いよいよ昇格プレーオフと入れ替え戦が始まります。今回は、それらを追い掛けてみましょう。
まずは昇格プレーオフ。J1昇格プレーオフ(J2)とJ2昇格プレーオフ(J3)ですね。
J1昇格プレーオフもJ2昇格プレーオフもレギュレーションは同じです。
リーグ戦で3位~6位までに入ったライセンス所有チームが対象で、3位×6位・4位×5位がそれぞれ戦い、勝ったチーム同士で決勝戦を戦います。そこで勝った1チームが、昇格となるわけですね。
なお、1試合目に勝ったチームは上位下位関係なく決勝戦に進めますけれども、1試合目に引き分けとなった場合はリーグ戦上位チームに決勝進出権が与えられます。つまり、3位×6位の試合なら3位のチームが、4位×5位のチームなら4位のチームが進出となるわけですね。それを踏まえて見ていきましょう。
J1昇格プレーオフは、V・ファーレン長崎、モンテディオ山形、ファジアーノ岡山、ベガルタ仙台の4チームになり、長崎×仙台、山形×岡山となるのですが、一番有利なのは長崎なんじゃないかと。新スタ効果が出ているのと一番勢いがある(引き分けを挟んで14連勝をシーズン中に達成し、中断以降一旦調子を落としたものの、10月以降5連勝中)からですね。
同じ勢いなら、下位から巻き返しを図り、4位に入った山形が対抗馬になるでしょう。もしくは最後の最後に滑り込んだ仙台か。長崎の勢いを止められたら、一気にJ1に進むことになるでしょう。
岡山は2016年・2022年に次ぐ3度目のプレーオフとなりますけど、初戦突破できるかどうかというレベル。ただ、岡山はホームでもアウェイでも仙台を破っているだけに、侮れない相手とも言えます。3度目の試合でも仙台を破ると・・・。
J2昇格プレーオフは、カターレ富山、松本山雅FC、FC大阪、福島ユナイテッドFCの4チームになり、富山×FC大阪、松本山雅×福島となるのですが、初めてのプレーオフになる中で、一番有利なのは、意外にも松本山雅になるのかなと。
というのも、過去J2時代にプレーオフを経験しているからですね。プレーオフの何たるかを知っている選手がまだまだいるのとポテンシャルの高さ、そして何よりホームでもアウェイでも恐ろしいサポーターの動員力があります。ただ、調子に波があり、ここぞという時に勝てないシーズンだったので、福島には1敗1分というのもあって、気が抜けないでしょう(ただし1分はアルウィンでの試合なので、負けない試合を展開できれば勝ち抜けられると思われ)。
その次に来るのは、富山になるでしょう。シーズンを安定した戦いで切り抜け、天皇杯やルヴァンカップで上位カテゴリーのチームを苦しめた実績を持っています。ただ、今年も秋風が吹く頃に失速病を罹患しており、抜けきっていないのが気掛かり。それでも3位に着けたことから、引き分けでもいいという割り切った戦いをできるようになれば、富山の10年ぶりのJ2復帰も夢じゃないかなと。
ダークホースは、福島でしょう。終盤の戦いっぷりもさることながら、松本山雅との相性はいいのもある。さらに富山のホームで勝った数少ない相手でもあるので、勢いが付くと止められないでしょう。後輩のいわきFCに抜かれた悔しさもあって、初めてのJ2を狙ってくると思います。
一方で、入れ替え戦も行われます。J3・JFL入れ替え戦とJFL・地域リーグ入れ替え戦がそれにあたります。
J3・JFL入れ替え戦はホーム&アウェイの方式で行われ、今回はJFLのホームでの開催になります。
通算成績ないしは2試合の合計得点で勝敗が決まり、通算成績なら2勝したチームの勝ち、同成績ならどちらかの得点の多いチームが勝ちになります。ただし合計得点が同じ場合、2試合目終了後に前後半15分・計30分の延長戦で雌雄を決します。それでも決まらない場合は、5人制のPK戦となり、さらに決まらなければサドンデスで勝負となります。
そのJ3・JFL入れ替え戦は、J3を19位で終えたY.S.C.C.横浜とJFLを2位で終えた高知ユナイテッドSCとなりました。Y.S.C.C.は攻撃力は高いものの、守備力はザルな部分が多いのに対し、高知は守備力が高く失点がJFLでは最少なものの、スカッドが無いため、双方互角と言いたいところですけど、第1戦が高知のホームである春野総合運動公園陸上競技場ではなく、香川県丸亀市にあるカマタマーレ讃岐のホームになるPikaraスタジアムになったんですね。
こうなると、Pikaraスタジアムでの使用経験のあるY.S.C.C.が選手もサポーターも含めスタジアムの特性を知っているので、俄然有利。高知は引き分けを狙った戦いができないため、攻める展開で終始いかないといけなくなりました。普段採らない戦略で戦えるか。そして勝てるかが高知のカギになるでしょう。ただ、高知は県民総力での応援が大きな後押しになっているだけに、Pikaraスタジアムにどれだけ動員できるかもポイントになってくるでしょう。
もう一つの入れ替え戦であるJFL・地域リーグ入れ替え戦ですが、レギュレーションは一緒なものの、唯一違うのは、JFLのチームのホームでの一発勝負になる点ですね。J3・JFL入れ替え戦以上に上位カテゴリーのホームが有利になります。
そのJFL・地域リーグ入れ替え戦を戦うのは、JFLで15位に終わったミネベアミツミFC(九州)と全国地域サッカーチャンピオンズリーグで2位になったVONDS市原FC(関東1部)になります。
実は、どちらも入れ替え戦を戦った経験があり、市原は昨年JFLの沖縄SVと戦っています。延長戦までもつれ込んだものの、沖縄に惜敗し、関東1部に残留しています。
一方でミネベアはホンダロックSC時代に戦っており、相手はFC岐阜だったんですね。当時東海1部だった岐阜は、2006年にホンダロックとの入れ替え戦(当時はホーム&アウェイ方式)に臨んでおり、連敗で九州リーグに落ちています。つまり双方いい経験を積んでいない中での戦いになります。
そうなると、2年連続で戦っている市原が、地域CLでの大どんでん返しをやってのけてることから勢いがあるように見えます。一方で最終盤でやられたミネベアがホームで巻き返せるかがカギになるでしょう。
昇格プレーオフの第1試合は14時(長崎×仙台のみ13時5分)にキックオフ。J3・JFL入れ替え戦の第1試合は13時キックオフ。JJFL・地域リーグ入れ替え戦は12時キックオフになります。
配信ですが、J1昇格プレーオフはDAZNのみ、J2昇格プレーオフとJ3・JFL入れ替え戦はDAZNとLeminoで行われます。JFL・地域リーグ入れ替え戦はYouTubeにあるJFLの公式チャンネル(JFL Official Channel)で配信されます。なお、JFL・地域リーグ入れ替え戦以外は、NHK(総合テレビ)での放送もあるそうなので、Jリーグの公式サイトないしはNHKの各放送局の番組表でチェックして下さい。