No 485
Date 2013・04・04・Thu
【PSYCHO-PAS】感想「二人は初めて出会うより以前から ああなる運命だったんだろう。
すれ違っていた訳ではない。 分かり合えなかった訳でもない。彼らは誰よりもお互いを理解し、相手の事だけを見詰めていた」 犯人と刑事。 もし狡噛が刑事でなければ、槙島とどういう関係が築けたのだろう。 最期の一騎打ち。 かなりの深手を槙島は負っていたので、放っておけば失血死してしまう。それでも確実に命を絶つために狡噛は槙島を追う。 麦畑で力なくくずおれ跪いた槙島は、狡噛に追いつかれて観念したのではない。 その証拠、手を挙げるのではなく、 両手を広げる槙島には、安らぎとも満足とも取れる表情を浮かべている様に見えた。 とどめを刺されるのが狡噛なら満足、そう取れた。 何故なら狡噛にとって槙島は、唯一無二の存在であると分かったから。 (ライ)麦畑でつかまえて ― 文学青年らしい槙島のオマージュだと思う。 脳を撃ち抜かれればシビュラ・システムに統合される事もない(画面ではよく分からなかったけれど)。 それは管理社会からの解放を意味するのかもしれない。 誰もが誰かの代わりとなると考える槙島。 Aが駄目ならBに換え、矛盾が生じたら矛盾ごと取り入れ隠ぺいしようとする馬鹿げたシステムに槙島は一石を投じたのだと。 一石どころか、ダイナマイトくらいの威力はあったかな。 不具合が露呈されるなら消すという暴挙に怒りを感じながらもまだシステムに従っている朱。 槙島が朱を殺さなかったのは、朱に対し憐れみがあったのかもしれない。槙島が殺すより、自我を抑えながら生きていく朱の方が、不自由でずっと辛いだろうと。 システムにレールを敷かれ、それに従えば絶対だと信じるのは、 楽かもしれないけれど、 例えば努力しても希望する職業に就けない事などを考えると、そこに自由はない。 槙島の行動は褒められたものではないけれど、彼の行動を通して、システムは絶対であると信じる事の危うさと、絶対である筈のシステムの脆弱さを考えさせられた。 ◆ちょっと気付いた事を◆ ●百合の香り 王陵璃華子のプラストネーション・オブジェを見て、なんか【魍魎の匣】を思い出した。 女子校の閉鎖的な感じ、閉塞感が百合の香りでぷんぷんだ(^^;) それにラスト、志恩と弥生の関係!いきなり感パネェ; 今までの流れから必要性を感じなかったけれど、女同士くっついてくれれば残りの男キャラの妄想もしやすいってものww ●生きているうちに 言ってあげて欲しかった、「本当はお父さんが好きだった」って…宜野座さん! 征陸さんは息子思いの父親だったんだよね。喪ってから再認識なんて悲しすぎ。 それに狡噛さんも今は居ないしさ。 ●それにしても、シビュラシステムの正体!!! 確かに電源を切ってしまったら死ぬ!!!!! で、メインの脳ってあるの? ●生身の体を失ってもシステムを総べる、文字通り『ブレイン』となって意識だけが生き残る方を藤間幸三郎は選んだんですね? それに対して、あくまでも『個』として動ける方を槙島は選んだ。チャレンジャーだなぁ。 ●それでも今日もシビュラシステムは管理し続ける 結局システム自体を何とかする事は出来なかったのが、視聴後スッキリしない理由なのよね(^^;) ラストにて。 桜霜学園で登場した霜月美佳が監視官として配属され、朱たちの同僚となったのだから、今度は彼女を主体にシビュラシステムに抗うスチーリーが見たい。 狡噛は独自に行動しているみたいだし! とはいえ、続編で槙島聖護以上の 魅力的なキャラ を作るのは難しい? ●おまけ 最後に第9話と第19話に登場した、臨床心理学の元教授・雑賀が住んでいる山奥の家ですが、フランク・ロイド・ライトの“落水荘”にソックリ! ロイトに依頼したエドガー・カウフマンという人が心理学者なら、雑賀はカウフマンをリスペクトして似た家を作って住んでいる、という設定だった…のなら唸ったのにな。カウフマンはデパート王らしい。 雑賀の家 ![]() 落水荘 ![]() |
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