界隈のLandscape 200
松戸市紙敷を訪ねた。
北総線の秋山駅で下車し、炎暑の中歩き始めた。
15分程歩くと、電柱に目的地の看板が見えてきた。
昭和の杜博物館入口である。昭和の杜博物館は、昭和30年代~50年代頃に使われていた民具、玩具や模型、車、鉄道、軽飛行機、小型船舶など、あれやこれやと集めたB級私設博物館である。
門を潜ると時代物の車が並ぶガレージがある。ガレージの上にはパイパー機が展示されているが、水平尾翼が見当たらない。
ガレージの中に日野コンテッサがあった。ジョヴァンニ・ミケロッティが手がけた優雅なスタイリングで、子供の頃にあこがれた車である。この他にスカイラインGT-Rやデボネアもあった。
冷房の無い展示館に足を踏み入れると、ゴジラやダースベイダー、C-3POなど鉄のオブジェが展示されている。
全長5mもある空母ホーネットや軍用機のプラモデルの展示室の先には、子供の頃に夢中になったプラモデルの箱絵を数多く手がけた小松崎茂氏の作品も展示されていた。
昭和の広場には、流山電鉄で走っていた「なの花」号や銚子電鉄のデハ1000等の車両が展示されている。なの花号の手前には腕木式信号機も見える。
数ある車両の奥に車掌車の「ヨ」が置かれている。昔の貨物列車の最後尾には必ずこの車掌車が連結されて、子供心に乗ってみたいと思っていた。
中央に見えるのは暖房用の石油ストーブである。窓枠は木製である。
天井も板張りで、JNRマークの付いた扇風機がある。古いタイプの車掌車を堪能することができた。
「古民具館」には、和文タイプライターが展示されていた。若い頃、職場で目にしていたが、ワープロの普及で姿を消した事務機器である。ニコンの顕微鏡もあった。
とても紹介しきれない何でもありの博物館を後にして、東へ歩くと国の登録有形文化財になっている旧斎藤邸がある。この日はイベントがあり、見学できなかった。
旧斎藤邸の先を歩くと長屋門があった。重厚な造りである。
春日神社を参拝し、東松戸三丁目に入ると廣龍寺がある。
山門の前に石塔が並んでいる。
これは帝釈天を主尊とする庚申塔で、松戸市内で唯一のものという。嘉永5年(1852)の造立である。珍しい庚申塔なのだが、逆光で見づらいのが惜しい。
東松戸二丁目、墓地の外に髭題目が彫られた庚申塔が3基並び、その右側には馬頭観音が祀られている。古地図を見ると、この前の道路は古くからある道で、往来が多く、倒れる馬もいたのだろう。
この後、東松戸駅まで歩き、帰途に就いた。
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- 界隈
- / trackback:0
- / comment:4
- [ 編集 ]
- 2024/08/13(火) 09:21:18 |
- URL |
- たいやき
武蔵野線で中山競馬までは良く行っていましたが、その途中は八柱霊園くらいしか知りませんでした。
なんでもありとは良く言ったものです。
見たいものが何でもある感じですね。
ご紹介ありがとうございました。
私の職場のすぐ近くで
- [ 編集 ]
- 2024/08/13(火) 11:43:14 |
- URL |
- kozoh55
こんな観光スポットあること、全く知りませんでした。
暖房用のストーブ、、、天井の扇風機、
そして斉藤家住宅、しらないところばかり、感謝、感謝でございます。
今は梨売りもピークですよね。
Re: タイトルなし
- [ 編集 ]
- 2024/08/13(火) 14:15:34 |
- URL |
- 路傍学会長
コメントありがとうございます。
昭和の杜は、自動車、鉄道車両、プラモデル、小道具などなど集められるものは何でも集めた感が充満しています。
昭和のワンダーランドとも言うべきところでした。
でも展示館には冷房が無く、閉口しました。
路傍学会長拝
Re: 私の職場のすぐ近くで
- [ 編集 ]
- 2024/08/13(火) 14:19:31 |
- URL |
- 路傍学会長
コメントありがとうございます。
昭和の杜は、なんでもありの不思議な空間でした。
混沌とした博物館に一度、足を運ばれたらいかがでしょうか。
でも、開館日にご注意下さい。
路傍学会長拝
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