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なんでもない日々となんでもないこと。

東京#33 谷中歩き

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古い街並みで小さな軒がたくさんあり、「家は狭いけど心は広かった」という言葉が似合う。

昨日書きました「その日暮らし」の森まゆみさんは、「鷗外の坂」などの作品を書かれた方ですが、地域誌「谷中・根津・千駄木」(2009年に終刊)の編集人という方がよく知られているかもしれません。私は社会人になるまで東京にほとんど縁がなく、知っている土地といえばせいぜい古本屋の町、神保町ぐらい。あとは本で読む地名ぐらいで、谷根千も同じく本で知った場所です。

この地域は古い街並みが残っている場所で、戦災がほかに比べ軽かったことや、戦後復興の開発を免れたためといわれています。「その日暮らし」の中でもその風景が随所に出てきます。読んでいるとこんな雰囲気なのだろうなぁ、というのを感じます。

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古い街並みが残されている中で、新たなお店もできています。先日12月23日に鶯谷から日暮里、そして谷中のあたりを散歩いたしました。冬のいい空でした。谷中を一回りして根津駅のほうに坂を下ったところにあるBONFIREというCaféに入りました。

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お腹がすいたのでお昼にいたしました。ちょっと辛めでしたが軽く疲れていた私にはちょうどよかったです。

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カウンターに座っていると、席を一つあけて馴染み客が同じようにランチを注文して、街歩きの先生の話をされていましたので静かに耳を傾けていました。休みの日は随分と散歩客が多いようですね。

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お昼からbeerというのもいいかなぁ、とも思ったのですがCaféと書いているのでやっぱり初回はCoffeeを頂きました。深煎りで香りよく、おいしく食後のCoffeeを頂きました。こういう一人でCaféに入ったときはゆっくりと本でもと思って数冊持ってきたのですが、窓から入ってくる冬の光を眺めながらぼんやりしておりました。こういう日もあっていいですね。

Category : 関東
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Days; 本。森まゆみ著「その日暮らし」。

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随分とご無沙汰しておりました。一月半も何をやっていたか、というと仕事に追われていたというのも理由の一つであるし、はたまた体調不良で病院に行ったりしたりしていたというのがあって元気がなかったのもあったり、忘年会で飲んでばかりいたりであったりといろんな理由があるのですが、書かないと書けない、というのが一番の理由かもしれません。

久しぶりのupdateなので、私の生活に密着した「もの」の中から拾いたいと思います。

今回は本。森まゆみ著「その日暮らし」。そのエッセイ集にある「笑顔の記憶」では、交友のあった須賀敦子さんのお思い出がかかれています。親子ほども年の離れたお二人の友誼のごくごく一部のお話。須賀敦子さんのことを「辛辣で元気で、いい意味でいじわるで、すてきにワガママな町っ子だった。」と表わしている。須賀さんの本を読んでの感触とぴったりだなぁなんて思う、さすが。

「新しい年になり、もうちょっと伺える状態ではありません、と担当の人から聞いたとき、私は、自分の感謝を伝える機会を失ったと知った。自己満足でも、お見舞いに行って「須賀さん、好きです」といえばよかった。」という森さんの言葉は、そういうことはどこにでもあるけれども、切ないですね。

「嫉妬や劣等感を持たなかったとはいえない」と書き、「しかしいま、目の底にうつるのは、レモンをしぼったときの、水々しい香気が広がるような、あの笑顔だ。」と、書いています。そんな風に笑顔でもなんでも、思い出していけるような人とのおつきあいが、ひとつでも多くあることは幸せなことですね。

Category : Days
Posted by TORU on  | 4 comments  0 trackback
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