No 277
Date 2009・11・30・Mon
アニメ【NARUTO】357話感想■357話「天照」2009年11月24日放送
脚本/宮田由佳 絵コンテ/香川豊 演出/小野田雄亮 作画監督/今木宏明 ゼツの解説で、よりよく分かるうちは兄弟の術。 確か天照は、三代目が亡くなってすぐにイタチが里へやって来た際、自来也がイタチを捕らえようと口寄せした妙木山のガマの内臓を焼いて脱出した時が最初だったと思う。 今兄弟の決着だと思うと長かったなぁと感慨もひとしお。 あれから『者の書』を読みました(2008年9月発行)。 で、『イタチの真実』は公式でした。 マダラがサスケを手懐ける為に吐いた嘘ではなかったという事。 オフィシャル本なので、もうこれは覆されないでしょうから、安心して兄さんにゾッコンです 余談ですがこの公式本、対象年齢はいくつに設定しているのでしょうか。ふりがなが振ってはあっても文章語が沢山出てきているので、語彙は増えそうですけれど(^^;)。 先にも言ったゼツの解説。 素朴な疑問を白ゼツが、視聴者・読者を代表して(?)投げかけるのに対して、黒ゼツがそれを解説。 ゼツは潜伏し探索と報告する以外これといった能力もないと思っていたのですが、どっこい解説も得意だったんですね(^^;)。 イタチの右の眼は最強の物理攻撃~天照を、左の眼は最強の幻術~月読を。左右の眼で役割が違ったんですね。 でもって、一旦かかったら不可避と思われた月読を何故サスケが破れたのか、達人の小石と凡人の手裏剣に例えて黒ゼツが解説。なるほど(笑)。 天照を出すのを待ちわびるゼツがなんだか笑える… アニメの表現も手伝って、本当に分かりやすくなっていて感激。 特に、 ・サスケの放った仕込み手裏剣と、それをイタチがかわすところ ・サスケの写輪眼が月読を破ったところ ・天照がサスケの呪印で生えた羽(?)を追っていくところ(とその羽の形状) これらの動作の表現で原作をより分かりやすくしたと思う。 それにしても、どこで戦っているのでしょう、目立ちすぎ!『狐』と書いてあるからにはうちはに関係するところなんだと思うけれど、目立たない地下などを想像していたらそこは小高い丘の様に盛り上がっていて、外観は人為的なものも感じられるしで隠された場所とは思えない。 イタチの月読を破り、仕込み手裏剣がヒットした時出たサスケのセリフ「いい感じだな、オイ」。 イタチの真意を知っているだけに、私には鋭く突き刺さって聞こえる。 ゼツが本来のイタチならば避けきれない筈はないと訝しがっているけれど、もうかなり視力が落ちていることも本来のイタチの実力ではないのでしょう。 それに戦っている相手であるサスケには本心を悟られない様にしなくてはならないしで、この勝負、置き石をサスケにさせての勝負だと言える(『置き石』と表現したのは、ヒカ碁ファンなもので)。 次回多分決着(だと思う)。 |
No 276
Date 2009・11・25・Wed
アニメ【NARUTO】355、356話感想流転の涯て!兄弟の再会~2009年11月19日放送
■355話「長き瞬間の中で…」 脚本/吉田伸 絵コンテ・演出/濁川敦 作画監督/拙者五郎 ■356話「万華鏡写輪眼の光と闇」 脚本/鈴木やすゆき 絵コンテ・演出/高橋滋春 作画監督/小林ゆかり 優しい兄だった頃のイタチや、うちは一族の殲滅シーンは原作でも何度も出てきているので、バンク使い回しは仕方のない事。 ただ、まだアニメでは語られていないけれど、マダラが語る『イタチの真実』を知った今では、見慣れたエピソードが違う角度で見られる事は確か。 イタチが一族を殲滅した人物という事以外を語るのは、私が『イタチはやはり本当は弟思いの心優しき人物』と言い聞かせたいから。 ◆イタチの真実とは何だったのか。 「人は誰もが己の知識や認識に頼り 縛られ 生きている。それを現実という名で呼んでな」 「しかし知識や認識とは曖昧なモノだ。その現実は幻かもしれない」 以下、あくまでも『イタチの真実』が本当の話だったとしての感想。 あの殲滅の目的は自分の実力を測る為でなく、クーデターを未然に防ぐ為でそれが任務だったということになる。 最初は父とイタチ、一族の確執から来た殲滅だと思ったのですが… そしたら当然その標的にサスケも含まれる筈です。 サスケに手をかけなかったのは、失明しつつある目のスペアだとイタチはサスケに言うのですが… 「元来うちは一族は万華鏡写輪眼の為に友と殺し合い…永遠の瞳力を得るために親兄弟で殺し合い、そうして力を誇示し続けてきた汚れた一族なのだ」 殲滅の前日、うちは一族の三人がイタチに向けた写輪眼は、この上なく鋭く冷たいものだった。 多分、シスイをやったのはイタチなんでしょう。それで万華鏡写輪眼が開眼したと。 でもシスイを含めた一族の殲滅を、イタチに仕向けたのは里の上層部という事になる。 殲滅の命令が下った時、まだサスケは幼かった。 彼が真実を聞かされたら、兄が大好きなサスケのこと、一人でだって里の上層部に殴りこみに行ったかもしれません。 でも、まだ力が十分に備わっていないサスケの自由を奪うのは上層部にとって難しい事ではなかったでしょう。三代目だってどこまでかばいきれたか分からないですし。何といってもあのダンゾウがいるのですから、それこそ芽が小さいうちに摘むようにしたかもしれない。 それよりも、憎しみと復讐というとても強い生のこだわりを与えた方が、サスケの生存率が高いとイタチは計算したのでしょう。 それがイタチにとってどんなに荊の道であったとしても、サスケの命を落とさせない為には、痛みを伴い血を流しながらでも歩いて行くしかなかったのかと思うと、どれだけ一人の人間に重荷を背負わせるのかと上層部が憎くなってきます。 まだイタチの真実については言いたい事があるのですが(^^;)、マダラが真実を語ってから述べたいと思います。 |
No 275
Date 2009・11・16・Mon
アニメ【NARUTO】354話感想■354話「宴への誘い」2009年11月5日放送
脚本/彦久保雅博 絵コンテ・演出/福田きよむ 作画監督/Eum,Ik-hyun 水面の獲物を捕獲して、空高く舞い上がる鷹はサスケを暗示しているのか。 次の戦いで、サスケが蛇のままか、はたまた脱皮を果たして鷹となり大きく羽ばたくのか。 それを高みの見物と、マダラは決め込んでいる様に見える。 一族の復讐を果たす為に生きているサスケが、本体でないにしてもイタチの気配を感じなかったのが意外(^^;)。 あれだけ慕っていた、否、慕っていたからもう「兄さん」とは呼ばず、「アンタ」と兄を呼ぶサスケ。 「アンタはオレの事を何も分かっちゃいない」 サスケはイタチに言うけれど、今となったら分かる。マダラがサスケに伝えたのがイタチの真実ならば、イタチの事を理解していなかったのはサスケの方だったと。 前半の、イタチと鬼鮫がナルトを連れに里に来た時の回想では、サスケはイタチにひと捻りでねじ伏せられた。 あの時の力の差を見せつけられて以来、憎しみを糧に強くなり続けたサスケ。 次の器にしようと、サスケの体を乗っ取ろうとした大蛇丸を逆に乗っ取ってしまうくらい、どんどんと力を自分の中へ取り込んでいる。 今では、一撃で影分身と言えどもイタチを倒せるくらいに。 因縁の兄弟対決の決着がこれから始まる。 それを邪魔させまいとトビと鬼鮫が部外者を遮断する。 鬼鮫はイタチに言われただけだと思うけれど、マダラは違う。イタチと決着をつけさせる事によって、サスケの力量を測るつもりだ。だから、サスケを捕まえたい木ノ葉の邪魔をする。 『逆もぐら叩きゲーム』…トビはちびっこ達にギャク・キャラとして受けられているんだろうなぁ(^^;)。 すっかりおとなしくなっちゃった重吾。天然か。 水月の兄、鬼灯満月はやんちゃな水月とは違っておとなしいらしい。 勝手なイメージだけれど、満月の髪は金色だと思う。 次回、うちは兄弟の激闘に突入。 |
No 274
Date 2009・11・05・Thu
アニメ【NARUTO】353話感想■353話「自来也豪傑物語」2009年10月29日放送
脚本/武上純希 絵コンテ・演出/熊谷雅晃 作画監督/金塚泰彦 ペインの正体は一体誰なのか。 集合体ペインの中に、かつての弟子弥彦の面影を感じ、自来也が困惑するのも無理からぬ事。 しかもそのペインは長門の輪廻眼を持ち、さらに同じ目を持つ者が六人もいるのだから。 しかし、今はペインが誰なのかは問題ではない。 ペインは、彼(ら)の目的の遂行の為には自分の正体などどうでもいい。 フカサクは、目の前の危機を乗り越える為にはペインの正体などどうでもいい、というか、それは二の次の関心事。 いくら『伝説の三忍』の自来也であっても、六人を相手にするのは厳しい。 ◆自来也とペイン 「弥彦、とっくに死んだよ、そんな奴は」。 長門(実は元風魔の忍)が弥彦をそんな風に言うのは屁理屈にしか聞こえなかった自来也だが、それは事実だった。 ならば目の前の弥彦は何者なのか。 そして、止めを刺した筈の長門と思っていた者がまた蘇っているのは何故なのか。 自来也は、長門や弥彦と関わりがあったから、混乱するのだ。 後にペインの正体が分かるのだが、原作が伏線を張り巡らせて次々と場面が切り変わるのを、アニメでは自来也VSペイン六道に戦いを括ったのが良かった。小さい子には場面が切り替わり過ぎると分からなくなると思うから。その為に、回想シーンとしてバンクの使い回しがあっても多少は仕方のない事だと思う。 痛みは人を成長させるが、具体例を挙げなかったのが自来也のミスだったのか。確かに人それぞれ感じるものは違うにせよ、長門を教え子と思っていたからこそあえて間違った答えを出すまいという自来也の計算違いだったのか。 傷つけられる痛みを知っているからこそ、他人にはやさしくあって欲しいと願う自来也と、 「目には目を 歯には歯を」というよりも 「目には目と歯を」と解釈してしまったペインとでは、 痛みに対する解釈のベクトルの方向が二人の間で全く異なってしまった。 風魔の忍、酒場であった先生、酒飲んでクダまいていた者、辻説法、傀儡師そして弥彦。 かつて自来也が会ったことがある者がペイン六道だというのは、偶然ではないだろう。 自来也は世を破滅させるか、安定させるかの変革者を導く者。 自来也は平和、安寧を願う者だから、 教え子が破滅させる者ならば、正しい方向へ導かなくてはならない。もし更正できないのなら自来也がどうにかしなくてはならない、という事だったのだろう。 出会うべくして出会ったのだ。 ペインになると何故髪の色が弥彦と同じオレンジ色になるのか不思議だが、もしかしたらオレンジ色になるのがペインになったという証なのかもしれない。 シマの舌を使って元風魔の忍だったペインを結界で仕留めた自来也。 弥彦以外の5人のペインと自来也の接点を以前にアニメで入れたおかげで、とても分かりやすかった。原作では説明不足を感じていたところだ。 結界で一人だけ仕留めた後で撤退していたら、自来也は命を落とさなかっただろう。 忍の生涯を、術の多さや開発にいそしむ様な生き様よりも、耐え忍び決してあきらめず、どう最期を締めくくるかに重きを置く自来也は、師と弟子、そして友も救えず、道を外してしまった『予言の子』の始末もできずに生涯を閉じることを悔いていた。 しかし最後に弟子ミナトの言葉から、無意識のうちにすでに出会っていた『予言の子ナルト』の存在に気付き、世の中を安定に導く変革者として自来也の意志を受け継いでいた事に自来也が気付いたのがせめてもの救い。 そう、もうとっくに『真の予言の子』に自来也は出会っていたのだ! 自来也の遺体は浮かんでいないし、 ええ、私はまだ自来也は死んでいない、と希望を持ち続けている者であります(ビシッ!)。 ◆口は悪くても愛情はある シマも、フカサクと自来也を思い遣っているのだ。 撤退しなくては絶命すると思いつつ、夕飯までには帰って来い、と精一杯の彼女のなりの気持ちを表わしているのが分かる。 ◆自来也と綱手 今回のペインの探りは、いかに強い自来也であっても決死の覚悟を感じられた。 綱手はいつも賭けに負けるから、わざと自来也が帰って来ない方へ賭けるくらいに。 次々と近しい存在が亡くなった綱手には、自来也までいなくなってしまったらという思いから、自来也の気持ちを知っている上で振り続ける様になったのかもしれない。 自来也を振り続ける事で、もしかしたら彼の死を遠ざけていたという綱手なりの自来也への愛だったと思える。 幼い時から知っている、恋なんて感情を通り越した愛情。 危険な所へ向かわせた綱手の心の中は土砂降りの雨だったに違いない。雨が上がると、庭園の池から蛙は大海へ泳ぎ出す。 まるで、自来也の最期を物語るかの様に。 |
No 273
Date 2009・11・02・Mon
アニメ【NARUTO】352話感想■352話「ペイン六道 見参」2009年10月22日放送
脚本/宮田由佳 絵コンテ/三宅雄一郎 演出/浅利藤彰 作画監督/容洪 見得切りをことごとく邪魔される自来也。 お笑い専門のナルトが暫く不在となれば、お笑い担当の二番手(!?)自来也にそのおはちが回って来たというところだろうが、この作品は本来『ど』が付くほどシリアスな題材を扱っているし、疾風伝になって成長したナルトに、いつまでも笑いを求めるのもちと苦しい。 派手なアクションとギャグ。 これは子ども達にウケる重要な要素だろうけれど、アクションは今後は益々派手になりなくならないだろうが、無理やりギャグを持って来るのは今では合わない気がする。 疾風伝前の少年編が好きな人は、そのあたりを指して辛口批評しているのかもしれない。 フカサクとシマのめおと漫才がシリアスさを中和させる役目はあるものの、それでも少年編の頃のギャクとは違い一過性の笑い。 【NARUTO】は単なるお子様向け作品ではなくなってきた、という事だと思う。 私は疾風伝以降が好きなので、無理なギャグは要らない。何よりも、無理なギャグは作品全体のバランスを失ってしまうから。 夫婦のデュエット。 音で幻術に嵌めるというものだが(音で幻術とくれば音の四人衆の多由也を思い出す)、目を潰したペインにも効果はある、ということでかなり自来也には分がいい筈。 しかもペインがかつての弟子ならば、自来也が幻術を使わない事は知っているのでそこに勝機はあったのだが、息の根を止めた筈の三人が死んでいなかったのは、自来也も読み切れなかった。 三人でも手ごわいのに、倍の人数の輪廻眼を持つペインが現れて、更に窮地に追い込まれる自来也。 次回を考えるとこの回のおまけコーナーが余計に切ない。 |
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