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公開:2015-09/25
関連:発音 - 重要発音 - 音変化 / ディクテーション / シャドウイング / リピーティング / ICレコーダー
例えば「year [jɪr]」と「ear [ɪr]」の「イ」の部分って違う発音なんです。
でもたいていの場合、会話の流れとコロケーション(一緒によく使われる単語の組み合わせ)から聞き分けられますし、スピーキングでも誤解されることはまずないです。この2つの音の違いは、正直、僕もまだよく分かっていないのですが、困ったことはないです。
こういった「発音できるに越したことはないが、時間対効果を考えると優先度は低い音」は後回しでいいと思うんです。それよりも「聞き間違える or 言い間違えると困ることが多い発音」を先に練習したほうがいいなと。
というわけで、「発音やりたいけど、忙しくて練習する余裕がない」という方のために、TOEICや英会話をやってきて最も重要だと感じた発音13種を、主観で選んでみました。
また、YouTubeで発音のコツを解説して下さっている先生方の動画も貼り付けてみたので、『英語耳』で練習されている方も「口や舌の動かし方」など参考になると思います(・∀・)b
1. 最優先で学ぶべき重要発音13種
この記事でご紹介している発音は、アメリカ式発音です。イギリス発音だと異なってきます。
時間ができたら、「TOEICで注意すべきイギリス発音」みたいな記事も作ろうと思っています。
子音「L・R」
R:舌をどこにも付けず、かつ、後ろに引っ込める感じ(舌の先端を丸めない)
また、「L」は口の前のほうで、「R」は喉の奥のほうで発声するのも重要なポイント。
そして、次の動画の兄ちゃんが「1:04」で説明してくれてるように、「R」は口を丸く、「L」は少し横に広げる感じ。
さらに、「R」に関しては、次の先生が「3:05」からおっしゃってる
というのを意識するようになってから、「R」は以前よりも少しアメリカネイティブっぽくなった(気がします)。
子音「S・SH・Z」
「S」の音は、『英語耳』にも書いてあるように、日本語の「サ行」よりも強く発音したほうが、ニュアンスが出ます。また、「S [s]」と「SH [ʃ]」の違いが重要。「Sit down here.(ここに座りなさい)」を「Shit down here.(ここでウ◯コしろ)」と発音すると笑われます。
「SH」は、日本語の「シ」よりも強めに発音するイメージです。「あっち行け、シッシッ!ヾ(゚Д゚ )」の「シッ」に近いです。
「She sells seashells by the seashore.」は、『英語耳』のCDで何度練習したことか(笑)
子音「TH」
「S」と「TH [θ]」の違いが分からないと、「saw [s'ɔː]」と「thought [θ'ɔːt]」などを聞き間違えたりするので、けっこう重要な発音です。バイリンガール・ちかさんの「TH」はとにかく舌を出す!はすごく分かりやすかったです。舌を出すと、「T」「D」の発音とも間違えにくくなるんですよね。
あと、自分的には出した舌先と上の歯の間から、強めに息を吐くようにすると、「S」音との違いが分かりやすくなりました。
母音「hot・hat・hut」
「hot」
「hot [hάt]」の「ά」の音は、日本語の「ア」よりも口を少し大きく開ける感じです。「box [bάks]」は「ボックス」よりも「バックス」に近く、「modern [mάdɚn]」は「モダン」よりも「マドゥン」に近いです。「hat」
「hat [h'æt]」の「æ」の音は、「apple ['æpl]」でお馴染みだと思いますが、日本語の「ア」よりも口を大きく開けて「エ」と発音をするとうまくできると思います。「hut」
「hut [h'ʌt]」の「ʌ」は、口を大きく開けないことと、音を出した後に喉を閉めることと。ちなみに、「ピザハット」の「ハット」はこの「hut」です。でもあの赤い物体は「hat」に見えるぞピザハット。
母音「work・walk」
TOEICのPart 1でよくツッコまれる「work [w'ɚːk]」と「walk [w'ɔːk]」です。「work」
「work」のポイントは2つ。1つは、「work [w'ɚːk]」の「ɚː」の発音で口を大きく開けないこと。口を大きく開けると「άɚ」の発音になってしまいます。
次のロビー先生の動画(0:09)の口元をよく見て下さい。「walk」は大きく口が開いてますが、「work」の口は小さいです。
そして2つめは、「work [w'ɚːk]」の「ɚː」の発音で「R」同様に、舌を後ろに引く感じです。
ちなみに「third」「heard」「early」「learn」「word」はすべて「ɚː」の発音です。
「walk」
逆に、「walk」の「ɔː」のアメリカ英語の発音は、日本語の「オー」と「アー」の中間な感じです。「アー」と発音してるように聞こえる人も多いです。「cause [kˈɔːz]」が「カーズ」、「brought [br'ɔːt]」が「ブラート」と聞こえることも多いです。
念のため、もうお一方の動画も載せておきます。
母音「heart・hurt」
「heart [hάɚt]」は「ά」の音が入っているので、わりと口を大きく開けますが、「hurt [h'ɚːt]」は「ɚː」の発音なので、「work [w'ɚːk]」と同様、口は大きく開けません。ただ、どちらも「ɚ」の音があるので、「R」の発音が必要(舌を引っ込め、喉の奥から発音)になります。
2. 忙しい人のための発音練習の進め方
『英語耳』などの「発音練習本を買ったけど、練習する時間が作れない…orz」という方も多いと思います(^_^ゞ
そういった方のために、短時間で発音を練習する方法を2つ挙げておきます。
(1) ショートバージョンを作って練習する
例えば、上述の発音(or 特に練習したい発音)だけをピックアップして、スマートフォンやMP3ウォークマンに入れて毎日練習する方法。『英語耳』の付属CDは全部通すと30分くらいありますが、5~10分くらいのショートバージョンを作って練習するのであれば、毎日続けられると思うんです。
それを1~2ヶ月くらい毎日練習してみて、「だいぶ慣れてきたな」と思ったら、まだ練習していない発音のショートバージョンを作って練習していきます。
「いや、5~10分も厳しい」というAKBや嵐くらい忙しい方は次の方法。
(2) 1週間1種(1音)ずつ練習する
「今週は『L・R』だけ練習する」というやり方です。「今週は◯◯の発音の強化週間!」みたいな感じ。勉強開始前に、『英語耳』の「L・R」だけ練習します。おそらく2分くらいで終わります。
そして、普段の音読・【 オーバーラッピング 】(CD・MP3音声に合わせて音読)・【 シャドウイング 】時に、今週強化したい発音に注意して音読します。
これだと、時間の負担にはなりにくいのではないでしょうか?
もし「1音当たり1週間じゃ物足りないな…」と感じるようであれば、1音当たり1ヶ月にしてもいいと思います。
すべての発音やり終えるのに、かなり日数がかかることになりますが、いずれにせよ「発音は一日にして成らず」なので、こんな感じでゆっくりやっていても全然問題ないです。
僕も音読していて「アヤシイな…」と感じた発音は、その都度YouTubeの動画で練習して、音読時に意識するようにして矯正していっています。
3. 音の連結・消失も忘れずに!
発音練習と同じくらいに重要なのが、音の連結(リンキング)・消失です。
「なんかプリリンって聞こえたんやけど、put it in のことだったのか…」という風に音が連結して聞こえたり、「won't be able to の「won't」の「t」の音って聞こえないな…」という風に音が消失するケースがあります。
音の連結・消失には一定のパターンがあるので、それを最初に学んでおくと、「なんでこんな発音になるねん!」とブチ切れする回数を減らすことができます。
【 ディクテーション 】をするときにお薦め。
音の連結・消失のパターンについては、次の記事でかなり詳しくまとめてあるので、よかったらぜひ(`・ω・´)b
【参考】初心者必見!リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール
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