時間:約7分(3727文字) 公開:13-8/6
この本で学べる表現は、ある程度、英語を学んでいる人にとっては、比較的簡単なものばかりだと思います。ですが、瞬時に使いこなせるレベルか?英会話でパッと出てくるか?というと、そうでもないと思うんです。
また、英会話をしているときに、何かを説明したり、自分の考えを述べたりすることはそこそこできても、適切なあいづちや返事の仕方、共感、同意の言葉が見つからなかったりすることってないでしょうか?
英会話のテキスト、瞬間英作文テキスト、TOEICのリスニングパートなどでトレーニングしていれば、確かに、語彙・表現は増えていくのですが、「どういう状況で、どの表現が使えるのか?」というのは、普段、日常で英語を使う機会のない日本人には学びにくいよなぁと感じています。
この本はそういった「どういう状況で、どういう表現・決まり文句を使うのか?」ということが、イラストと日本語での状況説明のお陰で、非常に学びやすく、覚えやすいように作られています。
1. この本の概要
収録英文数 | 244文 |
音 声 | CD付き |
特 徴 | ●イラストと状況説明があるお陰で、どういう状況で、 どういう表現を使うのかがとても分かりやすい ●イラストのお陰で楽しく学習でき、記憶にも残りやすい。 ▲右ページに日本語文、めくったページ(左ページ)に英文 というレイアウトなので、瞬間英作文がちょっとやりにくい |
試し読み | 出版社サイトで「立ち読み」可 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
●表現を学べるシーン
初対面 自己紹介・質問 日常のあいさつ 聞き返し・つなぎ
英語について あいづち お礼 感想 ほめる 気づかう 依頼 提案
スモールトーク 学校・レッスン 空港で迎える 観光の計画 日本を案内する
家を訪ねる 自宅に招待する 食事会・飲み会
2. この本の特徴
●やはり「英作文形式」は勉強しやすい
英語書籍のレイアウトって、ザックリ分けると主に2種類だと思うんです。「ダイアローグ(会話)・長文形式」になっている本か、短い英文のすぐ下に日本語訳があって解説してある本。前者の「ダイアローグ・長文形式」の本は、まだ音読やシャドウイングなどのトレーニングができるのでいいのですが、後者の「短い英文のすぐ下に日本語訳がある本」、
あれ、どうやって勉強したらええの?ヾ(゚Д゚ )
って個人的には思ってます。
英文をただ読んで音読するだけじゃ身につきにくいし、短文だからシャドウイングはちょっとやりにくいし、CD音声を使っての反復もしにくい。どれくらいやったら完成なのかが分かりにくいんです。
ですが、日本語文を引き金にして、そこから英文を瞬時に作り出すトレーニングである 瞬間英作文 だと、
日本語文を見た瞬間に、
英文をスラスラ言える ▶ 完成 \(・ω・)/
スラスラ言えない ▶ まだまだ反復が必要…orz
という感じで、テキストの完成度合いが分かりやすいんですね。
自分が上達してることがよく分かるし、スラスラ言える英文が増えてくると、ゲームみたいに楽しくなってくると同時に、英会話で使えるようになってきます。
さらに、丁寧な発音でスラスラ言えるようになった英文は、リスニング・リーディング時にも瞬時に理解できるようになります。
そしてこの本は、右ページに引き金(トリガー)となる日本語文+イラストと日本語での状況説明、
そして、めくった次のページに英文と解説が記載されているので、瞬間英作文でトレーニングができます。
ただ、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」などの、左ページに日本語文、右ページに英文となっているタイプの 瞬間英作文本 に比べると、ページをめくらないといけない分、英文を1文1文確認しにくいので、ちょっとやりにくい感じはありました。
とは言え、瞬間英作文本を数冊こなしていれば、リテンションスキル(英文一時記憶保持力)がそれなりにあるので問題ないと思います。僕も購入前はちょっと心配してましたが、思ったほど弊害はなかったです。
英文を隠すためのシートやしおりなども要らないので、そういう意味ではこっちのほうが勉強しやすいのかも。
●イラストと状況説明で理解しやすい
多くの瞬間英作文本は、日本語文・英文+少し解説くらいですが、文字だけだと、その表現・英文を使う状況がイメージしにくいときがあります。そういう文は暗唱もしにくい = 覚えにくい。この本は、一人称視点から見たイラストと、その表現を使う状況説明を日本語が添えてあるので、その表現を使う場面・状況がとても理解しやすいんです。
そして、特にイラストがあるお陰で、非常に覚えやすい。
今まで、いろんな瞬間英作文本にトライしてきましたが、文字だけの瞬間英作文本と違って、イラストがあるだけで、記憶定着率がかなりいいなと感じました。
イラストと日本語での状況説明・解説がある分、学べる英文数は約240文と、通常の瞬間英作文本と比べると少ないと思います。
ただ、最近思うのですが、日本語文と英文がただ羅列された瞬間英作文本よりも、こういった本のほうが圧倒的に勉強しやすいんですよね。
例え英文数は少なくとも、イラスト・状況説明・豊富な解説がある瞬間英作文本のほうが、理解しやすく、定着しやすいので、実用性が高い気がしてきました。
※こうして、英語書籍に求める僕の要求は日に日に高くなっていくのです。
●英文のページの解説が丁寧
英文が掲載されているページには、1文1文に解説が付いています。瞬間英作文ができるタイプの本は、解説があんまりないので、これはかなり重宝します。英文を使うポイントや注意点、また、より丁寧な言い方や、逆に失礼にあたる言い方についても書いてあったりするので、1を聞いて10を知ることができる本だと思います。
●「英会話初心者向け」ではあるけど「英語初心者向け」ではないかも
瞬間英作文は、トリガーとなる日本語文が直訳のほうがやりやすいですが、この本は「日本語でこういったことを言いたいとき、英語ではこう言う」というニュアンスを大切にしているので、意訳されている割合が高いです。ですので、少なくとも 文法項目別の瞬間英作文本 を2~3冊こなして、基本的な英文の組み立て方が、そこそこできるようになってからトライしたほうがいいと思います。
また、この本は、表現の使い方・使う状況に解説を割いているので、文法に関する解説はほとんどありません。
※個人的には、この本はそれでいいと思っています。
ですので、文法をきちんと学習していない英語初心者の方がいきなりこの本にトライすると、おそらくほぼ丸暗記していかないといけないので、けっこうハード(=挫折しやすい)だと思います。そういった意味でも、瞬間英作文本を数冊やってからトライすることをお勧めします。
逆に、瞬間英作文をある程度こなしている人にとっては、1周目はこの本特有の「意訳された日本語文」に苦労するかもしれないですが、2周目以降はそれなりにスラスラ言えるようになるはずです。
3. この本の勉強の進め方
目標:20周
基本的に、僕の瞬間英作文本の勉強の進め方は、300~400文くらいを1カタマリにして、20周反復する感じです。ただ、この本は約240文くらいしかいので、分割はしませんでした。
瞬間英作文本の詳しい勉強のやり方は「瞬間英作文本の効果的なやり方」をご覧下さい。
トレーニングのやり方
この本の1日のノルマとしては、1時間で進めるところまで進む感じにしました。瞬時にパッと言える文は1~2回音読か暗唱するだけですが、初めて学ぶ文や、パッと言えなかった文は4~7回、その状況をイメージしながら暗唱します。
あと、解説ページで重要だと思ったところや、「これは使える」と思った類例文などにも蛍光ペンでマーカーを引きました。
そして、1Sceneが終ったら、再度そのSceneの最初の文から軽く瞬間英作文し、次のScenceに進みます(これをやると定着度が上がる)。次のSceneでも同様にします。この本は全部で20 Sceneあります。
1周目はやはり時間がかかりますが、2周目以降は、トリガーの日本語文にも慣れてくるので、徐々に1時間に進める割合が増えてくるはずです。
「トリガーの日本語が意訳されていてやりづらい」と感じた場合は、「瞬間英作文 トレーニング快適化 8つのコツ」の記事を参考にして、直訳を書き込んでもいいと思います。
現在の英語力、瞬間英作文レベルにもよると思いますが、僕の場合、4周した時点で、間違えることがほぼなくなったので、「1Scene終ったら再度そのSceneを1周する」のは止め、すぐに次のSceneに移るようにしました。こうすることで、1日に進めるScene数が増えます。
7周目で、約1時間で1冊全部通せるようになったので、今は1日1周しており、このまま20周やるつもりです。おそらく、20周目には30分くらいで終われるようになっていると思います。
この「数日間毎日、全文通して瞬間英作文をやる」というのが、その本の全文をスラスラ言えるように定着させるための秘訣なんじゃないやろか?と思うようになってきた今日この頃\(・ω・)/
4. 姉妹書「海外旅行編」
この本には、姉妹書に「海外旅行編」があります。「基礎編」が個人的にすごく良かったので、この「海外旅行編」も買おうかと思い、本屋さんでチェックしてきました。ただ、僕はしばらく海外旅行に行く予定がないので、この本の購入はまだ先になりそうです(^_^ゞ
ですが、海外旅行や出張・留学の予定のある方には超オススメです。渡航先で使える表現がたくさん掲載されており、もちろんイラストと日本語での状況説明もついています。この本も、出版社サイト で中身をチェックできます(・∀・)b
- 同じカテゴリーの記事