メルクマール

響がシンフォギア奏者になった当初を思い出すと、彼女は力をうまく使えずに足手まといになっていたのですが、それを打開するためのトレーニングは、響が自主的に風鳴に弟子入りするまでは行われませんでした。　あのときに違和感があって、それは歌の力によって戦うのだから、歌のレッスンは必要無いのだろうか？なぜやらないのだろうか？　ということです。　歌に力があれば、シンフォギアとしての力も強くなりそうじゃないですか。

結局、了子は『歌の力』というものは信じていなかったのでしょう。　シンフォギアシステムを起動するためには特定振幅の音波が必要であり、歌はそのための『音波』に過ぎないと。　だから了子には、歌のレッスンが必要という発想は無かったと思われます。

響は高い潜在能力を持っていながら、ガングニールが暴走する危険性を孕んでいて、今回ついに暴走してしまいました。　自分の力によって人を傷つけたことで、彼女は一旦、完全に戦う意志を失ったはずです。　でもクラスメイトたちの歌によって勇気づけられ、それによって響が『歌の力』を信じたことで、新しい力を得たように見えます。　了子は何が起こったのかわからなかったようですが、あれこそが、了子が理解できない『歌の力』ではないでしょうか。

翼とクリスは絶唱によって、生命力を燃やし尽くした状態でした。　一方で、響は心臓と聖遺物が融合していることで、無尽蔵に近いエネルギーを生み出すことができます。　響が『歌の力』に目覚めてレベルアップしたことで、彼女の無尽蔵のエネルギーを翼とクリスに分け与えることができるようになったのではないでしょうか。　翼やクリスも、歌の素晴らしさに気づいたところなので、それらも共鳴して、これまで単に「音波」としてのみ必要だった歌が、それ自体が力を持ち、シンフォギアシステムが新しいフェイズに進化したと想像しています。

これまで、歌いながら戦うというコンセプトのわりに、歌はあんまり関係ないなと思っていたのですが、それはこのための伏線だったのかもしれませんね。　歌はシンフォギアシステムを起動するための音波であって、奏者たちは別に好きで歌っていたわけではなかったので、歌の描写がどこかなおざりだったわけです。　でもここで、彼女たちが心から歌が好きなことに気づき、歌の力に気づいたことで、シンフォギアは完成形になりました。　歌とバトルが真に融合したシーンが、最終回では見られるのではないかと期待しています。

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