東京駅に着いた時、改札口近辺では大勢の人達が疲れ切った表情でうなだれていた。明らかに深夜バスを待つ風景ではない。
どうも小田原駅で人身事故が起こったらしく、そのためにしばらくの間運転を停止していたのだ(その後日系ブラジル人女性の飛び込み自殺らしいことが判明)。
そのため、既に数時間程度の遅れが出ていたのだ。
午後9時の段階で午後8時台の新幹線が出ていない状況だったと思う。
早く帰る手段も考えたものの、乗っていく新幹線が、実は「ひかり」ながらもN700系という最新車両。しかも、駅員の説明によると、「確実に車中泊になる」と言われたのだ。
・・・この時ばかりは妙にうれしかったですね(苦笑)。
だって、最新車両のN700系の中で思う存分に寝られるんですよ!こんな体験一生体験できないと思いますよ。
そんな浅はかな思いに駆られ、名古屋までの最終を待つことに。
時間が過ぎ、人は徐々に減り、遂に名古屋行きの案内が出たのが午後10時を回った(つまり乗るくらいの時間)だったと思う。
そして午後11時43分頃、予定より1時間45分近く遅れて東京駅を出発。その後はよく覚えていない。まぁ、どうせ名古屋に着いたらそのままその中に居座らされてそのまま朝を迎えるんだ・・・的な気持ちでもう熟睡体制を取ってしまっていたのだ。
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気が付いたら、駅員に起こされていた(爆)。
取るものとりあえずになりそうになりながらも、荷物をしっかり忘れずに持って出て行くものの、追い出されるような格好で待合室まで向かう。
待合室では、既にうなだれた乗客が何人か待っていて、もうその中には泥のような状態で寝てしまっている人も。
そんな好況の中、午前2時頃に駅員の車中泊の準備ができた旨の案内が。
車中泊できるのは、状況にもよるのだろうが、一般車両ではなくグリーン車。しかも1両は女性専用車両になるのだ。今回の場合2両分が宿泊用に当てられたようだ。
ここでも駅員の案内が、どうやら午前5時になったら強制退去らしい。
じゃあ仕方ない。FM聞いてしばらく待つかと思ったら、FMが新幹線用になってる・・・。そう、グリーン車にいるため、グリーン車で流れる専用BGMになっていて、聞こうと思った周波数はNHK第1用にあてがわれていたのだ・・・(嘆)。
もうどうしようもないのでフテ寝。
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きっちりと午前5時少し前に強制退去。
その後は始発電車が動くまでの間、待合室で再度待たされる。
途中駅の清掃員が掃除機を持ってえっちらおっちらそこらじゅう掃除機をかけている。はいすいませーんと一言言いながら。
で、駅の業務が始まっても、あまりの虚無感と疲労感でしばらく動けないのだ。そろそろ移動しようと思ったのが午前6時半を過ぎていたと思う。
まぁ結論とすれば、バカだった。嬉しがったオレがバカだった(爆)。
こんなに車中泊が過酷で制限の厳しいものだったとは・・・。次回あったら、名古屋駅なら間違いなく帰る選択をして、払い戻しをせしめます(笑)!
しかし、報道や写真で見る限り、そのまま素泊まり的な感じになると思っていたのに、こんないきさつがあるだなんて・・・。写真や報道美化しすぎ(苦笑)!