ブログ版/不動産業界の歩き方
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起こりうる話
〇どうにもならない不動産を捨てたい人は多いはずです。まず、価値がないから売れない・・もらってくれる人もいない・・維持費だけはかかる・・そんなゴミ物件、自分だけ助かる方法の一つが他人に押し付ける事です。

そこで気になるのが、押し付けられた人のリスクです。まず、所有権を移転したとして、登録免許税・登記費用・・数か月後に不動産取得税・・毎年の固定資産税・都市計画税・・他に、維持管理費、草刈り代・・贈与で処理すれば贈与税もかかってしまう・・

そんな損ばかりの物件を欲しがる人はいません。それらの損(負担)プラス謝礼を払わないと、もらってくれる人はいない・・そのようなケースでは、低額の売買で、売主は受け取った売買代金に謝礼をプラスした金額を買主へ渡す方法が考えられます。

現在でもそんな物件をそんな方法で引き取る業者は探せばあると思いますが、近い将来、その類のビジネスビジネスで問題が起こり、社会問題になると思います。物語っぽく書くと・・

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ある日、都内の公園でホームレスの男が死んでいた・・検視の結果、死因は末期の癌であった。通常ならそれで終わりの話ですが・・数日後、そのホームレスの男は数百件の不動産を所有している事が判明した。住民票がある住所地は地方都市にある廃墟で、郵便受けには大量の固定資産税の請求書が届いていた。

不自然な点が多いため、警察が調査することに。・・その大量の不動産の中から一つの不動産を選び、登記情報から前所有者に事情を聴きに行くと、「処分に困っていた不動産を引き取ってもらった」との話で、他の不動産を調べても、それぞれの前所有者達の話はみな同じだった。

具体的には、「処分で困った不動産、お任せください」・・というコンサルティング会社のネット広告を見て問い合せ、その社長に個人で引き取りしてもらった」という話で、その引き取りをした人が、ホームレスの男だった。「説明や手続きは部下らしきスーツの男が行った」という話も共通していた。

取引例としては、引き取り手のない不動産を100万円程度で売買・・同時にゴミ処理や解体費用等の名目で売主が買主に300万円を支払う・・買主は100万円を支払うけど300万円をもらう取引・・差額200万円を得た計算になる。

引き取り後の不動産取得税や固定資産税は1円も払わず、建物の解体もせず放置・・数百件の引き取りで得た利益は数億円レベル・・会社は実在せず、所在した貸事務所の契約者を調べると・・やはりホームレスの男と判明・・数億円の行方は不明のまま。

首謀者は「部下らしきスーツの男」で、末期癌のホームレスの男を使い、「実在しないコンサルティング会社の社長」で「個人名義での引き取り人」として利用した。数億円の利益はその男が持ち去った・・とも考えられる。しかし現状では被害者がいない。不要な不動産を引き取ってもらった前所有者達はみな感謝しているからだ。

ホームレスの男は税務申告をしていなかったため、所得税法違反で被疑者死亡のまま書類送検となったが、「部下らしきスーツの男」の捜査はされず、本件は終了となった。(終)
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ま、このままだと、そんな事件が起こると思うわけです。1人の人間が不動産を所有できる数・・とくに制限はありません。不特定多数の人と反復継続して取引を行うなら宅建業法の枠内ですが、「買うだけ」「もらうだけ」・・なら誰でもできます。 ま、ご用心

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