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2017年09月04日

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1

ここ数年、毎年9月にやってくる仕事上の大きなプロジェクト。
100%なんてありえない事なのに、毎年クリアしてしまっています。
それは係っているチーム全員が精神力と体力を削っているからです。

もちろん今年もクリアしたいです。
自分自身に活を入れることも含め、槍ヶ岳の山頂祠に願掛けに行こうと決めました。

計画を練っていましたが、トレーニングも兼ねるので、日帰りが基本。
そして自分に負荷をかけるために、今まで経験した事の無いロングトレイルに挑戦する事にしました。
しかし、時間と体力との相談もしなければならないので、自分の中で勝手に関門を設定しました。
今までの山行から割り出した目標タイムを考え・・・

0:00新穂高スタート
最終目標  槍ヶ岳・双六岳を周回。
7:00までに槍ヶ岳の山頂から降りて槍ヶ岳山荘に戻れなければ、そのまま大喰岳・中岳・南岳を回って南岳新道を降りる。
クリアできた場合、歩いた事の無い西鎌尾根を通り双六小屋へ。
10:00までに双六小屋に到着できた場合は、そのまま双六岳ピストン。そして下山。
クリアできなければ、双六小屋からまっすぐ下山。

と、なんとなく時間的な目標を立てました。

さて、自分に負けないためにも、挑戦あるのみです。

今回は単独で、息子は居ないのですが・・・
いつもの長文行きます。
お時間のある方、お付き合い下さい。



9月2日

前夜8:00、自宅で子供達の花火を見届けてから新穂高へ出発しました。
夜間の通行止めは1日に解除されたので、この時間の出発でもOKです。
深山荘前の登山者駐車場に車を停めます。
入口には警備員さんが居ました、初めて見ましたね。
まだこの時間は空きが多数ありましたが、AM2:00には満車になったとの事でした。

先に出発の準備、着替えも全て終わらせてから仮眠をとりますが、なんせ通勤快速の軽自動車。
気持ちよくは寝られません。
缶ビール一本ではうまく寝られず、11時を少し回った辺りで目が冴えてしまいました。
なんとか目を閉じますが、これはもう寝れないかな・・・?
まだ2時間も寝ていない。
まぁ、仕方ないので最終準備をします。

一応、見栄を切って「日帰り」にこだわりたいので0:00を回るのを待ちました。

0:00を回った瞬間、車を降りて靴を履いて、即出発です。

深山荘の駐車場から、まずは登山者センターへ。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
まずは登山計画書を提出。
そしてトイレを借りて、最後に缶コーヒー飲んで、準備運動して・・・

0:15に登山者センターを出発しました。
ここから登山開始とします。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
まずは右股の林道から入ります。

深夜の林道歩きは、あんまり気分の良いものではありません。
単なる怖がりなのですが・・・
カサカサ言う物音にビクビクしながら歩みを進めます。

たまに傾斜の緩いところは小走りに行き、体温を上げて行きます。

5番待避所から夏道ショートカットを抜け、穂高平の小屋を通り、どんどん歩みを進めます。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
1:20
白出沢の出合いに到着です。
林道の終点、ここでやっと小休止です。
水を飲んで体を休めますが、体温を下げたくないので休憩中は一枚上を着込みます。
ガスの中に居るのか、モヤがかかった状態が続き、あんまり気持ちの良い休憩でもありませんでした。
10分ほど足を休めて出発します。
ココから先はようやく登山道です。


それからは黙々と歩き、2:00に滝谷の避難小屋に来ました。
丁度良い時間に来ちゃったな・・・
一瞬ヘッデンの明かりでチラッと小屋を見ましたが、見ないように即通過です。怖がりなもので。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
橋を渡りふと見ると暗闇の中岩の上で何かが点滅しています。
これがライブカメラですね。
ツイッターでここの映像を流していますよね。
これを見ていれば滝谷の水位がリアルタイムで分かりますので、ココを通る計画をしている人は是非見て頂きたい所です。
滝谷ライブカメラ
とても参考になりますよね。
ここで再び小休止した後、出発です。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
さらに黙々と歩き続ける事30分、槍平の小屋まで来ました。
この段階で2:50なので、3時間かからずにここまで来れました。
CTでおおよそ4時間半ぐらいなので、大体60%付近で歩けている事になります。
大体予想通りですね。
これなら第1関門、突破できそうです。

小屋前の木のテラスに腰をかけて小休止します。
行動食を少し食べたりなんだり・・・

ふとヘッデンを消して寝転がると、空一面に星空。
凄い、綺麗。
いつの間にか雲の上に出ていたみたいです。
ずっと見ていたいのですが、休む分だけまた体温が下がってしまいます。
休憩も10分ほどにして、再び歩き始めます。
ここから先はいよいよ標高を上げ始めるので、気合入れていかないと今のペースは保てません。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
ただひたすらに黙々と歩き続け、4:10に千丈乗越分岐に到着しました。
良いペースです。槍平の小屋からCTで2時間半なので、50%で歩いて来れてます。

ここで腰を下ろして行動食を食べつつ、ヘッデンの明かりを消して休んでいると・・・

遠く対岸?の弓折岳の稜線を二つのヘッデンの灯りが見えました。
こんな時間にあの稜線を歩いているという事は、同じように12時ごろに新穂高を出た人達でしょうか?
同じような事をする奇特な人が居るもんだな~と思い、再びヘッデンを点灯しました。

しばらくそのヘッデンの動き見ながら休んでいたら、なんとく向こうのライトがずっとこっちを見ているような気がします。
もちろん私もずっとそっちを見ている訳ですが・・・

なんとなく、向こうもこっちを見て人が居るな~と思ってるのかな?
「お互い頑張ろう!」と、妙な仲間意識を持ってしまいました。

さて、程よく休んだところで再出発します。
ここから先は風を遮るものが無いので、ソフトシェルを一枚着て上がる事にしました。
ここからが登りが急なのですよね。
上の飛騨乗越まではCT2時間半です。
どのくらいで上がれるかな?

ひたすらに足を上げて行きますが、ここまでも充分に自分の中でハイペースで来たので、なかなか足が上がりません。
しかしこんな所で足が売り切れるわけには行きません。
たまに振り返り、弓折の稜線のヘッデンを見て勇気づけられりしました。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
しかし徐々に空も明るんで行き、しばらくしたら上から2人の人が降りてきました。
やっと人の姿を見て安心しますが、挨拶だけ交わしてすれ違います。
それでも何か、ホッとするものがありました。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
もうヘッデンも要らないほど明るくなりました。
西鎌尾根を雲が乗越して行きます、綺麗ですね~。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
5:25
飛騨乗越に到着です。
穂先が見える!
なんとかCTの50%でこの区間を登れました。
荷物が軽いって素晴らしい。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
槍沢が見えます、何気で、あっち側は歩いた事が無いですね・・・
写真だけ撮って、直ぐに山荘へ向かいます。


槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
うーん、穂先が丸見えでテンション上がります。
3年前息子と来た時はガスの中でしたので、やっと晴れた槍に来れました。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
5:35
槍ヶ岳山荘に到着しました。
とりあえずここで一息入れます。
流石に飛騨沢を一気に上がってきたので、足がプルプル言い出してました。
まだここでくたばってもらっては困ります。
行動食を食べて、一息ついて、ストックをデポします。
10分ほど休んだ後、出発。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
さぁ、穂先へ!

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
こやりん♪
あそこでは踊れないな~。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
最後の梯子!
流石にご来光時間も過ぎているので空いています。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
6:00
休み休みでしたが、15分で山頂!頂きました!
新穂高からなんとか6時間を切りました、嬉しいです♪
山頂に居合わせた方に撮って頂きました、ありがとうございます。

ちなみに今日の装備、この荷物と山荘前に置いてきたストックのみです。
これでもカッパ、水1.5リッター、行動食、ファーストエイド、GPS等は持っています。
単独だから出来る事ですね。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
さて、今日の目的。
祠にお参りです。
ここは神様なのか仏様なのか分からないですが、リサーチでは播隆上人が槍ヶ岳を開山した際に、仏様を山頂の祠に安置し、山の寿命神にしたとの文献を見ました。
ですので、仏様ですけど神様だと理解し、二礼二拍手一礼します。
ここまで無事に歩かせてもらった事に感謝し、今年も仕事のプロジェクトが無事に完遂できる様、祈願しました。


槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
こちらも頂きます。
二等三角点
点名「槍ヶ岳」
なのですが・・・

この三角点、下の盤石がむき出しになり固定もされていません。
ですので、国土地理院の地図上からも「亡失」と言う扱いになり、機能していないのです。
まぁ、でも石があるだけでも、埋設者の苦労は報われるかと思います。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1

それにしてもこの大展望。
ぐるっと360度の絶景です。
前回息子と来た時はガスの中だったので、この眺望は嬉しい限りです。

そうそう、360度をこんな細切れに写真にするのはもったいないので、こちらでどうぞ。

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA


今回から新兵器、全天球カメラを導入しました。
PCでご覧になれる方はグリグリ動かして下さい。
画素数はそこまで細かくないですが、ズームも出来ます。
おっさんのドヤ顔は無視して頂いて構いません。

多分、珍しく空いている槍の山頂、しばらく休憩してしまいました。
今日、ここに来れて本当に良かった。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
さて、こちらがこれから行く西鎌尾根ですね。
しっかり地形を頭に叩き込んでおきます。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
さぁ、山荘に降りましょう。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
10分ほどで山荘に降り、とりあえず腹ごしらえです。
おなかが空いたのでカップラーメンを頂きます。
キッチン槍は10:30開店なので、今はカップラとパンしかありません。
それでも暖かい食べ物があるだけ幸せですね、ありがたいです。


さて、食事も終わり、時間は6時45分。
目標の、槍から戻って7時と言うのはなんとかクリアですね。
これで心置きなく双六へ向かう事が出来ます。

ここから双六の小屋までCTが3時間30分だから、今までのペースで歩ければ次の関門の10時には余裕で間に合うんじゃないか・・・
とか、ひたすら得意のTTKを繰り返します。


背負ってきた水も、気温が低かったせいかあまり飲んでいません。
予備用に持ってきた500mlのペットボトルの水をハイドレーションに足しただけで済ませました。

槍ヶ岳・双六岳 新穂高から日帰り その1
6:50
さーて、それでは西鎌尾根、行きますか!
知らない道、楽しみです♪



その2へ続く



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この記事へのコメント
へぇ~こんなカメラあるんですね。
パノラマって雰囲気出てます。

 でもよくこんな計画を立てたものです。
昔、わさび平~新穂高ロープウェイ最終って人がおりましたが、私には別世界の価値観です。

 ちなみに、小槍もやってください。
ひだやんさくらい踊れます。
大槍から10分で下れる方なら楽勝ですよ。
Posted by アサギブルーアサギブルー at 2017年09月04日 22:28
アサギブルーさんおはようございます(^^)

リコーのTHETA(シータ)と言う全天球カメラです。
360°、マルッと撮れますよ♪
今回は、たまにやりたくなるトレーニング登山でしたので、無茶してみました。
小槍は・・・
さすがにアルパインは怖くてやれないですよ(^^;
へんな所ビビリなもので、ご容赦下さい(>.<)
Posted by PENTAGON PENTAGON at 2017年09月05日 09:06
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