島根#17 「しろがねの葉」 千早茜 著
おはようございます。昨日は体調を整えるために家籠り。朝は豆カレーを食べたのですが、その後、体調がすぐれず、夕方まで寝込んでいました。夕方になってから近所のラーメン屋さんに行くのに出かけましたけど、それも家に近かったのでさっさと帰ってきて、また家籠り。ふぅ。体調は戻っているだろうか。
さて先日ね島根出張に行った際、石見銀山を通った際に世界遺産センターに立ち寄ったといいましたけど、世界遺産センターにも「しろがねの葉」のサイン本が展示されていました。第168回直木賞を獲ったからねえ。新聞の切り抜きも展示されておりその記事を読んで、本が読みたくなったので、週末に買ってきて読んだ次第。久しぶりに山陰中央新報の記事読んだな。
戦国時代末期、唐入りによる混乱と凶作によって村から夜逃げをしようとした一家。しかしそれが失敗し主人公の少女ウメは両親とはぐれる。迷い逃げた先でたどり着いたのが銀山の石見だった。ウメは山師の喜兵衛に拾われ、銀山で生きていくのに必要な知恵を授けられ、そして自らもそれを得ていく。夜目のきくウメは間歩の中で重宝されるが、大人になるにしたがって好きに生きることができなくなる。でも生きる。
堀子たちが長生きできない銀山では「女は三たび夫を持つ」と言われた。職業病として胸を患い、早死にすることがわかっていても命を賭して山に穴を穿つ男たち。そんな男たちを看取り、夫に先立たれた女たちは他の男に嫁ぐ。産まれる子たちもまた働き手として山に生きる。生きることと死ぬことが切り離されておらず、生をより鮮明にさせる。いろんな生が繰り返されて今に繋がっている。
徳川の世になり銀山経営がよりシステム化されていくことや銀の世界的な流通が物語の背景にあり、銀山で生きる人々の生を吞んでいく。常闇が人を呑む。
いい作品でした。とりあえず、一緒に出張に行っていたM君も読みたいと言っていたので、本はM君に貸しました。