大地を歩こう › 2014年08月

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2014年08月25日

3000m峰21座制覇【南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳】 3日目

3日目

朝はやっぱり4時前ぐらいから周りがザワザワしてきます。
出発準備を整えている人。
既に出発してしまった人。
グーグー寝る人。

息子、グーグー寝る人です。
昨日疲れただろうから、このまま寝かせておきましょう。

とりあえず、いつもの皮算用を始めます。
まず、下山の時間。新穂高までのCTはおおよそ6時間半。

16時までに下山したいとなると、休憩も入れてリミット9時ぐらいと考えたい。
槍の穂先へは往復1時間。
息子のチビ足を考えると穂先へのアタックのリミットは7時半ぐらい。

出来れば最後の3000m峰、天気の良い中を登らせてあげたい。
リミットギリギリまで好天を待つ事にしましょう。

そんな事で6時までじっくり息子は寝ていました。
その間に私は下山準備と山頂に行く準備を整えておきます。
6時過ぎに息子が起きたので、朝の儀式を済ませてから出発準備だけさせます。
後は待機ですね。
外は風が強くガスガスですが、雨はありません。
昨日までと同じです。
予報では6時を回ったぐらいから好天になるはず。。。  

はず。。。


カッパもメットも装備して、朝ごはんを食べながら穂先へ上がるタイミングを見計らいます。
そうそう、槍のバッジをこの時買いました。

さて、槍ヶ岳山荘のホールでボーっとしていると、7時ごろに急に外が明るくなってきました。
ガスが出ているものの、薄くなっている気配がします。
これは雲が切れる前兆?
よし、行こう!


7:05穂先へ向けて出発です。
荷物が無いって凄く楽です♪

槍ヶ岳はやはり槍ヶ岳でした。
3000m峰の21座目にふさわしい山。
息子が今まで登ってきた山の技術の集大成で挑みます。
雨は降っていないのですが、ガスが流れているので岩、鎖、梯子、ボルト、全てが濡れています。
絶対に落としてはいけないので、ここもロープです。
私が先行して足場の良いところで下から息子を登らせて行きます。
どうしても時間がかかります。
ただありがたい事に、丁度穂先へ登る人の谷間だったらしく、山頂に着くまでに数名の方に追い抜いてもらっただけですみました。
周りに迷惑かけずに登れました。

登りは真剣で、まったく写真も撮れず・・・

いつもは山頂に着くときは息子を必ず先に行かせるのですが、今回は最後の梯子は私が先に登ります。
梯子を登り切った瞬間に、「いいよ~」と声を掛けてロープに軽くテンションをかけて行きます。
山頂についたおっさんが、登り切った瞬間にロープで何かを引き上げてるので、山頂に居合わせた方は
「何をしてるんだろう?」
と思われたのでは無いでしょか?

そこにニョキっと現れた息子。
居合わせた方々から「うわぁ」と声が上がります。


2014年8月20日7:30
3000m峰21座、21番目。
完登しました。
おめでとう、よく頑張った。


カミさんに書いてもらった21座制覇の手拭。
カミさん、日本習字の師範なんです。
「3000m峰21座制覇」
言葉は陳腐ですけど、歩いた私達親子には重い手拭です。


ごめんなさい、記念に私も一緒に。。。

登っておいてなんなんですが、正直なところ私にとって3000mの21座の制覇なんてどうでもいいんです。
例えば100名山の達成とか、そう言うのもどうでもいいんです。
ホントはそんな事をするぐらいなら、大好きな西穂高に21回登りたいし、100回登りたい。
でもそうじゃない、今回の事は目標を持ってそれを達成すると言う事を、息子とやり遂げたかった。
つらい事に当たっても、大変な事でも、ゆっくりでもいいから歩き続ければ必ず目標にたどり着く。
止まってしまっては先に進めないと言う事を身を持って知る。
それを一緒にやりたかったんです。
その為の21座制覇でした。


居合わせた方に、その旗を持って記念写真を撮って頂きました。
周りから拍手を頂きました、ありがとうございます。



到着時ガスガスで何も見えなかった山頂ですが、急に雲が切れて青空が見えるようになって来ました。
都合の良い考えですけど、山が祝福してくれているようで嬉しかったです。
でもビビリーな息子。
周りが見えると高さが怖くて一気にしゃがみこみます。


何も写ってない空ですけど、あまりの嬉しさに撮ってしまいました。
待ち続けた青空。


今ここが空と雲の境目です。

「雲が切れるからここで青空を待とう!」

と息子に言いましたが、

「怖いから帰る」

えー?




有無も言わせずスタスタと梯子を降り始めました。
ビビリーな息子。天気が良かったら怖くて登れなかったかも知れません。
なんとも皮肉な...



下りもしっかりロープで確保




穂先の下りはたまに青空も見えとても綺麗でした。
今山頂に居たかった・・・


落ち着きはじめたこの辺りで、急に今まで歩いた山々の事が走馬灯のように蘇ってきました。
ホントによく歩きました。
吹き抜けるガスのせいでどうしても頬を雫が伝います。
年取ったな・・・ 濡れる頬を拭いながらロープを持って歩きました。



山荘到着。

山荘到着後、荷物をパッキングしなおして下山開始です。

最後に記念写真を撮ってもらいました。


急にテンションの上がった息子。
意味が分かりませんが再び槍に向かって走り出しました。
かえるよー。



多分最後に槍が見える所。
再び穂先はガスの中へ。
急に振り返って、ガスの中の槍をじっと見つめる息子。
たまーに見せるこの感覚。何を思っているんでしょう。


飛騨乗越へ降ります。


大喰岳です。
結局、今回槍ヶ岳以外の登った山、南岳、中岳、大喰岳の山体を拝む事はありませんでした。
この道、辛かったですけどいつかリベンジしないといけないですね。


高度を下げれば下げるほど天気も好転し、新穂高への長い道のりを歩き続けました。



千丈乗越から見える奥丸山への稜線の向こうに、鏡平の小屋が見えます。
あそこから見た槍は、ホントに感動しました。


奥丸山への稜線はなんとも気持ちのよさそうな道です。
あそこもいつか歩いてみたいな・・・


中沢かな?大喰沢かな?
どちらにしても、3000mの稜線は雲の中です。
昨日もこんな感じだったんでしょうね。
下は晴れ、上は雲。


やがてテン場が見えて、槍平小屋へと戻ってきました。


ココにテントを張りました。


山荘の方に許可を頂いて、テラスで自炊のお昼ご飯です。
沢山食べてくれると、どんどん私の荷物が軽くなります。


南岳新道方面。
いきなりアレを登るとは思いませんでしたよ・・・


槍平小屋さんの手書きメニュー。
なんともカワイイです。


さて、それでは帰りましょう。


息子は木道が大好き。
理由は簡単。電車が好きだから(笑


藤木レリーフ
こんなに大きいのに、登りの時は気付きませんでした。


滝谷の渡渉は再び上流のピンポイントへ。


新たに丸太橋がかかっていましたが、これは流石に息子は怖くて渡れませんでした。


写真のまんなから辺。
ピンポイントに川幅が70センチほどに狭まります。
ここでジャンプ。


さすがにこの橋はもう怖くない。
カメラ目線で手を振る余裕っぷり。



いよいよ白出沢に戻ってきました。
New砂防ダム。


橋を渡って・・・


休憩です。
ここの休憩場所はとてもありがたいですね。


白出沢からは林道歩き。
いつもの息子は林道歩きはテンションが下がりのんびりになってしまうのですが・・・
ヒョンな事から関西から来られたパーティーの方とお話するようになり、楽しい林道歩きが出来ました。感謝しております。


あっという間に穂高平の小屋へ。

さらにぐんぐん歩き・・・


穂高の登山者センターで下山届けを出しました。お疲れ様!



その後そのパーティーの方と一緒にいつもの「ひがくの湯」へ。


サービスの進化っぷりが相変わらず好きです。


一時期「お一人様3本まで」となったうまい捧。
諦めたのか、今は数本ならお持ち帰りOKに。
好感が持てます(笑

さて、ゆっくり温泉につかりたい所ですが、夕方の息子の習い事に間に合いそうでしたので、早々に温泉を離れてしまいました。
関西のパーティーの方にちゃんとしたお礼と挨拶も出来ずに退散してしまいましたが、この場を借りてお礼申し上げます。
早々に立ち去ってしまって申し訳ありませんでした。
おかげさまで最後の林道歩きは私も息子もとても楽しく歩けました。
またどこかの山でお会いできればと思います。

車に乗って自宅へは1時間かかりません。
帰宅した瞬間、息子は習い事へ直行。
私は冷蔵庫に直行。


プシュ


お疲れ様でした。


年長の富士山から始まった
21座の山行の為に歩いた道のり。

総歩行距離 251.07km
総登り     25811m
総下り     27368m
総日数    30日


よく頑張ったよ。
君と歩いた山、私は忘れない。



  

Posted by PENTAGON at 08:00Comments(7)

2014年08月22日

3000m峰21座制覇【南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳】 2日目

2日目

3時前から隣のテントの子達がソワソワしていたので目が覚めました。
まじめに山をやってますね、好感が持てます。
私もウトウトしながら4時ごろまでシェラフでコロコロしてました。

雨は降っていないようです。
外に出て出来る限りの出発準備。
息子は遅れて4時半に起きました。

出発準備して荷物まとめて・・・


5時半を少し回ったところで出発となりました。

天気は悪く、限りなく曇天。
でも、天気予報は好天のはず、いずれ雲が切れると信じて南岳新道へ足を運びます。
最初は体を温めるためにゆっくりゆっくり歩き出します。


すぐに南沢へ来ました。
沢を少し詰めながら横断するようです。
写真の看板では真ん中の大岩の右を通るようになってますが、実際は左を通ったほうが良さそうな感じでした。


この岩ですね。


ところが、沢を登っている途中から雨がパラパラと降り出します。
えー?今日は天気になるはずなのに・・・
今だけだよね?と晴れる事を信じながらカッパを着込みました。


沢の上部には雪渓があります。
ぽっかりと口を開けた感じが何とも怖いですね。。。


沢の対岸から再び森の中に入りますが、ここからがしんどかったです。
ひたすら木の梯子、アルミの梯子、急登、狭い道、滑る道のオンパレード私も息子体力と精神力をバンバンもってかれます。
これはつらい・・・


もうこんなんばっかりです。
朝一のゆっくりペースのまま、まったくスピードが上がりません。
タダでさえ辛い登山道に、テン泊装備の重さと雨が体に負荷をかけます。


たまに木々の間から下が見えますが、いつまで槍平の小屋が離れていかない感じです。
これはつらいなー


ようやく救急箱が見えました。
西尾根のコルまで2時間10分のCTでしたが、3時間30分もかかってしまいました。
息子の足取りも重く、テンションもあがらない。天候も回復しない。
なにか様子がおかしい。
この辺でかなり違和感を感じてきたので、何回か息子に今回はやめて帰ろうと提案しました。

ま、当然にかたくなに拒絶する息子。
仕方ないので行きましょう。


コルから先は尾根筋です。
本当は左右がスッパリ切れ落ちてかなりの高度感が味わえるはずです。
こんな尾根に乗っかった木道なんてのがバンバンありました。
ガスのおかげで高度感は感じなかったのですが、風が強くあおられたら危険です。
この区間はロープを出して確保しながら歩きました。

やがて、尾根筋から南沢へ戻ります。


どんなに辛いときでも、遊び心は忘れません。
雪を見つけてしまって足止めくらいます。
コレしか楽しみ無いですからね、良いでしょう。


沢の真ん中から上部に詰め始めます。
ここは風も穏やかで少し体が楽でした。
少しだけザレ気味の登山道。
それでも快適と思えるほど、ここまでの道のりがきつかったです。

しばらく沢を詰めると、再び尾根筋に戻るのですが・・・


そこに滑りやすい丸太橋。
息子にとっては、ここが一番怖かったらしいです。
ホントは尾根の上の方が高度感を感じるはずなんですけど、中途半端に下が見えるんで余計に怖いんでしょうね。
あと、この丸太橋の所で後ろから2名の方に抜かれました。
この日初めて後ろから人に抜かれたので、ようやく安心できました。
それぐらい人が少ない道です。


「スグソコ」の表記に息子、ようやくテンション上がります。



もう少し?もう少しでしょ?と足取りが速くなります。
急に先行する息子。
もう何でも良いです、この雨から逃れたい・・・


ガスの中に突然現れました、南岳小屋です。
避難避難!

小屋に入りカッパを脱いでお昼ご飯にします。
私は食欲が無かったので、息子だけハッシュドビーフを頼んだのですが、丁寧にスプーンが二つ出てきました。
あれ?(^^; 一杯のかけそば的な・・・?
ひもじく思われたのかな?(笑

さて、槍平からCTはホントは4時間10分ほど。でも実際には5時間40分もかけてしまいました。
1.5倍ほど。ここから槍まではCTは2時間40分。もうきつい登りは無いこのでCT通りに行けるかな?
でもとりあえず酷い風と雨。天気予報に騙された・・・
このとき携帯で天気予報を確認しても、ずっと晴れになってます。
なんなんだろう・・・?
現在12時前、リミットは14時にすれば今日中に槍に行けるかな?
とりあえず、停滞しよう。。。

なーんて考えてたら、向かいの席の方から声を掛けられました。
先ほど登山道で私たちを追い越して行かれた方でした。
「ヤマレコやってませんか?」
はい、やってます。
山を歩いててヤマレコの関係した方に声を掛けていただけるのは初めてだったので、ちょっとびっくりしつつも嬉しかったです。
同じ道を歩き、目指すところも同じようです。

小屋には他にNHKの撮影班が居ました。
あれー?あのおねーさん、この前重太郎新道ですれ違った人かな?
確か小林千穂さん・・・だっけかな?
そんな気がしますけど、違うかな?

小屋でしばらく待機していたら、風は強いものの雨は止んできたようです。
続々と停滞していた人たちがキレットや槍に出発していきました。
先ほど声を掛けてくれた方にも、
「槍で会いましょう」
と言っていただき、出発されて行きました。

このまま南岳小屋に幕営するかどうか・・・
時間はまだ13時。
明日が雨ならどうにもならなくなります。
今は晴れていないけど、雨じゃないだけいいか。よし、槍へ行こう!



出発です。
雨は止んでますが、風が強く体が冷えると体力が持ってかれるのでカッパを着て歩きます。
急な雨にも対応できますし。
3000mの稜線で体を濡らすのは危険過ぎます。


小屋からわずか10分足らずで南岳山頂です。
3000m峰18番目!


恒例の三角点確認。
さて、写真だけ撮ってどんどん行きましょう。


きっと晴れていたら、槍が段々近づいてくる高揚感が味わえたはずなんですが・・・
天気予報、なんでだ・・・
小屋で停滞していた方も皆言ってました。
今日は天気予報に騙されたと・・・


所々こんな岩場も通過します。
これぐらいならもう平気ですね。


長野県側は少し切れ落ちたりしている所があります。
ガスも酷く風も強いので、この稜線歩きは殆どロープをつないで歩きました。


「お父さん!雲のなかから猫が顔出してる!」
うんうん、確かにそう見えるね(笑


やがて天狗原分岐へ。
「山頂?」
と聞きながら息子がしがみつきます。
どう見ても違うでしょ?(笑



はるか下の方に見えるあれが天狗原かな?
お盆開けのこの時期にあの雪の量では、今年はあのまま根雪になっちゃったりして・・・
分岐から中岳への間は、岩場と気持ちの良い稜線歩きとが交差します。


こんなピークを越えたり。
常に白丸点が視界に入るので道迷いはありません。
これだけガスっているのにありがたい事です。
ちなみに写真は極力視界が開けたときだけに撮っています。
大体はこんなに前は見えていませんでした。


中岳が近づくと少しずつ岩場が多くなります。


南岳へのルート、昔と違うんですね。

そして登りが徐々にきつくなり、何度もガスの中の偽ピークに騙されました。
息子がぐずり始めたその時・・・


間違いないね。
息子が嬉しくて駆け出しました。
でも走らないで~!!


中岳山頂!
3000m峰19番目!
展望無し!

もう、ただのピークハンターになっている事が悲しかったです。
なんで山を歩くのかって、景色を見るために歩く訳じゃないですか。
だから天気予報を見ながら晴れの日を選んでくるのに・・・


中岳の向こう側は2段の鉄梯子を降ります。
大した事は無いのですが、梯子が濡れて滑りそうでしたので、ロープで確保です。


うわ、雷鳥!
親子でテクテクと歩いていました。
登山道を50mぐらい、一緒に歩きました。
雷鳥、いつ見ても歩き方が強烈にカワイイです。


あれが大喰岳かな・・・?
と、大喰岳に登り返したのですが、しばらく平坦な土地を歩いたら下りに入り始めました。

あれ?おかしい、この辺が山頂のはずなのに。。。
ザックを置いて山頂を探します。


山頂、どこだ?


あ、あったあった。


と言う訳で大喰岳山頂!
3000m峰20番目!

あとひとーつ!


しかし危ないところでした。
地図には確かに「二重稜線」と書いてありまして、登山道の左右にピークが沢山ありました。
ガスガスでホントの山頂がどれか分からずにスルーしてしまう所でした。
危ない危ない。

山頂から下りの下りは、ザレたジグザグ路を行きます。
この時点で時間は16時半を回ってしまい、かなりCTを上回ってます。
と言うか、この日の行動時間が長すぎです。
南岳小屋で幕営しなかった事が悔やまれました。
息子はかなり疲弊しています。
もちろん自分も疲れ切っていました。


ようやく飛騨乗越
「日本一高所の峠」
と地図に書いてありましたが・・・
あれ?南アルプスの三伏峠にもそんな事が書いてあったような?
どっちが本物でしょう?(笑

さて、乗越からは登り返しです。
息子があきらかに嫌な顔をしていましたが、
「槍の山頂まで0.35km」
と言う看板を見て、
「え?じゃぁ小屋までは100mぐらい?」

と気付きました。

さらにその瞬間に一瞬上の雲が切れて、テントが張っているのが見えました。
「スグソコだ!行こう!」
と急に元気に。


テン場を抜け、ガスの中にぼんやりと小屋の形が・・・
槍ヶ岳山荘、ようやく着いた・・・



ついてザックをおろした瞬間、急に目の前のガスが切れて槍の穂先が見えました。
居合わせた方が言うには、今日の穂先は1日中ガスの中で殆ど見えなかったそうです。


記念写真!
意外と元気?
1日中ガスガスの中を歩いた中最後に見た槍の穂先は、
最後にもらえたご褒美のようで嬉しかったです。

さて、時間は17時10分。
行動時間が長すぎです。
ここで息子に選択権を与えました。
これから風の強い中テントにするか、小屋泊が良いか?
息子、迷わず

「小屋泊!」

やっぱりとは思ったものの、今日辛い思いをさせてしまった後ろめたさがあるので従います。
ここまでテント担ぎ上げてきてるのに・・・



と言う事で、部屋に案内されて荷物をまとめたら自炊室で有ご飯です。
息子はカレー。私は丸山動物園のシロクマラーメン醤油味です。
おなか一杯になったらホールに戻ってトランプしたりなんだり・・・

はぁ~、小屋って楽。


イカンイカン、心がくじけそうでした。
やっぱりテント!

あっという間に時間も20時に。
疲れきって布団に入った瞬間に寝落ちしました。

天気予報のばかぁ・・・
信じていたのに・・・

明日こそ晴れると良いな・・・





3日目に続く  

Posted by PENTAGON at 22:50Comments(0)

2014年08月21日

3000m峰21座制覇【南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳】 1日目

久しぶりの更新です。
この登山日記を楽しみに見て下さる方が居らっしゃるかどうかは分からないですが、お待たせしました。
基本的に日記代わりに書いているブログです。
首を長くして待ち続けて下さい、不定期更新です。
今回はメモリアル登山となりましたので、いつも以上にクドく語りたいと思います。
それではいつもの長文、行きましょう。


8月18日月曜日
ホントはお盆休みに入った12日からの山行計画でしたが、天候に恵まれずに待ち続けていました。
お盆に入っても梅雨のような天候、もう最悪です。
しかし、ようやく3日間の晴れ間が予報に出てきました。
と言う事でこの日に出発です。

朝9時半、のんびり自宅を出発します。
新穂高に車を走らせ、深山荘の駐車場へ。
最上段に空きがあったので、ほぼ一等地に駐車できました。


さて行きましょう。


新穂高の登山者指導センターで登山計画書を提出します。
計画書は提出用が1通、カミさん用が1通、自分の控えが1通、必ず3通用意します。
提出と同時に気になる滝谷の水量の確認。
もうこの段階で通常の水量に落ち着いているとの事で安心して出発です。


11:10
ロープウェイ通過。今日は乗りませんよ。
久しぶりに空が青く気持ちよいです。
天気、良くなるといいな♪


小鍋谷のゲート。
この日からお盆明けになるので、工事用の車両が通過したのと、警察の車両が通過したのと・・・


蒲田川の水量はもう普通ぐらいだと思います。
ただ、川に沿って延々と水色のヘリが往復しています。
この段階でまだ捜索していたのでしょう。
(後に知りましたが、この日の昼には3名全員見つかったそうです)


4番ポストよりショートカット道。
雨上がりだから滑りやすいのか、この道はいつも滑りやすいのか・・・
歩きやすい道では無いと、ちょっと思います。


12:10穂高平小屋です。
そうそう、今回から息子のザックを新調しました。
ドイターのFOX40です。
オスプレーのジブ35と迷いましたが、ドイターの方がパッドが厚く軽いのでこちらにしました。
なかなに渋くて良い感じです。


少し休憩しましたが、この日の午後は小屋はお休みでした。


柳谷。
最初に見る大きな景色です。
見た感じ水量は普通・・・
って、この日は水量が気になって気になって仕方ないです。

盆が明けたからか、この日は登山者の姿を全く見ません。
まぁ時間も遅いので当然ですけど。
ただ、すれ違う人もいなくて少し不安になったりしました。
相変わらず蒲田川上空をヘリが何度も往復しています。


13:20 白出沢出合に到着です。
登山者休憩所があるので再び休憩です。
白出沢では砂防ダム建設の治水工事をしているのでとてもにぎやかです。
工事現場の人と少しお話して、13:40に出発です。


工事のおかげで渡渉がありません。
鉄製の橋で安心して渡れます。


この日は気温も高く湿度もありました。
森の中を歩いていると風も無く、暑くて暑くて仕方ありませんでした。


ヒカリゴケ。
うっすらと光っています。


ごめんなさい、花はあんまり詳しく無いんです。
でも青くてとても綺麗な花でした。


空が青くとても綺麗です。
このまま晴れ続ければ最高の稜線歩きができる♪

と、この時は思ってました・・・



チビ谷です。
8月18日現在、チビ谷には水は流れていませんでした。

またそこから林道を少し歩くと・・・


滝谷非難小屋に出ました。
「覗いてみる?」
と息子に聞くと、フルフルと首を横に振ります。
何か感じるのかな?


さて、一つ目の橋渡り。
今まで色々な山を歩いてきたおかげで、コレくらいの橋は怖がらなくなりましたね。


さて、問題の次の渡渉ですが・・・
水量は通常に戻っています。
大人が渡渉するのは全く問題ないのですが、息子には少し恐怖だったようです。
かたくなに渡ろうとしないので、仕方が無いので別のポイントを探すために少し上流へ歩きました。


滝谷非難小屋。
ぽっかりと開いた入り口がなんとも・・・


50mほど上流に、川幅が70cmほどになるピンポイントを発見しました。
そこでジャンプして渡ります。
靴を濡らさずに渡れました。


安心して一枚。
とりあえず無事に渡渉したので、ここで少し休憩しました。
やはりここが増水したらよっぽど怖いでしょうね。
川の水は短時間で一気に増水します。
と言う事は、短時間で一気に減水もします。
待つ勇気、大切だと思います。
非難小屋が上手側にもあれば、事故は減らせるんじゃないでしょうか・・・?
なんて思ったり。。。

さて、出発しようかと思ったら、下から若い子達の集団が上がってきましたが、やはり渡渉で躊躇している模様です。
先頭の子がためらっている感じがしたので、上流のポイントを説明しました。
数人が無事に渡るのを確認してから私達は出発しました。
まぁ、小学三年生の息子が渡れるんですから、大人はホイッと渡れますよね。


さ、あと1時間、頑張ろう!


コース案内でよく見かける岩。
思ったより大きくてびっくりしました。


南沢です。


南沢には少量の水が流れていました。
ただ、ココもかつて事故があったと思います。
やはり沢渡は水の有無で危険度が変わりますね。
天候の変化が命に直結するのは当然の事。
やはり山は晴れた日に行くようにしましょう。


木道が現れたら小屋が近い証です。
息子は木道が大好きです。


そうですよね、やっぱり。


16:45槍平小屋に到着しました。
5時間以上かかってしまいましたね。。。
テントの受付をします。


幕営完了したら、先ほどの若い子達のグループが到着しました。
息子が熱い眼差しを送ります(笑
男の子5人、女の子5人。
岐阜大学のワンゲル部だそうです。
10人の人数に対してモンベルのテント二張り。
そんなに入れるかな?と思ったら、寝るときは皆さんザックにカバーかけて、
テントの外においなりさんのようにザックを重ねて置いて、さらにシートを被せていました。
人しかテントに入らないんですね。
そんな方法もあるんだ~。


こちらも今回新調したストーブ。
プリムスのスターターセット。
火力が強く、お湯が沸くのが早いです。
この日のメニューはパスタでした。


お湯が沸くまで私はビール。
息子はチーカマのヘタが取れずに悪戦苦闘。
開けられない者、食うべからず(笑


明日昇る南岳方面。
山頂方面かな?明日も晴れるといいな・・・


息子と色々とお話して、20時には寝落ちしてしまったのですが・・・

夜中に雨の音で目が覚めました。

あれ?天気予報では明日は全開で晴れのはずでは・・・?


まぁ、朝までには止むでしょう。


と、この時は安気に思っていました。


おやすみなさい



二日目に続く。































  

Posted by PENTAGON at 23:40Comments(0)

2014年08月01日

穂高縦走 3日目【穂高岳山荘~奥穂高~前穂高~岳沢~上高地】

3日目

3時に起きて4時出発の予定でしたが、息子の起動に少々時間がかかりました。
どちらにしても、4時ではまだ外が暗かったので、暗い中いきなり壁を登るわけにも行かず、
4:30に出発になりました。



準備完了です。
息子にはハーネス、ロープ、ヘルメット装備です。
まだ風も冷たく寒いので、目出帽にニット帽もかぶせておきます。

山荘前のテラスには御来光を見るために大勢の方が出てきています。
私達親子の姿を見るなり、遭対協の方が近づいてきまして
「奥穂に行かれるんですか?」
と聞いてきました。
今日は暑くなる予報らしく、岳沢までは給水場所も無いので水を多めに持ったほうが良いとアドバイスを頂きましたが、もちろん承知の上。
二人分で多すぎるほどの5リッター抱えていますよ。
流石に5リッターは笑われました。
もちろん、荷物も初日以上重く・・・

さて行きます。
この時間ならまだ壁を登る人も居なく、時間のかかる息子が進んでも誰にも迷惑をかけません。
ただ、小屋の前に御来光を見に出てきた方や、遭対協の方、皆さん一斉にこちらを見ているのが分かります。
ちっこいのが壁にへばり付いて登っているんですから、不安でしょうね・・・
私が先行して足場が安定したら、ロープにテンションをかけて登らせて行きます。
人一倍時間をかけましたが、最初の壁を登りきりました。


壁を登ったあたりで丁度日の出です。
奥穂の方から日が登ります。綺麗だ・・・


うわー、槍も見える!
今日は良い天気になりそうです♪


これから行く奥穂の山頂が赤く染まります。
綺麗だな~。

最初の壁を登ってしまえば、後は山頂までユルユルと歩くだけになります。
浮石が多いので足元注意ですね。


あそこに見えるは山頂ですね!


5:30山頂!
って、山頂の祠が変わってる!
ピカピカの石の祠に変わっていました。


うーん、相変わらず道の険しさに対してシンプルな案内。
今日はそっちには行きません。

とりあえず山頂を通り越して広場にザックを置きます。
気を取り直して・・・


奥穂高岳登頂!
3000m峰16座目!


ニュー祠と槍!


ジャンダルムが綺麗です!


槍の向こうには立山も見えますね。


一通り山頂を堪能しましたら、広場に戻って朝ごはんにします。
お湯を沸かしてスープを飲み、パンを食べます。
山頂で食べる朝ごはんって、美味しいですよね。
水を消費しないと(笑

ゆっくりと過ごした後、6:10に出発します。

吊尾根を通って、向こうに見える前穂高に向かいます。
もちろんココの道も険しいのは分かっているので、ロープ・ハーネスを装備したまま行きます。


お、ジャンダルムの上に人が居ますね・・・


南陵の頭


ヘリの音がすると思ったら、北穂の山頂にヘリが止まってます。
そのヘリは今度はヒュッテへ降りて行き、そのあと吊尾根を越えて上高地へと降りて行きました。
ヘリ、カッコいいですね。



やはり吊尾根、鎖場・厳しい所の連続です。
手足のリーチの短い息子はどうしても時間がかかります。
なるべく後ろの方に迷惑をかけないように気を使ってはいても、やはり待たせてしまう場面もありました。
申し訳ありませんでした。


吊尾根は岳沢側に常に切り立っています。
そして真下にはいつも岳沢小屋が見えます。
結構標高差ありますね、近いのに遠い感じがします。


こんなんばっかりです。
一歩一歩、しっかりと体を支えて降りて行きます。
大人の一歩が子供の試練になります。


ふと振り返ると奥穂。
大分高度を下げてきましたが、ここから見る奥穂はまた違う形をしてるんですね。


最低コルまでやってきました。
紀美子平まであと30分ぐらいかな?


あの辺りが紀美子平でしょうか?


8:30 ようやく紀美子平に到着しました。
やっぱりCTより多めですね、岩場が続くと仕方が無いです。
ここで10分ほど休憩して、荷物をデポします。


さぁ、前穂に行こう!
ここは私も登った事がありません。
10年ちょっと前に初めて来た時、あまりに疲れて前穂はスルーしたんです。
それに比べれば、息子は自分より強いな...

ここは岩場のきつい登り、そしてちょっと高度のある岩のトラバースと続きました。
足場は浮石が多く、落石に注意です。
もちろん、自分が落石を起こさないように重々息子には注意しました。
唯一の救いは、荷物が無くて体が軽いと言う事ですね。

余裕が無く山頂まで30分ノー写真でした。


9:10前穂高岳登頂!
3000m峰17番目!
よーく頑張った!


一等三角点でした。
いつもなら三角点に乗る息子ですが、今後は乗せないように注意しました。
もう乗る事は無いと思います。
優しく優しく「タッチ」です。
今度、「点の記」見ないといけないですね。


これから下る上高地方面。
距離はあまり無いんですけど、高度差が結構ありますね・・・


奥穂はやっぱり大きくて素敵な山です。

ぐるーっと見える大展望。
北を見れば立山から槍、北穂
南を見れば乗鞍、御岳、南アルプス、富士山
360度の大パノラマです。

南アルプスのあの高い山々、全部息子と歩いたんだな。。。
よく歩いたもんです。
綺麗です、ホントに来て良かった。



息子は山頂デザート、大好物のQooのぷるぷるゼリーを頬張ります。
しばらく回りの景色を眺めていましたが、涸沢側からあっという間にガスが立ち込めてきました。
そろそろだね帰ろう。


紀美子平に帰ります。
下りは息子先行で、ロープに軽くテンションかけるように下ります。
軽く転倒するだけでも大事になるかも知れませんので。

やっぱり岩場の下りは時間がかかりましたが・・・


紀美子平に戻ってきました。
再び少し休憩して、さらに下る体制を整えなおします。
息子も地図を見ながらCTを確認しています。


10:20 それでは重太郎新道を下りましょう。
ここも急な岩場や鎖が連続していた記憶があるので、ロープはつなぎっぱなしです。



よくコース紹介で見るハシゴですね。
ここは上側にスペースも無いですし、高さも無いので先に登ってもらいました。

「お父さん!このハシゴカタカタするよ!」

と息子。
ホントにビビリですね。
まぁそれが慎重さに繋がってるから良いのですけど。


しばらくはうんざりするほどの下り岩場鎖場を消化していきます。
それ以外の下りも結構な勢い。
膝にだいぶ疲労が蓄積されてきまして、休憩を取りましたところ・・・


撮影クルー4人が通っていかれました。
先頭に綺麗な女性。
NHKの小林さん?かな?
2人目にカメラマンさん、
3人目に音声さん、
4人目はディレクターさんかな?

息子は語りかけられて撮影されていました。
10月20日放送だそうで、映るかな?

なんにせよ、カメラマンさん、あのカメラをずっと構えたままあの急登を登り続けるなんて凄い体力ですね。
驚きました。


あの岩場もすいすい行っちゃいます。



上の方は大分ガスが出てきまして、もう山頂は見えません。
我々が行ったときは晴れてて良かった・・・


さて、ガンガン下ります。



岳沢パノラマ!
ホントにパノラマですね、視界が開けて綺麗です!


岩場を下ります。
しかし重太郎新道ってのはホントにきついですね。


ハシゴを降り。。。
こんな所によく道を作ったもんです。
今田重太郎氏、凄い人です。


膝がガクガクになってきたあたりでようやく岳沢のテン場に着きました。


12:40 ようやく岳沢小屋に到着です。
ここでお昼ご飯にしました。
もう水をもっていても仕方が無いので、ここで消費しました。
お昼ごはん食べて、膝を少し休ませます。
少し足を休ませるだけでも、かなり復活しました。


上高地も大分近づきましたね。
もう少し、もう少し。


13:10再び出発します。
ココから先は危険な所も無いので、ロープもハーネスもヘルメットも全部しまいました。
快適な樹林帯を行きますが・・・

やはり膝は大分疲れていまして、息子が何度も膝抜けを起こしてしまいます。
私も2回ほどやりました。


と言うわけで、こまめに休憩を取りながら行きます。
もう上の方はガスで見えないですね~


たまに展望の開ける沢沿いに出るので、そんな時に休憩したりします。


歩きやすいとはいえ、さすがにこれだけ樹林帯の中を歩けば段々体温も上がるのですが・・・


この風穴の天然クーラーはホントに助かりますね。
しばらくココから動けませんでした。
穴を覗くと氷も見えますね、ホントに温度が低いようです。


こんな看板を見つけましたが・・・
「8番って書いてある!って事は7番も6番もあるのかな?」
と息子が言いますが、そんなにあったかな?



たまに木道が出てくるようになったらもう少しですね。
木道は歩きやすく、膝に優しいです。


木の橋を渡ったり。


いよいよ、あそこに見えるは・・・


登山道入口です!
お疲れ様!


と言っても、ここからさらに河童橋、バスターミナルへと歩き続けます。


急に周りを歩く人が増え、ジーンズにスニーカーの人が増えます。
違和感を覚えますが、違和感丸出しなのは我々の方ですね。
何より3日間風呂に入って無いので・・・
申し訳ありません。


河童橋の近くまで来ました。
梓川の水が凄く綺麗ですね。
息子、感動していました。


下山の記念写真!
山頂が見えないのがちょっと残念です。


ホントはこう見えるはずですね(笑


なんだか知らないですけど有名な橋に戻ってきました。
なんだか知らないとか言いながら、違いますよね。
芥川龍之介氏の”河童”で有名になった橋です。



実は上高地には家内と娘がお迎えに来てくれていました。
ここで合流してバスまでのんびり歩いて帰りました。



さて、これで挑戦していた3000m峰は17座やっつけました。
最後は南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳。
次の挑戦でやっつけましょう。
槍ヶ岳の山頂で、この旅を終わらせましょう!

あと4座!

  

Posted by PENTAGON at 12:00Comments(2)