「遥山の恋」→「至福の庭」→「騎士と誓いの花」
デビュー作から先月出版されたものまで順番に消化してみましたが、3作は全く別内容にも関わらず、しっかりした共通点がありました。それは・・
可哀想『受』とへタレ『攻』
全作見事にこれで・・ところが読み出すと何故か止まりません!!
あまりにも『受』が哀れなためか、『攻』がダメダメなためなのか(笑)
とにかく先が気になって気になって仕方がない内容。
読書中は切なさで胸がズッキン、ズッキン・・・これを六青マジックと言うべきか?!
とにかくどれもこれも爆走読みしてしまいました~。
<遥山の恋>
この作品はおとぎ話風です。
時代は足利で、山で一人暮らす少年・紫乃が荘園領主・貴哉をケガから助けたことで物語が始まります。
紫乃は呪いのために体中に痣を持つ少年ですが、とにかく献身的で健気。
1年で戻ると国元に帰った貴哉に、3年も待たされる姿は哀れでしたが・・、
ラストは貴哉が領地のゴタゴタを片付け、全てを捨てて紫乃の待つ御山に行ってハッピーエンド。
3年の間に使いのひとつも出さんかい!と途中言いたくなりましたが、呪いを解く方法も見つけてきたし・・、領地への責任と恋に板ばさみなる貴哉は実はとても一途でイイ人・・不器用だけど憎めないのでした~(笑)
<至福の庭>
この作品は現代もの。恋人の酷い仕打ちから恋の記憶を一切失った佳人はカウンセラーの兄と二人暮らし。
ある日元恋人の大司が6年ぶりに佳人の前に姿を現し、物語が始まります。
「至福の庭」はとにかく大司が切ないです!!
佳人に対する悔恨と忘れられた悲しさ、そして想いが通じても心の底からは許されていない事実。佳人・兄にも常に足蹴にされ・・
それでも佳人が心を開いてくれるまでメゲナイ彼は
ひたすらド根性愛でした。
一方、対人恐怖症と記憶障害というハンデにくじけず、一生懸命大司に寄り添おうとする佳人も健気で・・かなりのデリケート君ではありましたがラストは病気を克服できてよかったです♪
<騎士と誓いの花>
この作品は中世風のファンタジーです。
正当な国の跡継ぎである王子を国王にするために、騎士・グリファスは王子の影武者を奴隷の中から拾います。
王子の身代わりとなったリィトは命を狙われるものの、奴隷から突然満ち足りた生活。グリファスからも優しくされ、恋に落ちてしまいます。
一方グリファスもリィトに情が移ってしまい、当初の目的に後ろめたさを覚え困惑・・。
結局リィトに冷たくしたりと大人げないことをやらかし、あげく王子と戦を優先させたためリィトを陵辱される始末(泣)
が、ラストは国の内乱を収め危機に陥ったリィトも救出。男ぶりが上がったのでした~。
この物語は正当な王を国に据えないと国内が荒れるというもので(ちょっと「十二国記」風~)このため、グリファスが恋に走れない事情にも実は説得力あり。
でも、でも涙を誘うほどリィトは健気で哀れでしたぁ~~!!
(昔見た「和宮様御留」というテレビ番組をちょいと思い出しました~/身代わりもの)
六青さんの作品は怒涛の内容から上手くハッピーエンドにまとまりますが、
欲を言えばその後のラブラブ、熱熱なエピソードが少々欲しいところ。
なので、今回の夏コミで出版されていた「騎士と誓いの花」同人誌は購入できてナイスタイミング♪
誓いの指輪を贈ってしまう甘甘ストーリーで・・つまり結婚しちゃったってことですね?!(笑)
私的に1番好きなのは「至福の庭」。
記憶削除、過去の過ち、兄バカなど・・大好きな某小説を思い出すので~。