メルクマール

これまで3人の悩みが描かれてきましたが、今回は悩むことをやめて、行動するターンでした。　まず正臣ですが、彼は杏里に直接問いただすことを選択します。

辛い選択ではあったでしょう。彼は杏里に「騙された」と思っています。杏里を切り裂き魔から守るつもりだったのに、切り裂き魔は実は杏里だったという、とんだ道化だと思っているから。でも彼が許せなかったのは自分のことよりも、杏里が帝人を騙していたことでした。帝人の気持ちを知っていながら、”か弱い女の子”を演じて「気を惹いていた」ことで、帝人を弄んだと考えてしまった。その怒りのあまり、杏里の事情を考える余裕が無くなっています。

杏里は、仲のいい二人に自分の正体を言いたくなかったわけですが、「自分が罪歌だ」と二人に告白していれば、この抗争は起こらなかったはずなので、彼女にも非はあるでしょう。正臣が正体を隠していたのも原因の一つですが、あまりそれを責める資格はありません。なので、彼女はおそらく、二人に打ち明けて、謝ることに決めたようです。セルティに「私、もう逃げたくないんです」と言いました。

一方で帝人は、ダラーズを”解散”することに決めました。彼は杏里の正体は知らず、単に黄布族との抗争に巻き込まれたと思っているので、抗争を根本的に断つには解散しかない、と考えたのでしょう。でも法螺田たちは既に杏里をロックオンしているので、あまり意味がないと思えます。「自分が出来ることはこれしかない」と思ったのでしょけれど、責任逃れと言われても仕方ありません。彼はこれだけでは終わらないと思うのですが。

そこで、我らが門田さんですね。彼は杏里と面識があり、帝人と杏里が友人なのも知っているはず。ダラーズとしての指令が無くても、彼個人として行動してくれるのでは。というか今回、ダラーズのメールに対して「鳴ってるのは帝人だけじゃない」と言ってました。彼はダラーズ創始者が帝人だと知っているんでしたっけ？　何か見落としたかもしれません。

ダラーズのメンバーが杏里を逃がすシーンは痛快でしたね。メンバー総登場だし。黄色い布を纏い、集団で威圧する黄布族と、無色透明なダラーズの個々人の力の対比が面白いし。ここまで作り上げてきた物語の装置が動き始めた、というワクワク感がありました。

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