日本を英語で紹介するための本5選&勉強のやり方

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対象:日本の文化・習慣・日本食などを英語で紹介したい 
読了:約11分(6628字) 
公開:2015-05/05 
photo credit: Toyama Castle - 05 via photopin (license)

外国人と話していると、日本の文化や日本食について質問されることが必ずあります。また、2020年にはオリンピックも開かれますし、政府も「訪日外国人を3000万人に増やす」と言っているので、英語学習者は日本についてある程度説明できるようにしておくのが、お・も・て・な・し♥かなと。

そんなわけで、日本の文化や日本食などを英語で説明できるようにするための本をまとめてみました(・∀・)b
 

1. 日本についてどれくらい詳しくなればいいのか?

日本のすべてに精通するのは不可能

長期出張や留学から帰ってきた人などから「日本のいろんなことについて英語で説明できるようになっておいたほうがいいよ」とアドバイスされたことがあると思います。

とは言え、日本のあらゆる文化・習慣・伝統芸能・日本食などについて精通するというのは、どう考えても不可能ですよね。

また、日本のアニメが大好きなノルウェー人・ドイツ人の友達がいるのですが、僕よりもはるかに詳しいので、彼らから教わることが多いです。

THE 日本の最新アニメを外国人から教えてもらう日本人

インターネットのお陰で、世界の果てにある国の情報ですら一瞬で手に入り、しかもその気になれば、その国の人よりも詳しくなれる時代です。

そんな時代に、我々日本人はどこまで日本に詳しくなればいいんだろうと。


「外国人によく聞かれること」を広く浅く

そんな矢先に、『日本のことを1分間英語で話してみる』(後述)という本に出逢いました。

この本のコンセプトは、「外国人によく聞かれることを、とりあえず1分くらいで簡単に説明できるようにしておく」なんです。

確かに、「歌舞伎って何?」と聞かれたときに、歌舞伎について詳しく長々と説明したところで、その外国人もありがた迷惑ですよね。かなり詳しい説明を求める外国人なんてほとんどいないはずです。

でも、1分くらいでサラッと説明して上げることができれば、十分満足してもらえるでしょうし、こちらとしても1分くらいの説明ならボキャブラリーが増えてくれば何とかなりそうです。

そんなわけで、「外国人によく聞かれること」に加えて、

「自分がよく使う、でも外国にない電化製品(コタツとか)」
「自分がよく食べる日本食」
「自分が住んでいる地域で行われる風習」


などについて、とりあえず1分くらいで簡単に説明できるようになることを第一目標にするといいのではないかと思うようになってきました。

「外国人によく聞かれること」を広く浅く、そして「自分の好きなジャンル」を狭く深くというのが、めざすべき方向性なのかなと。


2. 日本を英語で紹介するための本

『日本のことを1分間英語で話してみる』

おすすめ度:★★★★★

日本を紹介する系の本って、

「解説なしでひたすら短文が並んでいて勉強する気が失せる系」
「各英文が長すぎて覚える気が失せる系」
「内容がマニアック過ぎる系」

が多いなと感じています。

初心者にとっては解説がないと理解しにくいですし、長文すぎるものやマニアックなものは読み物としては面白いですが、暗唱するのが大変です。

ですがこの『日本のことを1分間英語で話してみる』は、日本の文化、風習、食などの各項目が1分程度で説明できる適度な長さになっているので覚えやすい=【 暗唱 】がしやすいんです。

また、左ページに英文、右ページに日本語訳というレイアウトになっているので、【 瞬間英作文 】もやりやすい。語句の解説も比較的丁寧。CD音声は、TOEICをやってる人にとっては少しゆっくりめです。


著者の広瀬直子さんは翻訳者で、カナダとドイツで12年間過ごされていて、その間に外国人によく聞かれたことを簡潔に説明できるようにまとめたのがこの本だそうです。


本書は、私のそういった(翻訳者・英文情報誌ライターとしての)経験を踏まえ、「もっと早く知っていれば、あのときこう言えたのに!」と今になって思う英文を、英語圏の人がイメージしやすい表現を使って、簡潔にわかりやすくまとめています。(P.2)


広瀬さんのブログのリンクを貼っておきます。

【参考】広瀬直子の英語セラピー

また、この本の英文アドバイザーとして携わっておられる、カナダ人のケートリン・グリフィスさんは、小・中学校時代を日本で過ごし、現在はトロント大学大学院で日本の古典を研究されているので、日本にかなり精通されているみたいです。

このお二人の経歴から、非常に実用的な日本紹介本になっているのではないかと思い、購入に至りました。一通り、目を通し、音声も聞きましたが、確かに難しめの語彙は少なく、平易な英語で構成されてあるので理解しやすく覚えやすいと感じました。


全部で80あるトピックの内容を掲載してくれているサイトがないので、下記に載せておきます。英語学習者としては、せめて本の目次と、中身の数ページを見られるようにしておいて欲しいんですけど……出版社の方針なんでしょうかね。

オンライン書店e-hon」の「立ち読み」ボタンをクリックすると中身が少しだけ見られます。

【第1章 日本にようこそ!まずは東京案内を】
東京・江戸/人口/地形と面積/文字/敬語/IC乗車カード/東京オリンピック/自動販売機/AKB48/オタク/皇室/節分/俳句/浮世絵/歌舞伎/落語/相撲

【第2章 自宅に招待しよう】
日本のおもてなし/ハイテクトイレ/風呂/台所/コンビニ/携帯電話/パチンコ/カラオケ/居酒屋/ラーメン/マンガ/アニメ/男性アイドル/部活

【第3章 旅館に泊まってみよう】
新幹線/旅館/日本庭園/温泉/和食器/日本酒/焼酎/すしと刺身/納豆/みそ汁/すき焼き/そばとうどん

【第4章 関西を楽しもう】
京都/大阪/方言/神社と寺/芸者/茶道/華道/和服/能と狂言/文楽/漫才/宝塚歌劇/京懐石/お好み焼きとたこ焼き

【第5章 日本の年中行事について話そう】
正月/節分/バレンタインデーとホワイトデー/ひな祭り/花見/こどもの日/七夕/お盆/月見/運動会/クリスマス

【第6章 日本のしきたりを説明しよう】
結婚/結婚式/神社参り/寺参り/戸籍と住民票/姓名判断/学校制度/福祉/お中元とお歳暮/暑中見舞いと年賀状/葬式/墓・仏壇・法事


ちなみに、この本は改訂版(2014年発売)で、トピックがいくつか刷新されてます。旧版は2008年発売で、中身が二色刷りなので、「私はテキストに書き込みたい人なので、中身はカラーじゃないほうがいい」という方にはいいかもしれません。


『英語で語るニッポン』

おすすめ度:★★★★

上述した『日本のことを1分間英語で話してみる』の詳細版という感じの本で、紹介されているトピック(項目)も多いです。

特に、第1部の「ニッポンを語るためのテクニック」で、日本について説明するのに使える表現・構文が、9つにまとめられているのですが、このまとめがすっごく気に入ったんです(*´∀`*)

あと、レイアウトが見やすく、2色刷りなので読みやすいのも特徴。CDは付いていないですが、英文の読み上げ音声は「英語で語るニッポン | コスモピア株式会社」からMP3ファイル形式でダウンロードできます。

ただ、上述の出版社サイトで試し読みをするとお分かりいただけますが、『日本のことを1分間英語で話してみる』のように瞬間英作文がやりやすいレイアウトにはなっていないので、【 シャドウイング 】と【 暗唱 】でトレーニングしていくことになりそうです。
※いやまぁ、瞬間英作文できるレイアウトになっている本のほうが少ないんですけどね…


とは言え、この本はイラストも多く、解説はかなり丁寧な部類に入りますし、『日本のことを1分間英語で話してみる』よりも扱われている項目がずっと多く(上記サイトの目次で確認できます)、"かゆいところに手が届く"ように作られているいい本だと感じています。

『日本のことを1分間英語で話してみる』をやり終えて、「物足りない!日本についてもっと説明できるようになりたい!」という方にオススメかなと。


『英語で伝えたい ふつうの日本』

おすすめ度:★★★★


日本の文化・習慣・食などについて、複数の人がディスカッションているダイアローグ(会話)形式の本です。

ここでご紹介している他の日本紹介本と違うのは、会話の中で日本の説明の仕方が学べる点です。日本について英語で説明する力だけでなく、会話力も向上させたいという方にオススメ。

個人的にオススメのダイアローグ本『英単語・熟語ダイアローグ Basic1200』と比べると、ダイアローグが長めで、語彙・表現のレベルも少し高めなので、初心者向けではないですが、その分、話が面白く、実用的な語彙・表現が多いと感じています。


『英語で説明する日本の文化 必須表現グループ100』

おすすめ度:★★★

日本について英語で説明するのによく使われる表現・構文が丁寧にまとめられてある本です。類似表現・構文の使い分けの説明がとても分かりやすいです。

シャドウイングや暗唱でトレーニングするための本というよりも、手元に置いておいて、和文英訳(ライティング)をするときや、日本についての説明文を作るときに役立つ、辞書的に活用する本という感じです。

また、自分が使えるようになりたい表現・構文を、フラッシュカード(単語帳)アプリ「zuknow」「Anki」などに登録して、【 瞬間英作文 】で覚えていくのもいいと思います。



3. 日本紹介本の勉強のやり方


上記でご紹介した『日本紹介本』の勉強のやり方を説明していきたいと思います(*゜▽゜)b

日本紹介本をやる前に

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TOEIC 600点以上ある方は、そのまま日本紹介本に取り組んでいってもおそらく大丈夫だと思います。

ですが、最近英語の勉強を始められた方は、中学文法の復習から入ることをオススメします。「英語をやっているのに文法を勉強しない」というのは、「野球やサッカーをやっているのにルールを覚えない」ようなものだと感じています。

ルールを知らないプレイヤーは、上級には到達できない

僕の知る限りでは、国内・独学の英語上級者の方々は、文法に強いです。僕はまだ中級者ですらないかもしれないですが、文法はそこそこ勉強してきました。

【参考】英文法が苦手な人にこそ読んで欲しい!おすすめ文法書8選と勉強法


次に、中学文法の復習が終わったら、『文法項目別の瞬間英作文本』を1冊やっておくことを強くオススメします。

文法項目別の瞬間英作文本を1冊でもやっておくと、英文の基本的な組み立て方が分かるようになるので、英文を理解しやすくなり、返り読みしにくくなり、暗唱もやりやすくなります。

「瞬間英作文って何?」という方は、次の記事をご覧下さい(・∀・)b

【参考】英会話の上達に効果抜群の独学勉強法「瞬間英作文」


Step 1:ディクテーション

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photo credit: Writing via photopin (license)

リスニングが苦手な英語初心者~初級者は、CD・MP3音声を使った【 ディクテーション 】から始めることをオススメします。

ディクテーションというのは、CD・MP3音声を聞きながら、英文スクリプトを見ずに、紙に英文を書き出す(PCでタイピングする)勉強法で、自分が聞き取れない英語の発音や音の連結・消失を把握するのが目的です。

ディクテーションで判明した、自分の苦手な発音と音の連結・消失は、【 オーバーラッピング&シャドウイング 】でトレーニングしていくことで、聞き取れる音がどんどん増えていきます

ディクテーションについては、次の記事を参考にしてみて下さい。

【参考】リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける|効果、やり方

また、発音と音の連結・消失については、次の記事をぜひ♪

【参考】やらない人は損してる!発音を学ぶことで得られる4つの効果
【参考】初心者必見!リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール


Step 2:精読

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ディクテーションが終わったら、英文を【 精読 】していきます。

精読というのは、英文を正確に理解する勉強法で、精読でチェックする項目は次の5つになります。


(1) 発音・アクセント、音の連結・消失
(2) 単語の意味と品詞
(3) 文構造(特に主語と動詞、そして目的語・補語・修飾句など)
(4) 文法・構文
(5) 類語の違い・使い分け


精読をしていない(=正確に理解していない)英文をひたすら音読・シャドウイングするというのは、種を蒔いていない畑にひたすら水をやるようなものです。雑草が生える程度で、実りあるものにはなりません。

国内で独学して英語上級者になる方々は、辞書と文法書を引き倒しておられます。つまり、


英語力は、辞書・文法書を引いた回数に比例する


と言っても過言ではありません。僕も精読にはかなりの時間をかけてきました。

この3年間、さまざまな読者さんと対話してきましたが、「音読・シャドウイング・暗唱などのトレーニングをしているけど伸びない」という方はたいてい、精読不足が原因です。辞書・文法書を引く回数が少なすぎるんです。

精読のやり方については、次の記事に詳しく書いてあります。

【参考】リーディング苦手な人は「精読」で道が開ける!精読の効果、やり方




Step 3:オーバーラッピング&シャドウイング

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精読が終わったら、まずは【 オーバーラッピング 】でトレーニングしていきます。

オーバーラッピングというのは、英文スクリプトを見ながら、CD・MP3音声に合わせて音読するトレーニングです。発音・イントネーション・区切りもすべて真似ていくことで、脳に英語の音を覚えさせるのが目的です。

オーバーラッピングでスラスラ言えるようになってきたら、【 シャドウイング 】に移行します。

シャドウイングは、英文スクリプトを見ずに、CD・MP3音声に少し遅れて音読するトレーニングで、やってみるとお分かりいただけますが、オーバーラッピングよりはるかに難しいです。

ですが、シャドウイングで完全に再現できるようになった音声は、確実に聞き取れる音声になります。


シャドウイングで完全に再現できる音
=完全に聞き取れる音


オーバーラッピングとシャドウイングのやり方・注意点については、次の記事をご覧下さい。

【参考】シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点


Step 4:瞬間英作文

オーバーラッピング&シャドウイングが終わったら(or 時間のある方は並行して)、次の暗唱に入る前に、日本紹介本の英文スクリプトと日本語訳を使って、【 瞬間英作文 】をやっておくことをオススメします。

シャドウイングでスラスラ言えるようになると、確かに音は聞き取れるようになるのですが、過去の僕もそうだったように、「音は聞き取れるようになってきたけど、意味が瞬時につかめない」「文頭から瞬時に聞き取れない」「単語しか聞き取れない」という初級レベルで留まってしまう可能性があります

こういう症状になった場合は、瞬間英作文をやることで解決します。また、暗唱に入る前に瞬間英作文をやっておくと、英文の理解度、暗唱の覚えやすさが全然違ってくるんです。

レイアウト的に瞬間英作文がやりにくい本は、無料フラッシュカード(単語帳)アプリ/ソフト「zuknow」「Anki」を使う方法もあります。


Step 5:暗唱

シャドウイングでも瞬間英作文でもスラスラ言えるようになってきたら、実際かなり覚えてきていると思いますが、最終的に暗唱でスラスラ言えるようになれば、当然ですが、実際の英会話でもスラスラ出てくるようになります

暗唱に関しては、まだTOEICに関する記事しか書けていないですが、次の記事は参考にはなると思います。

【参考】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!


いかがでしたでしょうか?参考になれば幸いです(=゚ω゚)ノ
 
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