メルクマール

今回のテーマは、『姉弟対決』と『強すぎるが故の悲哀』でしょう。特に後者が強調されていました。

七実は戦闘の異常な天才だけれど、体が弱いのが弱点でした。でもそれは表裏一体のものだったのですね。強すぎるが故に、体がそれに付いてこれなくて、体を壊してしまった。おそらく内臓からボロボロなのでしょう。　『秘技・見稽古』は彼女の強さの秘密ではなく、むしろ自分の本来の強さを抑制して、体を守るためのものだった。『悪刀・鐚』でさえ、彼女の強さを抑えるリミッターになっていた。

この種明かしには、「そうだったのか！」という感動がありました。エヴェンゲリオンで、エヴァの装甲は実は…というエピソードを彷彿させます。

七花八裂の改良のため、7種類の技の順列を全て試したというのも面白い。7種類の順列は7の階乗なので、7×6×5×4×3×2×1＝5040通り。最初の技は決まっているなら、6の階乗なので720通りですね。

とがめが、初めて奇策士らしい仕事をしたのではないでしょうか。場所を七実に告げたときに汗をかいていたので、なのか仕掛けがあるのだろうとは思っていましたが。ロウソクは火を付けるタイミングにも差があるので、同時に消えるようにするには、それを計算していろんなロウソクを作る必要があったでしょう。　会話しながら、心の声でカウントしている演出も良かった。

とがめと七実の会話シーンが多かったのですが、緊張感がありました。もっぱらとがめが緊張していて、それが視聴者に乗り移る感じだったかと。七実の「いい」を「悪い」に置き換える、奇妙な会話もスパイスになっていました。このあたりの西尾維新のセンスは抜群だな。

『姉弟対決』については、二人の仲があまり描写されていないので深みに欠ける感がありましたが、Cパートの描写でちょっとグッときましたね。二人にも、無邪気な時代があったのだなと。

父殺しについては、あいかわらず間接的にしか語られませんでした。この伏線はこれで決着なのかな？　でも父殺しが表沙汰になれば、彼の父がそうだったように、七花の地位、ひいてはとがめの立場が危なくなるでしょう。まだ引っ張ると考えるべきかな。

とにかく、今回は面白かった。バトルとしては、これまでで一番でしょう。緊張感、対決のロジック、種明かしなど、素晴らしいバトルものでした。作画には、それほど目立つところが無かった気もするけれど。

実は、姉はラスボスなのではと思っていました。ここで出たということは、ラスボスはどうなるのでしょうね。可能性は一つ思いつくけれど…。　
次回は否定姫が本格的に登場ということで、良さそうなキャラなので楽しみです。

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