2021年09月27日

去るとわかると・・・

何ともアンビバレントな思いを持ってしまうのは、なぜだろう。
横綱の白鵬翔関が現役引退の意向を固めたとのことで、朝からこのニュースが持ちきりになっていたように思えます。


白鵬関は父親がモンゴル相撲の横綱とも言える地位の方で、レスリング選手としてオリンピックにも出場している経緯を持っています。父親のように活躍したいとの想いをもって15歳(2000年秋)の時に日本にやって来ています。しかしながら、いわゆる小兵だったため、入門先が見付からず、帰国するすんでのところで今所属する宮城野部屋への入門が決まります。今もそうだったかと思いますけど、外国人力士の入門数は部屋に1人か2人だったかの制限があったので、当時入門を決めた親方の先見の明はすごかったと思わされます。
入門後は厳しい稽古に耐え、関取になっている先輩力士衆の胸を借り、自身の相撲勘を磨いたところ、18歳の若さで新十両・新入幕(関取)の仲間入りを果たしました。その後の出世も早く、22歳(2007年秋場所)で横綱になります。
当時の横綱は朝青龍関が全盛期の時代。しかしながら、横綱昇進3年後の2010年に不祥事(暴力事件)で引退に追い込まれると、2012年の日馬富士関が横綱に昇進するまで、一人横綱としての責務を全うしています。
その間も相撲の基本(準備運動)である四股(しこ)と鉄砲を忠実に行い、他の誰よりも稽古を積みながら、かつて大鵬関の持っていた32回の優勝記録更新を目指し優勝を重ねていきます。そしてその記録は、大鵬関の亡くなった2年後の2015年初場所に達成します。

ただ、この記録を抜いた辺りから、年齢的な面や横綱のプレッシャーからなのか、取り組みなどに粗暴な面(いわゆる横綱としての品格を問われる場面)が目立ってきたように思えます。勝ち上げ・張り手・変化(立ち合いなどに急に行動を変える行為)を代表するように横綱らしからぬと親方衆が称する無理な取り口や勝利後のガッツポーズ、さらにはインタビュー中の問題行動や不平を漏らす行為などがその一例でしょう。それでもなお、彼に勝る力士というのは終(つい)ぞ現れなかったとも個人的には思っています。横綱審議委員会の矢野弘典委員長の残したコメントである「横綱在位中の実績は歴史に残るものがあった」が「粗暴な取り口、審判に対する態度など目に余ることが多かった」が、それをますます思わせます。
これも恐らくですが、ひざの状態の悪さよりも照ノ富士関が横綱に上がったことで、自分の役割を終えることができると悟ったのではないかと思いますし、東京オリンピックまでは現役を続けると言っていたので、東京オリンピックの終わった後、続ける理由が無くなったのではないかなとも思えてならないのです。現役終盤のケガがちだった点とモチベーションが無くなったことと昨今の取り口を見ていたら、引退も至極当然の流れだと思っています。それゆえに、引退意向のニュースを聞いても、全く驚かなかったですね、正直。


じゃあ何でアンビバレントとまで評したのかと言えば、やはり白鵬関を越える力士が現れなかったのと宮城野部屋で新型コロナウイルス感染者が出たために出場できなかったことじゃないのかなと。先述の通り、ひざの状態が悪かったため相撲を取れる状態じゃなかったと言っていますが、これは詭弁だなと。恐らく秋場所は土俵に上がって自分の相撲ができるか否か様子を見ていたと思います。その過程で負けが込むようなことがあれば休場→引退の流れだったのかなと思っています。これで勝ち越すようなことがあれば、彼のことですから九州場所も土俵に上がっています。だからこそ、九州場所に上がって引退を決めてほしかったとも思っています。でなければ、何でこんな潔さをもっと前に見せなかったのだと思えたからです。ちょっと後味の悪い引退の仕方だったなぁ。本人自身が不祥事を起こしたわけでないので、なおさら。


引退後は、年寄株をもらい親方の道に進むとのこと(2019年に日本国籍は取得済みのため、親方にはなれるようになった)45回優勝の記録は伊達ではないので、後進を育てる際には基本に忠実なかつての姿を仕込んでほしいことと自らの教訓を後進にも繰り返させないよう心技体の教育もしっかりとやってほしいものです。平成の大横綱・モンゴルの新たなる英雄白鵬関、本当にお疲れ様でした。


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2017年01月21日

稀勢の里、涙の初優勝

大相撲初場所は14日目に優勝が決まりました。


これまで横綱の白鵬関とデッドヒートを繰り広げていた大関の稀勢の里関が、今日の取り組みで逸ノ城関を寄り切りで破り、白鵬関が貴ノ岩関に寄り切りで敗れたことで、稀勢の里関が13勝(1敗)になったため、稀勢の里関が初めての優勝を飾りました大関になってから31場所目、これまで優勝に近付いたことはあっても、最後の最後で逃すということが度々あったため、優勝が決まった後、支度部屋で行われたインタビューでは涙を流してその喜びを噛み締めていました


稀勢の里関は2002年春(大阪)場所で初土俵を踏み、2004年夏場所で十両に昇進同じ年の11月(九州)場所で幕内に昇進しました。2012年に大関にまで上り詰めたものの、そこからが苦難の連続でした。
今回の優勝までに4回横綱への挑戦をしている(今回の優勝した初場所は実に5回目の挑戦だった)のですが、序盤で負けるなど平幕に簡単に負ける、プレッシャーに弱い、メンタルが弱い、順調な成績を収めていても翌場所でケガに泣かされたり簡単に負け越すなどの運の悪さも重なって、優勝したことがなかったのです。ただ、ケガによる休場は2014年初場所の千秋楽だけなので、身体そのものは丈夫な方だと思いますよ。

それでも技と体は十分なものを持っており、中でも2016年の年間勝ち星数は、優勝していないにもかかわらず、69勝と最多勝を獲得しているほど。なぜなら、三役(および経験者)や横綱との取り組みには強く、ほとんど負けていないからのです。それゆえに、一皮むければ横綱も近いとは言われていました


今日優勝が決まったことで、横綱審議委員会も、明日の取り組み(明日は白鵬関との取り組みが決まっている)での勝ち負け関係なく横綱に推挙するのではないかという含みを持たせていますこれまでは13勝の場合は審議になると言われていたので、綱取りに大きな前進になったとも言えるのですけど、まだ最後の取り組みが終わっていない中でお墨付きを与えてしまうのはどうかなと思ったんですね。やっぱり最後の最後まで気を引き締めてもらいたいです。もちろん優勝したので、この一言になったのだとは思いますが。


稀勢の里関は、白鵬関との取り組みでも気を抜かずに、最後まで戦い抜く気持ちで挑んでもらいたいものです。最後に負けてしまったら、ファンにケチを付けられかねないですからね。誰もが納得する結末を自分の手で切り開いてもらいたいものです。


最後に、優勝おめでとうございます。とにかくまずは白鵬関に勝って胸を張って横綱になってほしいです。


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2016年11月27日

横綱・大関を破っても・・・

負け越したら意味がない。


大相撲九州場所は今日千秋楽を迎え、幕内は既に昨日鶴竜関が優勝を決めています。しかし、もったいないなと思ったのが遠藤関
今場所調子がよく、1横綱2大関を破って殊勲賞候補にまでなっていたものの、後半に失速。そして千秋楽に玉鷲関に敗れ、敢闘賞を逃すだけでなく負け越しにまでなってしまいました

遠藤関は、ここぞという時に負け越すことが多く、それで昇進を逃しているように感じているのです。ケガもあって十両に落ちてから奮起して、やっと幕内に戻ってきたのに、その後は前頭で上位と下位を行ったり来たり今場所も前頭3枚目まで付け、いよいよ初の三役・・・というところまで来ていたのに、また負け越し。恐らく前頭10枚目あたりにまで落ちるんじゃないのかなと感じています


そろそろもう一皮むけてくれないと、下位にかっさらわれるぞ・・・。確かにまだ若手ではあるものの、実力はあるんだから。


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2016年05月22日

白鵬、12度目の全勝優勝

大相撲夏場所は今日千秋楽を迎え、既に優勝を決めていた横綱の白鵬関が、これより三役で挑んだ横綱の鶴竜(かくりゅう)関にうっちゃりで勝ち、12度目の全勝優勝を果たしました。
15日間で危なかったのは今日の取り組みくらいなのではないのでしょうか。その他の取り組みは危なげないどころか、安心安定の横綱相撲。特に13日目の稀勢の里関との一戦は、正しく横綱相撲を体現したものでした。相手にまわしを取られても動じることなく逆に打って出て勝ったわけですから。
白鵬関には、だめ押しなどの問題行動もあるものの、かつての謙虚さを取り戻せば、まだまだ横綱として安泰なような気がします。変に色が付いてしまったり、粗暴になってしまえば、強くても横綱としての寿命は短くなるのではと思っております。


しかし、この白鵬関の勢いを止められる力士はいるのでしょうか
最有力候補は、今日13勝した稀勢の里関なんでしょうけど、ここ一番の弱さが12・13日目に出てしまったので、これを封じ込めない限り、横綱にもなれないでしょうね。そうなると、琴奨菊関とかになるのでしょうけど、今場所はパッとしなかったんだよなぁ・・・。

ちなみに、今場所は若手が活躍し、長野県出身の御嶽海関が11勝し敢闘賞を受賞遠藤関も敢闘賞は受賞できなかったものの、11勝として幕内復帰後としては上々の成績を収めました。恐らく共にご当地場所となる名古屋場所では小結ないしは前頭上位に上がってくることが予想されるだけに、上位陣との対決は待ったなしの状況になるでしょう。ここでいい勝負ができれば、三役も間違いないと思いますから、一生懸命稽古に励んでほしいものですね。


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2014年07月20日

3つ目の金星はならず、でも将来の勝ちを引き寄せる貴重な一戦

大相撲名古屋場所、台風の目になっている力士の一人、大砂嵐関はいよいよ横綱白鵬との一番となりました
場所前のインタビューの際に白鵬関に対する取り口を明かしているだけあって、本当にそう攻めるのか、得意のかち上げで向かっていくのか、楽しみな一番となっていたかと。
私は先述のようにサッカー観戦に向かっていたので、取り組みはスポーツニュースで見る程度だったのですが、かち上げはやらなかったんですね。
オーソドックスな組み手で挑んだのですが、相手の白鵬関が攻めあぐねいているんじゃないのかと思わせるような取り口だったので、もしかしたら奇襲のように思われたのかしら

大砂嵐関もやればできるじゃんと思いましたよ。
相手の動きを上手く封じ、積極的に前に出ようと画策していましたね。これでいいと思います。しばらくは実績が出ないかもしれませんが、あきらめずにどんどん行っていけば必ず突破口は見つかるはずです。攻め口も広がって相手は戦々恐々となるかもしれません。


横綱に今回の手で負けても、有効であることは掴んだはず。今回のような取り口をもっと磨きを掛けて、格下でも格上でも関係なく織り交ぜてみましょうよ。きっとすごい力士になるはずです。


五分になったけれども、これからまだ勝ち越せる。頑張れ、大砂嵐関。


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2014年07月18日

何と何と大砂嵐・・・

大相撲名古屋場所は序盤から驚くような展開を見せております。
中でも大砂嵐関は、2人の横綱(昨日(7/17)は鶴竜関、今日(7/18)は日馬富士関)を破るという戦後初の快挙を成し遂げました。

大砂嵐関の最大の武器は、かち上げと呼ばれる自身の腕を胸に構えた状態で、立ち会い後すぐに相手の胸にめがけぶつけるというテクニックを多用しています(実際それを使って遠藤関を破った取り組みもある)が、今場所では上手くいく時と上手くいかない時とがはっきりとしており、特に上位では上手くいかない時の方が多くなっていました。しかしながら、金星を取った2つの取り組みは、もう一つの武器である変わり身の早さと速攻が効果的だったと思っています。
様々な親方・解説者に指摘されていましたが、かち上げだけでは勝てないと言われ続けていました。しかし、今回のように切り返しが上手く機能し、また変わり身の早さを上手く生かせれば、かち上げでダメでも上手く持ち返せるのではないのかと思います。またかち上げを使わないで勝てる相撲が構築できるのかもしれません。逆に言えば、かち上げは必殺技のように使うこともできるのです。鶴竜関がかち上げを恐れていたという点で、その有効性が見て取れるわけです。


そして、横綱との取り組みはまだ一つ残しています。そうです、白鵬関です。その白鵬関との取り組みはまだわかりませんけれども、好調を維持していれば、近いうちに対戦が見られるのではないかと思います。
できればこの好調を維持して、勝ち越した後や直前で思い上がらずにいけば、今場所2ケタ勝利も見えるはずです。できればここで2ケタ勝利を挙げて三役に上がれればと思っております。


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2014年05月08日

まげを巡るミステリー?

大相撲幕内にいる遠藤関が、この度やっとまげを結えるようになりました。本人いわく、5月のキリのいい時期(5/1に初結い、報道陣への公開は翌日の朝稽古から)に髷が結えたことに、すがすがしいとご満悦でしたね。ざんぎり頭も気にしなくてよくなったそうなので、稽古にも集中できるようですし。


ところが、本当に5月で初結いだったのかと疑問を呈する出来事が起こったのです。
きっかけは永谷園のCM
新しく収録することになったのですが、何とまげを結って挑んだのだそうです。この収録、永谷園は4月中と明言し、関係者に至っては4月上旬と言っているのですから、その差1ヶ月遠藤関はタイムマシンにでも乗って来たのか、その間の記憶をスポイルされたのか、全くの食い違いに誰もが首をかしげてしまいそうでした。
どうやら撮影の演出の一環のようで、非公式にやってみたら結えたというのが結論のようです。でも、CMで結ったまげは後録りのモノだった、いや合成だ、いやいやCGだ・・・と様々な説が出てきてもおかしくなく、仮にそういう話が出てきても、それはそれで面白いかも。

これだけ注目されているのは、遠藤関がこれからの相撲界のホープだからだと思います。ゆえに、まげが初めて結えるようになった夏場所では、いい成績を収めてほしいものです。


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2014年03月18日

優勝争いから一転負け越しの危機へ

大阪のボディメーカーコロシアム(大阪府立体育館)で行われている大相撲春場所(通称大阪場所)。
今場所も白鵬関の盤石な取り組みが光る中、同じ横綱で休場明けの日馬富士(はるまふじ)関の奮闘も目立ち、やはり相撲は横綱が双方いてこそ・・・思わせる日々が続いております。また綱取りを目指す鶴竜(かくりゅう)も1敗で、カド番脱出を願う稀勢の里関も2敗で続いており、こちらもなかなかの頑張りようではないかと思っております。春場所は『荒れる春場所』とは言いますが、今場所はいい具合に荒れてますね。

そんな中、前頭11枚目ながらも前半戦は無敗で絶好調だった大砂嵐関持ち前の力強い取り組みが今場所大きく発揮されており、もしかしたら上位の取り組みも見られるのではないかな・・・と期待しておりました。ところが、中日(なかび)である8日目(3/16)に行われた遠藤関の一番が、彼にとってどん底に突き落とされる取り組みになろうとは誰も思ってなかったですね。しかも勝ち越しの掛かった大一番だっただけに。
この取り組み、九分九厘大砂嵐関の勝ちだったものの、土俵際で遠藤関がうっちゃって逆転負けになってしまったのですが、その際に右脚の付け根を痛めてしまったのです。その影響か、昨日の取り組みも負けてしまい悪化、遂には右股関節痛で休場となってしまいました。
今後数日間は様子を見て復帰するか決めるそうですが、あと1勝と思えば出てほしいと思いますし、だからといって強行軍で出場して今後の土俵人生を縮める結果になってしまっては非常にもったいないことになってまう。今回の一件、若い大砂嵐関にとっては、今回の一件は私達が思う以上に大きなジレンマに陥っているのではないかと思っております。ここは親方が冷静になって本人の思いを慮りながらも、いいふうにアドバイスしてあげられればと思っています


どんな結論に至っても腐らず、神の思し召しと受け止めてほしいものです。まだ先は長いのですから。


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2014年01月26日

綱取り一変カド番に

東京・両国国技館で行われた大相撲初場所は今日で千秋楽。
優勝は白鵬関でしたが、今日の取り組み(本割)で1敗で追い掛けていた鶴竜(かくりゅう)関に負け、優勝決定戦で勝ったという波乱含みの展開でした。


しかし、今場所一番の注目は稀勢の里関が久しぶりの日本人横綱になれるかどうかというところだったはず。それなのに、稀勢の里関は初日で負けたことで調子に乗れず、遂には右足親指のケガで千秋楽を休み負け越しという全くいいとこなしの結果となりました。来場所の大阪場所では角(かど)番(現在は主に大関や幕内・十両陥落直前を指す言葉だったが、本来は大関・関脇・小結といった正三役の下に位置付けられること指し、ここで負け越しになると各地位より一つ下に陥落することになる)でのスタートを余儀なくされました。

逆に14勝1敗で白鵬関ともいい相撲を取った鶴竜関は、次の大阪場所が綱取り場所になります。北の富士理事長は私見としながらも13勝以上が綱取りの条件(審判部とは若干相違はあるらしい)としており、恐らくこのあたりないしは優勝が最低条件になってくるものと思います。


しかしながら、準優勝を決めた鶴竜関も結局負け越した稀勢の里関も初日が残念でしたね。
鶴竜関は初日さえ勝っていれば千秋楽どうなっていたかなと思いましたし、稀勢の里関は初日でバランスが崩れちゃったなとも。稀勢の里関の場合は周囲の環境も影響しているとも考えられますが、いずれにしても度重なるプレッシャーに打ち勝てねば横綱になれないという教訓を得たのではないかと思います。


さて、大阪場所は鶴竜関の綱取り、稀勢の里関の角番脱出以外にも若手力士の遠藤関・大砂嵐関の目覚ましい活躍が見られることでしょう。早くも大阪場所が楽しみになってきましたね。


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2013年11月24日

やり直しだが仕方ない。まだ若いんだから何にでもなる

今日で大相撲九州場所(福岡国際センター)は千秋楽になり、今年の相撲も終わりになりましたが、優勝の決まる取り組みはあっけない幕切れでしたね。
白鵬と日馬富士が互角の勝負を見せていたのですけど、取り組みの途中の日馬富士の一押しが白鵬の足を出したということで日馬富士の勝ちに。拾い物の勝ちで優勝を収めました。


その一方で、負け越しで今の地位から陥落する力士、状況によっては今の番付からさえも陥落する力士が現れてくるのも相撲の厳しいところです。


その中で快進撃を続けていた2関取もその相撲の厳しさに揉まれてしまいました

まずは幕下付け出しから上がって来た遠藤関名古屋場所で十両優勝し、新入幕でもそれなりの成績を収め、いい地位に位置付けられたことから期待された方も多かったことでしょう。
しかしながら、遠藤関は足のケガに悩まされ苦戦続きになり、早々と負け越しが決まってしまいましたケガ次第では来年の春場所の出場も危ういだけに、まずはしっかり養生してほしいと思いますね。

もう一人は新入幕を果たした大砂嵐関エジプト出身でアフリカ初の力士(関取)ということで大きく注目されていました。しかしながら幕内の実力は快進撃をしてきた彼の力をもってしても打ち破れなかったようで、星取りを五分にしたのは立派でしたが、千秋楽に力尽きたというふうでしょうか。
まだまだ相撲に粗い面が目立ち、力に頼り切ってしまっている面も垣間見え、もう少し腰を落ち着けてどっしりと構える取り組みができればいいのにとも思えますけれども、ここまでやって来たのは立派です。再び十両で修業し直すことになりますが、ここで腐らずもう一度幕内力士にリベンジするんだという意気込みで頑張れば、必ず活路は開けると思います


来場所の若手2関取の取り組みに期待すると同時に次世代のホープとして頑張ってほしいものです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:29Comments(0)TrackBack(0)

2013年05月24日

エジプト初の関取に

今日、両国国技館で行われた大相撲夏場所で、エジプト出身の大砂嵐関が7戦全勝になったため、名古屋場所での十両昇進がほぼ確実になりました。同時に幕下優勝をにもなりました


大砂嵐関はアフリカ(正確には中東ないしはアラブ系)初・の力士で、イスラム教徒初の力士でもあります。
イスラム教徒ということもあり、日中のお祈りは欠かせない、ラマダンと言われる断食月がある、食習慣の関係で豚肉などが食べられないなどがありますが、それらを乗り越えて2年8場所で一気に十両まで進めていきました
元々大砂嵐関はエジプトでも強い力士で、国際大会(ジュニア大会)でも3位になるほどの実力も持っていました。ゆえに、ここまで上がってこれるのは半ば当然という向きもありますけれども、言葉の違い・風習の違いを乗り越え、日本で相撲取りになりたいというハングリー精神でここまできたのですから、素晴らしいと思います。
まだまだ稽古でもままならないところがあったり、奔放なところや力士としての自覚という面ではまだまだなところもありますけれども、心技体というのは自然と身についてきますし、親方の愛情でいかようにも育まれていきます親方や仲間内が特別扱いせずに一緒にやっていく仲間として、時に優しく時に厳しく接していけばきっと立派な関取りになれると思います。


相撲界のワールドワイド化にさらなる貢献が果たせるように、これからも相撲道に精進してほしいと思います。
いやぁ、大砂嵐関の雄姿を一回名古屋場所見に行きたくなってきたなぁ・・・。


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Posted by alexey_calvanov at 23:54Comments(0)TrackBack(0)

2012年09月23日

日馬富士、独走で横綱へ

今日で大相撲秋場所(両国国技館)は千秋楽。これまで全勝でぶっちぎろうとしていた大関の日馬富士(はるまふじ)関が、横綱白鵬関と対決。実に2分弱(1分50秒)の大相撲の末、日馬富士関が下手投げで勝ち、2場所連続の全勝優勝を成し遂げました
この優勝で、横綱の条件とされる大関での2場所連続優勝を果たしたばかりか、最低ラインとも言える33勝をも超えたため、(それ以前に満場一致で決まっていた可能性があったとはいえ)本場所終了後に横綱になることが確定事項となりました。


先場所も今場所もそうですが、相撲の内容が極めてよくて冴えてると言ってもいいですね。相手の動きがよく見え、小兵でありながら力でぶつかっていくその姿は、とても大関になった時に連敗したあの頃の姿からは想像もできない、大関に昇進する頃の力強さが戻った感じがしますね。


ところで、日馬富士関が横綱に昇進した場合、もしかしたら面白いことになるのではないかという話をちらりと聞いたことがありまして。確かにそうなるわけではないのですが、どうも日馬富士関の横綱土俵入りが不知火型になるのではないかと言われているからです。
不知火型というのは攻撃的な土俵入りとされ、かつては短命で終わるとされるジンクスがありました。現在白鵬関が長いこと横綱を務めているため、そのジンクスが破られつつありますけれども、その不知火型での横綱土俵入りを日馬富士関が考えているというのです。
仮に不知火型同士の横綱土俵入りが成し遂げられた場合、大相撲の歴史史上初のことになるとのことらしいです。確かに日馬富士関ならば、守りの方とされる雲竜型よりも不知火型の方が相応しいとも言えるわけで。


でも、一番言いたいことは、これでやっと白鵬関の独り横綱が解消されたということでしょうか。2年以上独り横綱(元横綱朝青龍関の休場期間も含めればそれ以上)として大役を果たし、そろそろ精神的にも限界が来ているのではないかと言われていただけに、やっと横綱に相応しい人物が出て来たことは喜ばしいことだと思います。日本人がその役を果たせなかったことは残念と言えば残念ですけど、少なくとも2人横綱体制になることは相撲界にとって決して悪いことではないと思います。今日のあの取り組みを見れば、そんなことは言ってられないのではなく、言えないと思います。


今後も横綱としての重責を負う中でも素晴らしい取り組みを見せてほしいと思います。そして心技体をますます磨いて、立派な横綱として活躍してほしいものです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:10Comments(0)TrackBack(0)

2012年07月22日

改めて閣下の相撲通ぶりがよくわかった

今日千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所。
横綱白鵬関と大関日馬(はるま)富士関の一騎打ち、しかも29年ぶりの全勝対決ともになった中、これより三役、最後の一番で戦うことになった双方でしたが、終始日馬富士関優勢で、最後は白鵬関を寄り切り。これにより、日馬富士関が全勝で優勝昨年も名古屋場所で優勝したものの、それ以降はケガ等で遠ざかっていたため、実に1年ぶりの優勝となりました。

日馬富士関いわく、暑いのはあまり好きではないのに優勝できるのは不思議とのことらしい。何かしらの縁が名古屋にはあるのでしょう。
次は綱取りの掛った場所になり、いつも以上のプレッシャーの中で戦うことになると思いますが、過去に全勝優勝を遂げた力士達は全て横綱へと昇進しているとのことなので、そのデータを信じてけいこに勤しんでほしいものです。


ところで、この日馬富士関優勝を予測した人がいまして。その人があのデーモン小暮閣下
名古屋場所開催前に行われるCBCテレビの大相撲特番で出演した際、名古屋場所優勝力士の予想を行ったのですが、白鵬関などを予想する中、デーモン閣下は「同じ力士でかぶるのも面白くないからなぁ・・・」とか言いながら、日馬富士関をピックアップしていたのですから、相撲通のデーモン閣下の鋭い予測が見事に当たったわけですよ。
この予想が出た時には、大丈夫なのかしらと思っていたのですけど、ズバリ当ててしまったのだから、改めてすごい。是非とも、この件でのデーモン閣下のコメントが聞きたいものです。


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2011年07月20日

さらば、昭和最後の関取

九重親方(元横綱千代の富士)の記録を抜いたのもつかの間、待っていたのは力士としての限界でした。


大関の魁皇関が、昨日の大関琴欧州関との一番をもって現役を引退することを発表しました。

以前にも書いたように、身体が満身創痍の中で取り組み続けていました。そのために今場所も腰の調子が思わしくないまま挑みました。そのため、得意の右上手が取れず、押されっぱなしの取り組みが続いていました。また、記録を抜いて以降は、気力が充実しない日々が続いたとも言います。

魁皇関は1988年初土俵。その頃は、後に若貴フィーバーの主役になる貴乃花・若乃花の他、後の初の外国人横綱になる曙といった名横綱を輩出した時期でもありました。
その後は初入幕までは早かったものの、大関までになるのに苦労し、大きなけがも経験しました
大関に昇進後は5度横綱に挑んだものの全て失敗し、最後の横綱挑戦失敗後は、先述の通り満身創痍の中、引き際を探すといった状態になっていました。
しかし、その間に積み重ねた勝ち星が、どんどん大きく重いものになっていき、遂には今年の名古屋場所で九重親方(元横綱千代の富士)の通算勝ち星を抜く1047にまで押し上げたのです。

今後は浅香山という年寄を取得し、親方としての道を歩むことになります。


魁皇関自身は「思い残したことは何もない」と言っていたのが印象的でした。
確かに、もう身体のことを心配して場所に向かわなくてもよくなったわけですから。本当は、もう少しやりたいのではないのかなとも思えてなりません。しかし、もうこれ以上やっても勝てる状態ではないと思いますし、この時期がちょうど引き際としてはよかったのかもしれません。私自身はもう2場所まで・・・とも思っていましたが、本人の状況を考えると、それもやむなしとも感じています。


これで昭和を経験した関取がいなくなったばかりでなく、横綱に続いて大関も外国人力士のみになりました。何とかして、この引退を日本人力士の奮起する材料にしてほしいものです。


最後に、本当にお疲れ様でした。この偉大な記録に追いつく人材を育てられるくらいの立派な親方になって下さい。


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