メルクマール

今回の見どころは、一夏とシャルのコンビネーションでしょう。まずは先に箒を片づけて、そのあとで二人がかりでラウラを攻める作戦です。　箒は一夏と戦いたがっているので、その心理を利用して、一夏はまともに相手をせず、焦ったところをシャルルが仕留めました。

また、一夏とシャルのコンビネーションは、第三世代兵器の弱点を突いています。ISは基本的に思考とリンクして動きますが、通常は、「円錐をイメージすれば上昇する」など、記号的なものです。でも第三世代兵器はそれを発展させて、人間の思考力を積極的に演算に利用しよう、というコンセプトだと僕は理解しています。演算の種類によっては、人間の脳はスーパーコンピュータよりも優秀ですからね。

ゆえにA.I.C.は、使っている間は精神を集中することが必要です。相手の動きを読みつつ、複雑な演算を脳内で行っているのでしょう。ブルーティアーズ（ファンネルっぽい兵器）もそうでした。なので、二人による同時攻撃が有効ということになります。

「ラピッド・スイッチ」とは、武器を高速に切り替えるという、シャルの得意技です。彼女の機体は第二世代なので、第三世代のような「イメージ・インタフェイスによる特殊兵器」は搭載していないのですが、その代わり、通常兵器のためのバススロット（拡張領域）がたくさんあります。

ISは、何もない空間から武器を取り出しますが、あれはナノマシンによる物質合成だと思われます。周囲の元素から物質を作り出すわけですね。便利すぎる設定ですが、ともあれ、何でも作れるわけではなく、あらかじめ、バススロットに装備をインストールしておく必要があり、その容量に余力があるわけです。

しかし、バススロットがたくさん空いていたいたとしても、一度に持てる装備の量には限度があり、装備の物質化には時間がかかりるので、普通は一度に持てる量が限度になります。　でもシャルの場合は、ある装備を別の装備に瞬時に切り替える「ラピッド・スイッチ」のスキルを持っているので、オールレンジで戦える重武装のISになり、世代のハンデを帳消しにしているのでした。

前回、シャルが一夏に銃の扱いを教えるシーンがありましたが、それが今回の伏線になっていました。ラウラが、一夏には射撃装備が無いと油断しているところを突いたのですね。シャル機のバススロットに余裕があるから可能になった作戦でもあります。

ラウラ機に搭載されていたという「バルキリー・トレース・システム」は、エヴァンゲリオンで言うところのダミープラグのようなものでしょう。普通は人間が乗らないと動かないISを、思考パターンを機械でトレースすることで、機械だけで動かそうというシステムかと。そのベースになっている思考パターンは、千冬のもののようです。一夏はそれを本能的に感じて、千冬が冒涜されたとキレたのですね。

とまぁ、かいつまんで説明しても、文章だとこれだけ長くなるので、映像ですべて説明するのは難しかったのでしょう。雰囲気だけでも伝わっていればいいのですが。

次回はラブコメ回のようですね。今のところ、シャルがずいぶん贔屓されていますが、他のヒロインの巻き返しはあるでしょうか。

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