most certain way to succeed is always to try just one more time.[Thomas Edison](私たちの最大の欠点は諦めることにある。最も確実に成功する方法とは、常にとにかくもう一度挑戦することだ)
● not in A:Aの中にない
● not A but B:AではなくBだ
● never:決して~ない、絶対に~ない、二度と~ない/まったく~ない、少しも~ない
● fail:失敗する、しくじる
● rise up:起き上がる、立ち上がる
● every time S V:SがVする度に
この名言で感じたこと
日本人は「怖がり」が多い
世界中の人たちの考え方を学んでいると、日本人は「失敗すること」を非常に恐れている種族かもしれないと思うようになってきました。いかに失敗しないか、ミスをなくせるか、完璧にできるか。
脳科学者の中野信子さんによると、「日本人は怖がる遺伝子を持つ人が多い」そうです。なるほど、それは仕方ない(笑)
失敗を忌み嫌う国民性?
だからこそ、安全性の高い建物や機械を作れたりできる技術立国になれたのだと思います。ですが同時に、失敗を忌み嫌うがために、新しいことに挑戦するのが苦手だったり、何かに挑戦して失敗した人をバカにするような国民性がある気もします。
例えば開業率。他の先進国と比べると、日本の開業率って半分くらいなんですよね。
【参考】起業の実態の国際比較 - 中小企業庁
あと、最近ふと思ったのですが、失敗したときに「だから言ったじゃない」とかよく親に言われませんでした?もしくは言ってませんか?
これを言われながら育つと、「失敗はよくないもの」「挑戦しても失敗するとバカにされる」というマインドになると思うんですよ。
友達の子供のベビーシッターをやる機会があるので、育児本を数冊読んだのですが(独身なのにw)、「子供が明らかに失敗すると分かっていても、こちらに余裕がある場合は、あえてやらせてみるといい」と書いてあって、なるほどなと。
親が「失敗を恐れて挑戦しないことのほうが問題がある」「失敗しないことよりも、失敗してそこから這い上がる、何かを学ぶことのほうが大事」というスタンスでいれば、失敗に立ち向かう勇気や、失敗してもそこから復活する resilience は鍛えられる気がします。
そういう風に育てられていたら、失敗を過度に恐れたり、「石橋を叩くだけ叩いて結局渡らない」みたいな僕の性格はもっとマシになっていたかもしれない(笑)
失敗の奨励
アメリカでも失敗した人をバカにするのはよく見かけますが、一方で、失敗しても挑戦したことに対して「Good try.」とか言ったりする文化もあるんですよね。「Good try.」に相当する日本語ってない気がします。アメリカのテック業界では、「失敗すること」を奨励する文化があるという話をよく聞きます。
高野:(Google Xでは)失敗して、そのチームが解散したときに、失敗したということに対してボーナスを払うらしいんですね。つまり、失敗することが重要だということらしいんですよ。失敗してなにもなくなるんじゃなくて、失敗することによって残るものがある、と。だからそういう風土が日本にあれば、もうちょっと違うのかなっていう感じはしますよね。
田所:僕もシリコンバレーでやっていて失敗したんですけど、表現として「Failed entrepreneur」ってないんですね。あるのは「Experienced entrepreneur」って言って、要は「経験した」アントレプレナーしかいない。「Failed」という表現を使わないんです。
【出典】シリコンバレーに「経験」はあっても「失敗」はない ユニコーン企業を輩出するアメリカの価値観 - ログミーBiz
まず「Fail first」とは、直訳すれば「早く失敗しなさい」ということです。
「失敗を恐れるな」ではなく、「失敗を許容しよう」ですらありません。これは「失敗の奨励」なのです。日本の感覚では、失敗は避けるべきものだと考えますよね。
しかしシリコンバレーでは「挑戦した結果の失敗は、善である」と捉えているようです。なぜなら「失敗=学びの宝庫」だからです。「フェイル・ファースト」とは、恐れずに挑戦し失敗するまでやってみる、失敗してもそこから学べば次の成功に近づく、という考え方になります。
また、シリコンバレーには強いフィードバック文化があり「ネガティブフィードバックは宝である」とよく言われます。
皆、自分のパフォーマンスや行為に対して「私のパフォーマンスはどうでしたか? ぜひフィードバックを下さい」と他者の意見を求めます。失敗からの学びと同様に、批判的な意見に対しても、皆そこから学んで成長していくのです。
職場で上司から「絶対に失敗するなよ?」と言われるのではなく、「早く失敗できるように挑戦し続けなさい!」と言われることを想像してみてください。恐怖を乗り越えてトライしようかな…という気になってきませんか?
【出典】イノベーションを巻き起こす「失敗の奨励」という考え方 | ウェブ電通報
こういう環境に身を置けば、朱に交われば赤くなるので、失敗に対する恐怖心は薄らぐだろうなと。
以前、林修先生のテレビ番組で、ある東大の学生が「東大に入る秘訣は?」と聞かれて、「東大をめざしている人たちがいる環境に身を置くこと」と言っていました。
The easiest and most powerful way to change your behavior is to change your environment.[Eric Barker](自分の行動様式を変える最も簡単で強力な方法は、環境を変えることだ)
失敗をさらけ出すメリット
このブログを立ち上げたときから、なるべく自分の失敗を晒すにようにしてきました。僕の失敗を参考にしてもらえば、読者さんはより早く成長できる&目標を達成できるようになるんですよね。
Learn from other people's mistakes. Life is too short to make them all yourself. [Sam Levenson](他者の失敗から学べ。すべての失敗を自ら経験するには人生は短すぎる)
失敗に対する恐怖が消えることはないですが、「挑戦して失敗しても、ブログのネタになるし、誰かの役に立つからいいか」と考えられるので、何かに挑戦するハードルが下がると感じています。
また、個人的には自分の成功談ばかり話す人よりも、失敗談もたくさん話してくれる人のほうが人間味があって好感が持てるんですよね。
YouTuberでも「俺スゴイだろ~」みたいな人よりも、アンジャッシュの大島さんみたいに、カッコ悪いところも全部さらけ出している人のほうが親近感を感じます。
この記事で、失敗に対する恐怖心が減り、挑戦する意欲が湧いてくれば幸いです。
関連名言
(打ちのめされるかどうかではない。起き上がるかどうかなのだ)
[Vince Lombardi]
(成功はそこで終わりというわけではない。失敗しても命は取られない。大事なのは続ける勇気だ)
[Winston Churchill]
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