メルクマール

2本立てなのですが、同じテーマで繋がっていました。隠されたものを見てしまう、という。でも、それによって本質が見えることもあるでしょう。

双葉の誕生日を歩鳥が暴露したのは、まさにパンドラの箱です。誕生日会の雰囲気が台無しになってしまった。あの歩鳥でさえ、相当に気まずかったようで。

しかし、周囲の連中も酷いですよね。双葉の誕生日を誰かが知っていれば、こういうことにはならなかったので、連帯責任とも言えるのに、歩鳥に「なんとかしろ」とガンを飛ばします。ある種、歩鳥の「なんとかしてしまう」能力に期待しているところもあるのでしょう。

後半も、メイドさんがいろいろ暴露してしまうお話です。歩鳥は、エロ本程度で動じるとは『無垢』ですね。トシ子は、エロ本の内容を確認する余裕がありました。想い人がどんな性癖の持ち主なのか、知っておくのは有益でしょう。

トシ子が、世話好きなところを見せました。病気の友達をお見舞いして、食事まで作ってあげるという。そもそも”メイドさん”に憧れていたので、お世話をするのが好きなのでしょう。天性のメイドさんと言えます。うちにも来てくれないですか？

お見舞いでは、歩鳥はまるで役立たずでしたが、彼女には彼女の良さがあります。トシ子の誕生日会を企画したのは歩鳥ですからね。商店街のみなさんからプレゼントを集めてきたのも歩鳥なのでしょう。そういう、自分も楽しみつつ人を楽しませようというサービス精神も、メイドさんには必要です。まぁ、本来の意味のメイドというよりは、”メイド喫茶のメイドさん”としての素養だけど。

場末の商店街にあるけれど、なんだかんだで、『シーサイド』はいいメイド喫茶だなと思うのでした。商店街のおっさんたちが入り浸るのもわかります。

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