戦闘シーンをメインに見せるためだと思いますが、物語世界についての説明は断片的で、まだ全貌が見えていません。 セイクリッドセブン 第3話 『クレイジーナイト』 のレビューです。
最初から説明的なのも萎えるので、これはこれでいいのでしょう。 状況がよくわからない不安感がありますが、視聴者が主人公視点に置かれているとも言えます。
そもそも、藍羽財団にしろ、今回登場した『秘密機関』にしろ、全貌は分かっていないのでしょう。 両者が共闘したのも今回が初めてのようですし。 共にセイクリッドセブンを運用しておきながら、これまで交流が無かったのは不思議ですが、藍羽財団は悪石を殲滅することを目的にした武装集団で、一方で『秘密機関』は、セイクリッドセブンの平和利用?を目的にした機関で、両者の目的は違います。 でも今回は、野良セイクリッドセブンを放置するのは良くないという点で利害が一致して、共闘することになったのでしょう。
『秘密機関』はいかにも胡散臭く、人体実験まがいのことはやっているでしょうから、そこから逃げ出した輝島ナイトに同情の余地はあります。 でもメデューサを市街地で暴れさせるなど、人命軽視の暴れん坊であるのは確かで、「凶暴だから保護しなければならない」という研美の言い分にも理があります。 彼の凶暴性は、悪石としての力のせいなのでしょうか。
輝島ナイトは、物質を変形させて武器にしたり、固体をすり抜けたりできるようです。 固体分子を制御する能力なのでしょう。 でもアルマも似たことができるようで、つまりセイクリッドセブンの力とは、分子制御能力なのかもしれません。 これは確かに「神にも悪魔にもなれる」強い力で、その力を人類のために利用したいと考えるのも当然でしょう。 でもたいてい、この手の「制御困難な力をなんとか制御して利用する」という試みは失敗しますが。 原子力のメタファーなのかもしれません。
研美やSPの少女は、石を使って「変身」していましたが、あれがセイクリッドセブンの力を応用した技術なのでしょうか。 セイクリッドセブンに近い力が出せるようですが、物体すり抜けは出来ないようで、能力的には落ちるのでしょう。 それにしても、たいした技術ではあります。
研美たちが変身したあとで、胸からピンのようなものを引きぬくのですが、あれはセーフティーピンでしょうか。 ミサイルなどは、保管時に暴発しないよう、物理的にスイッチを切るためのピンが刺さっていて、搭載時に抜くことになっています。 あのスーツの危険性を現わしているディティールとして面白いと思いました。
藍羽財団、秘密機関、輝島ナイトたちという3つの勢力の関係が、今後の焦点になるのでしょう。 ナイトはアルマに接近すると思われますが、ルリ一筋のアルマは靡かないでしょうね…
2話を見返していて気付いたのですが、ルリの子供の頃の回想シーンで、アルマらしき少年はマフラーをしていました。 そのマフラーがルリの記憶に焼き付いていて、それがアルマが変身したときのマフラーになるのではないでしょうか。 アルマの変身は、アルマだけでなくヨシであるルリの力でもあるのでしょう。 だからやはり、アルマが宝石を自分で使ってもだめで、ルリがいなければならないのだと思えます。 女性とペアの変身ヒーローというのはユニークかもしれません。
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