F&D#1 Whisky Lactone
Portlandからもって帰ってきたbourbonが残り少なくなってきました。かなり小さな蒸留所のbourbonなのですが、なかなかいいお酒を作っていてついつい飲んで応援したくなるようなお酒です。見つけてきた私より、妻のほうがはまっているような気がするのはお酒のせいではないような気もします。私も妻もwineも好きで、bourbonを含むwhiskyも好きですね。あの香りの複雑な組み合わせと変化はもう、長く人を魅了しているのが良くわかります。
whiskyのあの樽の香りの成分として、whisky lactone(ウイスキーラクトン)というのがあります。発見されたのはかなり新しく1970年でSuomalainenらによります。この成分は、β-methyl-γ-octalactone とか quercus lactoneとも呼ばれ、このquercusというのは、オークoak treeQuercus albaのラテン語名に由来します。素敵な名前をつけるなぁ、、、なんて思ってしまいます。そして、1996年には前駆体がオークから単離され(Tanaka, T.; Kouno, I. (1996)) 、この香り成分が樽からやってくるであろうという推測は、化学的にも支持されています。この香りの成分はstereoisomer立体異性体があり、天然中には(4S,5S)-cis-体と(4S,5R)-trans体が存在します。それぞれに少し異なった香りを人間は感じるようですね。
まあ、もちろんそれだけの香りがwhiskyのあのふくよかな香りを作っているわけではないのですが、whiskyを飲んでいるときに、この五員環lactoneを想像することで、おいしいお酒がさらにおいしく、心地よく酔える人もいるかもしれませんね。(えええ?って声が聞こえそうですが、、、いますよね、いますよね?)