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WIND OF MOON

アニメ、漫画(たまにドラマや音楽)の感想・雑感を気の向くままに綴っています。
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No  164

ドラマCD【WILD ADAPTER 05】感想

WACD5


この『WILD ADAPTER 05』は主役の久保田誠人と時任稔の出会いと、出合った頃の二人の位置関係を描いたシナリオになっているので、作品のプロローグとも言えそうです。

私はドラマCD1、2とこの5、原作コミックは1巻のみであと未読なので、理解が未熟なところはご容赦くださいm(_ _)m

※以下、単に『ドラマCD 5』からの解釈ですm(_ _)m ※

表題でもあるワイルド アダプター(WA)は、新種のドラッグかなにかで、人体への影響は強力で、常習者はおろか生存者はいないらしい。その名の通り、効能的に言えば『野獣化変換装置』ってところか。
誰が何を目的として作っているのか、まだ語られていない。
そして、久保田に拾われた山猫(野良猫でも可 ^^;)・時任稔の素性も。

CD5では、久保田のマンションの隣人『飯塚翔太』なる小学生が語り部となっている。
久保田・時任がこの作品の主要人物なので、最初、この少年の視点で語られる事に違和感を覚えました。ですが、物語が進んでいくにつれ、久保田・時任の位置関係がまだ曖昧ではっきりとしていないから、『第3者の目』を通して語った方が表現しやすいのだろうと思えて来ました。
それも、ただ単に『隣の住人の子ども』としてではなく、
久保田、時任そして翔太それぞれが、他人と関わりを持つことに消極的ではあっても否定的ではないという共通項がある。
自覚していないが共通項の為に惹かれ合ったともとれるし、共通項があるから心象風景を語ることができる。小学生としてはよく理解できる子(^^;)。また、少年の、色眼鏡を通して物事を見ない純粋さも、二人の関係性を見る上で必要なキャスティングだったかもしれないなぁ。

久保田は、『某大物の愛人の子』という出自から、生きているのに存在を無視され続けた過去を持つ。
だから、他人に多大な期待をしない。
かといって厭世観漂っている訳ではないのは、多分彼が自暴自棄になっても誰も喜ばないし、自分をそこまで貶める必要性を感じていないからだろう。でも彼も若いからね、血気もある訳ですよ。
普段の彼からは想像つかないけれど、人情深い。
秩序と混沌が同居している、というのはそういう事を意味しているのだと思う。

時任は多分、WAの被験者だろう。あるいは原種。
人は耐えられない過去を持つと、自衛手段として記憶を封印する事があるらしいから、もしかしたら時任の『記憶喪失』は『記憶の封印』であり、過去、自分を苦しめる者に囲まれていて、そこから生死を賭して脱出を図ったのかなぁ、なんて妄想してしまう。
だから、久保田に自分を知っているか訊いた時、知らないという答えを聞いて安心したのだと思う。

時任の久保田への反応は、人間を知らない野生のそれ。
だが、本当は人の優しさ、心の温かさ、血の通っているぬくもりを欲しているにも関わらず、それらを求める事に不慣れで不器用なだけなのだ。その点は久保田にも言える。

自分に対して危害を加えない、
むしろ自分にとって安住の地であり、同居人に絆を感じるのが久保田より時任の方が早かった、というのもやはり彼が野生に近い感覚を持っていたから。
久保田は、自分の存在が曖昧なまま育ったので、他者に対して強く踏み込めない。
対人間としてなら構えてしまうが、動物に対してなら看病してやった見返りを期待する必要がない。
だから、行き倒れの猫の様な時任を放って置けなかった。この時は時任を『人として』というよりも、むしろ怪我をした『動物を救う』といった感覚の方が強かったのではないかなぁ。
野良猫の様な、とはたとえであって本当は人間じゃないか、とか、そんな理屈ではなく、きっと直感で時任と関わる事で、久保田は自分の存在意義を見出せると感じのだろう。

人が惹き合うのに、理屈を超えたものってあると思う。

飄々としていそうなのに他人と関わる事に、強く踏み込めない遠慮がちな久保田と、
白黒はっきりとして、何でも思った事・感じる事をストレートに出す時任。
この一見して正反対な二人は、磁石のS極とN極の様に引かれ合う。

だから、このストーリーのテーマ曲『泡沫』で、何度も繰り返されるフレーズ、

             ど う し て …

と、いくら考えたって手も離せないし、心偽れないし、誤魔化せもしないのだ。
理屈ではなく引き合っちゃうからね。


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おまけの妄想

時々時任の夢の中に現れる彼を呼ぶ声、あれは久保田の父?
久保田と時任が兄弟だった、とかなら驚愕ですが;
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