大地を歩こう › 2015年08月
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2015年08月27日
【新穂高から日本海へ】 9日目 日本アルプス横断の旅
8月16日 最終日 晴
目覚めなくてもいいのに、AM2時頃目が覚めます。
トイレに行こうと思って外に出ると、満点の星空でした。
山間の馬場島、真っ暗で明かりも無いのでここも星空がとても綺麗です。
テントに戻り、しばらくボーっとしてたら、またウトウトと。。。
今日はもう慌てなくて良いんだな、と思ったら再び眠りに落ちました。
2度寝して5時過ぎに目が覚め、そこから朝食と出発の準備をします。
今日は旅の最終日。
馬場島から日本海まで約30km歩きます。
トランスジャパンアルプスレースのスタート地点、ミラージュランドを目指します。
昨夜、肉に集中しすぎてやり忘れたザックの整理です。
家内に軽装ザックを持ってきてもらっているので、重いザックは車に預けます。
色々と準備してノンビリ。
カミさんと娘に見守られながら7:30スタートです。
とっても軽装です。
さようなら、剱岳。
ありがとうございました。
早月川の水はとても綺麗です♪
少し歩くと「ゾロメキ神社」と言う神社がありました。
早月川水系の水の神様を祭ってあるようです。
今日の行程は約30kmです。
時速5キロで歩ければ、大体6時間で歩けるはずです。
グーグル先生は5時間半で行けと仰いますが、それは色々に無茶な話です。
最初の1時間は時速4.8kmほどで歩けました。
剱の北方稜線、綺麗ですね。
しかし、天気も良く平地は気温の上昇が激しくて、暑くて暑くて・・・
一気に体力が奪われ、どんどん足並みは遅くなります。
暑い・・・
道端の何気ない空き地に、早月川の砂防ダムについての説明が書いてありました。
草ぼうぼうで、車も寄らないような所です。
こんなに立説明版があるのに、きっと誰も見る人は居ないのだろうな・・・
と思います。
そしてその向こうには大きな砂防ダムです。
最初の集落、伊折地区にやってきました。
道端に水場がありまして、歩行者にはとてもありがたいです。
水を頭から被りすっきりです♪
冷たくて気持ち良いです♪
さらに歩いて伊折橋です。
橋の真ん中から剱方面を見ると、とても綺麗です♪
と思ったら・・・
ふるさと眺望点だそうです。
でも、橋の欄干のド真ん中にこれを張ってあっても、誰も気付かないと思うのですが。。。
歩く人は少ないでしょうし。
雲は秋色に入りかけです。
さらに水場です、助かります♪
サラサラと流れ出る水の音だけでも清涼感が漂うのに、触れると息子が叫ぶほど冷たくて気持ち良いです。
やがて県道67号を歩きますが、一部は造成中で砂利道でした。
上市町を出て、滑川市に入ります。
この道路脇にある除雪目標のポールですが・・・
収納できます(笑
(もちろん元に戻しました)
5時間弱ほど、18kmを歩いて箕輪のダムの脇まで来ました。
ダムサイドに休憩場所を発見しました。
風が吹きぬけて気持ちよく、早月川の澄んだ水が良く見えて涼しいところでしたので、ここでお昼ご飯にしました。
持ってきたパンを食します。
しかし、少し量が足りなかったので・・・
すぐ近くの「みのわファミリーハウス」のレストランで足りない分を補充しました。
小一時間ほど休憩してから出発します。
と言うか、エアコンの効いた部屋からの脱出に困難を要しました(笑
県道67号はダムで早月川を渡るのですが、その内また戻ります。
地図を見るとまっすぐいける道がありそうなので行って見ました。
砂利道で狭く、車は通行止めのようです。
無事通り抜けられました(^^)
そしてそこからは左右の山のは消え、広い平野へと景色を変えていきます。
とうとう山が無くなった。。。
どこまでも続く田んぼの向こうに、なにやら黒い線が。。。
とうとう日本海が見えた!
来たな~・・・
ここから川近くの道を歩きたいので、少し水路の入り組んだ道を行きます。
振り返ると剱岳は雲の中でした。
遥か遠くに観覧車が見える。。。
あれがゴール地点のミラージュランドですね!
見えてきましたよ~♪
この水路のあたりは入り組んでいて分かりにくいので、グーグル先生に助けを求めます。
街に下りてくると文明の利器が使えて良いですね♪
水路の地区を抜けて、早月川沿いの道に出ました。
後10kmほど、頑張って行きましょう。
照りつける日差しが容赦なく体力を奪います。
息子も私も暑さでかなりやられてます。
日影が欲しいです。。。
早月川を渡る送電線です。
鉄塔マニアにはたまたないですね。
左が懸垂型で、右が耐張型です。
北陸新幹線が通ります。
「つるぎ」はここを通らないんでしたっけ?
「お父さん、目が痛いよ~」
と言う息子。
まつげの上に塩の結晶がついています。
タオルをぬらして顔を拭きました。
私も体が塩っぽいです。
少し道を誤って、8号線で早月川を渡りました。
ホントはもう少し川沿いを歩くはずだったんですが、河原を歩かないとダメなんですね。
再び川沿いを歩くと、目の前には・・・
とうとう来た。。。
15:30 日本海に足を入れてゴール!
やり遂げた!
新穂高から100km9日間、よく頑張った!
迎えてくれたカミさんと娘。
家族の協力が無ければ、この旅はありえませんでした。
ホントに感謝しています。
ずっと放置しててごめんなさい。
当然ですが、標高0mです。
滅多に見ない数字は、少し嬉しいですね。
息子、珍しく物思いにふけっています。
旅の余韻を嚙みしめているようでしたので、しばらく1人にしました。
ここに到着する少し前から
「あー、着いちゃう。
お父さん、嬉しいんだけど何か嫌な感じがする~。」
と言ってました。
子供ながらに終わったポッカリ感があるのでしょう。
私も新穂高から100km弱を歩き日本海に足を入れた時は、きっと泣いてしまうかと思ってましたが涙は出ませんでした。
なんとも言えない嬉しさと共に、旅が終わってしまった寂しさが重なり合い、ただひたすらに達成感として押し寄せて来ました。
息子も同じだったらしく、小1時間ほどそれぞれに無言で海を眺めました。
この旅を始めた理由はまだ語れませんが、「あきらめない」精神は、少しは息子に伝わったのでは無いかと思います。
やると決めた以上はやる。それに向かって努力する。歩き続ける。
「負けない気持ち」が彼に伝わりますように。。。
この旅の目標になったトランスジャパンアルプスレースのスタート地点です。
記念に写真をとります。
かのレースの選手方、早い人は5日間、出会った宮崎選手も8日間で太平洋まで駆け抜けます。
そのスタート地点に息子が岩で書いた「ゴール」の文字。
ホントによく頑張った。
君と歩いた夏の大冒険、私は忘れない。
この旅を遂行するにあたり、アドバイスを頂いた方、関わる事が出来た方、また道ですれ違い声をかけて下さった方々、応援いただいた方々、皆様に感謝しております。
この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
夏の大冒険は終わり、これでひと段落となりましたが、旅はまだまだ続きます。
今度は南ルートを繋いで、太平洋が待っています。
日本海への道は繋がりました、後は太平洋へ向かうだけ!
2015年8月 8~16日
歩行距離 101.17km
累積標高差 登り6461m
下り7548m
日本横断へ
総日数 13日間
総歩行距離 197.47km
総累積標高差 登り12481m
下り14032m
(※SMRT標高による)
目覚めなくてもいいのに、AM2時頃目が覚めます。
トイレに行こうと思って外に出ると、満点の星空でした。
山間の馬場島、真っ暗で明かりも無いのでここも星空がとても綺麗です。
テントに戻り、しばらくボーっとしてたら、またウトウトと。。。
今日はもう慌てなくて良いんだな、と思ったら再び眠りに落ちました。
2度寝して5時過ぎに目が覚め、そこから朝食と出発の準備をします。
今日は旅の最終日。
馬場島から日本海まで約30km歩きます。
トランスジャパンアルプスレースのスタート地点、ミラージュランドを目指します。
昨夜、肉に集中しすぎてやり忘れたザックの整理です。
家内に軽装ザックを持ってきてもらっているので、重いザックは車に預けます。
色々と準備してノンビリ。
カミさんと娘に見守られながら7:30スタートです。
とっても軽装です。
さようなら、剱岳。
ありがとうございました。
早月川の水はとても綺麗です♪
少し歩くと「ゾロメキ神社」と言う神社がありました。
早月川水系の水の神様を祭ってあるようです。
今日の行程は約30kmです。
時速5キロで歩ければ、大体6時間で歩けるはずです。
グーグル先生は5時間半で行けと仰いますが、それは色々に無茶な話です。
最初の1時間は時速4.8kmほどで歩けました。
剱の北方稜線、綺麗ですね。
しかし、天気も良く平地は気温の上昇が激しくて、暑くて暑くて・・・
一気に体力が奪われ、どんどん足並みは遅くなります。
暑い・・・
道端の何気ない空き地に、早月川の砂防ダムについての説明が書いてありました。
草ぼうぼうで、車も寄らないような所です。
こんなに立説明版があるのに、きっと誰も見る人は居ないのだろうな・・・
と思います。
そしてその向こうには大きな砂防ダムです。
最初の集落、伊折地区にやってきました。
道端に水場がありまして、歩行者にはとてもありがたいです。
水を頭から被りすっきりです♪
冷たくて気持ち良いです♪
さらに歩いて伊折橋です。
橋の真ん中から剱方面を見ると、とても綺麗です♪
と思ったら・・・
ふるさと眺望点だそうです。
でも、橋の欄干のド真ん中にこれを張ってあっても、誰も気付かないと思うのですが。。。
歩く人は少ないでしょうし。
雲は秋色に入りかけです。
さらに水場です、助かります♪
サラサラと流れ出る水の音だけでも清涼感が漂うのに、触れると息子が叫ぶほど冷たくて気持ち良いです。
やがて県道67号を歩きますが、一部は造成中で砂利道でした。
上市町を出て、滑川市に入ります。
この道路脇にある除雪目標のポールですが・・・
収納できます(笑
(もちろん元に戻しました)
5時間弱ほど、18kmを歩いて箕輪のダムの脇まで来ました。
ダムサイドに休憩場所を発見しました。
風が吹きぬけて気持ちよく、早月川の澄んだ水が良く見えて涼しいところでしたので、ここでお昼ご飯にしました。
持ってきたパンを食します。
しかし、少し量が足りなかったので・・・
すぐ近くの「みのわファミリーハウス」のレストランで足りない分を補充しました。
小一時間ほど休憩してから出発します。
と言うか、エアコンの効いた部屋からの脱出に困難を要しました(笑
県道67号はダムで早月川を渡るのですが、その内また戻ります。
地図を見るとまっすぐいける道がありそうなので行って見ました。
砂利道で狭く、車は通行止めのようです。
無事通り抜けられました(^^)
そしてそこからは左右の山のは消え、広い平野へと景色を変えていきます。
とうとう山が無くなった。。。
どこまでも続く田んぼの向こうに、なにやら黒い線が。。。
とうとう日本海が見えた!
来たな~・・・
ここから川近くの道を歩きたいので、少し水路の入り組んだ道を行きます。
振り返ると剱岳は雲の中でした。
遥か遠くに観覧車が見える。。。
あれがゴール地点のミラージュランドですね!
見えてきましたよ~♪
この水路のあたりは入り組んでいて分かりにくいので、グーグル先生に助けを求めます。
街に下りてくると文明の利器が使えて良いですね♪
水路の地区を抜けて、早月川沿いの道に出ました。
後10kmほど、頑張って行きましょう。
照りつける日差しが容赦なく体力を奪います。
息子も私も暑さでかなりやられてます。
日影が欲しいです。。。
早月川を渡る送電線です。
鉄塔マニアにはたまたないですね。
左が懸垂型で、右が耐張型です。
北陸新幹線が通ります。
「つるぎ」はここを通らないんでしたっけ?
「お父さん、目が痛いよ~」
と言う息子。
まつげの上に塩の結晶がついています。
タオルをぬらして顔を拭きました。
私も体が塩っぽいです。
少し道を誤って、8号線で早月川を渡りました。
ホントはもう少し川沿いを歩くはずだったんですが、河原を歩かないとダメなんですね。
再び川沿いを歩くと、目の前には・・・
とうとう来た。。。
15:30 日本海に足を入れてゴール!
やり遂げた!
新穂高から100km9日間、よく頑張った!
迎えてくれたカミさんと娘。
家族の協力が無ければ、この旅はありえませんでした。
ホントに感謝しています。
ずっと放置しててごめんなさい。
当然ですが、標高0mです。
滅多に見ない数字は、少し嬉しいですね。
息子、珍しく物思いにふけっています。
旅の余韻を嚙みしめているようでしたので、しばらく1人にしました。
ここに到着する少し前から
「あー、着いちゃう。
お父さん、嬉しいんだけど何か嫌な感じがする~。」
と言ってました。
子供ながらに終わったポッカリ感があるのでしょう。
私も新穂高から100km弱を歩き日本海に足を入れた時は、きっと泣いてしまうかと思ってましたが涙は出ませんでした。
なんとも言えない嬉しさと共に、旅が終わってしまった寂しさが重なり合い、ただひたすらに達成感として押し寄せて来ました。
息子も同じだったらしく、小1時間ほどそれぞれに無言で海を眺めました。
この旅を始めた理由はまだ語れませんが、「あきらめない」精神は、少しは息子に伝わったのでは無いかと思います。
やると決めた以上はやる。それに向かって努力する。歩き続ける。
「負けない気持ち」が彼に伝わりますように。。。
この旅の目標になったトランスジャパンアルプスレースのスタート地点です。
記念に写真をとります。
かのレースの選手方、早い人は5日間、出会った宮崎選手も8日間で太平洋まで駆け抜けます。
そのスタート地点に息子が岩で書いた「ゴール」の文字。
ホントによく頑張った。
君と歩いた夏の大冒険、私は忘れない。
この旅を遂行するにあたり、アドバイスを頂いた方、関わる事が出来た方、また道ですれ違い声をかけて下さった方々、応援いただいた方々、皆様に感謝しております。
この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
夏の大冒険は終わり、これでひと段落となりましたが、旅はまだまだ続きます。
今度は南ルートを繋いで、太平洋が待っています。
日本海への道は繋がりました、後は太平洋へ向かうだけ!
2015年8月 8~16日
歩行距離 101.17km
累積標高差 登り6461m
下り7548m
日本横断へ
総日数 13日間
総歩行距離 197.47km
総累積標高差 登り12481m
下り14032m
(※SMRT標高による)
2015年08月26日
【新穂高から日本海へ】 8日目 日本アルプス横断の旅
8月15日 晴れ 後 曇
朝3時に目覚めました。
今日の予定では3:30起床だったのですが、やっぱり色々気にして早めにおきてしまいました。
もうパッキングは出来ている。
服を着て準備すればすぐに出れます。
予定の3:30になったら息子を起こします。
息子も今日は大変な日になる事はわかっているらしく、目覚めた瞬間からテキパキと動き始めました。
準備や朝の儀式を済ませて、4:20には小屋の外に出ました。
4:25出発です。
まだ日の出前で足元が若干暗いのでヘッデンで歩き始めました。
今日は最初からヘルメット装備です。
息子にはスリングでチェストハーネスを作り、そこからセルフビレイ用にもう1本スリングをかけ、大き目のカラビナを取り付けました。
これを鎖にかけていれば、万が一滑っても支点までの滑落で済みます。
本来は2本使って、確実なビレイをとるのですが、ここまでの重量を削る為に1本分のスリングしか用意しませんでした。
まぁ、三点支持は確実に出来るので、私が下にいれば大丈夫だろうと。
私の方は緊急時にいつでもロープが出せるように、10mロープにカラビナをかけ、いつでも出せるようにしました。
今日は二人とも最初からヘルメット装備です。
まだ暗いうちから、1番2番の鎖場へと突入です。
でもこの辺の鎖はかなり補助的で大した事はありません。
息子も体重を預ける事無くスイスイ登っていきます。
5:20 一服剣に到着しましたが、まだ日は出ません。
でもかなり明るくなって来たのでヘッデンは仕舞いました。
目の前にはドーンと前剣の姿があります。
向こうはここより200m上なのでそびえる壁のように見えます。
まだまだ序盤です、休憩する事無く次の前剣へ向けて歩みを進めます。
しばらくは普通の登山道のような道を高度を上げていきます。
ふと振り返ると、一服剣に朝日が当り赤く染まりはじめます。
やがて目の前に大岩が現れ、その横に3番の鎖場が現れました。
前剣大岩ですね。
前剣大岩を越えると、すぐに4番鎖です。
トラバースするように岩を回り込みます。
ここまでの鎖場は難なくスイスイとこなしています。
4番鎖が終わると、すぐに目の前に前剣の頂が見えてきます。
すると、前剣の頂き越しに・・・
とうとう見えた・・・
剱だ・・・
一瞬、ゾクンと体の中に何かが走ります。
以前早月尾根からたどり着けなかった山。
あの岩の絶壁がなんとも人を寄せつけない雰囲気がぷんぷん漂います。
あれ、行けるんか・・・
そこから左には、ずっと下方向に続く尾根。
早月尾根ですね。
今日はアレを下る予定です。
6:00 前剣の山頂に到着しました。
ここで休憩し、朝食もとっておく事にしました。
アルファ米ですが、全部は食べずに半分ほどだけにしておきます。
息子も同じく。
立山・・・
天候不順が無ければ、あそこも歩いてきたはずでした。
線はつながってるものの、悔しくてなりません。
今日はなんとしても剱に行きたいです。
20分ほど休憩をとったのちに再スタートします。
周りの方は軽装なのでどんどん進んでいきますが、私達は場違いに荷物が大きめです。
足も遅いので、後ろから人が来た時はどんどん先に行って貰うようにしてました。
前剱から少し進んで5番鎖。
ここでこの日初めて恐怖感を味わいました。
手前の橋は問題無かったのですが、そのあとの鎖場です。
下は結構切れ落ちている20mの大岩のトラバースです。
消して難易度が高いわけでは無いのですが、落ちれば多分死ねます。
そこを息子が、初めて私のロープを離れて自分で挑戦しようとしているのです。
今まで危ない所は必ず私が先導し、ロープでつないで確保。
が基本でした。
でも今日は違う。
私より前を歩き、あくまでセルフビレイで進んでいきます。
「だめならロープをかけるからね。」
と言ったものの、ここではどうにもなりません。
しかし息子は自分のスリングについたカラビナをカチャンと鎖にかけ、サクサクと進み始めました。
見ていて怖い。
歩き方は危なげないのですが、もし落ちたらカミさんに合わせる顔もない。
そんな恐怖心でいっぱいでした。
しかし息子はカラビナをかければ落ちないと言う安心感からか、スイスイと鎖場を通り過ぎました。
これは、行けるか?
そこから少し進むと、今度は7番鎖、平蔵の頭が現れました。
まずは岩を回り込んで10mの登り。
それから20mの下りの鎖場です。
ここもなんとかセルフビレイのみで通りきりました。
なんとか降り切った後に、岩場をトラバース。
小さな8番鎖を通過すると。。。
現れた、9番鎖。
カニのタテバイです。
心拍数が上がるのが分かります。
正直、自分は問題ありません。
息子が上がれるのか、それだけが気がかりです。
この日、この時の為に半年間ボルダリングジムに通いました。
高山市のハイマウントさん。マスターにタテバイに行けると太鼓判を押されてやってきました。
もともと三点支持はできてましたが、さらに磨きがかかり安定感も増しました。
足りないのはリーチと度胸です。
息子以上に私が緊張しています。
後ろを振り返ると平蔵の頭が大きく張り出しています。
よく見るととんでも無い所を通ってきてるな・・・
10分ほどの待ち時間があったあと、いよいよ順番が回ってきました。
行きます!
いや、正直人様に見せられたものでは無いです。
息子も私も鎖を頼りまくりです。
なによりカラビナの安全環もせずに引っ掛けてるだけ。
私もザックの重量でと息子を追わなきゃと必至で鎖に全加重がけ。
ハッキリ言って最低の登り方ですが、もうこの時は必死でした。
それでも無事に登り切ったときは嬉しくて嬉しくて。。。
カニのタテバイから狭い岩筋を上りきると、急に視界が開けました。
目の前には山頂が近くに見えます。
もう危ない所は無いんだ。。。
少し歩くと早月尾根との分岐についたので、息子共々そこにザックをデポしました。
ココまで着たら山頂までフル装備上げてやろうかと思いましたが、人が多くて邪魔になりそうなので辞めました。
5分ほど歩き・・・
8:20 剱岳山頂に到着です。
おめでとう、よく頑張った。
回りにいる大人たちよりも大きなザックを背負ってよくココまで来ました。
今日これから降りる早月尾根の先端には馬場島が見えます。
さらにずっと遠くには、日本海。
この旅の目的地です。
そして遥か遠く笠ヶ岳が見えます。
あんな所から歩いてきたんだ。
そして歩いてきた山々が全部見える。
登山道だけで道のり60kmほど。
凄いな、歩くって。
歩き続けるって、凄いな。
よくタテバイ登れたよ、息子ホントに頑張った。
かなり目頭が熱くなりました。
山頂では三角点を見ました。
三等三角点でした。
源次郎尾根です。
何気なく撮った写真ですが、この日この時この下に、知り合いがこの尾根を登ってきていたようです。
ニアミスでしたね。写ってるかな?(笑
さぁ、山頂も人でごったがえしているので、行きましょう。
今日は馬場島までの長大な尾根を下ります。
早月尾根分岐まで降りてきて、景色を見ながら残りの朝食を食べて休憩します。
よくこんな所歩いてきたな。。。
平蔵の頭なんか、ココから見るとホントに危険に見えます。
最後に見るこの景色、しっかり目に焼き付けておきます。
ありがとう北アルプス。
とじーっと向こうをよく見ると・・・
あ、槍の穂先が見える!
この旅最後に見る槍の勇姿になります。
さて、早月尾根を降ります。
こちらも最初からバンバン鎖場が続きます。
しかし、別山尾根ほどは高度感がありません。
息子もしっかりとした足取りで降りて行きます。
時間はかかりますが。
こんな感じで鎖に繋がっています。
おそらくこの辺がカニのハサミでしょうか。
ここが少し高度感がありましたね。
分岐から結構時間が経っているのですが、なかなか山頂は遠くなりません。
しかし目の前に広がる景色はなかなか綺麗です。
ようやく2800m地点、分岐から1時間半もかけて199mしか下げられませんでした。
しかしそこを過ぎると鎖場は殆どなくなります。
こんな感じで少し上り返したりしました。
やがて少し雪の残ったところを通過すると・・・
2600m地点に到着です。
ここで小休止し、ヘルメットも脱ぎました。
そこから森林限界を下回り、少し歩くとようやく・・・
11:50 早月小屋です。
分岐から3時間20分、CT+1時間です。
やっぱり、下り&岩場は人並み以上に時間がかかります。
もうこの日の行動予定としてはここで充分なのですが、今日はどうしても馬場島まで行きます。
行かなければならないのです。
カップラーメンを買ってお昼ご飯です。
少し足を休めたら、12:30に再出発します。
CTは馬場島まで3時間50分ですが、きっと息子はオーバーします。
なるべく17時前には到着したいので、休憩は短いですが先を急ぐ事にしました。
さようなら、早月小屋。
剱岳の山頂は既に雲の中です。
池塘の脇を通り・・・
そうそう、相変わらず池塘にはオオサンショウオの幼生がビッシリ居ました。
頑張って三角点です。1900mほど。
まだまだ1000mほど下げなければなりません。
この道、樹林帯に入るともう写真に撮るものは無く・・・
標高標識や。。。
立山杉ぐらいです。
でも立山杉、ホントに立派な木です。
ようやく馬場島がチラチラと見えてきますが、それでもまだまだ標高差は500mほどあります。
流石に私も息子も足がガクブルしてきて、何度も休憩をとりながら下りて行きました。
15:35、ようやく松尾平の展望台まで到着しました。
息子、ここまでに尻もち多数、派手な前転一回でした。
怪我をしなくて良かったです。
あとほんの少しの距離ですが、ここでもしっかり休憩しました。
私も膝抜け尻もち2回ありました。
そしてとうとう・・・・
16:15 山頂から2200m超の高度を下げて、登山道入口に到着しました。
この時は流石に嬉しくて一瞬目頭がアツくなりました。
新穂高から登山道で70kmほどの道が、ようやくここで終わったのです。
よく歩きました・・・
長かった・・・
有名な碑文
「試練と憧れ」
今回の旅はこの言葉が誰よりもわかると自負しています。
憧れを持って、試練を乗り越えてここまでやってきました。
そこから久しぶりの舗装路を少し歩き馬場島荘へ。
この日、ムリをしてでも馬場島まで降りてきたかった理由は・・・
ここでカミさんと娘が待っていてくれたからです。
久しぶりに会う娘は嬉しさのあまり飛びついてきましたが。。。
「お父さん、臭っ!」
と一瞬で離れてしまいました。
ゴメンよ、愛娘。
17時前に降りれて良かったです。
馬場島荘のお風呂に¥500で入れます。
久しぶりに石鹸とシャンプーで2度3度全身を洗い流し、ヒゲも剃り、家内の持ってきた服に着替えて8日ぶりにサッパリしました。
いやー、ほんっとに風呂って気持ちいい!
久しぶりにつかる湯船、最高です♪
その後は家族でBBQとキャンプです。
もうテン泊とは言わない、キャンプですよ、キャンプ。
久しぶりに肉にありつけて、ここ何日も味わえなかった「超満腹」感を堪能しました。
娘を抱っこしてビールを飲んで。
息子もお母さんに甘えまくっています。
まぁ、今日は良いでしょう。
8日間、よく頑張ったよ。
いや~、幸せ。。。
ホントに無事に山から降りて来れてよかったです。
山の神様、ありがとうございます。
この日は幸せをかみしめながら、テントでぐっすり眠れました。
ただ、1週間過ごした標高からはぐっと下がったので、
テント内も暑く感じ、シェラフには入りませんでした。
息子も私も、よく頑張った。
9日目へ続く
朝3時に目覚めました。
今日の予定では3:30起床だったのですが、やっぱり色々気にして早めにおきてしまいました。
もうパッキングは出来ている。
服を着て準備すればすぐに出れます。
予定の3:30になったら息子を起こします。
息子も今日は大変な日になる事はわかっているらしく、目覚めた瞬間からテキパキと動き始めました。
準備や朝の儀式を済ませて、4:20には小屋の外に出ました。
4:25出発です。
まだ日の出前で足元が若干暗いのでヘッデンで歩き始めました。
今日は最初からヘルメット装備です。
息子にはスリングでチェストハーネスを作り、そこからセルフビレイ用にもう1本スリングをかけ、大き目のカラビナを取り付けました。
これを鎖にかけていれば、万が一滑っても支点までの滑落で済みます。
本来は2本使って、確実なビレイをとるのですが、ここまでの重量を削る為に1本分のスリングしか用意しませんでした。
まぁ、三点支持は確実に出来るので、私が下にいれば大丈夫だろうと。
私の方は緊急時にいつでもロープが出せるように、10mロープにカラビナをかけ、いつでも出せるようにしました。
今日は二人とも最初からヘルメット装備です。
まだ暗いうちから、1番2番の鎖場へと突入です。
でもこの辺の鎖はかなり補助的で大した事はありません。
息子も体重を預ける事無くスイスイ登っていきます。
5:20 一服剣に到着しましたが、まだ日は出ません。
でもかなり明るくなって来たのでヘッデンは仕舞いました。
目の前にはドーンと前剣の姿があります。
向こうはここより200m上なのでそびえる壁のように見えます。
まだまだ序盤です、休憩する事無く次の前剣へ向けて歩みを進めます。
しばらくは普通の登山道のような道を高度を上げていきます。
ふと振り返ると、一服剣に朝日が当り赤く染まりはじめます。
やがて目の前に大岩が現れ、その横に3番の鎖場が現れました。
前剣大岩ですね。
前剣大岩を越えると、すぐに4番鎖です。
トラバースするように岩を回り込みます。
ここまでの鎖場は難なくスイスイとこなしています。
4番鎖が終わると、すぐに目の前に前剣の頂が見えてきます。
すると、前剣の頂き越しに・・・
とうとう見えた・・・
剱だ・・・
一瞬、ゾクンと体の中に何かが走ります。
以前早月尾根からたどり着けなかった山。
あの岩の絶壁がなんとも人を寄せつけない雰囲気がぷんぷん漂います。
あれ、行けるんか・・・
そこから左には、ずっと下方向に続く尾根。
早月尾根ですね。
今日はアレを下る予定です。
6:00 前剣の山頂に到着しました。
ここで休憩し、朝食もとっておく事にしました。
アルファ米ですが、全部は食べずに半分ほどだけにしておきます。
息子も同じく。
立山・・・
天候不順が無ければ、あそこも歩いてきたはずでした。
線はつながってるものの、悔しくてなりません。
今日はなんとしても剱に行きたいです。
20分ほど休憩をとったのちに再スタートします。
周りの方は軽装なのでどんどん進んでいきますが、私達は場違いに荷物が大きめです。
足も遅いので、後ろから人が来た時はどんどん先に行って貰うようにしてました。
前剱から少し進んで5番鎖。
ここでこの日初めて恐怖感を味わいました。
手前の橋は問題無かったのですが、そのあとの鎖場です。
下は結構切れ落ちている20mの大岩のトラバースです。
消して難易度が高いわけでは無いのですが、落ちれば多分死ねます。
そこを息子が、初めて私のロープを離れて自分で挑戦しようとしているのです。
今まで危ない所は必ず私が先導し、ロープでつないで確保。
が基本でした。
でも今日は違う。
私より前を歩き、あくまでセルフビレイで進んでいきます。
「だめならロープをかけるからね。」
と言ったものの、ここではどうにもなりません。
しかし息子は自分のスリングについたカラビナをカチャンと鎖にかけ、サクサクと進み始めました。
見ていて怖い。
歩き方は危なげないのですが、もし落ちたらカミさんに合わせる顔もない。
そんな恐怖心でいっぱいでした。
しかし息子はカラビナをかければ落ちないと言う安心感からか、スイスイと鎖場を通り過ぎました。
これは、行けるか?
そこから少し進むと、今度は7番鎖、平蔵の頭が現れました。
まずは岩を回り込んで10mの登り。
それから20mの下りの鎖場です。
ここもなんとかセルフビレイのみで通りきりました。
なんとか降り切った後に、岩場をトラバース。
小さな8番鎖を通過すると。。。
現れた、9番鎖。
カニのタテバイです。
心拍数が上がるのが分かります。
正直、自分は問題ありません。
息子が上がれるのか、それだけが気がかりです。
この日、この時の為に半年間ボルダリングジムに通いました。
高山市のハイマウントさん。マスターにタテバイに行けると太鼓判を押されてやってきました。
もともと三点支持はできてましたが、さらに磨きがかかり安定感も増しました。
足りないのはリーチと度胸です。
息子以上に私が緊張しています。
後ろを振り返ると平蔵の頭が大きく張り出しています。
よく見るととんでも無い所を通ってきてるな・・・
10分ほどの待ち時間があったあと、いよいよ順番が回ってきました。
行きます!
いや、正直人様に見せられたものでは無いです。
息子も私も鎖を頼りまくりです。
なによりカラビナの安全環もせずに引っ掛けてるだけ。
私もザックの重量でと息子を追わなきゃと必至で鎖に全加重がけ。
ハッキリ言って最低の登り方ですが、もうこの時は必死でした。
それでも無事に登り切ったときは嬉しくて嬉しくて。。。
カニのタテバイから狭い岩筋を上りきると、急に視界が開けました。
目の前には山頂が近くに見えます。
もう危ない所は無いんだ。。。
少し歩くと早月尾根との分岐についたので、息子共々そこにザックをデポしました。
ココまで着たら山頂までフル装備上げてやろうかと思いましたが、人が多くて邪魔になりそうなので辞めました。
5分ほど歩き・・・
8:20 剱岳山頂に到着です。
おめでとう、よく頑張った。
回りにいる大人たちよりも大きなザックを背負ってよくココまで来ました。
今日これから降りる早月尾根の先端には馬場島が見えます。
さらにずっと遠くには、日本海。
この旅の目的地です。
そして遥か遠く笠ヶ岳が見えます。
あんな所から歩いてきたんだ。
そして歩いてきた山々が全部見える。
登山道だけで道のり60kmほど。
凄いな、歩くって。
歩き続けるって、凄いな。
よくタテバイ登れたよ、息子ホントに頑張った。
かなり目頭が熱くなりました。
山頂では三角点を見ました。
三等三角点でした。
源次郎尾根です。
何気なく撮った写真ですが、この日この時この下に、知り合いがこの尾根を登ってきていたようです。
ニアミスでしたね。写ってるかな?(笑
さぁ、山頂も人でごったがえしているので、行きましょう。
今日は馬場島までの長大な尾根を下ります。
早月尾根分岐まで降りてきて、景色を見ながら残りの朝食を食べて休憩します。
よくこんな所歩いてきたな。。。
平蔵の頭なんか、ココから見るとホントに危険に見えます。
最後に見るこの景色、しっかり目に焼き付けておきます。
ありがとう北アルプス。
とじーっと向こうをよく見ると・・・
あ、槍の穂先が見える!
この旅最後に見る槍の勇姿になります。
さて、早月尾根を降ります。
こちらも最初からバンバン鎖場が続きます。
しかし、別山尾根ほどは高度感がありません。
息子もしっかりとした足取りで降りて行きます。
時間はかかりますが。
こんな感じで鎖に繋がっています。
おそらくこの辺がカニのハサミでしょうか。
ここが少し高度感がありましたね。
分岐から結構時間が経っているのですが、なかなか山頂は遠くなりません。
しかし目の前に広がる景色はなかなか綺麗です。
ようやく2800m地点、分岐から1時間半もかけて199mしか下げられませんでした。
しかしそこを過ぎると鎖場は殆どなくなります。
こんな感じで少し上り返したりしました。
やがて少し雪の残ったところを通過すると・・・
2600m地点に到着です。
ここで小休止し、ヘルメットも脱ぎました。
そこから森林限界を下回り、少し歩くとようやく・・・
11:50 早月小屋です。
分岐から3時間20分、CT+1時間です。
やっぱり、下り&岩場は人並み以上に時間がかかります。
もうこの日の行動予定としてはここで充分なのですが、今日はどうしても馬場島まで行きます。
行かなければならないのです。
カップラーメンを買ってお昼ご飯です。
少し足を休めたら、12:30に再出発します。
CTは馬場島まで3時間50分ですが、きっと息子はオーバーします。
なるべく17時前には到着したいので、休憩は短いですが先を急ぐ事にしました。
さようなら、早月小屋。
剱岳の山頂は既に雲の中です。
池塘の脇を通り・・・
そうそう、相変わらず池塘にはオオサンショウオの幼生がビッシリ居ました。
頑張って三角点です。1900mほど。
まだまだ1000mほど下げなければなりません。
この道、樹林帯に入るともう写真に撮るものは無く・・・
標高標識や。。。
立山杉ぐらいです。
でも立山杉、ホントに立派な木です。
ようやく馬場島がチラチラと見えてきますが、それでもまだまだ標高差は500mほどあります。
流石に私も息子も足がガクブルしてきて、何度も休憩をとりながら下りて行きました。
15:35、ようやく松尾平の展望台まで到着しました。
息子、ここまでに尻もち多数、派手な前転一回でした。
怪我をしなくて良かったです。
あとほんの少しの距離ですが、ここでもしっかり休憩しました。
私も膝抜け尻もち2回ありました。
そしてとうとう・・・・
16:15 山頂から2200m超の高度を下げて、登山道入口に到着しました。
この時は流石に嬉しくて一瞬目頭がアツくなりました。
新穂高から登山道で70kmほどの道が、ようやくここで終わったのです。
よく歩きました・・・
長かった・・・
有名な碑文
「試練と憧れ」
今回の旅はこの言葉が誰よりもわかると自負しています。
憧れを持って、試練を乗り越えてここまでやってきました。
そこから久しぶりの舗装路を少し歩き馬場島荘へ。
この日、ムリをしてでも馬場島まで降りてきたかった理由は・・・
ここでカミさんと娘が待っていてくれたからです。
久しぶりに会う娘は嬉しさのあまり飛びついてきましたが。。。
「お父さん、臭っ!」
と一瞬で離れてしまいました。
ゴメンよ、愛娘。
17時前に降りれて良かったです。
馬場島荘のお風呂に¥500で入れます。
久しぶりに石鹸とシャンプーで2度3度全身を洗い流し、ヒゲも剃り、家内の持ってきた服に着替えて8日ぶりにサッパリしました。
いやー、ほんっとに風呂って気持ちいい!
久しぶりにつかる湯船、最高です♪
その後は家族でBBQとキャンプです。
もうテン泊とは言わない、キャンプですよ、キャンプ。
久しぶりに肉にありつけて、ここ何日も味わえなかった「超満腹」感を堪能しました。
娘を抱っこしてビールを飲んで。
息子もお母さんに甘えまくっています。
まぁ、今日は良いでしょう。
8日間、よく頑張ったよ。
いや~、幸せ。。。
ホントに無事に山から降りて来れてよかったです。
山の神様、ありがとうございます。
この日は幸せをかみしめながら、テントでぐっすり眠れました。
ただ、1週間過ごした標高からはぐっと下がったので、
テント内も暑く感じ、シェラフには入りませんでした。
息子も私も、よく頑張った。
9日目へ続く
2015年08月25日
【新穂高から日本海へ】 7日目 日本アルプス横断の旅
8月14日 雨
ダーーン!
凄まじい轟音が響き、ビックリして目が覚めました。
落雷です。
ザーっと建物の中まで響くほどの豪雨、酷い雨です。
良かった、テントじゃなくて。
泥のように眠っていました。
この旅初めて、目を閉じてから朝方まで目覚めませんでした。
横で息子は豪快なイビキをかいています。
おっさんかw
すっと鼻をつまんでやると寝返りを打ち静かになりました。
よしよし。
窓の外はうっすらと明るくなりかけ。
時間は4時を少し回ったところでした。
この時間には目覚める体のサイクルが完成しています。
トイレに行きましたが、小屋の玄関では剱に向かおうかどうか考えあぐねている方が数名。
「ダメだダメだ。」
と言って、諦めた方が数名。
右往左往していました。
日程の少ない人は焦って登ろうとするでしょうが、この雨では危険では無いかと思いました。
私達は停滞が可能なのがありがたかったです。
5時には館内放送がかかり、朝食の準備が出来たとの事でした。
息子を起こして、久しぶりのまともな朝ごはんです。
はぁ、味噌汁が美味しい、米が美味しい、魚が美味しい・・・。
上げ膳据え膳って楽だわ~。
食後にお茶を飲み、のんびりテレビを見たり天気予報を見たり。
やっぱり今日は一日雨ですね。
夕方雨は上がり、明日は一気に天候が回復するようです。
うんうん、順調順調。
立山を歩けなかったのは残念だけど。。。
小屋番さんにもう少しだけ小屋に滞在させてもらう旨を伝え、荷物をパッキングします。
今日は向かいの剣山荘にスライドするだけです。
荷物の整理が終わり、ふと外に出てみると一部雲が切れて光が差し、雨が止んでいます。
慌てて携帯の雨雲レーダーを見ると、これから30分だけ雨雲の谷間が通過し、雨が降らないようです。
これは移動のチャンスです。
談話室に戻り息子に言います。
「30分だけ雨が降らない、チャンスだから移動しよう!」
談話室に居合わせた方もそれを聞いてイソイソと外に出る準備をする人もいました。
念のため上だけ合羽を着て、ザックカバーを被せます。
小屋番さんにお礼を言い、小屋を出ました。
売店で売っていた、「剱人」と刺繍の入ったノースフェイスのアタックザック、欲しかったな。。。
もう少し安ければ間違いなく買ってたなぁ。
アタックザックには使わないですが。
AM7:00 スタート。
剣山荘へは設計を二つ横切ります。
朝から雪歩きが嬉しい息子です。
もう一つ。
振り返ると剱澤山荘。
とても綺麗で暖かく、アットホームで素敵な小屋でした。
一晩お世話になりました。
岩場にはお花。チングルマかな?
こんな険しいところでも夏を一生懸命咲いています。
7:25
剣山荘(けんざんそう)に到着です。
本日の移動、コレだけ。
約0.8km
小屋に着いた瞬間、周りはガスに覆われて雨がバラバラと降り始めました。
よかった、雨雲レーダー正確です。
小屋で受付をしますが、まだ相当時間も早いです。
この後掃除で、それが終わってから部屋に入って欲しいと言われました。
今小屋に居るのは停滞を決めた連泊の人だけです。
食堂にザックを置いて、邪魔にならないように小屋を探検します。
こちらの小屋もとても綺麗で素敵な小屋です。
今回の剱澤小屋、剣山荘は私が今まで泊まった小屋の中で一番綺麗な小屋でした。
そしてここもシャワー付き!
今日も体を流せる!今日は汗もまったくかいていませんが。。。
部屋もとっても綺麗です♪
今回私達の部屋の名前は”剱”!
小屋の食堂には有名人の色紙がいっぱい。
イモトアヤコさんのサインもありましたが、私が惹かれたのは立松和平さんの色紙。
縁あって職場で少し絡みがありました。
直接お会いした事は無いのですが。
じっくり色紙を読んで、故人を偲びます。
小屋では早速土産を買いました。
旅も後半に入り、懐の残り勘定も出来てきたので奮発します。
息子には”剱岳2999”ドラロンソックス。
今夜シャワーを浴びたら履き替えましょう。
そして・・・
じゃーん、やっぱり売ってましたよ。
息子、先ずコレが欲しいと騒ぎました。
まぁ、約束でしたので買いました。
でもこのトランプ、凄く良いです。
登った人ならわかる内容の写真と文、記念の一品となりました。
あと、は剱岳のバッジと、珍しく自分にTシャツを。
剱岳2999のスポーツTシャツ。
明らかに他に売っているTシャツとと素材が違い、透湿速乾性のシャツがありました。
迷わずそれです。
翌日、着る事になります。
やがて掃除も終わり、部屋でザックをまとめたりしてから食堂に移動しました。
剣山荘は談話室が無い代わりに、食堂を広く開放しています。
携帯の電波もバンバン入るので、久しぶりにゆっくりメールチェックやらなんだり。
天気予報も再確認。
明日15日は午前中はやっぱり天気が良い!
午後には山頂は雲に覆われるようです。
最高の登山になりそうです。
お昼ごはんは小屋ご飯。
息子は牛丼を食べました。
私は名物の牛筋煮込みに昼からビール。
しあわせだ。。。
その後はひたすら息子とトランプしたり、本を読んだり。
外はずっと雨が降ってますが、のんびりのんびり過ごす事が出来ました。
体が癒されていきます。
小屋の食堂もここで今日は剱を諦めた方や、明日に向けて連泊する人手賑わっていました。
しかし楽しい時間は過ごせていますが、正直明日に不安が無いと言えば嘘になります。
剱岳へ続く別山尾根は、一般縦走路としては言わずと知れた国内最難関の一つ。
小屋やテン場に大荷物をデポして、体を軽くしてピストンするのが一般的です。
しかし私達は縦走。フル装備で岩場・鎖場、何よりカニのタテバイを越えなければなりません。
しかも息子も40Lザックを背負っています。
小学生がその装備でカニのタテバイを上がれるのか?
どうやって確保するのか。
考えていたら不安になり、荷物の再パッキングを始めました。
息子の荷物はとにかく軽く。
重いものは私のザックに移動し、逆に軽くてかさばるものを息子のザックに移動します。
水を入れても重さが5kgを切ればよいのですが、ギリギリのようです。
荷物を押し込んだらギュッと締め上げて、なるべくザックをコンパクトにしました。
今夜は食事は自炊して、明日の朝食と昼食を残して全て食べきり荷物を軽くします。
馬場島まで降りればなんとかなります。
そうすれば私のザックも水入りで22kgほどまで落ちるでしょう。
とTTKしながら準備を進めました。
明日は別山尾根から剱岳。
それから早月尾根と長大な尾根を下り馬場島まで。
やり切れるのか?
やれなければ立山に戻るだけです。
16:00、夕ご飯を盛大に息子に振る舞います。
ここまで担ぎ上げた重たいみかんの缶詰も食べさせて、
松岡修造のように勇気付けます。
夕食後小屋の外に出ると雨は止んでいました。
剱澤から雲が消えて、眼下の山や源次郎尾根?が綺麗に見えました。
さぁ、明日はこの旅最大のハイライトがやってきます。
私達の前に剱岳が大きく立ちはだかっている様に感じてきました。
やれるのか?やれないのか?
全ては明日わかる事。
スタートは明るみ始める4:30の予定です。
暗いうちにスタートするのは危険と判断したので。
いつも通り、18時には就寝しました。
剱岳、行くよ!
8日目に続く
ダーーン!
凄まじい轟音が響き、ビックリして目が覚めました。
落雷です。
ザーっと建物の中まで響くほどの豪雨、酷い雨です。
良かった、テントじゃなくて。
泥のように眠っていました。
この旅初めて、目を閉じてから朝方まで目覚めませんでした。
横で息子は豪快なイビキをかいています。
おっさんかw
すっと鼻をつまんでやると寝返りを打ち静かになりました。
よしよし。
窓の外はうっすらと明るくなりかけ。
時間は4時を少し回ったところでした。
この時間には目覚める体のサイクルが完成しています。
トイレに行きましたが、小屋の玄関では剱に向かおうかどうか考えあぐねている方が数名。
「ダメだダメだ。」
と言って、諦めた方が数名。
右往左往していました。
日程の少ない人は焦って登ろうとするでしょうが、この雨では危険では無いかと思いました。
私達は停滞が可能なのがありがたかったです。
5時には館内放送がかかり、朝食の準備が出来たとの事でした。
息子を起こして、久しぶりのまともな朝ごはんです。
はぁ、味噌汁が美味しい、米が美味しい、魚が美味しい・・・。
上げ膳据え膳って楽だわ~。
食後にお茶を飲み、のんびりテレビを見たり天気予報を見たり。
やっぱり今日は一日雨ですね。
夕方雨は上がり、明日は一気に天候が回復するようです。
うんうん、順調順調。
立山を歩けなかったのは残念だけど。。。
小屋番さんにもう少しだけ小屋に滞在させてもらう旨を伝え、荷物をパッキングします。
今日は向かいの剣山荘にスライドするだけです。
荷物の整理が終わり、ふと外に出てみると一部雲が切れて光が差し、雨が止んでいます。
慌てて携帯の雨雲レーダーを見ると、これから30分だけ雨雲の谷間が通過し、雨が降らないようです。
これは移動のチャンスです。
談話室に戻り息子に言います。
「30分だけ雨が降らない、チャンスだから移動しよう!」
談話室に居合わせた方もそれを聞いてイソイソと外に出る準備をする人もいました。
念のため上だけ合羽を着て、ザックカバーを被せます。
小屋番さんにお礼を言い、小屋を出ました。
売店で売っていた、「剱人」と刺繍の入ったノースフェイスのアタックザック、欲しかったな。。。
もう少し安ければ間違いなく買ってたなぁ。
アタックザックには使わないですが。
AM7:00 スタート。
剣山荘へは設計を二つ横切ります。
朝から雪歩きが嬉しい息子です。
もう一つ。
振り返ると剱澤山荘。
とても綺麗で暖かく、アットホームで素敵な小屋でした。
一晩お世話になりました。
岩場にはお花。チングルマかな?
こんな険しいところでも夏を一生懸命咲いています。
7:25
剣山荘(けんざんそう)に到着です。
本日の移動、コレだけ。
約0.8km
小屋に着いた瞬間、周りはガスに覆われて雨がバラバラと降り始めました。
よかった、雨雲レーダー正確です。
小屋で受付をしますが、まだ相当時間も早いです。
この後掃除で、それが終わってから部屋に入って欲しいと言われました。
今小屋に居るのは停滞を決めた連泊の人だけです。
食堂にザックを置いて、邪魔にならないように小屋を探検します。
こちらの小屋もとても綺麗で素敵な小屋です。
今回の剱澤小屋、剣山荘は私が今まで泊まった小屋の中で一番綺麗な小屋でした。
そしてここもシャワー付き!
今日も体を流せる!今日は汗もまったくかいていませんが。。。
部屋もとっても綺麗です♪
今回私達の部屋の名前は”剱”!
小屋の食堂には有名人の色紙がいっぱい。
イモトアヤコさんのサインもありましたが、私が惹かれたのは立松和平さんの色紙。
縁あって職場で少し絡みがありました。
直接お会いした事は無いのですが。
じっくり色紙を読んで、故人を偲びます。
小屋では早速土産を買いました。
旅も後半に入り、懐の残り勘定も出来てきたので奮発します。
息子には”剱岳2999”ドラロンソックス。
今夜シャワーを浴びたら履き替えましょう。
そして・・・
じゃーん、やっぱり売ってましたよ。
息子、先ずコレが欲しいと騒ぎました。
まぁ、約束でしたので買いました。
でもこのトランプ、凄く良いです。
登った人ならわかる内容の写真と文、記念の一品となりました。
あと、は剱岳のバッジと、珍しく自分にTシャツを。
剱岳2999のスポーツTシャツ。
明らかに他に売っているTシャツとと素材が違い、透湿速乾性のシャツがありました。
迷わずそれです。
翌日、着る事になります。
やがて掃除も終わり、部屋でザックをまとめたりしてから食堂に移動しました。
剣山荘は談話室が無い代わりに、食堂を広く開放しています。
携帯の電波もバンバン入るので、久しぶりにゆっくりメールチェックやらなんだり。
天気予報も再確認。
明日15日は午前中はやっぱり天気が良い!
午後には山頂は雲に覆われるようです。
最高の登山になりそうです。
お昼ごはんは小屋ご飯。
息子は牛丼を食べました。
私は名物の牛筋煮込みに昼からビール。
しあわせだ。。。
その後はひたすら息子とトランプしたり、本を読んだり。
外はずっと雨が降ってますが、のんびりのんびり過ごす事が出来ました。
体が癒されていきます。
小屋の食堂もここで今日は剱を諦めた方や、明日に向けて連泊する人手賑わっていました。
しかし楽しい時間は過ごせていますが、正直明日に不安が無いと言えば嘘になります。
剱岳へ続く別山尾根は、一般縦走路としては言わずと知れた国内最難関の一つ。
小屋やテン場に大荷物をデポして、体を軽くしてピストンするのが一般的です。
しかし私達は縦走。フル装備で岩場・鎖場、何よりカニのタテバイを越えなければなりません。
しかも息子も40Lザックを背負っています。
小学生がその装備でカニのタテバイを上がれるのか?
どうやって確保するのか。
考えていたら不安になり、荷物の再パッキングを始めました。
息子の荷物はとにかく軽く。
重いものは私のザックに移動し、逆に軽くてかさばるものを息子のザックに移動します。
水を入れても重さが5kgを切ればよいのですが、ギリギリのようです。
荷物を押し込んだらギュッと締め上げて、なるべくザックをコンパクトにしました。
今夜は食事は自炊して、明日の朝食と昼食を残して全て食べきり荷物を軽くします。
馬場島まで降りればなんとかなります。
そうすれば私のザックも水入りで22kgほどまで落ちるでしょう。
とTTKしながら準備を進めました。
明日は別山尾根から剱岳。
それから早月尾根と長大な尾根を下り馬場島まで。
やり切れるのか?
やれなければ立山に戻るだけです。
16:00、夕ご飯を盛大に息子に振る舞います。
ここまで担ぎ上げた重たいみかんの缶詰も食べさせて、
松岡修造のように勇気付けます。
夕食後小屋の外に出ると雨は止んでいました。
剱澤から雲が消えて、眼下の山や源次郎尾根?が綺麗に見えました。
さぁ、明日はこの旅最大のハイライトがやってきます。
私達の前に剱岳が大きく立ちはだかっている様に感じてきました。
やれるのか?やれないのか?
全ては明日わかる事。
スタートは明るみ始める4:30の予定です。
暗いうちにスタートするのは危険と判断したので。
いつも通り、18時には就寝しました。
剱岳、行くよ!
8日目に続く
2015年08月24日
【新穂高から日本海へ】 6日目 日本アルプス横断の旅
8月13日 風雨
バラバラバラバラ・・・
深夜、何かが叩きつける音で目が覚めました。
一瞬頭の中に「?」が浮かびましたがすぐにそれが雨音だと気付き、起き上がりました。
通り雨かな・・・
と思いたかったです。
しばらくウトウトしていたのですが、雨、風共に強くなり、テントが揺さぶられてさらに激しく雨が叩きつけてきます。
この雨の量はまずいな・・・
あえて砂地にテントを張ってしまったので、水溜りが出来たら浸水してしまうかも。
心配してそっと入口をあけて見ます。
すると、外に土間を作った事や風上側に置石で囲いをしていた事により、超浸透性の砂地の路面はフライシートの内側、テント部分だけサラサラに乾いていました。
良かった、浸水の心配はまったく無いです。
暇つぶしに石組みしておいて良かった。
ふと時計を見るとAM1:00
入口を閉めて横になりますが、色々な事を考えて眠れませんでした。
昨日の天気予報と大分違うじゃないか~。
完璧な計画が崩されていく・・・
通り雨でありますように。
雨が止みますように。。。
AM2時ごろ、少し雨が弱まったので、そのまま止んでしまう事を期待しました。
外に出てトイレに行き、テントに戻りました。
そのままお湯を沸かしてコーヒーを飲み、朝食の準備をし始めた頃・・・
再び雨が降り始めました。
しかも結構強い・・・
こりゃダメだな。
一応3時発の予定でいたので、息子を起こして出発の準備をします。
合羽も着込んでテント以外のものは全てザックに収納。
ザックカバーもかけていつでも外に出られるようにしたのですが、3時を回っても雨は止みません。
仕方が無いので横になったまま機会をうかがいました。
周りのテントからも「コレはダメだな~」と言う声が聞こえてきました。
待っている間に息子も再び眠りに入ったので、起こす事もしませんでした。
再びシェラフとマットを一つだけ出し、息子の下に敷いてシェラフをかけました。
待つこと1時間半、ヘッデンも要らないくらい明るくなった4:30頃。
急に雨が止みました。
これはテント撤収のチャンスです。
息子に声をかけます。
「行こう、チャンスだ。」
シェラフとマットを仕舞って、慌ててテントの外に出ます。
瞬間靴を履いたらそのまま手際よくパタパタとテントを収納。
息子も慣れてきているので、何も言わなくても手順どおりに手伝ってくれます。
バタバタ私達が動き出した音で周りのテントからもモソモソと人が出てきて、撤収の準備にかかりはじめました。
しかし私達はパッキングもほぼ出来ているので、さっとテントを仕舞ってほぼ一番にテン場を後にしました。
AM4:50、出発です。
雨は止んでいるので、ガスの中ですがザラ峠までは快適に歩けました。
息子も朝から動いたおかげか、元気におしゃべりが止まりません。
ちゃっちゃと歩いて5:20ザラ峠まで降りてきました。
かつて佐々成正が徳川家に助けを求めて冬に抜けた峠。
歴史を感じます。
そして観測隊が暴風雨にやられた場所ですね。
もちろんこの時は知りませんでしたが。
さてここから一気に獅子岳まで300mほど高度を上げます。
今はガスで見えませんが、昨日双眼鏡で見てなんとなく道がどうなってるかは想像がついています。
登りに強い息子、行きましょう!
しかし登り始めてすぐに、時折強い風に雨が混じるようになって来ました。
やはり先ほどテントを撤収して正解でしたね。
タイミングを誤ると出発できませんでした。
歩いている分には合羽のおかげで雨には耐えられます。
そして、想像通りのザレた急登はなかなかに私達の進行を阻むのですが、もうこんな急登は慣れました。
負けるもんか!
しかし吹き付ける風に雨も混じり、体は冷えていきます。
体力が持ってかれる・・・
息子もさっきまでのおしゃべりはパタリと止まり、黙々と歩き続けています。
辛いんだろうな・・・
やがて登山道の右側に沢状の崩落地が見えてきました。
昨日遠くから見た地形が頭によぎります。
結構高度を上げましたね、間もなく梯子が出るはずです。
と思ったらすぐに梯子です。
滑ると危ないので、先に息子を登らせます。
梯子を登ってしばらくすると、稜線の東側に登山道が回りこみました。
あぁ、急登が終わったんだなとすぐに分かりました。
風下側に回ったことにより強い風は当たらなくなり、急に体温が上がり始めます。
合羽の一部を開放したりして、中の温度が上がらないように調整します。
もちろん息子にも指示を出します。
AM6:55 獅子岳山頂にやってきました。
なんとかCTに近い時間で歩いて来れました。
稜線に近い部分は西からの風が強かったので、写真だけ撮ったらそのまますぐに東側になる登山道に逃げ込みました。
出発から時間が発っているので朝食にしたいのですが、この雨では・・・
息子も気力が無くなってるのか、おなかが空いていないと言います。
しかしこの後一ノ越までも3時間ほどあるので、雨の止んだ隙に少し朝食をとる事にしました。
なんだかんだで少しでも食べると、体力が帰ってくるのがわかります。
人の体って凄い。
再びガスの中下り続けると、やがて道は再び登り始めました。
そして写真のように、ぼんやりとがった岩。
不気味です。
これが鬼岳の尾根かな?
鬼岳は東面側に迂回するはずです。
なんとなくの感覚と地形から、地図を見て自分の位置を把握しようと努力しています。
ありがたいのは風下側なので強い風からは逃れると言う事ですね。
でもこの後龍王岳は西面を回るので風に吹きつけられるはずです。
それまでに風が少しでも弱まってくれれば・・・
鬼岳東面はこんな雪渓も横切りました。アイゼンは要りません。
ステップが切ってあるので安心して歩けますが、朝一は氷って危ないかもですね。
この後、東面尾根を越えるとやがて道は下り始め、再び登りに入りはじめました。
風も当り始めたので、今は龍王岳のトラバースに入り始めたのだと気付きました。
進行方向の右手に斜面が変わり始め、写真も撮らずに黙々と歩き続けます。
ココまでも辛くて辛くて。
息子も弱音を吐き始めました。
足取りも遅くなり、何度かしゃがんだり。
その度に小休止を取るのですが、シトシトと落ち続ける雨に長く休もうと言う気にならないのです。
流石にもうダメかな?と感じ、
「もう辞めようか。今日このまま室堂から下山する事も選択肢の一つだよ。ココまででも充分に歩いた、立派だよ。」
と息子に提案しました。
息子は黙ったまま前を見続けました。
葛藤しているのかな?
それ以上は何も聞きませんでした。
正直私も自問自答していました。
これって楽しいのか?
苦行以外の何物でもないし、昨日までの楽しさはどこに行ったのだろう。。。
一度室堂から降りて、天気が回復したら戻って来ても良いのでは無いか?
と。
予報より早い雨に振り回されているのがなんだか悔しいです。
自然を相手にしている事を改めて思い知らされました。
絶対の計画なんて存在しない、自分の慢心が祟ります。
つらい。
龍王岳の横を通過するまではココも結構な坂をグイグイと上げていく感じでした。
本日2度目の急登・・・
悶々としながらただひたすら歩いていると・・・
急に道はなだらかになり、見たことのある建造物が視界に入りました。
コレは浄土山の南峰!
去年のGWにソリ遊びに来たところです。
やっと分かる場所に来た!
息子も知っている場所にたどり着いたのが嬉しかったのか、急にテンションが上がり始めました。
思わず浄土山分岐の道標で記念写真です。
そして息子に聞きます。
「このまま帰るなら、まっすぐ進んで室堂に行く。
まだ歩く気があるなら、一ノ越に降りる。
ここが分岐点だよ、どうする?」
選択肢を迫りました。
「お父さん、僕は辞め無いよ。
歩き続ければゴールまで行けるんでしょ?
僕、行くよ。」
よく言った。
「よし、一ノ越に降りよう。」
そう言って、足早に一ノ越の山荘を目指しました。
尾根を下り始めると風も当らなくなり、立山を周遊する人にも多くすれ違うようになってきました。
人が増えた事や知っている場所に来た事で安心感が出たのか、息子も急におしゃべりになってきました。
分かりやすい人(笑
20分ほど尾根を降りると・・・
ガスの中に石垣の要塞が現れました。
うぉ、この石垣、こんなに高かったんだ。
よく考えれば立山は雪のある時しか来た事が無いので知りませんでした。
GWはこの石垣はすっぽり埋まっていたもので。
AM9:25 一ノ越山荘に到着しました。
何気で、五色ヶ原からのCT5時間半ほどの所を、4時間半ほどでやってきました。
あれだけ足取りも重かったのに、なんだか速いジャマイカ。
しかし、山荘の前は流石に乗越。
室堂側から強烈な風が吹きぬけて行きます。
寒いのでちゃっちゃと山荘に入り、少し早いお昼を食べながら作戦を練り直します。
山荘の中は人でごったがえしていました。
流石に雄山、色々な人が居ます。
Gパンに100均の合羽を着込んでいる人や、傘をさして歩いてくる人。
みんなビタビタです。
ただ、みな口々に「天気予報とちがーう」
と言ってました。やっぱりそうなんですね。
ですがこの時携帯で時間天気予報を見ると、雨マークが派手に出ていました。
昨日と違うな~。
さらに困ったのは12時ごろには落雷注意報も出ていました。
まいった。
さて、どうするか。
外は風が強いです。
まず考えられる選択肢は2つ。
①このまま一ノ越山荘に泊まり、明日強い雨の中剣沢に移動する。
②風雨は強いけど明日はもっと強いので、このまま剣沢まで一気に行く。
息子は迷わず②番を選びました。
よしよし、行こうね。
さらに選択肢を迫ります。
①ここから300m上げて雄山を登り後は稜線を歩いて別山を越えて剣沢に入る。
②立山縦走を諦めてここから450m下げ、雷鳥沢のキャンプ場から雷鳥坂を500m登り返して剣沢に入る。
1番は高低差は少ないでしょうが、風雨に晒されます。
2番は風雨には晒されませんが、450m下げてからの500m登り返しは今までで一番の急登です。
息子は再び迷わず②番を選びました。
よしよし、安全だね。
・・・っておい!
②番かい!
息子に何度も聞き直しました。
立山歩かないの?富士の折立行かないの?真砂岳、別山行かないの?
超慎重派の息子曰く
「稜線はきっと風が寒いから行かない。雷怖いし。僕、登りが強いから雷鳥坂の登りは行ける気がする。」
ショックでした。
ここまで稜線を歩く事にこだわって辿ったルートなのに。
選択肢を与えたものの、息子はきっと1番を選択すると思ったのに・・・
雨が憎いですよ、ホントに。
ずっと地図を眺めていた息子。
立山も三度目なので、なんとなく通るルートのイメージが出来ているらしかったです。
選択肢を与えて選ばせた以上、私はそれに従います。
ルートが決まったら、後は体を休めて暖めます。
ここでお湯は沸かせないので、売店でコーヒーを買って。
ホっと体が温まります。
その時息子が売店で何か目を輝かせていました。
「お父さん、僕コレが欲しい。」
息子のアツい視線の先には堂々と
”剱岳トランプ¥1300”
の文字。
欲しいの?コレ。
いや辞めようよ、きっと剱に近い小屋でも売ってる、そっちで買おう。
と、適当にその場を流しました。
さて小屋に入って1時間、程よく体も暖まったので出発する事にします。
私のお腹の中で乾かした息子の手袋も、少し渇き気味になってきましたので息子に返します。
そしてズブ濡れになったスペアの手袋を絞ってまた私のお腹の中に・・・
ドラえもんか?と息子にバレ無いように自分に突っ込んでおきました。
そして準備をして小屋を出ますが、その前に電話です。
「あー、剣澤小屋さんですか?
今夜、大人1人と小学生1人、予約できますか?
あ、そうですか、空いてますか。
夕食は要りませんが朝食付きでお願いしまーす。」
この雨の中テントを張る気力が、私にはもうありませんでした。
心折れて今夜は小屋泊まりを選択しました。
さらに翌日停滞する気満々です。
息子、横で目をキラキラさせています。
ちっくしょー!
なんだろう、この敗北感・・・
AM10:30一ノ越山荘を出発しました。
雨風強くても多くの観光客で賑わう室堂までの綺麗な石畳の道。
みんな凄いな~、元気だな~。
「こんにちは~」「頑張ってさい~♪」
と皆さん礼儀正しい。
アルプス深部で出会う、寡黙な山男達よりよっぽど礼儀正しいですよ。
嬉しくなってしまいました。
みんな、頑張ろう!
少し道を降りたところで、脇道に反れます。
一気に立山をトラバースして雷鳥沢のキャンプ場に真っ直ぐ下る道へ入りました。
急に人の気配は消え、静かな山歩きに変わりました。
高度計もギュンギュン数値を下げていきます。
ちなみに、一ノ越山荘は2700mです。
たったの300m雄山まで上げれば稜線なのに・・・
こっちは2250mほどまで450mは下げます。
キャンプ場までのCTは1時間です。
人の居ない静けさの登山道は少し寂しく感じました。
風は強くないものの、シトシトと雨は降り続けます。
ガスの中先の見えないお花畑の中を歩き続けます。
なんだかこの中を永遠にさまよう事になるんじゃないかと錯覚したり。
実際ここまですれ違った人は3人のパーティ1組だけでした。
賽の河原です。
もう、名前がね・・・
そんな感じですよね。
やがて視界にキャンプ場が見えたときには安堵しました。
良かった、人が居る。
一瞬でも、永遠にこのお花畑を彷徨うんじゃないかと錯覚した時は少し怖かったです。
さて、雷鳥沢のキャンプ場までCTは1時間なのに・・・
時間は12時。
1時間半もかかってるじゃないか~。
息子、やっぱり下りは足が遅いです。
まぁ、450mも下げてきましたからね。
これからたったの500m上げて250m下げるだけですよ。
あっはっは♪
・・・もう笑いしか出ません。
さて、休憩もろくにせずにこれから別山乗越、剱御前小屋を目指します。
本日三度目、今まで一番の高度差急登500m。
CT1時間50分。
嬉しくて涙しか出ません、と言う事にしておいてください。
もうここからは隊長を先頭についていきます。
今日あたり、息子の荷物は6kgほどまで落ちているはず。
こちらも水が減っているので23~4kgほどでしょうか。
つらい、ゆっくりと言う言葉を口にしたら息子に負けているような気がしたので、何も言わずに息子についていきます。
心拍数は激しく上がり、呼吸が激しくなっていきます。
雷鳥坂は序盤から斜度のある急登。
一集団、二集団とドンドン追い越し、息子のペースは全く落ちません。
負けるもんか!!
まわりから見たら相当変なオッサンだったと思います。
ゼーゼー呼吸しながら、ガシガシと高度を上げ続けて、前の息子を睨みつけている訳です。
そんな息子は軽く鼻歌交じり。
今考えれば怖いですよね。
一度も休む事無くしばらく登った時、息子が目の前でピタンと足を止めました。
思わずこちらも足が止まりました。
うぉー!止まるなぁ~!
一度動きを止めてしまった足がもう上がらないのが良く分かりました。
時計を見ると下からピッタリ1時間。
息子、こちらを振り返る事も無く・・・
「お父さん、建物が見える・・・」
ガスの中、上のほうにボーっと何か建造物が見えます。
ん?ここのCTは1時間50分だから、まだ半分ちょっとだよね。
まだ小屋は見える訳が無い。。。
あれ、なんだろう?
ようやく動いた足を持ち上げつつ、そこから10分。
剱御前小屋ですよ。。。
CT1時間50分の所、1時間10分で登ってきやがった・・・
速いよ~。
私の足がガクブルになって、立っていると生まれたての小鹿のようにプルプルしているのが良く分かりました。
もちろん息子には言いませんが。
しかし息子、やるな。
でも今日はその前に自分を褒めてあげたい。。。
息子に負けなかったです。
いや、勝ってもいないかな。
でも負けてなければ良いです。
しかしここから今日の剣沢小屋まではまた250mほど下げます。
乗越はさすがに風の通り道。
急に体温が奪われて行く感じがしたので、そのまま1分も休まずに剣沢に行く事にしました。
下りは流石に息子の足も遅く、今度は私が前です。
分岐が多く迷いそうでしたが、しばらく歩くとガスの中にうっすらとテン場が見えてきました。
あぁ、剣沢が見える。
さらに降りるとはっきりとテントの華が見えてきました。
息子がボソッと一言。
「お姉ちゃん達、居るかなぁ?」
・・・?
忘れてた。
そうだ、今日は13日。
予定通りなら昨年白峰三山でお会いした山ガールのお二方がここに居るはずなんです。
お恥ずかしい、色々あり過ぎてすっかり忘れていました。
息子、良く覚えていたな~。
と言うか、だから今日中に剣沢に入りたかったし、ここに来たかったんだな?
テン場を通る時、息子はキョロキョロしています。
「どこだろう?テント、青色だったよね?」
うーん、よく覚えていない・・・
探したそうな息子でしたが、私はそれどころではありません。
疲弊していたのと、お腹の手袋が服の湿度を上げてかなり中身もしっとりしていたんです。
速く小屋に着きたくて息子にそちらを優先するようにお願いしました。
さらに一段下げると、要塞に囲まれた小屋が見えました。
あぁ、ようやく着いた。
14:30 小屋に着いたとき、雨は上がっていました。
外で一呼吸置いて、中に入ります。
写真を撮りたかったのですが、防水では無いカメラに水が入ったらしく、液晶画面が写らなくなってしまってました。
壊れちゃったかな?この写真は携帯で撮りました。
小屋で受付をすると、剣岳までのルートの注意事項、子連れは危険だという注意事項、沢山指摘されました。
もちろん事故を無くす為に小屋の方の忠告はありがたいものです。
真摯に受け止める事にします。
部屋に案内されて服から合羽から、しっとりしているものは全部乾燥室に押し込みます。
ザックは廊下の棚に置くのですが、でかすぎて棚に入りませんでした。
小屋の方も見かねて、
「畳が汚れなければ、お部屋の方に入れていただいていいですよ~。」
と、ありがたかったです。
とりあえず息子と二人分のスペースに荷物を広げ、整頓します。
色々やっていると息子が一言。
「ねぇ、お姉ちゃん達に連絡取れないの?僕、会いたいよ。」
と言うので仕方なく小屋の外にでてFBのメッセンジャーで連絡を取って見る事にしました。
電波は外が安定していました。
とりあえずメッセを送ってから部屋にもどって荷物の整理。
乾かしては収納したり、なんだり。
「お父さん、返事来た?まだ?」
と息子があまりにもしつこいので
「わかった、そこまで言うならテン場まで行っておいでよ。自分で探せるんじゃない?」
と言うと、
「わかった!」
と言って息子は乾燥中の靴を履いて外に飛び出して行ってしまいました。
息子が飛び出して程なくして、こちらも荷物の整理が終わり、後は乾燥待ちになりました。
ふと不安になりました。
まぁ、息子の事だからこの距離の往復は問題ないだろうし、1人でも大丈夫だろうな~。
と思い、小屋の外に出てメッセの確認をすると・・・
「ごめんなさい、早く下山してしまったんです」
と言うような内容が返ってきました。
あ・・・
息子、1人でテン場を探しまくってるんじゃないだろうか。
ちょっと不憫に思ったその時、再び雨が降り始めました。
しかも結構強く。
しまった、息子の合羽、乾燥室なんですが。
慌てて部屋に戻り自分の合羽と折りたたみ傘を用意して外に出ようとすると、息を切らした息子が半濡れで帰ってきました。
「お姉ちゃん達、居なかったよ。
僕ね、一番上のテントまで見に行ったの。
そしたら雨が降ってきてね、急いで戻ってきたの。」
黙って息子をキュッと抱きしめました。
よっぽど会いたかったんだね。
頑張った努力は、いつか報われるよ。
返事が返ってきた事や、山を歩いていればまたいつか会えるよ、と。
息子に伝えました。
再び濡れたものを乾燥室に押し込んで・・・
なんと、剣澤の小屋にはシャワーがついているのです!
しかも今日は6日目、お着替えの日です。
9日間歩く事を想定して、着替えは2回分持ってきていました。
3日着たら着替えて、3日着たら着替えての予定でした。
石鹸は使えなくてもしっかり体を擦って6日分の汗を流し、新しい服に着替える。
きんもち良い~♪
剣沢小屋、天国ですよ。
シャワー後に食堂に行き、小屋の夕食時間外は自炊可でしたのでバーナーを使って夕食です。
まだ16時ですが。
もうこの時間サイクルが体に染み込んでいる訳です。
お腹いっぱいになって部屋に戻り、乾いた服からまた片付けたり。
やがて放送がかかり小屋の夕食が始まった頃、談話室には誰も居なくなったので貸切となりました。
そこで息子は日記を広げて書き始めました。
私は明日の予定を考えます。
多分明日は雨。
予定通り今日はムリをしてきたので、停滞です。
息子に「この小屋好き?」
と聞くと、「大好き」
と言うので、小屋番さんに明日も泊まれるかどうか聞いてみました。
ですが、残念な事に予約でいっぱいで泊まれないと。
明日キャンセルが出れば泊まれますが・・・
と言う常態です。
向かいの剣山荘さんでしたら収容人数も多いので、あちらはいかがですか?
と言われたので、すぐに剣山荘に電話して翌日の予約をとりました。
後から知ったのですが、剣沢小屋は規定人数以上の客は絶対泊めず、予約者優先でゆったりと泊まってもらうと言う方針のようです。
収容人数も多くなく、とてもアットホームな暖かい小屋でした。
向かいの剣山荘は収容人数も多く、来るもの拒まずでどんどん受け入れると言うお話です。
でも、どちらも正しい姿です。
反する経営方針の小屋が近くにあるからこそ、うまく行っているのでしょうね。
さて、明日は隣の剣山荘まで行くだけの予定になりました、ゆっくりしましょう。
談話室で日記を書き終わった息子が、遊び道具を探していますが。。。
面白いものを見つけました。
3D四目並べです。
三次元で四目並べをするので、とても頭を使います。
談話室で知り合ったお兄さんを相手に、息子は4勝2敗と良い勝負をしてました。
私は息子に3勝1敗です(^^;
お兄さん、息子と遊んで頂きましてありがとうございました。
またどこかの山で!
久しぶりに20時まで起きてました。
明日はのんびりで良いしね♪
その後歯磨きをして布団に包まります。
布団、気持ちい~♪
小屋って、天国だ。。。
久しぶりの布団があまりに気持ちよく、多分息子も私も布団に入って5秒で眠りに落ちました。
明日は・・・
ゆっくり停滞だ!
7日目へ続く。
バラバラバラバラ・・・
深夜、何かが叩きつける音で目が覚めました。
一瞬頭の中に「?」が浮かびましたがすぐにそれが雨音だと気付き、起き上がりました。
通り雨かな・・・
と思いたかったです。
しばらくウトウトしていたのですが、雨、風共に強くなり、テントが揺さぶられてさらに激しく雨が叩きつけてきます。
この雨の量はまずいな・・・
あえて砂地にテントを張ってしまったので、水溜りが出来たら浸水してしまうかも。
心配してそっと入口をあけて見ます。
すると、外に土間を作った事や風上側に置石で囲いをしていた事により、超浸透性の砂地の路面はフライシートの内側、テント部分だけサラサラに乾いていました。
良かった、浸水の心配はまったく無いです。
暇つぶしに石組みしておいて良かった。
ふと時計を見るとAM1:00
入口を閉めて横になりますが、色々な事を考えて眠れませんでした。
昨日の天気予報と大分違うじゃないか~。
完璧な計画が崩されていく・・・
通り雨でありますように。
雨が止みますように。。。
AM2時ごろ、少し雨が弱まったので、そのまま止んでしまう事を期待しました。
外に出てトイレに行き、テントに戻りました。
そのままお湯を沸かしてコーヒーを飲み、朝食の準備をし始めた頃・・・
再び雨が降り始めました。
しかも結構強い・・・
こりゃダメだな。
一応3時発の予定でいたので、息子を起こして出発の準備をします。
合羽も着込んでテント以外のものは全てザックに収納。
ザックカバーもかけていつでも外に出られるようにしたのですが、3時を回っても雨は止みません。
仕方が無いので横になったまま機会をうかがいました。
周りのテントからも「コレはダメだな~」と言う声が聞こえてきました。
待っている間に息子も再び眠りに入ったので、起こす事もしませんでした。
再びシェラフとマットを一つだけ出し、息子の下に敷いてシェラフをかけました。
待つこと1時間半、ヘッデンも要らないくらい明るくなった4:30頃。
急に雨が止みました。
これはテント撤収のチャンスです。
息子に声をかけます。
「行こう、チャンスだ。」
シェラフとマットを仕舞って、慌ててテントの外に出ます。
瞬間靴を履いたらそのまま手際よくパタパタとテントを収納。
息子も慣れてきているので、何も言わなくても手順どおりに手伝ってくれます。
バタバタ私達が動き出した音で周りのテントからもモソモソと人が出てきて、撤収の準備にかかりはじめました。
しかし私達はパッキングもほぼ出来ているので、さっとテントを仕舞ってほぼ一番にテン場を後にしました。
AM4:50、出発です。
雨は止んでいるので、ガスの中ですがザラ峠までは快適に歩けました。
息子も朝から動いたおかげか、元気におしゃべりが止まりません。
ちゃっちゃと歩いて5:20ザラ峠まで降りてきました。
かつて佐々成正が徳川家に助けを求めて冬に抜けた峠。
歴史を感じます。
そして観測隊が暴風雨にやられた場所ですね。
もちろんこの時は知りませんでしたが。
さてここから一気に獅子岳まで300mほど高度を上げます。
今はガスで見えませんが、昨日双眼鏡で見てなんとなく道がどうなってるかは想像がついています。
登りに強い息子、行きましょう!
しかし登り始めてすぐに、時折強い風に雨が混じるようになって来ました。
やはり先ほどテントを撤収して正解でしたね。
タイミングを誤ると出発できませんでした。
歩いている分には合羽のおかげで雨には耐えられます。
そして、想像通りのザレた急登はなかなかに私達の進行を阻むのですが、もうこんな急登は慣れました。
負けるもんか!
しかし吹き付ける風に雨も混じり、体は冷えていきます。
体力が持ってかれる・・・
息子もさっきまでのおしゃべりはパタリと止まり、黙々と歩き続けています。
辛いんだろうな・・・
やがて登山道の右側に沢状の崩落地が見えてきました。
昨日遠くから見た地形が頭によぎります。
結構高度を上げましたね、間もなく梯子が出るはずです。
と思ったらすぐに梯子です。
滑ると危ないので、先に息子を登らせます。
梯子を登ってしばらくすると、稜線の東側に登山道が回りこみました。
あぁ、急登が終わったんだなとすぐに分かりました。
風下側に回ったことにより強い風は当たらなくなり、急に体温が上がり始めます。
合羽の一部を開放したりして、中の温度が上がらないように調整します。
もちろん息子にも指示を出します。
AM6:55 獅子岳山頂にやってきました。
なんとかCTに近い時間で歩いて来れました。
稜線に近い部分は西からの風が強かったので、写真だけ撮ったらそのまますぐに東側になる登山道に逃げ込みました。
出発から時間が発っているので朝食にしたいのですが、この雨では・・・
息子も気力が無くなってるのか、おなかが空いていないと言います。
しかしこの後一ノ越までも3時間ほどあるので、雨の止んだ隙に少し朝食をとる事にしました。
なんだかんだで少しでも食べると、体力が帰ってくるのがわかります。
人の体って凄い。
再びガスの中下り続けると、やがて道は再び登り始めました。
そして写真のように、ぼんやりとがった岩。
不気味です。
これが鬼岳の尾根かな?
鬼岳は東面側に迂回するはずです。
なんとなくの感覚と地形から、地図を見て自分の位置を把握しようと努力しています。
ありがたいのは風下側なので強い風からは逃れると言う事ですね。
でもこの後龍王岳は西面を回るので風に吹きつけられるはずです。
それまでに風が少しでも弱まってくれれば・・・
鬼岳東面はこんな雪渓も横切りました。アイゼンは要りません。
ステップが切ってあるので安心して歩けますが、朝一は氷って危ないかもですね。
この後、東面尾根を越えるとやがて道は下り始め、再び登りに入りはじめました。
風も当り始めたので、今は龍王岳のトラバースに入り始めたのだと気付きました。
進行方向の右手に斜面が変わり始め、写真も撮らずに黙々と歩き続けます。
ココまでも辛くて辛くて。
息子も弱音を吐き始めました。
足取りも遅くなり、何度かしゃがんだり。
その度に小休止を取るのですが、シトシトと落ち続ける雨に長く休もうと言う気にならないのです。
流石にもうダメかな?と感じ、
「もう辞めようか。今日このまま室堂から下山する事も選択肢の一つだよ。ココまででも充分に歩いた、立派だよ。」
と息子に提案しました。
息子は黙ったまま前を見続けました。
葛藤しているのかな?
それ以上は何も聞きませんでした。
正直私も自問自答していました。
これって楽しいのか?
苦行以外の何物でもないし、昨日までの楽しさはどこに行ったのだろう。。。
一度室堂から降りて、天気が回復したら戻って来ても良いのでは無いか?
と。
予報より早い雨に振り回されているのがなんだか悔しいです。
自然を相手にしている事を改めて思い知らされました。
絶対の計画なんて存在しない、自分の慢心が祟ります。
つらい。
龍王岳の横を通過するまではココも結構な坂をグイグイと上げていく感じでした。
本日2度目の急登・・・
悶々としながらただひたすら歩いていると・・・
急に道はなだらかになり、見たことのある建造物が視界に入りました。
コレは浄土山の南峰!
去年のGWにソリ遊びに来たところです。
やっと分かる場所に来た!
息子も知っている場所にたどり着いたのが嬉しかったのか、急にテンションが上がり始めました。
思わず浄土山分岐の道標で記念写真です。
そして息子に聞きます。
「このまま帰るなら、まっすぐ進んで室堂に行く。
まだ歩く気があるなら、一ノ越に降りる。
ここが分岐点だよ、どうする?」
選択肢を迫りました。
「お父さん、僕は辞め無いよ。
歩き続ければゴールまで行けるんでしょ?
僕、行くよ。」
よく言った。
「よし、一ノ越に降りよう。」
そう言って、足早に一ノ越の山荘を目指しました。
尾根を下り始めると風も当らなくなり、立山を周遊する人にも多くすれ違うようになってきました。
人が増えた事や知っている場所に来た事で安心感が出たのか、息子も急におしゃべりになってきました。
分かりやすい人(笑
20分ほど尾根を降りると・・・
ガスの中に石垣の要塞が現れました。
うぉ、この石垣、こんなに高かったんだ。
よく考えれば立山は雪のある時しか来た事が無いので知りませんでした。
GWはこの石垣はすっぽり埋まっていたもので。
AM9:25 一ノ越山荘に到着しました。
何気で、五色ヶ原からのCT5時間半ほどの所を、4時間半ほどでやってきました。
あれだけ足取りも重かったのに、なんだか速いジャマイカ。
しかし、山荘の前は流石に乗越。
室堂側から強烈な風が吹きぬけて行きます。
寒いのでちゃっちゃと山荘に入り、少し早いお昼を食べながら作戦を練り直します。
山荘の中は人でごったがえしていました。
流石に雄山、色々な人が居ます。
Gパンに100均の合羽を着込んでいる人や、傘をさして歩いてくる人。
みんなビタビタです。
ただ、みな口々に「天気予報とちがーう」
と言ってました。やっぱりそうなんですね。
ですがこの時携帯で時間天気予報を見ると、雨マークが派手に出ていました。
昨日と違うな~。
さらに困ったのは12時ごろには落雷注意報も出ていました。
まいった。
さて、どうするか。
外は風が強いです。
まず考えられる選択肢は2つ。
①このまま一ノ越山荘に泊まり、明日強い雨の中剣沢に移動する。
②風雨は強いけど明日はもっと強いので、このまま剣沢まで一気に行く。
息子は迷わず②番を選びました。
よしよし、行こうね。
さらに選択肢を迫ります。
①ここから300m上げて雄山を登り後は稜線を歩いて別山を越えて剣沢に入る。
②立山縦走を諦めてここから450m下げ、雷鳥沢のキャンプ場から雷鳥坂を500m登り返して剣沢に入る。
1番は高低差は少ないでしょうが、風雨に晒されます。
2番は風雨には晒されませんが、450m下げてからの500m登り返しは今までで一番の急登です。
息子は再び迷わず②番を選びました。
よしよし、安全だね。
・・・っておい!
②番かい!
息子に何度も聞き直しました。
立山歩かないの?富士の折立行かないの?真砂岳、別山行かないの?
超慎重派の息子曰く
「稜線はきっと風が寒いから行かない。雷怖いし。僕、登りが強いから雷鳥坂の登りは行ける気がする。」
ショックでした。
ここまで稜線を歩く事にこだわって辿ったルートなのに。
選択肢を与えたものの、息子はきっと1番を選択すると思ったのに・・・
雨が憎いですよ、ホントに。
ずっと地図を眺めていた息子。
立山も三度目なので、なんとなく通るルートのイメージが出来ているらしかったです。
選択肢を与えて選ばせた以上、私はそれに従います。
ルートが決まったら、後は体を休めて暖めます。
ここでお湯は沸かせないので、売店でコーヒーを買って。
ホっと体が温まります。
その時息子が売店で何か目を輝かせていました。
「お父さん、僕コレが欲しい。」
息子のアツい視線の先には堂々と
”剱岳トランプ¥1300”
の文字。
欲しいの?コレ。
いや辞めようよ、きっと剱に近い小屋でも売ってる、そっちで買おう。
と、適当にその場を流しました。
さて小屋に入って1時間、程よく体も暖まったので出発する事にします。
私のお腹の中で乾かした息子の手袋も、少し渇き気味になってきましたので息子に返します。
そしてズブ濡れになったスペアの手袋を絞ってまた私のお腹の中に・・・
ドラえもんか?と息子にバレ無いように自分に突っ込んでおきました。
そして準備をして小屋を出ますが、その前に電話です。
「あー、剣澤小屋さんですか?
今夜、大人1人と小学生1人、予約できますか?
あ、そうですか、空いてますか。
夕食は要りませんが朝食付きでお願いしまーす。」
この雨の中テントを張る気力が、私にはもうありませんでした。
心折れて今夜は小屋泊まりを選択しました。
さらに翌日停滞する気満々です。
息子、横で目をキラキラさせています。
ちっくしょー!
なんだろう、この敗北感・・・
AM10:30一ノ越山荘を出発しました。
雨風強くても多くの観光客で賑わう室堂までの綺麗な石畳の道。
みんな凄いな~、元気だな~。
「こんにちは~」「頑張ってさい~♪」
と皆さん礼儀正しい。
アルプス深部で出会う、寡黙な山男達よりよっぽど礼儀正しいですよ。
嬉しくなってしまいました。
みんな、頑張ろう!
少し道を降りたところで、脇道に反れます。
一気に立山をトラバースして雷鳥沢のキャンプ場に真っ直ぐ下る道へ入りました。
急に人の気配は消え、静かな山歩きに変わりました。
高度計もギュンギュン数値を下げていきます。
ちなみに、一ノ越山荘は2700mです。
たったの300m雄山まで上げれば稜線なのに・・・
こっちは2250mほどまで450mは下げます。
キャンプ場までのCTは1時間です。
人の居ない静けさの登山道は少し寂しく感じました。
風は強くないものの、シトシトと雨は降り続けます。
ガスの中先の見えないお花畑の中を歩き続けます。
なんだかこの中を永遠にさまよう事になるんじゃないかと錯覚したり。
実際ここまですれ違った人は3人のパーティ1組だけでした。
賽の河原です。
もう、名前がね・・・
そんな感じですよね。
やがて視界にキャンプ場が見えたときには安堵しました。
良かった、人が居る。
一瞬でも、永遠にこのお花畑を彷徨うんじゃないかと錯覚した時は少し怖かったです。
さて、雷鳥沢のキャンプ場までCTは1時間なのに・・・
時間は12時。
1時間半もかかってるじゃないか~。
息子、やっぱり下りは足が遅いです。
まぁ、450mも下げてきましたからね。
これからたったの500m上げて250m下げるだけですよ。
あっはっは♪
・・・もう笑いしか出ません。
さて、休憩もろくにせずにこれから別山乗越、剱御前小屋を目指します。
本日三度目、今まで一番の高度差急登500m。
CT1時間50分。
嬉しくて涙しか出ません、と言う事にしておいてください。
もうここからは隊長を先頭についていきます。
今日あたり、息子の荷物は6kgほどまで落ちているはず。
こちらも水が減っているので23~4kgほどでしょうか。
つらい、ゆっくりと言う言葉を口にしたら息子に負けているような気がしたので、何も言わずに息子についていきます。
心拍数は激しく上がり、呼吸が激しくなっていきます。
雷鳥坂は序盤から斜度のある急登。
一集団、二集団とドンドン追い越し、息子のペースは全く落ちません。
負けるもんか!!
まわりから見たら相当変なオッサンだったと思います。
ゼーゼー呼吸しながら、ガシガシと高度を上げ続けて、前の息子を睨みつけている訳です。
そんな息子は軽く鼻歌交じり。
今考えれば怖いですよね。
一度も休む事無くしばらく登った時、息子が目の前でピタンと足を止めました。
思わずこちらも足が止まりました。
うぉー!止まるなぁ~!
一度動きを止めてしまった足がもう上がらないのが良く分かりました。
時計を見ると下からピッタリ1時間。
息子、こちらを振り返る事も無く・・・
「お父さん、建物が見える・・・」
ガスの中、上のほうにボーっと何か建造物が見えます。
ん?ここのCTは1時間50分だから、まだ半分ちょっとだよね。
まだ小屋は見える訳が無い。。。
あれ、なんだろう?
ようやく動いた足を持ち上げつつ、そこから10分。
剱御前小屋ですよ。。。
CT1時間50分の所、1時間10分で登ってきやがった・・・
速いよ~。
私の足がガクブルになって、立っていると生まれたての小鹿のようにプルプルしているのが良く分かりました。
もちろん息子には言いませんが。
しかし息子、やるな。
でも今日はその前に自分を褒めてあげたい。。。
息子に負けなかったです。
いや、勝ってもいないかな。
でも負けてなければ良いです。
しかしここから今日の剣沢小屋まではまた250mほど下げます。
乗越はさすがに風の通り道。
急に体温が奪われて行く感じがしたので、そのまま1分も休まずに剣沢に行く事にしました。
下りは流石に息子の足も遅く、今度は私が前です。
分岐が多く迷いそうでしたが、しばらく歩くとガスの中にうっすらとテン場が見えてきました。
あぁ、剣沢が見える。
さらに降りるとはっきりとテントの華が見えてきました。
息子がボソッと一言。
「お姉ちゃん達、居るかなぁ?」
・・・?
忘れてた。
そうだ、今日は13日。
予定通りなら昨年白峰三山でお会いした山ガールのお二方がここに居るはずなんです。
お恥ずかしい、色々あり過ぎてすっかり忘れていました。
息子、良く覚えていたな~。
と言うか、だから今日中に剣沢に入りたかったし、ここに来たかったんだな?
テン場を通る時、息子はキョロキョロしています。
「どこだろう?テント、青色だったよね?」
うーん、よく覚えていない・・・
探したそうな息子でしたが、私はそれどころではありません。
疲弊していたのと、お腹の手袋が服の湿度を上げてかなり中身もしっとりしていたんです。
速く小屋に着きたくて息子にそちらを優先するようにお願いしました。
さらに一段下げると、要塞に囲まれた小屋が見えました。
あぁ、ようやく着いた。
14:30 小屋に着いたとき、雨は上がっていました。
外で一呼吸置いて、中に入ります。
写真を撮りたかったのですが、防水では無いカメラに水が入ったらしく、液晶画面が写らなくなってしまってました。
壊れちゃったかな?この写真は携帯で撮りました。
小屋で受付をすると、剣岳までのルートの注意事項、子連れは危険だという注意事項、沢山指摘されました。
もちろん事故を無くす為に小屋の方の忠告はありがたいものです。
真摯に受け止める事にします。
部屋に案内されて服から合羽から、しっとりしているものは全部乾燥室に押し込みます。
ザックは廊下の棚に置くのですが、でかすぎて棚に入りませんでした。
小屋の方も見かねて、
「畳が汚れなければ、お部屋の方に入れていただいていいですよ~。」
と、ありがたかったです。
とりあえず息子と二人分のスペースに荷物を広げ、整頓します。
色々やっていると息子が一言。
「ねぇ、お姉ちゃん達に連絡取れないの?僕、会いたいよ。」
と言うので仕方なく小屋の外にでてFBのメッセンジャーで連絡を取って見る事にしました。
電波は外が安定していました。
とりあえずメッセを送ってから部屋にもどって荷物の整理。
乾かしては収納したり、なんだり。
「お父さん、返事来た?まだ?」
と息子があまりにもしつこいので
「わかった、そこまで言うならテン場まで行っておいでよ。自分で探せるんじゃない?」
と言うと、
「わかった!」
と言って息子は乾燥中の靴を履いて外に飛び出して行ってしまいました。
息子が飛び出して程なくして、こちらも荷物の整理が終わり、後は乾燥待ちになりました。
ふと不安になりました。
まぁ、息子の事だからこの距離の往復は問題ないだろうし、1人でも大丈夫だろうな~。
と思い、小屋の外に出てメッセの確認をすると・・・
「ごめんなさい、早く下山してしまったんです」
と言うような内容が返ってきました。
あ・・・
息子、1人でテン場を探しまくってるんじゃないだろうか。
ちょっと不憫に思ったその時、再び雨が降り始めました。
しかも結構強く。
しまった、息子の合羽、乾燥室なんですが。
慌てて部屋に戻り自分の合羽と折りたたみ傘を用意して外に出ようとすると、息を切らした息子が半濡れで帰ってきました。
「お姉ちゃん達、居なかったよ。
僕ね、一番上のテントまで見に行ったの。
そしたら雨が降ってきてね、急いで戻ってきたの。」
黙って息子をキュッと抱きしめました。
よっぽど会いたかったんだね。
頑張った努力は、いつか報われるよ。
返事が返ってきた事や、山を歩いていればまたいつか会えるよ、と。
息子に伝えました。
再び濡れたものを乾燥室に押し込んで・・・
なんと、剣澤の小屋にはシャワーがついているのです!
しかも今日は6日目、お着替えの日です。
9日間歩く事を想定して、着替えは2回分持ってきていました。
3日着たら着替えて、3日着たら着替えての予定でした。
石鹸は使えなくてもしっかり体を擦って6日分の汗を流し、新しい服に着替える。
きんもち良い~♪
剣沢小屋、天国ですよ。
シャワー後に食堂に行き、小屋の夕食時間外は自炊可でしたのでバーナーを使って夕食です。
まだ16時ですが。
もうこの時間サイクルが体に染み込んでいる訳です。
お腹いっぱいになって部屋に戻り、乾いた服からまた片付けたり。
やがて放送がかかり小屋の夕食が始まった頃、談話室には誰も居なくなったので貸切となりました。
そこで息子は日記を広げて書き始めました。
私は明日の予定を考えます。
多分明日は雨。
予定通り今日はムリをしてきたので、停滞です。
息子に「この小屋好き?」
と聞くと、「大好き」
と言うので、小屋番さんに明日も泊まれるかどうか聞いてみました。
ですが、残念な事に予約でいっぱいで泊まれないと。
明日キャンセルが出れば泊まれますが・・・
と言う常態です。
向かいの剣山荘さんでしたら収容人数も多いので、あちらはいかがですか?
と言われたので、すぐに剣山荘に電話して翌日の予約をとりました。
後から知ったのですが、剣沢小屋は規定人数以上の客は絶対泊めず、予約者優先でゆったりと泊まってもらうと言う方針のようです。
収容人数も多くなく、とてもアットホームな暖かい小屋でした。
向かいの剣山荘は収容人数も多く、来るもの拒まずでどんどん受け入れると言うお話です。
でも、どちらも正しい姿です。
反する経営方針の小屋が近くにあるからこそ、うまく行っているのでしょうね。
さて、明日は隣の剣山荘まで行くだけの予定になりました、ゆっくりしましょう。
談話室で日記を書き終わった息子が、遊び道具を探していますが。。。
面白いものを見つけました。
3D四目並べです。
三次元で四目並べをするので、とても頭を使います。
談話室で知り合ったお兄さんを相手に、息子は4勝2敗と良い勝負をしてました。
私は息子に3勝1敗です(^^;
お兄さん、息子と遊んで頂きましてありがとうございました。
またどこかの山で!
久しぶりに20時まで起きてました。
明日はのんびりで良いしね♪
その後歯磨きをして布団に包まります。
布団、気持ちい~♪
小屋って、天国だ。。。
久しぶりの布団があまりに気持ちよく、多分息子も私も布団に入って5秒で眠りに落ちました。
明日は・・・
ゆっくり停滞だ!
7日目へ続く。
2015年08月23日
【新穂高から日本海へ】 5日目 日本アルプス横断の旅
8月12日 晴れ 後 曇
日程は5日目です。
計画通りに歩ければ、ちょうど真ん中の日に当ります。
この日は少しスタートを遅らせました。
と言っても1時間も変わらないですが。
予報通り、風が少し出始めたので、暗い時間に急登を登るのは危ないかと判断したからです。
テントを撤収して朝の儀式を済ませて、出発する頃にはヘッデンが要らないくらいの明るさになっていました。
荷物は昨日ほど水を持たなかったのと食料が減ったので、24kgほどでしょうか?
ザックのおかげもあり少し軽く感じます。
AM4:50 スゴ乗越小屋テン場スタートです。
まずはスゴ乗越までの下り道。
2300mほどのスゴ乗越小屋から2150mほどまで下げます。
さらに小さな山を登って降りて、ようやくスゴ乗越です。
途中、少しだけ滑る斜面を通過します。
ロープは補助程度に降りて行きます。
地面が土なので、雨の日は怖いかもですね。
スゴ乗越です。
2200m切りましたか~。。。
ここで一度小休止して、体制を立て直しました。
意外と暑くなり、しばらく樹林帯を行きそうなので上着を脱ぎました。
さーて、行くよ~!
スゴの頭までの登り返しです。
ここは今までに無い急登でした。
一段一段も大きく、かなり足に負担が来ます。
途中、荷物が重さもあって、足が上がらない所がありました。
潅木につかまり体をグイグイ持ち上げていきます。
いや、ボルダリングやってて良かったです、腕も強くなってます。
今回歩いている道は一般的には立山から入り折立や新穂高に抜ける縦走が一般的です。
なぜかと言うと数度あるこのような急坂をこちら側から登るのが体力的に厳しいと言う意見が多いからです。
でも、私が思うに登る分にはゼーゼー言えばなんとかなるのですが、テン泊フル装備のザックを担いでこの坂を降りてくる気にはなれませんでした。
きっと膝が持たない・・・
これを降りて膝がガクブルになったところで、またスゴ乗越小屋、北薬師への登り返し・・・
考えただけでゾッとします。
まぁ、実際に歩いてみないと分からないですけどね。
何年か経ったら、逆に歩いてみましょう。
と言う事で、すれ違う方々には敬意を持って道を譲ります。
凄いですよ。
それでもグイグイと登って、ようやくスゴ乗越小屋と同じぐらいの高さまで登ってきました。
スゴの頭は向こうから見上げる形でしたので、まだまだ上げますね。
高度を上げると向こうに笠様がちょこんと見えてきました。
おはようございます♪
6:25 スゴの頭までやってきました。
山頂では無いですが、一番高度を上げるところです。
テン場からほぼ1時間30分でCTどおりです。休憩もしているのに。
ここで確信しました。
今の息子、登りは速いです。下りや岩場がペースが落ちるんですね。
これで今後の計画も立てやすくなってきました。
風がビュンビュン吹きつけて寒いので、ここでの朝食は諦めて、一度高度を下げる事にしました。
越中沢岳とのコルまで下り、風の当らないところで朝食にしました。
再スタートして再び越中沢岳へ登り始めます。
序盤、左右が切り立った所があるので落ちないように気を使います。
ここもなかなかの急登で、かなり足に来ました。
標高2600m付近の越中沢岳への登り返しです。
途中、地面に小さく遭難の碑が置いてありました。
写真では分かりにくいですが、昭和28年、ここで高校生の子が落雷に会い即死したそうです。
ご両親や部の仲間が彼を悼み、ここに碑を建てたそうです。
もう60年も昔の話です、今は手を合わせに来れる知人も少ないでしょうに。。。
この北アルプスの深部まではなかなか仲間も来れないでしょう。
その子を想い、息子に話をして二人で黙祷をしました。
後ろを振り返ると、スゴの頭と同じぐらいの高さまで高度を稼いでいました。
綺麗な所ですね・・・
毎日見る景色には困らないだろうな。
ハイマツが風にゆらゆらと揺れ、スっと吹き抜ける少し冷たい風が、汗ばんだ体に心地よく感じました。
そこから少し詰めると、登山道は稜線の西側に入り、緩やかな傾斜になってきました。
もう少しで山頂ですね。
8:30 越中沢岳に到着しました。
うーん、ここもCT通りです、やっぱり今回の息子は登りに強い。
私もだんだんCT通りに登れるようになってきました。
スゴの頭もスゴ乗越小屋も眼下になり、薬師岳も遥か遠くになりました。
そして剱・立山はぐっと迫ってきました。
来たな~♪
そして三角点。
二等三角点でした。
古田盛作氏が埋設した三角点・・・
って、この旅から帰ってから「剱岳点の記」を読んだのですが(^^;
旅に出る前に読んでおけばよかったです。
でも、コレは何でしょう?
これも御料局の境界標でしょうか?
遠く、上の廊下の向こうに一段平らな土地があります。
地図を見ると、「薬師見平」と言うようで、小さな池もあるようです。
そこまで行く登山道は無いようですが、三角点があるな・・・
とブツブツ言いかけたところで隣で息子がソワソワしています。
行かないからね!
さて、ここからは次の鳶山(とんびやま)まで一度乗越を通るので下げますが、ダラダラと下げてダラダラと上がるので地図で見る限りはそんなにきつくなさそうです。
20分の休憩の後に出発しました。
実際に稜線も緩やかな傾斜で、自然と心もウキウキしてきます♪
やがて木道の綺麗な階段を下りていくと越中沢乗越です。
一度250mほど下げてきました。
また250mほど上げます。
再びの登りで私はゼーゼー言ってますが、息子は余裕で妖怪体操を歌い&踊りながら登っていきますよ。
なんか少しイラっとします(笑
でもそんなに急登でもなく、10:35には鳶山山頂に到着しました。
特に立派な山頂標も無いのですが、越中沢岳よりも標高が高いんですよね。。。
越中沢岳が少し下にあるように見えます。
スゴ乗越小屋がハッキリ、割と近くに見えます。
しかし標識には
「見えてからが遠いスゴ乗越小屋」
みたいな事が書いてありました。
まさに。まさに。
ここからはあんなに近くに見えるのに、きつい下りが数度待っています。
こちらから行かれる方、心してかかってください。
立山はさらに近づきました。
ゾクゾクしてきます♪
お、よーく見ると笠ヶ岳の稜線の向こうには乗鞍岳の剣ヶ峰も見えます。
あそこまでも歩いた線で繋がってるんだと思うと、何か凄い事してるな・・・
とか思ったりもしましたが・・・
いや、凄くない。ジリジリと普通に歩いているだけです。
ただただ諦めずに歩き続けているだけです。
さぁ、あとは五色ヶ原の山荘までCT40分、テン場までは1時間もかかりません。
行きましょう~♪
少しガスが出ているのがもったいないですね。
晴れていたら綺麗だろうな~。
小屋までの道は新しい木道の工事中でした。
作業員の方、慣れない高地での作業お疲れ様です。
小屋の写真を撮り忘れたのですが、11:15には到着しました。
テン場の受付をして何か昼食が食べられるか聞きましたが・・・
工事と重なっていてカップラーメンしか無いそうで。
ありゃま、残念。
でも食料数調整の為に購入して食べました。
外は少し風があったので、小屋の中で食べさせてもらいました。
その後、テン場に移動して幕営です。
まだテントも2張りしかなく場所は選び放題。
下が砂地の綺麗な所にテントが張れました♪
入口に平らな石を置いて土間っぽく。
風も強めなので風上側に石も積んでみました。
後にコレがとても有効な働きをするとは、この時は思いもよりませんでした。
その後、テントでゴロゴロしててもまだ14時までなので、五色ヶ原をぐるっと一周してくる事にしました。
何気でぐるっと一周2キロ以上あります。
まずはザラ峠方面を偵察に行きます。
うはー、ザラ峠。
結構下げてかなり上がりますね、気合が要るな~。
双眼鏡でじっくりと登山道を眺め、地形を頭に入れておきます。
そしてコレがかの有名な立山カルデラ。
大崩落ですね。
ここでふと携帯を見ると・・・
電波が入りますね。
息子、お母さんに電話をします。
もう5日目なので、少し寂しくなっているようです。
ついでに天気予報の確認をしますが、やっぱり14日は天気が悪いです。
翌日13日の夕方から雨が降り始め、14日は1日中強い風と雨に吹かれるようです。
まいったぁ・・・
予備日は2日間ありますが、ココまで天気が良かっただけに停滞は痛いです。
しかし幸いな事に、この後の二日間の予定は楽々に組んでいました。
計画では13日は一ノ越山荘までの5時間ちょっとの余裕の移動で、久しぶりに小屋泊まりで体を休め、手ぶらでみくりが池温泉辺りにお風呂に行こうかと考えていました。
そして14日は立山の稜線を経て3時間少しで剣沢のテン場。
のんびり剱岳を眺めて翌日に備えると言う計画を立てていました。
しかし、今の天気だと14日に稜線の移動は危ない。
明日13日、雨が降る前に早出して、少しCTは厳しくなりますが一気に二日分の行程を進んで剣沢まで行き、1日目はテン泊。
2日目雨が酷かったら小屋に移動、停滞して疲れを癒す。
と、コレがベストだと判断しました。
明日は速力が勝負です。
と、お散歩しながらいつものTTK(※1)でした。
(※1 Toranu Tanukino Kawazanyou)
我ながら完璧な計画だと思いながらお散歩を続けます♪
岩に「ファイト」の文字。
ザラ峠から来たら小屋までにこの文字を見ます。
辛い最後の登り場所ですね。
笠ヶ岳にもあったような。
結構このような言葉に励まされるんですよね。
う~ん、ホントに晴れていたら気持ちが良いでしょうね。
でも、終わりかけのお花畑でも綺麗でしたよ♪
一生懸命、夏を咲いています!
やがてぐるっと回ってテン場に戻ると、お日様が出てきました。
なんだかな~(^^;
そうそう、途中もう一度小屋に寄りました。
夜のビールを買いに。
それと、お手洗いを借りに(笑
息子、前日のスゴ乗越小屋のトイレが受け入れられず、ずっと我慢していたようです。
今日のテン場のトイレは普通なのですが、洋式が良いようで。。。
小屋のトイレは水洗でとても綺麗でした。
そして、なんと奥には風呂場もありました。
小屋番さんに聞いてみると、大々的に宣伝はしていないのですが、水の豊富なシーズンにはお客様に開放しているとか。
今年は開放しているようです。
知っていたら今日は小屋泊まりだったな~。
お風呂に入りたいです。。。
夕ご飯はテント横のベンチに座り、のんびり頂きました。
夕日が綺麗で明日の朝は晴れるかな?
完璧な計画に、これまで運びの良かった足取り。
日程も5日目が終了して明日は折り返しに入ります。
すべてが順調に進んでいて、このまま行けばこの旅を完遂できると少し慢心がありました。
明日の変更した計画を息子に伝え、朝はかなり早起きする事を息子に言いました。
「わかった、お父さん。僕もそれが良いと思う。」
と言う息子。
単純に日程を一日詰めて剣沢に入りたいだけなんですよね、カワイイ奴。
そしてこの日も18時には就寝しました。
お休みなさい♪
しかしその夜、言葉通り暗雲は近くに忍び寄っていました・・・
6日目へ続く・・・
日程は5日目です。
計画通りに歩ければ、ちょうど真ん中の日に当ります。
この日は少しスタートを遅らせました。
と言っても1時間も変わらないですが。
予報通り、風が少し出始めたので、暗い時間に急登を登るのは危ないかと判断したからです。
テントを撤収して朝の儀式を済ませて、出発する頃にはヘッデンが要らないくらいの明るさになっていました。
荷物は昨日ほど水を持たなかったのと食料が減ったので、24kgほどでしょうか?
ザックのおかげもあり少し軽く感じます。
AM4:50 スゴ乗越小屋テン場スタートです。
まずはスゴ乗越までの下り道。
2300mほどのスゴ乗越小屋から2150mほどまで下げます。
さらに小さな山を登って降りて、ようやくスゴ乗越です。
途中、少しだけ滑る斜面を通過します。
ロープは補助程度に降りて行きます。
地面が土なので、雨の日は怖いかもですね。
スゴ乗越です。
2200m切りましたか~。。。
ここで一度小休止して、体制を立て直しました。
意外と暑くなり、しばらく樹林帯を行きそうなので上着を脱ぎました。
さーて、行くよ~!
スゴの頭までの登り返しです。
ここは今までに無い急登でした。
一段一段も大きく、かなり足に負担が来ます。
途中、荷物が重さもあって、足が上がらない所がありました。
潅木につかまり体をグイグイ持ち上げていきます。
いや、ボルダリングやってて良かったです、腕も強くなってます。
今回歩いている道は一般的には立山から入り折立や新穂高に抜ける縦走が一般的です。
なぜかと言うと数度あるこのような急坂をこちら側から登るのが体力的に厳しいと言う意見が多いからです。
でも、私が思うに登る分にはゼーゼー言えばなんとかなるのですが、テン泊フル装備のザックを担いでこの坂を降りてくる気にはなれませんでした。
きっと膝が持たない・・・
これを降りて膝がガクブルになったところで、またスゴ乗越小屋、北薬師への登り返し・・・
考えただけでゾッとします。
まぁ、実際に歩いてみないと分からないですけどね。
何年か経ったら、逆に歩いてみましょう。
と言う事で、すれ違う方々には敬意を持って道を譲ります。
凄いですよ。
それでもグイグイと登って、ようやくスゴ乗越小屋と同じぐらいの高さまで登ってきました。
スゴの頭は向こうから見上げる形でしたので、まだまだ上げますね。
高度を上げると向こうに笠様がちょこんと見えてきました。
おはようございます♪
6:25 スゴの頭までやってきました。
山頂では無いですが、一番高度を上げるところです。
テン場からほぼ1時間30分でCTどおりです。休憩もしているのに。
ここで確信しました。
今の息子、登りは速いです。下りや岩場がペースが落ちるんですね。
これで今後の計画も立てやすくなってきました。
風がビュンビュン吹きつけて寒いので、ここでの朝食は諦めて、一度高度を下げる事にしました。
越中沢岳とのコルまで下り、風の当らないところで朝食にしました。
再スタートして再び越中沢岳へ登り始めます。
序盤、左右が切り立った所があるので落ちないように気を使います。
ここもなかなかの急登で、かなり足に来ました。
標高2600m付近の越中沢岳への登り返しです。
途中、地面に小さく遭難の碑が置いてありました。
写真では分かりにくいですが、昭和28年、ここで高校生の子が落雷に会い即死したそうです。
ご両親や部の仲間が彼を悼み、ここに碑を建てたそうです。
もう60年も昔の話です、今は手を合わせに来れる知人も少ないでしょうに。。。
この北アルプスの深部まではなかなか仲間も来れないでしょう。
その子を想い、息子に話をして二人で黙祷をしました。
後ろを振り返ると、スゴの頭と同じぐらいの高さまで高度を稼いでいました。
綺麗な所ですね・・・
毎日見る景色には困らないだろうな。
ハイマツが風にゆらゆらと揺れ、スっと吹き抜ける少し冷たい風が、汗ばんだ体に心地よく感じました。
そこから少し詰めると、登山道は稜線の西側に入り、緩やかな傾斜になってきました。
もう少しで山頂ですね。
8:30 越中沢岳に到着しました。
うーん、ここもCT通りです、やっぱり今回の息子は登りに強い。
私もだんだんCT通りに登れるようになってきました。
スゴの頭もスゴ乗越小屋も眼下になり、薬師岳も遥か遠くになりました。
そして剱・立山はぐっと迫ってきました。
来たな~♪
そして三角点。
二等三角点でした。
古田盛作氏が埋設した三角点・・・
って、この旅から帰ってから「剱岳点の記」を読んだのですが(^^;
旅に出る前に読んでおけばよかったです。
でも、コレは何でしょう?
これも御料局の境界標でしょうか?
遠く、上の廊下の向こうに一段平らな土地があります。
地図を見ると、「薬師見平」と言うようで、小さな池もあるようです。
そこまで行く登山道は無いようですが、三角点があるな・・・
とブツブツ言いかけたところで隣で息子がソワソワしています。
行かないからね!
さて、ここからは次の鳶山(とんびやま)まで一度乗越を通るので下げますが、ダラダラと下げてダラダラと上がるので地図で見る限りはそんなにきつくなさそうです。
20分の休憩の後に出発しました。
実際に稜線も緩やかな傾斜で、自然と心もウキウキしてきます♪
やがて木道の綺麗な階段を下りていくと越中沢乗越です。
一度250mほど下げてきました。
また250mほど上げます。
再びの登りで私はゼーゼー言ってますが、息子は余裕で妖怪体操を歌い&踊りながら登っていきますよ。
なんか少しイラっとします(笑
でもそんなに急登でもなく、10:35には鳶山山頂に到着しました。
特に立派な山頂標も無いのですが、越中沢岳よりも標高が高いんですよね。。。
越中沢岳が少し下にあるように見えます。
スゴ乗越小屋がハッキリ、割と近くに見えます。
しかし標識には
「見えてからが遠いスゴ乗越小屋」
みたいな事が書いてありました。
まさに。まさに。
ここからはあんなに近くに見えるのに、きつい下りが数度待っています。
こちらから行かれる方、心してかかってください。
立山はさらに近づきました。
ゾクゾクしてきます♪
お、よーく見ると笠ヶ岳の稜線の向こうには乗鞍岳の剣ヶ峰も見えます。
あそこまでも歩いた線で繋がってるんだと思うと、何か凄い事してるな・・・
とか思ったりもしましたが・・・
いや、凄くない。ジリジリと普通に歩いているだけです。
ただただ諦めずに歩き続けているだけです。
さぁ、あとは五色ヶ原の山荘までCT40分、テン場までは1時間もかかりません。
行きましょう~♪
少しガスが出ているのがもったいないですね。
晴れていたら綺麗だろうな~。
小屋までの道は新しい木道の工事中でした。
作業員の方、慣れない高地での作業お疲れ様です。
小屋の写真を撮り忘れたのですが、11:15には到着しました。
テン場の受付をして何か昼食が食べられるか聞きましたが・・・
工事と重なっていてカップラーメンしか無いそうで。
ありゃま、残念。
でも食料数調整の為に購入して食べました。
外は少し風があったので、小屋の中で食べさせてもらいました。
その後、テン場に移動して幕営です。
まだテントも2張りしかなく場所は選び放題。
下が砂地の綺麗な所にテントが張れました♪
入口に平らな石を置いて土間っぽく。
風も強めなので風上側に石も積んでみました。
後にコレがとても有効な働きをするとは、この時は思いもよりませんでした。
その後、テントでゴロゴロしててもまだ14時までなので、五色ヶ原をぐるっと一周してくる事にしました。
何気でぐるっと一周2キロ以上あります。
まずはザラ峠方面を偵察に行きます。
うはー、ザラ峠。
結構下げてかなり上がりますね、気合が要るな~。
双眼鏡でじっくりと登山道を眺め、地形を頭に入れておきます。
そしてコレがかの有名な立山カルデラ。
大崩落ですね。
ここでふと携帯を見ると・・・
電波が入りますね。
息子、お母さんに電話をします。
もう5日目なので、少し寂しくなっているようです。
ついでに天気予報の確認をしますが、やっぱり14日は天気が悪いです。
翌日13日の夕方から雨が降り始め、14日は1日中強い風と雨に吹かれるようです。
まいったぁ・・・
予備日は2日間ありますが、ココまで天気が良かっただけに停滞は痛いです。
しかし幸いな事に、この後の二日間の予定は楽々に組んでいました。
計画では13日は一ノ越山荘までの5時間ちょっとの余裕の移動で、久しぶりに小屋泊まりで体を休め、手ぶらでみくりが池温泉辺りにお風呂に行こうかと考えていました。
そして14日は立山の稜線を経て3時間少しで剣沢のテン場。
のんびり剱岳を眺めて翌日に備えると言う計画を立てていました。
しかし、今の天気だと14日に稜線の移動は危ない。
明日13日、雨が降る前に早出して、少しCTは厳しくなりますが一気に二日分の行程を進んで剣沢まで行き、1日目はテン泊。
2日目雨が酷かったら小屋に移動、停滞して疲れを癒す。
と、コレがベストだと判断しました。
明日は速力が勝負です。
と、お散歩しながらいつものTTK(※1)でした。
(※1 Toranu Tanukino Kawazanyou)
我ながら完璧な計画だと思いながらお散歩を続けます♪
岩に「ファイト」の文字。
ザラ峠から来たら小屋までにこの文字を見ます。
辛い最後の登り場所ですね。
笠ヶ岳にもあったような。
結構このような言葉に励まされるんですよね。
う~ん、ホントに晴れていたら気持ちが良いでしょうね。
でも、終わりかけのお花畑でも綺麗でしたよ♪
一生懸命、夏を咲いています!
やがてぐるっと回ってテン場に戻ると、お日様が出てきました。
なんだかな~(^^;
そうそう、途中もう一度小屋に寄りました。
夜のビールを買いに。
それと、お手洗いを借りに(笑
息子、前日のスゴ乗越小屋のトイレが受け入れられず、ずっと我慢していたようです。
今日のテン場のトイレは普通なのですが、洋式が良いようで。。。
小屋のトイレは水洗でとても綺麗でした。
そして、なんと奥には風呂場もありました。
小屋番さんに聞いてみると、大々的に宣伝はしていないのですが、水の豊富なシーズンにはお客様に開放しているとか。
今年は開放しているようです。
知っていたら今日は小屋泊まりだったな~。
お風呂に入りたいです。。。
夕ご飯はテント横のベンチに座り、のんびり頂きました。
夕日が綺麗で明日の朝は晴れるかな?
完璧な計画に、これまで運びの良かった足取り。
日程も5日目が終了して明日は折り返しに入ります。
すべてが順調に進んでいて、このまま行けばこの旅を完遂できると少し慢心がありました。
明日の変更した計画を息子に伝え、朝はかなり早起きする事を息子に言いました。
「わかった、お父さん。僕もそれが良いと思う。」
と言う息子。
単純に日程を一日詰めて剣沢に入りたいだけなんですよね、カワイイ奴。
そしてこの日も18時には就寝しました。
お休みなさい♪
しかしその夜、言葉通り暗雲は近くに忍び寄っていました・・・
6日目へ続く・・・
2015年08月22日
【新穂高から日本海へ】 4日目 日本アルプス横断の旅
8月11日 晴れ 後 曇
前日早く寝たので、この日も早く出ることが出来ました。
山での生活も慣れてきて、息子は寝起きにご飯を食べられないという事が分かり、早くに私が起きてお湯を沸かすと同時に、アルファ米にお湯を入れて朝食の準備をします。
出発後、1時間ほどで息子がお腹が空くと言い出すので、そこで軽く食べてすぐ出発する。
と言うのが理想の流れだと分かってきました。
と言う訳で、AM4:00にはテント撤収が完了し、出発できました。
この日の予定はCTでは5時間40分ほど。
薬師岳、北薬師岳を経て上手く行けばスゴ乗越に10時前につくCTです。
もしそんなに早く到着できるのであれば、次の日の五色ヶ原まで一気に歩いて行こうかと息子と話していました。
実は、予定の日程を詰めたい理由が息子にはあったのです。
昨年南アルプスの白峰三山を歩いた時に一緒の行程を歩いた山ガールのお姉さんお二人が、今回12,13日と剣沢でテント泊と言うお話でした。
私達が剣沢に行くのは14日の予定。
「日程を詰める事が出来れば会うことが出来るよ。」
と息子に言うと、どうしても会いたいんだと言い始めました。
やる気になって早朝から歩く事になりました。
さて、10時までにスゴ乗越小屋に着くかな?
薬師峠からは最初、沢沿いに登ります。
これが結構な急登で、朝からゼーゼーと息を切らします。
ヘッデンで歩くのですが、少し分かりにくい所もあり、たまに○を探してしまったり。
50分ほど歩くと開けた所に出ました。
周りも明るくなり、ヘッデンも要らなくなりました。
薬師平ですね。
遠く槍ヶ岳。
そう、槍が遠くなってきたのが実感としてわかります。
歩いてるな~
ケルンのとなりで軽く休憩をしてから、再び歩き出します。
登っている途中、北ノ俣岳に日が差し始めました。
綺麗だな~
ですがこちらは山の影側です。
全然日が差しません。
空は秋模様に変わり始めています。
1時間45分ほどで、薬師小屋に到着しました。
CT1時間40分なので良いペースじゃないですか。
実はこの時、食料は大分減ってきては居たのですが、薬師峠の水場で水を大量に汲んできていました。
薬師小屋は水不足との情報があったのと、スゴまで水場は無いからです。
ハイドレーションに3Lフル、パックに2Lと再び+5kgで、荷物は再び26~7kgほどでしょうか・・・
ただ、足が山になってきたので意外と歩けます。
さらに早くなった理由は自分でも分かっていました。
これです。
今回の旅の為に新調した大型ザック、グレゴリーのバルトロ85です。
フィット感を追求したグレゴリーのザックとは言え、いきなり新品を下ろしたのでまだ馴染んでいなかったのです。
3日間重い荷物を持って歩いたことにより、各部の動きが良くなり、また私も体に合わせた締め上げ方が分かってきたので、凄く楽に背負えるんです。
細かいところは以前使っていたオスプレーのジーニス88の方が使い勝手が良いのですが、体へのフィット感は圧倒的にこちらです。
少々内容量が減ってしまったのは仕方ないですが、今後はこれをメインザックに使っていけると判断しました。
体にフィットすると、重くても楽に歩けるのが良く分かりました。
さて、小屋では薬師岳のバッジを買い、外のテーブルで朝ごはんです。
持ってきた水を沸かして、インスタントですが温かい豚汁を入れます。
体が暖まり、お腹も満たされたところで再びスタートしました。
目の前のザレた道をあげて行きますが、そんなに疲れることも無くガンガン高度を上げられます。
でも、やっぱり荷物は重く息子の方がペースが速いです。
いや、息子が速いんじゃなくて私が遅いんですが。
「お父さん、今回の山はゆっくりペースで楽だね~♪」
なんて言われた時はムキになってペースを上げますが、結局ゆっくりになってしまうのです。
トホホ・・・
山頂手前、避難小屋にも寄って見ます。
近くのケルンにある碑を読んで、合掌。
なるほどね。
綺麗なカールを見下ろします。
残雪期に来たら、楽しいスキーが出来そうですね。
計画してみようかな・・・?
そんなこんなで7:10
薬師岳山頂、頂きました!
三角点を見てみたのですが、なんだかコンクリートで埋められて良く見えませんでした。
後から調べたら二等三角点でしたね。
ここまで登山道の行程としてはほぼ半分過ぎました。
ようやくです。
槍穂はジリジリと遠くなりました。
そして、剱はぐっと近づいて来ました。
こうやって遥か遠く自分がスタートした所が見える。
遥か遠く自分が目指すところが見える。
目標もスタートも見える。
落ち込んだ所や道は見えない。
そして色んな人と歩いた道が交差する。
たまに話し、時には知らん顔で素通りする。
それでも同じ所を歩いていたり。
なんだか、人生みたいです。
でも、確実に言える事は、
「歩き続ければ必ず目標に近づく」
と言う事です。
諦めて足を止めてしまったら、そこで終わりなんです。
それが、実感として良く分かります。
歩くって、素晴らしい。
山頂では居合わせた方とお話したりなんだりしました。
ここの山頂にフル装備で登る人は珍しいので色々と声をかけられました。
荷物が26kgほどあると言ったら、1人の方が持たせてくれと言うので持ち上げてみましたが・・・
上がりませんでした(^^;
息子の8kgザックにヘルメットがくっついた様子にも感動してくれて、
「かっこいいな~」と言われ続けました。
褒められると悪い気は全くしないですね、素直に嬉しいものです。
20分ほどのんびり過ごしました。
さて北薬師岳へ行きましょう。
ところが、この薬師岳-北薬師岳間の道は今までの道と一変しました。
急に左右の稜線は切り立ち、落ちたらタダでは済まないポイントが現れてきました。
息子、岩にしがみついて歩きます。
ただ、以前と違うのは岩場の歩き方が変わったこと。
前から3点支持は出来ていましたが、安定感が増しました。
でも岩は一つ一つが大人に比べると大きいので、やっぱりペースはガタ落ちします。
振り返るとこんな感じです。
先はまだ長かったり・・・
9:00 北薬師岳山頂、頂きました!
薬師からCT30分なんて、ムリムリ。
たっぷり1時間30分かかりましたよ。
途中、北薬師から団体さんがきて離合するのに10分ほど待ちましたが・・・
それでも30分なんて、ムリ。
北薬師に9:00到着したことにより、ここからスゴ乗越小屋までのCTが2時間30分あるので、この日に五色ヶ原への夢は途絶えました。
うーん、槍穂が遠くなっていく・・・
手前の大地は雲ノ平のあたりですね。
昨日お会いしたsomaさん、あのあたりを歩いておられるでしょうか・・・?
ご子息の楽しそうな笑顔を想像すると、私も嬉しくなってしまいます。
子供と一緒に山を歩ける期間は一生の内の数年です。
かけがえの無い時間を共有できるわずかの数年なんです。
”今”を大事に歩きたいです。
子供を連れて山に登る人はみな同じ思いなのでは無いかと思います。
頑張れ子供達!
いっぱい苦しみ、いっぱい笑って、いっぱい感動しよう!
さぁ、間山まで降りましょう。
楽しみの三角点があるはずです♪
しかし一つ一つの岩が大きく、やっぱり息子の足は遅くなってしまいます。
まぁ、仕方ないです。
これから先の歩くはずの山を見ますが・・・
なんだか雰囲気が違います。
・・・と言うか、見えない所が多いですね。。。
何度か大きく高度を下げると言う事ですか。
身震いします。
少し高度を下げてから振り返ると、薬師岳と北薬師岳が並んでしました。
二つで一つの大きな山体で、かっこいい山でした。
やがて池塘が見え始めると・・・
間山の山頂です。
なんと、三角点はぶっこ抜かれて、山頂標は少し燃えた痕がありました。
なんだろうこれは・・・
落雷の跡かな?
標高は2585mなので、薬師岳の山頂から300mは下げてきてますね。
でも実は今日行くスゴ乗越小屋は標高2260mほどです。
さらに300m下げる訳ですよ。
いやー、しびれますね。
さらにズンズンと高度を下げていきます。
槍様がちょこんと真ん中に・・・
間もなく見えなくなります。
間山の下りに雪渓を発見しました。
息子、一心不乱に飛び出します。
ホントに好きだね~。
上手にスタンディングセードで降りてきます。
綺麗に滑れるね!
やがて森林限界を下回り、細かいアップダウンの森の中を歩いたりすると・・・
突然ニュっと現れました。
スゴ乗越小屋です。
時間も12時なので、もう五色ヶ原は考えられません。
五色までCTも6時間ほどありますし。
ここでテントの受付して幕営です。
テン場は3分ほどさらに下った所にあります。
まだ時間も早いので場所は選び放題でした。
平らで綺麗な所にテントを張ることが出来ました。
テントを張ったら水汲み&昼食の為に小屋へ行きました。
この日は食材の調整日で、この旅初めての小屋の食事を食べる事になりました。
なんだかおススメのようです。
と言う事で、カレーとうどんです。
息子、カレーをご所望でしたが辛すぎて終了です。
私がカレーを食べました。
なかなかにスパイシーなカレーでした。
うどんも美味しかったですよ。
食事後、小屋でジュースとビールを買ってテントに戻ります。
ここの小屋、ロケーションと雰囲気は最高です。
普通の人なら、南北どちらから来ても最低二日はかかる場所。
つまりここを通過する為にはには4日はかかる、北アルプスの中でも深部に相当する場所です。
そんななかにポツンとあるお助け小屋。
目の前に広がるスゴ峠の向こうの越中沢岳・スゴの頭、振り返ると間山、北薬師とかなり景色も綺麗です。
とてもこの場所が気にいりました。
泊まってないですが、小屋も2階にテラスがあったりと雰囲気がとても良いです。
唯一残念なのは外トイレががががが
この日はもうテントでゆっくりです。
毎日沢山歩いてゆっくりして、ビール飲んで。
体が山に癒されていきます。
最初の絶不調はもうありません、すこぶる元気になってました。
息子も体調不良を訴える事無く、楽しく歩いて来れました。
さて、この後は天気が気になります。
携帯で天気予報を見たいのですが、北アルプスの深部だし・・・
と電源を入れると・・・
なんと、LTEバリバリ。
なぜ?
高速インターネットにより、快適に天気予報が見れました。
なぜこんな所にLTEが???
予報はやはり14日の荒天は変わらず・・・
さて、どうしたものか。。。
スゴ乗越を雲が流れるように通過して行きます。
息子が
「お父さん、竜が通っているみたい。」
まさにそれ。
いい表現できるね。
しかし明日、スゴ乗越まで一度下げて、スゴの頭に上って、また降りて、また越中沢まで上げて・・・
考えると嫌になるので、もう考えずに寝ることにしました。
さて、天気どうなるかな・・・?
5日目に続く
前日早く寝たので、この日も早く出ることが出来ました。
山での生活も慣れてきて、息子は寝起きにご飯を食べられないという事が分かり、早くに私が起きてお湯を沸かすと同時に、アルファ米にお湯を入れて朝食の準備をします。
出発後、1時間ほどで息子がお腹が空くと言い出すので、そこで軽く食べてすぐ出発する。
と言うのが理想の流れだと分かってきました。
と言う訳で、AM4:00にはテント撤収が完了し、出発できました。
この日の予定はCTでは5時間40分ほど。
薬師岳、北薬師岳を経て上手く行けばスゴ乗越に10時前につくCTです。
もしそんなに早く到着できるのであれば、次の日の五色ヶ原まで一気に歩いて行こうかと息子と話していました。
実は、予定の日程を詰めたい理由が息子にはあったのです。
昨年南アルプスの白峰三山を歩いた時に一緒の行程を歩いた山ガールのお姉さんお二人が、今回12,13日と剣沢でテント泊と言うお話でした。
私達が剣沢に行くのは14日の予定。
「日程を詰める事が出来れば会うことが出来るよ。」
と息子に言うと、どうしても会いたいんだと言い始めました。
やる気になって早朝から歩く事になりました。
さて、10時までにスゴ乗越小屋に着くかな?
薬師峠からは最初、沢沿いに登ります。
これが結構な急登で、朝からゼーゼーと息を切らします。
ヘッデンで歩くのですが、少し分かりにくい所もあり、たまに○を探してしまったり。
50分ほど歩くと開けた所に出ました。
周りも明るくなり、ヘッデンも要らなくなりました。
薬師平ですね。
遠く槍ヶ岳。
そう、槍が遠くなってきたのが実感としてわかります。
歩いてるな~
ケルンのとなりで軽く休憩をしてから、再び歩き出します。
登っている途中、北ノ俣岳に日が差し始めました。
綺麗だな~
ですがこちらは山の影側です。
全然日が差しません。
空は秋模様に変わり始めています。
1時間45分ほどで、薬師小屋に到着しました。
CT1時間40分なので良いペースじゃないですか。
実はこの時、食料は大分減ってきては居たのですが、薬師峠の水場で水を大量に汲んできていました。
薬師小屋は水不足との情報があったのと、スゴまで水場は無いからです。
ハイドレーションに3Lフル、パックに2Lと再び+5kgで、荷物は再び26~7kgほどでしょうか・・・
ただ、足が山になってきたので意外と歩けます。
さらに早くなった理由は自分でも分かっていました。
これです。
今回の旅の為に新調した大型ザック、グレゴリーのバルトロ85です。
フィット感を追求したグレゴリーのザックとは言え、いきなり新品を下ろしたのでまだ馴染んでいなかったのです。
3日間重い荷物を持って歩いたことにより、各部の動きが良くなり、また私も体に合わせた締め上げ方が分かってきたので、凄く楽に背負えるんです。
細かいところは以前使っていたオスプレーのジーニス88の方が使い勝手が良いのですが、体へのフィット感は圧倒的にこちらです。
少々内容量が減ってしまったのは仕方ないですが、今後はこれをメインザックに使っていけると判断しました。
体にフィットすると、重くても楽に歩けるのが良く分かりました。
さて、小屋では薬師岳のバッジを買い、外のテーブルで朝ごはんです。
持ってきた水を沸かして、インスタントですが温かい豚汁を入れます。
体が暖まり、お腹も満たされたところで再びスタートしました。
目の前のザレた道をあげて行きますが、そんなに疲れることも無くガンガン高度を上げられます。
でも、やっぱり荷物は重く息子の方がペースが速いです。
いや、息子が速いんじゃなくて私が遅いんですが。
「お父さん、今回の山はゆっくりペースで楽だね~♪」
なんて言われた時はムキになってペースを上げますが、結局ゆっくりになってしまうのです。
トホホ・・・
山頂手前、避難小屋にも寄って見ます。
近くのケルンにある碑を読んで、合掌。
なるほどね。
綺麗なカールを見下ろします。
残雪期に来たら、楽しいスキーが出来そうですね。
計画してみようかな・・・?
そんなこんなで7:10
薬師岳山頂、頂きました!
三角点を見てみたのですが、なんだかコンクリートで埋められて良く見えませんでした。
後から調べたら二等三角点でしたね。
ここまで登山道の行程としてはほぼ半分過ぎました。
ようやくです。
槍穂はジリジリと遠くなりました。
そして、剱はぐっと近づいて来ました。
こうやって遥か遠く自分がスタートした所が見える。
遥か遠く自分が目指すところが見える。
目標もスタートも見える。
落ち込んだ所や道は見えない。
そして色んな人と歩いた道が交差する。
たまに話し、時には知らん顔で素通りする。
それでも同じ所を歩いていたり。
なんだか、人生みたいです。
でも、確実に言える事は、
「歩き続ければ必ず目標に近づく」
と言う事です。
諦めて足を止めてしまったら、そこで終わりなんです。
それが、実感として良く分かります。
歩くって、素晴らしい。
山頂では居合わせた方とお話したりなんだりしました。
ここの山頂にフル装備で登る人は珍しいので色々と声をかけられました。
荷物が26kgほどあると言ったら、1人の方が持たせてくれと言うので持ち上げてみましたが・・・
上がりませんでした(^^;
息子の8kgザックにヘルメットがくっついた様子にも感動してくれて、
「かっこいいな~」と言われ続けました。
褒められると悪い気は全くしないですね、素直に嬉しいものです。
20分ほどのんびり過ごしました。
さて北薬師岳へ行きましょう。
ところが、この薬師岳-北薬師岳間の道は今までの道と一変しました。
急に左右の稜線は切り立ち、落ちたらタダでは済まないポイントが現れてきました。
息子、岩にしがみついて歩きます。
ただ、以前と違うのは岩場の歩き方が変わったこと。
前から3点支持は出来ていましたが、安定感が増しました。
でも岩は一つ一つが大人に比べると大きいので、やっぱりペースはガタ落ちします。
振り返るとこんな感じです。
先はまだ長かったり・・・
9:00 北薬師岳山頂、頂きました!
薬師からCT30分なんて、ムリムリ。
たっぷり1時間30分かかりましたよ。
途中、北薬師から団体さんがきて離合するのに10分ほど待ちましたが・・・
それでも30分なんて、ムリ。
北薬師に9:00到着したことにより、ここからスゴ乗越小屋までのCTが2時間30分あるので、この日に五色ヶ原への夢は途絶えました。
うーん、槍穂が遠くなっていく・・・
手前の大地は雲ノ平のあたりですね。
昨日お会いしたsomaさん、あのあたりを歩いておられるでしょうか・・・?
ご子息の楽しそうな笑顔を想像すると、私も嬉しくなってしまいます。
子供と一緒に山を歩ける期間は一生の内の数年です。
かけがえの無い時間を共有できるわずかの数年なんです。
”今”を大事に歩きたいです。
子供を連れて山に登る人はみな同じ思いなのでは無いかと思います。
頑張れ子供達!
いっぱい苦しみ、いっぱい笑って、いっぱい感動しよう!
さぁ、間山まで降りましょう。
楽しみの三角点があるはずです♪
しかし一つ一つの岩が大きく、やっぱり息子の足は遅くなってしまいます。
まぁ、仕方ないです。
これから先の歩くはずの山を見ますが・・・
なんだか雰囲気が違います。
・・・と言うか、見えない所が多いですね。。。
何度か大きく高度を下げると言う事ですか。
身震いします。
少し高度を下げてから振り返ると、薬師岳と北薬師岳が並んでしました。
二つで一つの大きな山体で、かっこいい山でした。
やがて池塘が見え始めると・・・
間山の山頂です。
なんと、三角点はぶっこ抜かれて、山頂標は少し燃えた痕がありました。
なんだろうこれは・・・
落雷の跡かな?
標高は2585mなので、薬師岳の山頂から300mは下げてきてますね。
でも実は今日行くスゴ乗越小屋は標高2260mほどです。
さらに300m下げる訳ですよ。
いやー、しびれますね。
さらにズンズンと高度を下げていきます。
槍様がちょこんと真ん中に・・・
間もなく見えなくなります。
間山の下りに雪渓を発見しました。
息子、一心不乱に飛び出します。
ホントに好きだね~。
上手にスタンディングセードで降りてきます。
綺麗に滑れるね!
やがて森林限界を下回り、細かいアップダウンの森の中を歩いたりすると・・・
突然ニュっと現れました。
スゴ乗越小屋です。
時間も12時なので、もう五色ヶ原は考えられません。
五色までCTも6時間ほどありますし。
ここでテントの受付して幕営です。
テン場は3分ほどさらに下った所にあります。
まだ時間も早いので場所は選び放題でした。
平らで綺麗な所にテントを張ることが出来ました。
テントを張ったら水汲み&昼食の為に小屋へ行きました。
この日は食材の調整日で、この旅初めての小屋の食事を食べる事になりました。
なんだかおススメのようです。
と言う事で、カレーとうどんです。
息子、カレーをご所望でしたが辛すぎて終了です。
私がカレーを食べました。
なかなかにスパイシーなカレーでした。
うどんも美味しかったですよ。
食事後、小屋でジュースとビールを買ってテントに戻ります。
ここの小屋、ロケーションと雰囲気は最高です。
普通の人なら、南北どちらから来ても最低二日はかかる場所。
つまりここを通過する為にはには4日はかかる、北アルプスの中でも深部に相当する場所です。
そんななかにポツンとあるお助け小屋。
目の前に広がるスゴ峠の向こうの越中沢岳・スゴの頭、振り返ると間山、北薬師とかなり景色も綺麗です。
とてもこの場所が気にいりました。
泊まってないですが、小屋も2階にテラスがあったりと雰囲気がとても良いです。
唯一残念なのは外トイレががががが
この日はもうテントでゆっくりです。
毎日沢山歩いてゆっくりして、ビール飲んで。
体が山に癒されていきます。
最初の絶不調はもうありません、すこぶる元気になってました。
息子も体調不良を訴える事無く、楽しく歩いて来れました。
さて、この後は天気が気になります。
携帯で天気予報を見たいのですが、北アルプスの深部だし・・・
と電源を入れると・・・
なんと、LTEバリバリ。
なぜ?
高速インターネットにより、快適に天気予報が見れました。
なぜこんな所にLTEが???
予報はやはり14日の荒天は変わらず・・・
さて、どうしたものか。。。
スゴ乗越を雲が流れるように通過して行きます。
息子が
「お父さん、竜が通っているみたい。」
まさにそれ。
いい表現できるね。
しかし明日、スゴ乗越まで一度下げて、スゴの頭に上って、また降りて、また越中沢まで上げて・・・
考えると嫌になるので、もう考えずに寝ることにしました。
さて、天気どうなるかな・・・?
5日目に続く
2015年08月21日
【新穂高から日本海へ】 3日目 日本アルプス横断の旅
8月10日 晴れ 後 ガス
夜中2時、息子がまだ寝ている時に起きました。
お湯を沸かしてコーヒーを入れます。
テントの外にでて空を見上げると、一面の星空。
高山も星は見える所ですけど、その比では無いです。
ホントに手を伸ばしたら届くのでは無いかと錯覚するぐらいです。
そして空を見ていると、流れ星が一つ、二つ、三つ・・・
今日って流星群の日でしたっけ?
こんな夜、前にもありました。
2年前、南アルプスの百間洞の夜も、星降る夜でした。
さて、この日の行程は薬師峠までの13kmほど。
テン泊装備でCTを上回るペースなので、今日は早めに行動します。
3時に息子を起こしてテントを撤収。
息子も星降る夜空をしばらく眺めていました。
4時には黒部五郎の小屋をスタートしました。
カールへ向けてしばらくは樹林帯を歩きます。
この旅初のヘッデン歩行です。
暗い中、息子に注意しろと言いながら歩いていたのに、
自分が先に木に激突。
張り出した大きな幹に気付かずに額をメガヒットしました。
ヘッデン壊れなくて良かった。。。
やがて空も明るみ始め、ヘッデンも要らなくなった頃にカールへやってきました。
山頂がモルゲンロートに染まります。
黒部源流にある、ゴーロ(大きな岩)の山、黒部のゴーロ。
黒部五郎岳の名前の由来です。
人の名前では無いんですよ。
もう少しで日が昇りそうなので、息子と御来光&朝食休憩にします。
景色の良い巨石群のあたりで、お湯を沸かして朝食です。
ゴーロの上の風見鶏。
「お父さん、僕太陽が見えるよ!出てきたよ!」
わずか数メートルの高さの差で、私にはまだ日の出が来ません・・・
はぁ、おひさま来たぁ・・・
綺麗ですね。。。
朝日を眺めながら岩に座って二人で朝食をとります。
インスタントだけど、なんて贅沢な食事でしょう。
じっくり朝食をとったら、再びスタートします。
すっかり明るくなって、これから稜線に向かって急登を行きます。
ここの登りは結構ザレて厳しかったです。
稜線に上がると視界が開けて、向こうには北ノ俣岳が見えてきました。
天気が良くて綺麗です。。。
でも、今日の目的地はまだ遠いな・・・
山頂の分岐まで来ました。
黒部五郎の山頂は踏みたいので、荷物をデポしてピストンします。
息子、メット装備します。
7:00
と言う事で10分ほどで黒部五郎岳山頂です。
あれ?山頂までCT2時間30分なんですが、朝食込みで3時間で来ましたね。
ようやく足が慣れて、CT通りに歩けるようになってきたのでしょうか?
カールが綺麗です。
目指す剣岳は、少し近づいた・・・
ような気がします。
今日の行程は長いので、山頂をすぐに後にして分岐まで戻ります。
・・・と
写真では分かりにくいのですが、雷鳥が現れました。
天気が良いのに珍しい~。
雷鳥はすぐにハイマツの中に消えたてしまったので、分岐まで戻って荷物を背負って再び出発します。
黒部五郎岳から北ノ俣岳方面に降りて行きますが、ここもなかなかの道でした。
ザレ気味でスリップ注意な感じです。
息子にポールを1本渡します。
下りはあると体の支えになるのでバランスを崩しにくいですよね。
ザレた道ですが、振り返ると大きな黒部五郎の山体が素晴らしい景観なんです。
少し離れたところから見るとこんな感じです。
黒部五郎岳、大きいです♪
さて、こちらは北ノ俣岳を目指して歩くのですが、ここの稜線歩は気持ちの良い所ですね。
しかし道は長く、北ノ俣岳の前に赤木岳を通過しますが、結構疲れ気味の私達でした。
やっぱり荷物が重くて。。。
ただ、私の体調は前日ゆっくりした事により、かなり調子良くなってました。
と言うか、ほぼ絶好調♪
それが救いですね!
時折雲が稜線を吹き抜けて行き、幻想的な景色が見れます。
目の前を巨大な塊が抜けていく感じは、なんとも言えない景色です。
「お父さん、きれいだね~。」
と、たまに息子が足を止めて眺めます。
対岸?には鷲羽岳・水晶岳・赤牛岳と黒部湖へ続く長大な稜線が広がります。
あそこもいつか歩いてみたいですね~。
黒羽五郎岳から3時間ほど過ぎ、だんだん足が上がらなくなってきたその時、ようやく頂上らしき所に大きなケルンが見えてきました。
「あのケルンまで行けるん?」
と息子、やめてくれw
11:10 北ノ俣岳山頂です。
いやー、ここまで長かったです。
でも今日はここでもまだ歩く距離は2/3ぐらいです。
まだまだ頑張らないと。
三角点も確認。
三等三角点でした。
ここで小休止をして、お昼ご飯をここで食べるか下ってから食べるか息子と話していたのです、その時反対からかなりの出で立ちのトレランの方がやってきました。
この方、どこかで見たことある。。。
ここまでも数人、どこかで見たようなトレランの方とすれ違ったのですが、この方は確実に見覚えがある。
いや、しかし・・・
今年?そんなはずは無い。。。
そう思って居る内にその方は、声をかける事が出来ないまま山頂を立ち去って行かれました。
小休止の後に、太郎小屋を目指して歩き出しました。
少しガスが多くなってきました。
道は細かくアップダウンを繰り返すのですが、木道が好きな息子は楽しく歩けているようです。
小一時間ほど歩いた頃・・・
雷鳥どーん!
さすが曇天の使者。
メッチャ砂浴びしてます。
登山道の真ん中で、われわれが近づいても気にすることも無く。
息子、「カワイー」と言いながら近づきますが、逃げません。
と、この時反対側からトレラン風の方が歩いて来て、同じく雷鳥の写真を撮り始めました。
「かわいいですね~」
なんて軽くお話しましたが・・・
・・・この人も見たことある。
いや、間違いない!
今度は思い切って聞いてみました。
私「すみません、山岳レースか何か走っていらっしゃいませんか?」
Mさん「ハイ、出てます。」
私「TJAR(トラスジャパンアルプスレースとか・・・」
Mさん「ハイ、出てます。」
私「NHKの番組で、ミスターボーダーラインと・・・」
Mさん、「ハイ、そうです(笑」
あー、やっぱり!
トランスジャパンアルプスレースに参戦している、宮崎選手でした。
私と息子が日本アルプスを横断する計画のきっかけとなったレースです。
NHKの番組を見た時に心が震えました。
今年は開催年では無いのですが、数人の選手が練習の為にミラージュランドをスタートしてきたそうです。
だから見たことある方々とすれ違ったのですね。
この出合いにはとても感動しました。
この旅のきっかけとなった選手の1人がが目の前にいる。
その選手が私達が今回ゴールにしている地から今まさにスタートしてた事。
何かしら運命的なものを感じました。
この旅は何かに後押しされている!
宮崎選手はとてもきさくな方で、一緒に写真を撮らせてもらいました。
息子も一緒に。
来年の夏、私達の計画通りに進むのであれば、TJARが開催されている頃に私達は南ルートの完結編を歩いているはずです。
その時にまた会えるかもしれません。
その旨を伝えると、
「頑張ってまた来年会いましょう!」
と言ってくださいました。
その後、がっちり握手してお別れしました。
貴重なお時間を費やさせてしまいまして申し訳ありません、ありがとうございました。
宮崎選手、応援してますので頑張って下さい♪
「ミスターボーダーライン」なんてNHKでは言ってましたが、とんでもないです。
超人ですよ、私達が追いつける人では無いのです。
軽やかに立ち去る宮崎さんを見送り、私達も再び歩き始めました。
と、20mほど歩いたら再び雷鳥です。
なんと、子連れで8羽も。。。
しばらくは登山道を歩いていたので、一緒に後ろをついて歩きました。
やがて脇にそれて砂地で砂浴びを始めました。
カワイーな~♪
さて、黙々と木道を歩き続けると、息子が逆向きの看板を発見しました。
太郎山山頂?
登山道沿いには無いのは地図で分かっていたのですが、行けるんですね。
もちろん行きます。
太郎山山頂です!
でもここに来た目的の一つは・・・
もちろんコレ。
三角点。
三等でした~♪
眼下にはすぐ太郎平の小屋が見えますね。
行きましょう。
13:30 綺麗な木道を歩くと、急にあたりが騒がしくなり始めて綺麗な太郎小屋が現れました。
なんともトイレが綺麗な山小屋です。
小屋の前はハイシーズンでとても賑やか。
凄い数の人が居て、ココだけ街のようです。
登山相談所に薬師峠のテン場の事を聞き、息子には1日のご褒美、Qooのアップルを買いました。
しかし小屋の前のベンチには色んな人が居るのですが。。。
明らかにどこかの山岳部っぽい子達がラフな格好でバーナーを囲んで騒いでいます。
いや、山岳部の子が小屋泊まりなんだ。。。
時代かな?
喧騒は苦手なので早々に立ち去り、薬師峠のテン場を目指しました。
ここから20分ほどのようです。
綺麗な木道を軽く登って下ってします。
少し離れれば賑やかな人の声も聞こえず、
「山だな~」と言う気分になれましたが・・・
うっは、テン場激混み。
14時だというのに。
慌ててテン場に行き場所を探しました。
沢山の人の中には各大学の山岳部っぽい子達も沢山居ます。
場所は所々空いているのですが、団体の方々が輪になって座り込んでいてテントが張れません。
ラッキーに一箇所良い所を見つけて、平らなところにテントが張れました。
お隣はテントに大きく「早稲田大学山研」と書いてありました。
大学生っぽく、とても賑やかな子達でした。
2年前南アルプスの百間洞で出会った早稲田のワンゲル部の子達とは雰囲気が違いますね。
あの子達の方がストイックに山を歩いている感じがしました。
あの時は好感がもてたな~。
でも、とある時間になったら皆ラジオを聴いて天気図を描いていました。
うん、イイネ!
この日は14時からテントでのんびり出来ました。
1日の行程が長く疲れたのと、朝早かったので、お昼寝して夕飯食べて・・・
またまた18時ごろに就寝してしまいました。
体が山になっていく♪
そうそう、この日の薬師峠は久しぶりに携帯の電波がバンバンに入りました。3Gでしたが。
天気予報を確認したりなんだりすると、台風は反れたので良かったのですが、どうやら14日頃に荒天になりそうです。
うーん、ここまでずっと天気が良かったから、ちょっと気になるな・・・
天気が持ちますように・・・
4日目に続く
夜中2時、息子がまだ寝ている時に起きました。
お湯を沸かしてコーヒーを入れます。
テントの外にでて空を見上げると、一面の星空。
高山も星は見える所ですけど、その比では無いです。
ホントに手を伸ばしたら届くのでは無いかと錯覚するぐらいです。
そして空を見ていると、流れ星が一つ、二つ、三つ・・・
今日って流星群の日でしたっけ?
こんな夜、前にもありました。
2年前、南アルプスの百間洞の夜も、星降る夜でした。
さて、この日の行程は薬師峠までの13kmほど。
テン泊装備でCTを上回るペースなので、今日は早めに行動します。
3時に息子を起こしてテントを撤収。
息子も星降る夜空をしばらく眺めていました。
4時には黒部五郎の小屋をスタートしました。
カールへ向けてしばらくは樹林帯を歩きます。
この旅初のヘッデン歩行です。
暗い中、息子に注意しろと言いながら歩いていたのに、
自分が先に木に激突。
張り出した大きな幹に気付かずに額をメガヒットしました。
ヘッデン壊れなくて良かった。。。
やがて空も明るみ始め、ヘッデンも要らなくなった頃にカールへやってきました。
山頂がモルゲンロートに染まります。
黒部源流にある、ゴーロ(大きな岩)の山、黒部のゴーロ。
黒部五郎岳の名前の由来です。
人の名前では無いんですよ。
もう少しで日が昇りそうなので、息子と御来光&朝食休憩にします。
景色の良い巨石群のあたりで、お湯を沸かして朝食です。
ゴーロの上の風見鶏。
「お父さん、僕太陽が見えるよ!出てきたよ!」
わずか数メートルの高さの差で、私にはまだ日の出が来ません・・・
はぁ、おひさま来たぁ・・・
綺麗ですね。。。
朝日を眺めながら岩に座って二人で朝食をとります。
インスタントだけど、なんて贅沢な食事でしょう。
じっくり朝食をとったら、再びスタートします。
すっかり明るくなって、これから稜線に向かって急登を行きます。
ここの登りは結構ザレて厳しかったです。
稜線に上がると視界が開けて、向こうには北ノ俣岳が見えてきました。
天気が良くて綺麗です。。。
でも、今日の目的地はまだ遠いな・・・
山頂の分岐まで来ました。
黒部五郎の山頂は踏みたいので、荷物をデポしてピストンします。
息子、メット装備します。
7:00
と言う事で10分ほどで黒部五郎岳山頂です。
あれ?山頂までCT2時間30分なんですが、朝食込みで3時間で来ましたね。
ようやく足が慣れて、CT通りに歩けるようになってきたのでしょうか?
カールが綺麗です。
目指す剣岳は、少し近づいた・・・
ような気がします。
今日の行程は長いので、山頂をすぐに後にして分岐まで戻ります。
・・・と
写真では分かりにくいのですが、雷鳥が現れました。
天気が良いのに珍しい~。
雷鳥はすぐにハイマツの中に消えたてしまったので、分岐まで戻って荷物を背負って再び出発します。
黒部五郎岳から北ノ俣岳方面に降りて行きますが、ここもなかなかの道でした。
ザレ気味でスリップ注意な感じです。
息子にポールを1本渡します。
下りはあると体の支えになるのでバランスを崩しにくいですよね。
ザレた道ですが、振り返ると大きな黒部五郎の山体が素晴らしい景観なんです。
少し離れたところから見るとこんな感じです。
黒部五郎岳、大きいです♪
さて、こちらは北ノ俣岳を目指して歩くのですが、ここの稜線歩は気持ちの良い所ですね。
しかし道は長く、北ノ俣岳の前に赤木岳を通過しますが、結構疲れ気味の私達でした。
やっぱり荷物が重くて。。。
ただ、私の体調は前日ゆっくりした事により、かなり調子良くなってました。
と言うか、ほぼ絶好調♪
それが救いですね!
時折雲が稜線を吹き抜けて行き、幻想的な景色が見れます。
目の前を巨大な塊が抜けていく感じは、なんとも言えない景色です。
「お父さん、きれいだね~。」
と、たまに息子が足を止めて眺めます。
対岸?には鷲羽岳・水晶岳・赤牛岳と黒部湖へ続く長大な稜線が広がります。
あそこもいつか歩いてみたいですね~。
黒羽五郎岳から3時間ほど過ぎ、だんだん足が上がらなくなってきたその時、ようやく頂上らしき所に大きなケルンが見えてきました。
「あのケルンまで行けるん?」
と息子、やめてくれw
11:10 北ノ俣岳山頂です。
いやー、ここまで長かったです。
でも今日はここでもまだ歩く距離は2/3ぐらいです。
まだまだ頑張らないと。
三角点も確認。
三等三角点でした。
ここで小休止をして、お昼ご飯をここで食べるか下ってから食べるか息子と話していたのです、その時反対からかなりの出で立ちのトレランの方がやってきました。
この方、どこかで見たことある。。。
ここまでも数人、どこかで見たようなトレランの方とすれ違ったのですが、この方は確実に見覚えがある。
いや、しかし・・・
今年?そんなはずは無い。。。
そう思って居る内にその方は、声をかける事が出来ないまま山頂を立ち去って行かれました。
小休止の後に、太郎小屋を目指して歩き出しました。
少しガスが多くなってきました。
道は細かくアップダウンを繰り返すのですが、木道が好きな息子は楽しく歩けているようです。
小一時間ほど歩いた頃・・・
雷鳥どーん!
さすが曇天の使者。
メッチャ砂浴びしてます。
登山道の真ん中で、われわれが近づいても気にすることも無く。
息子、「カワイー」と言いながら近づきますが、逃げません。
と、この時反対側からトレラン風の方が歩いて来て、同じく雷鳥の写真を撮り始めました。
「かわいいですね~」
なんて軽くお話しましたが・・・
・・・この人も見たことある。
いや、間違いない!
今度は思い切って聞いてみました。
私「すみません、山岳レースか何か走っていらっしゃいませんか?」
Mさん「ハイ、出てます。」
私「TJAR(トラスジャパンアルプスレースとか・・・」
Mさん「ハイ、出てます。」
私「NHKの番組で、ミスターボーダーラインと・・・」
Mさん、「ハイ、そうです(笑」
あー、やっぱり!
トランスジャパンアルプスレースに参戦している、宮崎選手でした。
私と息子が日本アルプスを横断する計画のきっかけとなったレースです。
NHKの番組を見た時に心が震えました。
今年は開催年では無いのですが、数人の選手が練習の為にミラージュランドをスタートしてきたそうです。
だから見たことある方々とすれ違ったのですね。
この出合いにはとても感動しました。
この旅のきっかけとなった選手の1人がが目の前にいる。
その選手が私達が今回ゴールにしている地から今まさにスタートしてた事。
何かしら運命的なものを感じました。
この旅は何かに後押しされている!
宮崎選手はとてもきさくな方で、一緒に写真を撮らせてもらいました。
息子も一緒に。
来年の夏、私達の計画通りに進むのであれば、TJARが開催されている頃に私達は南ルートの完結編を歩いているはずです。
その時にまた会えるかもしれません。
その旨を伝えると、
「頑張ってまた来年会いましょう!」
と言ってくださいました。
その後、がっちり握手してお別れしました。
貴重なお時間を費やさせてしまいまして申し訳ありません、ありがとうございました。
宮崎選手、応援してますので頑張って下さい♪
「ミスターボーダーライン」なんてNHKでは言ってましたが、とんでもないです。
超人ですよ、私達が追いつける人では無いのです。
軽やかに立ち去る宮崎さんを見送り、私達も再び歩き始めました。
と、20mほど歩いたら再び雷鳥です。
なんと、子連れで8羽も。。。
しばらくは登山道を歩いていたので、一緒に後ろをついて歩きました。
やがて脇にそれて砂地で砂浴びを始めました。
カワイーな~♪
さて、黙々と木道を歩き続けると、息子が逆向きの看板を発見しました。
太郎山山頂?
登山道沿いには無いのは地図で分かっていたのですが、行けるんですね。
もちろん行きます。
太郎山山頂です!
でもここに来た目的の一つは・・・
もちろんコレ。
三角点。
三等でした~♪
眼下にはすぐ太郎平の小屋が見えますね。
行きましょう。
13:30 綺麗な木道を歩くと、急にあたりが騒がしくなり始めて綺麗な太郎小屋が現れました。
なんともトイレが綺麗な山小屋です。
小屋の前はハイシーズンでとても賑やか。
凄い数の人が居て、ココだけ街のようです。
登山相談所に薬師峠のテン場の事を聞き、息子には1日のご褒美、Qooのアップルを買いました。
しかし小屋の前のベンチには色んな人が居るのですが。。。
明らかにどこかの山岳部っぽい子達がラフな格好でバーナーを囲んで騒いでいます。
いや、山岳部の子が小屋泊まりなんだ。。。
時代かな?
喧騒は苦手なので早々に立ち去り、薬師峠のテン場を目指しました。
ここから20分ほどのようです。
綺麗な木道を軽く登って下ってします。
少し離れれば賑やかな人の声も聞こえず、
「山だな~」と言う気分になれましたが・・・
うっは、テン場激混み。
14時だというのに。
慌ててテン場に行き場所を探しました。
沢山の人の中には各大学の山岳部っぽい子達も沢山居ます。
場所は所々空いているのですが、団体の方々が輪になって座り込んでいてテントが張れません。
ラッキーに一箇所良い所を見つけて、平らなところにテントが張れました。
お隣はテントに大きく「早稲田大学山研」と書いてありました。
大学生っぽく、とても賑やかな子達でした。
2年前南アルプスの百間洞で出会った早稲田のワンゲル部の子達とは雰囲気が違いますね。
あの子達の方がストイックに山を歩いている感じがしました。
あの時は好感がもてたな~。
でも、とある時間になったら皆ラジオを聴いて天気図を描いていました。
うん、イイネ!
この日は14時からテントでのんびり出来ました。
1日の行程が長く疲れたのと、朝早かったので、お昼寝して夕飯食べて・・・
またまた18時ごろに就寝してしまいました。
体が山になっていく♪
そうそう、この日の薬師峠は久しぶりに携帯の電波がバンバンに入りました。3Gでしたが。
天気予報を確認したりなんだりすると、台風は反れたので良かったのですが、どうやら14日頃に荒天になりそうです。
うーん、ここまでずっと天気が良かったから、ちょっと気になるな・・・
天気が持ちますように・・・
4日目に続く
2015年08月20日
【新穂高から日本海へ】 2日目 日本アルプス横断の旅
8月9日 2日目 晴れ
朝早くから周りのテントは撤収しています。
早い方は2時ぐらいからカチャカチャしていました。
早出早着、良い事だと思います。
私達のこの日の行動予定は、双六岳、三俣蓮華岳を経て野口五郎小屋まで行くだけです。
1日目は体力を消耗するであろうことが予想できたので、2日目はのんびり行程にしていました。
それでも5時には起きました。
樅沢岳方面に朝日が当り、綺麗な青空が広がります。
うん、今日も天気が良い♪
お湯を沸かしてコーヒーを飲みます。
グレゴリーのカップ。
軽いのに保温性が高く、熱いお湯を入れても外は熱くなりません。
歴代のグレゴリーのロゴマークが年代別に全て記載されています。
このカップ、かなりお気に入りです♪
朝食も食べ終わり、朝の儀式も済ませたら7時ちょっと前にスタートしました。
うーん、のんびり行程って良いですね。
それでも双六岳への最初の登りはいきなりゼーゼー来ます。
ここは一つ目の分岐ですね。
まだ1食分しか荷物も軽くなってないので、CTを上回るペースで登っていきます。
と言うか、前日も全てCTを大きく上回っていました。
前日は体調不良もあって、嫌な汗と普通の汗を大量にかき、多分1日で5リッターは水を飲んだのではないかと思います。
3リッターのハイドレーションに2リッターの水を入れてきたのに、途中で空になって3リッターフルに入れました。
それでも双六小屋に着いたときにはほぼ空だったので・・・
まぁ、体もまだ山の体になってないので仕方なかったのですが・・・
それでも景色が綺麗だと心も体も癒されます。
前日のような不調感も無く、ただザックの重みと向き合って登っていきます。
2度目の分岐です。
息子は調子が良いようで、最初は8キロの重さに参ってましたが今は大丈夫なようです。
数日経てば軽くなるから・・・と、頑張ってくれました。
ケルンにさらに石を乗せようとしてます。
「ケルンに石を置けるん?」
とか呟いてます。おっさんかw
この分岐から上は少し険しくなるのですが、脇に雪が残っていたりすると息子のウズウズは止まりません。
この子、雪国育ちなのになんでこんなに雪が好きなんでしょ?
とても良い事ですけどね。
双六岳への道は、細く急な岩道を乗り上げると急に視界が開けます。
あー・・・来て良かった。
槍穂が綺麗です。
鷲羽岳や水晶岳、これから行く三俣蓮華岳なども絵に描いたように綺麗です。
幸せです。
息子も言葉無くただただじーっと景色を見たりしています。
いいよ、色々見て色々感じてね。
この双六岳への稜線、とにかく好きです。
まあるい形に真っ直ぐの道。
空へ続く道のようです。
そして振り返ると槍へ続く道。
4年前もこの景色に大いに感動しました。
何回見ても好きです、ここ。
皆さん、この景色は高山市内ですよ。
信じられますか?高山にはこんな景色の場所があるんです。
さぁ、もう少しだよ。
8:45 CTを余裕で上回って双六岳山頂です。
2回目ですね、ココ。
4年前はこの脇のスペースでスゴロクを広げてサイコロを転がしたもんです。
あれは息子が年長さんの時。
私もまだ山に慣れていなかったころ。
すべてが懐かしいです。
でもあの頃と違うのは、三角点に興味を持ち始めたこと(笑
もう何等か気になってしかたありません。
いやー、ホントに槍穂が綺麗。
まだまだ手が届きそうな所です。
・・・そして反対側。
遥か彼方遠く、立山と剱岳が見えます。
遠い、ホントに遠い・・・
あそこまで歩くのか・・・
行けるのかな、ホントに。。。
山頂で休んでから、向こう側に下り始めます。
まずは丸山へ。
丸山なんてかわいい名前してますが、しっかり登り返しがあって結構辛かったです。
結構登ります。
息子もなめてかかっていたようで、
「お父さん、丸山って厳しい!」
とか言ってます。
そして丸山は華麗にスルーして三俣蓮華岳へ向かいます。
見た感じ、双六岳-丸山間よりも丸山-三俣蓮華岳間の方が楽そうに見えますし、実際楽でした。
10:15三俣蓮華岳到着です。
もうCTは気にしないです。
三俣蓮華の三俣は、長野県・岐阜県・富山県の三つにまたがる山から来ています。
そんな訳で立ち位置は私長野県、息子岐阜県、カメラは富山県です♪
槍様が綺麗です!
そして気になる三角点。
もう一つは御料局の境界標ですね。
こちらは鷲羽・ワリモ・水晶と続く稜線。
いつか行って見たい所です。
そして今回行く事を泣く泣く諦めた黒部源流。
ホントに行きたかったです。
でも、体力の事を考えて断念。
ここもいつか必ず!
遠くに薬師岳が見えます。
大きい山ですね、あそこも通るはずなんですが、遠いな~・・・
そして目の前には雲ノ平。
北ア最後の秘境。
ここもいつか行って見たいです。
こんなに近くに来ているのに行けないのはもったいないですが、いいです。
山は逃げません。
さぁ、それでは黒部五郎の小屋まで行きましょう。
今日はもう山を登る事はありません。
下るだけです。
ところがそれが予想以上に下る下る。
息子が
「お父さん、せっかく登ったのにもったいないよ!」
と言います。
いや、私もそう思います。
さらにドーンと下に黒部五郎の小屋です。
これは下げる・・・
標高で言えば鏡平の山荘とそんなに変わらないぐらい下げているはずです。
そしてこの写真の位置から小屋までの下りが、かなり厳しかったです。
急坂で一段一段が大きく・・・
と、この頃はそう思っていました。
後半の急登に比べれば可愛いものなのですが。
12:00黒部五郎の小屋に到着です。
なんとも形がメルヘンでカワイイ小屋です。
木々と緑に囲まれて、綺麗な所ですね。
今日はもう移動はしません。
ここでのんびり過ごします。
受付をして幕営します。
息子もテントの立て方を徐々に覚えてきました。
手伝ってくれるのでかなり助かります。
幕営後、お昼ご飯の準備をする為に小屋に水汲みに行ったところ、とある方に声をかけられました。
「もしかしてPENTAGONさんですか?」
と。
ヤマレコでフォロー頂いているsomaさんでした。
計画ではこの日ここですれ違う事になっていたので、お互い計画通りに来れていたようです。
somaさんも小学5年生のお子さんをつれて、折立から雲ノ平を周回する縦走コース。
しかしお話を聞くと移動距離が凄いです。
お父様も御子息もかなり健脚なようです。
この日は薬師峠を出て三俣の山荘まで行くそうで、いやはや凄いです。
お互いの旅の検討を祈って握手。
またどこかの山でお会いしましょう。
と言う事で、私達はテントに戻ってお昼ごはんです。
お昼は海藻うどんです。
山に居ると野菜系が足りなくなるので、海藻でもありがたいものです。
そして乾杯~♪
し あ わ せ
前日は体調不良で我慢したので、この日は頂きました。
午後はのんびりと小屋周りで過ごし、おやつのりんご食べたりお昼寝したり。
体もかなり休む事が出来ました。
翌日は薬師峠までのロング。
少し早めに出発するので、この日は夕飯も16時台。
18時には就寝しました。
明日も天気になーれ。
3日目に続く
朝早くから周りのテントは撤収しています。
早い方は2時ぐらいからカチャカチャしていました。
早出早着、良い事だと思います。
私達のこの日の行動予定は、双六岳、三俣蓮華岳を経て野口五郎小屋まで行くだけです。
1日目は体力を消耗するであろうことが予想できたので、2日目はのんびり行程にしていました。
それでも5時には起きました。
樅沢岳方面に朝日が当り、綺麗な青空が広がります。
うん、今日も天気が良い♪
お湯を沸かしてコーヒーを飲みます。
グレゴリーのカップ。
軽いのに保温性が高く、熱いお湯を入れても外は熱くなりません。
歴代のグレゴリーのロゴマークが年代別に全て記載されています。
このカップ、かなりお気に入りです♪
朝食も食べ終わり、朝の儀式も済ませたら7時ちょっと前にスタートしました。
うーん、のんびり行程って良いですね。
それでも双六岳への最初の登りはいきなりゼーゼー来ます。
ここは一つ目の分岐ですね。
まだ1食分しか荷物も軽くなってないので、CTを上回るペースで登っていきます。
と言うか、前日も全てCTを大きく上回っていました。
前日は体調不良もあって、嫌な汗と普通の汗を大量にかき、多分1日で5リッターは水を飲んだのではないかと思います。
3リッターのハイドレーションに2リッターの水を入れてきたのに、途中で空になって3リッターフルに入れました。
それでも双六小屋に着いたときにはほぼ空だったので・・・
まぁ、体もまだ山の体になってないので仕方なかったのですが・・・
それでも景色が綺麗だと心も体も癒されます。
前日のような不調感も無く、ただザックの重みと向き合って登っていきます。
2度目の分岐です。
息子は調子が良いようで、最初は8キロの重さに参ってましたが今は大丈夫なようです。
数日経てば軽くなるから・・・と、頑張ってくれました。
ケルンにさらに石を乗せようとしてます。
「ケルンに石を置けるん?」
とか呟いてます。おっさんかw
この分岐から上は少し険しくなるのですが、脇に雪が残っていたりすると息子のウズウズは止まりません。
この子、雪国育ちなのになんでこんなに雪が好きなんでしょ?
とても良い事ですけどね。
双六岳への道は、細く急な岩道を乗り上げると急に視界が開けます。
あー・・・来て良かった。
槍穂が綺麗です。
鷲羽岳や水晶岳、これから行く三俣蓮華岳なども絵に描いたように綺麗です。
幸せです。
息子も言葉無くただただじーっと景色を見たりしています。
いいよ、色々見て色々感じてね。
この双六岳への稜線、とにかく好きです。
まあるい形に真っ直ぐの道。
空へ続く道のようです。
そして振り返ると槍へ続く道。
4年前もこの景色に大いに感動しました。
何回見ても好きです、ここ。
皆さん、この景色は高山市内ですよ。
信じられますか?高山にはこんな景色の場所があるんです。
さぁ、もう少しだよ。
8:45 CTを余裕で上回って双六岳山頂です。
2回目ですね、ココ。
4年前はこの脇のスペースでスゴロクを広げてサイコロを転がしたもんです。
あれは息子が年長さんの時。
私もまだ山に慣れていなかったころ。
すべてが懐かしいです。
でもあの頃と違うのは、三角点に興味を持ち始めたこと(笑
もう何等か気になってしかたありません。
いやー、ホントに槍穂が綺麗。
まだまだ手が届きそうな所です。
・・・そして反対側。
遥か彼方遠く、立山と剱岳が見えます。
遠い、ホントに遠い・・・
あそこまで歩くのか・・・
行けるのかな、ホントに。。。
山頂で休んでから、向こう側に下り始めます。
まずは丸山へ。
丸山なんてかわいい名前してますが、しっかり登り返しがあって結構辛かったです。
結構登ります。
息子もなめてかかっていたようで、
「お父さん、丸山って厳しい!」
とか言ってます。
そして丸山は華麗にスルーして三俣蓮華岳へ向かいます。
見た感じ、双六岳-丸山間よりも丸山-三俣蓮華岳間の方が楽そうに見えますし、実際楽でした。
10:15三俣蓮華岳到着です。
もうCTは気にしないです。
三俣蓮華の三俣は、長野県・岐阜県・富山県の三つにまたがる山から来ています。
そんな訳で立ち位置は私長野県、息子岐阜県、カメラは富山県です♪
槍様が綺麗です!
そして気になる三角点。
もう一つは御料局の境界標ですね。
こちらは鷲羽・ワリモ・水晶と続く稜線。
いつか行って見たい所です。
そして今回行く事を泣く泣く諦めた黒部源流。
ホントに行きたかったです。
でも、体力の事を考えて断念。
ここもいつか必ず!
遠くに薬師岳が見えます。
大きい山ですね、あそこも通るはずなんですが、遠いな~・・・
そして目の前には雲ノ平。
北ア最後の秘境。
ここもいつか行って見たいです。
こんなに近くに来ているのに行けないのはもったいないですが、いいです。
山は逃げません。
さぁ、それでは黒部五郎の小屋まで行きましょう。
今日はもう山を登る事はありません。
下るだけです。
ところがそれが予想以上に下る下る。
息子が
「お父さん、せっかく登ったのにもったいないよ!」
と言います。
いや、私もそう思います。
さらにドーンと下に黒部五郎の小屋です。
これは下げる・・・
標高で言えば鏡平の山荘とそんなに変わらないぐらい下げているはずです。
そしてこの写真の位置から小屋までの下りが、かなり厳しかったです。
急坂で一段一段が大きく・・・
と、この頃はそう思っていました。
後半の急登に比べれば可愛いものなのですが。
12:00黒部五郎の小屋に到着です。
なんとも形がメルヘンでカワイイ小屋です。
木々と緑に囲まれて、綺麗な所ですね。
今日はもう移動はしません。
ここでのんびり過ごします。
受付をして幕営します。
息子もテントの立て方を徐々に覚えてきました。
手伝ってくれるのでかなり助かります。
幕営後、お昼ご飯の準備をする為に小屋に水汲みに行ったところ、とある方に声をかけられました。
「もしかしてPENTAGONさんですか?」
と。
ヤマレコでフォロー頂いているsomaさんでした。
計画ではこの日ここですれ違う事になっていたので、お互い計画通りに来れていたようです。
somaさんも小学5年生のお子さんをつれて、折立から雲ノ平を周回する縦走コース。
しかしお話を聞くと移動距離が凄いです。
お父様も御子息もかなり健脚なようです。
この日は薬師峠を出て三俣の山荘まで行くそうで、いやはや凄いです。
お互いの旅の検討を祈って握手。
またどこかの山でお会いしましょう。
と言う事で、私達はテントに戻ってお昼ごはんです。
お昼は海藻うどんです。
山に居ると野菜系が足りなくなるので、海藻でもありがたいものです。
そして乾杯~♪
し あ わ せ
前日は体調不良で我慢したので、この日は頂きました。
午後はのんびりと小屋周りで過ごし、おやつのりんご食べたりお昼寝したり。
体もかなり休む事が出来ました。
翌日は薬師峠までのロング。
少し早めに出発するので、この日は夕飯も16時台。
18時には就寝しました。
明日も天気になーれ。
3日目に続く
2015年08月19日
【新穂高から日本海へ】 1日目 日本アルプス横断の旅
長い間ブログを空けてしまいましたが、夏の大冒険に行って来ました。
結果から言えば、新穂高から日本海まで歩ききり、憧れていた剱岳の登頂も果たす事ができました。
9日間100kmに及ぶロングトレイルの冒険は、またかけがえの無い思い出として心に刻まれました。
内容も長くなるので、行きましょう。
いつもの長文、お時間のある方お付き合いください。
8月8日
AM5:00自宅を出発です。
今回も新穂高からスタートですが、もちろんそこに帰ってくる予定は無いので、家内と娘に送ってもらう事にしました。
6時に到着し、ウダウダと準備したりなんだりして、6:35出発となりました。
荷物の重さは、なんとか削りに削って私28kg、息子8kgとなりました。
30kgを切ってよかった・・・
登山者センターに計画書を提出します。
受付にいるお父さん、計画書を見てだんだん顔色が変わっていきます。
息子、何も言わずにストンと提出しました。
さて、左俣もそうですが最初は長い林道歩きです。
テクテク歩くのですが・・・
私、絶不調でした。
連日の仕事の疲れが溜まり、前日も出張で帰宅が遅く、それから最終準備とチェックしたりで体はボロボロ。
さらに久しぶりの大荷物、
正直、体がやられていました。
「ホントに行けるのか?」
と不安になりました。
一時間半ほど歩いてやっとこワサビ平の小屋です。
ここで朝ごはんを食べて休憩です。
お腹の調子も良くないのでお手洗いを借りたのですが・・・
私、血を下してビックリしました。
いや、これはホントに死んじゃうかもしれない・・・
止めて帰ろうかと思いましたが、今回の山行は無理はしない山行なので、午後はのんびりとかの計画です。
きっと山が癒してくれると思って、初日だけは無理して行くことにしました。
この日の予定は双六小屋で幕営です。
この道は4年前、息子が年長の時に
「双六岳の山頂でスゴロクをしよう」
企画で歩いた道です。
もちろんそれから息子は大きくなっているので歩く速度は速くなっているはずなのですが、
私の荷物も大きくなってるので、当時と変わらぬゆっくりペースでした。
息子にまったく着いていけません。
途中でこっそり息子のザックに少し荷物を移植したのはココだけの秘密です。
小池新道の入口です。
天気も良く山も綺麗で最高なのですが、それと裏腹に体調は絶不調なのが辛いです。
最初少しだけ雪の上を歩きます。
久しぶりの雪にテンション上がる息子です。
この後いっぱい見ることになるのに♪
視界には槍穂の峰々が見えてきました。
近いですね!
いよいよ道は登山道らしくなってきたのですが、なんとも体とザックが重くて重くて・・・
初日は辛い戦いになるのは分かっていましたが、想像以上でした。
秩父沢に到着です。
さすが週末ですね、人でごったがえしています。
ここで大休止します。
天気は良くてありがたいのですが、日差しが強すぎて暑いのです。
お盆前の猛暑は、山の中でも健在でした。
ここでめいいっぱい水浴びして体を冷やしてから行きます。
秩父沢から1時間40分後、かなり遅れてシシウドヶ原へ来ました。
いや、ホントに体が辛いです、荷物が重い。。。
ここで休んでから、今度は鏡平へ。
焼岳の向こう、乗鞍には雲が出てきましたね。
息子が
「おとうさん、あの雲こっち来る?」
と聞いてきます。
極度の雷恐怖症のようです。
熊の踊場です。
4年前、ここで息子は熊踊りを披露してましたが・・・
今回もやってました(笑
動画でお伝えできないのが残念です。
鏡池です。
ここの逆さ槍は綺麗なのですが、穂先はかくれんぼ。
残念でした~
13:00頃、ようやく鏡平の小屋に来ました。
ここで大休止をしてお昼ご飯です。
息子には名物のカキ氷。
ここでかなり弱っている私、息子に二言。
「今日はココまででいい?小屋に泊まっていい?」
と聞いてしまいました。
「お父さん、計画と違うでしょ?今日は双六岳まで行こうよ。」
と諭されてしまいました。
いや、弱気になってゴメンなさい。
少しだけお昼寝して体をすっきりさせてから、14時前に再スタートしました。
奥丸山がある中崎尾根が眼下に来ました。
あそこもいつか歩いてみたいな~・・・
少し寝れた効果か体が楽になったおかげで、割とサクッと弓折乗越まで来れました。
15時です。
時間も時間なので、殆ど休憩無しで歩き続けます。
この稜線から見える景色は綺麗です♪
息子、迷わず雪のあるほうへズンズンと・・・
ホントに好きだねぇ~。
こんな所にテントを張って一晩過ごしたら、最高でしょうね。
でも幕営禁止です。
鏡平の小屋が最後に見えるポイントです。
あそこもテン場があれば良いのにな~。
そうすれば、土日とかで一泊とか出来るのに。
星空に浮かぶ槍穂は綺麗でしょうね。
と、一部崩落地の脇を通ります。
もちろんキャップをしてますよ!
テクテクと歩いていたら一瞬槍の穂先が雲から現れました!
やっと双六の小屋が見えてきました。
ココの小屋は見えてからが遠いのですよね。
良く覚えています。
うはぁ、テントの花。
テン場が混んでそうです。
テント張れるかな?
16時を回った辺りで、ようやく双六の小屋に到着しました。
小屋に行ってテン場の受付してからテントを張ります。
中央付近に平らな場所が空いていました、ラッキーです♪
時間も時間なので、すぐに夕ご飯の準備です。
これからしばらくの山生活。
山時間に合わせて行動しないとですね!
この日の夕飯はラーメンでした。
夕食後、歯磨きと顔を洗いに再び小屋へ。
鷲羽岳が綺麗です。
ホントは今回の旅に組み込みたかったのですが、やはり体力の温存を考えて計画から外しました。
さて、テントに戻ったらあとは寝るだけです。
でも、息子はその前に一仕事。
今回、毎日日記を書いてもらいますよ~♪
体が疲れ切っていた私は、息子の日記用の机になりながらそのまま就寝してしまいました。
18時ごろだったかな・・・?
さーて、明日からも良い天気が続きますように!
夜中に寒くて目が覚めて、慌てて寝袋にくるまったのもココだけの秘密です(笑
2日目へ続く
結果から言えば、新穂高から日本海まで歩ききり、憧れていた剱岳の登頂も果たす事ができました。
9日間100kmに及ぶロングトレイルの冒険は、またかけがえの無い思い出として心に刻まれました。
内容も長くなるので、行きましょう。
いつもの長文、お時間のある方お付き合いください。
8月8日
AM5:00自宅を出発です。
今回も新穂高からスタートですが、もちろんそこに帰ってくる予定は無いので、家内と娘に送ってもらう事にしました。
6時に到着し、ウダウダと準備したりなんだりして、6:35出発となりました。
荷物の重さは、なんとか削りに削って私28kg、息子8kgとなりました。
30kgを切ってよかった・・・
登山者センターに計画書を提出します。
受付にいるお父さん、計画書を見てだんだん顔色が変わっていきます。
息子、何も言わずにストンと提出しました。
さて、左俣もそうですが最初は長い林道歩きです。
テクテク歩くのですが・・・
私、絶不調でした。
連日の仕事の疲れが溜まり、前日も出張で帰宅が遅く、それから最終準備とチェックしたりで体はボロボロ。
さらに久しぶりの大荷物、
正直、体がやられていました。
「ホントに行けるのか?」
と不安になりました。
一時間半ほど歩いてやっとこワサビ平の小屋です。
ここで朝ごはんを食べて休憩です。
お腹の調子も良くないのでお手洗いを借りたのですが・・・
私、血を下してビックリしました。
いや、これはホントに死んじゃうかもしれない・・・
止めて帰ろうかと思いましたが、今回の山行は無理はしない山行なので、午後はのんびりとかの計画です。
きっと山が癒してくれると思って、初日だけは無理して行くことにしました。
この日の予定は双六小屋で幕営です。
この道は4年前、息子が年長の時に
「双六岳の山頂でスゴロクをしよう」
企画で歩いた道です。
もちろんそれから息子は大きくなっているので歩く速度は速くなっているはずなのですが、
私の荷物も大きくなってるので、当時と変わらぬゆっくりペースでした。
息子にまったく着いていけません。
途中でこっそり息子のザックに少し荷物を移植したのはココだけの秘密です。
小池新道の入口です。
天気も良く山も綺麗で最高なのですが、それと裏腹に体調は絶不調なのが辛いです。
最初少しだけ雪の上を歩きます。
久しぶりの雪にテンション上がる息子です。
この後いっぱい見ることになるのに♪
視界には槍穂の峰々が見えてきました。
近いですね!
いよいよ道は登山道らしくなってきたのですが、なんとも体とザックが重くて重くて・・・
初日は辛い戦いになるのは分かっていましたが、想像以上でした。
秩父沢に到着です。
さすが週末ですね、人でごったがえしています。
ここで大休止します。
天気は良くてありがたいのですが、日差しが強すぎて暑いのです。
お盆前の猛暑は、山の中でも健在でした。
ここでめいいっぱい水浴びして体を冷やしてから行きます。
秩父沢から1時間40分後、かなり遅れてシシウドヶ原へ来ました。
いや、ホントに体が辛いです、荷物が重い。。。
ここで休んでから、今度は鏡平へ。
焼岳の向こう、乗鞍には雲が出てきましたね。
息子が
「おとうさん、あの雲こっち来る?」
と聞いてきます。
極度の雷恐怖症のようです。
熊の踊場です。
4年前、ここで息子は熊踊りを披露してましたが・・・
今回もやってました(笑
動画でお伝えできないのが残念です。
鏡池です。
ここの逆さ槍は綺麗なのですが、穂先はかくれんぼ。
残念でした~
13:00頃、ようやく鏡平の小屋に来ました。
ここで大休止をしてお昼ご飯です。
息子には名物のカキ氷。
ここでかなり弱っている私、息子に二言。
「今日はココまででいい?小屋に泊まっていい?」
と聞いてしまいました。
「お父さん、計画と違うでしょ?今日は双六岳まで行こうよ。」
と諭されてしまいました。
いや、弱気になってゴメンなさい。
少しだけお昼寝して体をすっきりさせてから、14時前に再スタートしました。
奥丸山がある中崎尾根が眼下に来ました。
あそこもいつか歩いてみたいな~・・・
少し寝れた効果か体が楽になったおかげで、割とサクッと弓折乗越まで来れました。
15時です。
時間も時間なので、殆ど休憩無しで歩き続けます。
この稜線から見える景色は綺麗です♪
息子、迷わず雪のあるほうへズンズンと・・・
ホントに好きだねぇ~。
こんな所にテントを張って一晩過ごしたら、最高でしょうね。
でも幕営禁止です。
鏡平の小屋が最後に見えるポイントです。
あそこもテン場があれば良いのにな~。
そうすれば、土日とかで一泊とか出来るのに。
星空に浮かぶ槍穂は綺麗でしょうね。
と、一部崩落地の脇を通ります。
もちろんキャップをしてますよ!
テクテクと歩いていたら一瞬槍の穂先が雲から現れました!
やっと双六の小屋が見えてきました。
ココの小屋は見えてからが遠いのですよね。
良く覚えています。
うはぁ、テントの花。
テン場が混んでそうです。
テント張れるかな?
16時を回った辺りで、ようやく双六の小屋に到着しました。
小屋に行ってテン場の受付してからテントを張ります。
中央付近に平らな場所が空いていました、ラッキーです♪
時間も時間なので、すぐに夕ご飯の準備です。
これからしばらくの山生活。
山時間に合わせて行動しないとですね!
この日の夕飯はラーメンでした。
夕食後、歯磨きと顔を洗いに再び小屋へ。
鷲羽岳が綺麗です。
ホントは今回の旅に組み込みたかったのですが、やはり体力の温存を考えて計画から外しました。
さて、テントに戻ったらあとは寝るだけです。
でも、息子はその前に一仕事。
今回、毎日日記を書いてもらいますよ~♪
体が疲れ切っていた私は、息子の日記用の机になりながらそのまま就寝してしまいました。
18時ごろだったかな・・・?
さーて、明日からも良い天気が続きますように!
夜中に寒くて目が覚めて、慌てて寝袋にくるまったのもココだけの秘密です(笑
2日目へ続く
2015年08月06日
新穂高から日本海へ 準備
いよいよ8月8日より夏の大冒険を始めます。
日本アルプス横断の旅、北ルートを一気に行きます。
新穂高から日本海へ。
双六からになりますが、TJARの逆を辿ります。
8月8日新穂高 - 双六小屋 幕営
9日双六小屋 - 三俣蓮華 - 黒部五郎小屋 幕営
10日黒部五郎小屋 - 黒部五郎岳 - 北ノ俣岳 - 薬師峠 幕営
11日薬師峠 - 薬師岳 - スゴ乗越小屋 - 幕営
12日スゴ乗越小屋 -越中沢岳 - 五色ヶ原 幕営
13日五色ヶ原浄土山一ノ越山荘 小屋泊
14日一ノ越山荘 - 立山 - 別山 - 剣沢 幕営
15日剣沢 - 剱岳 - 馬場島 幕営
16日馬場島 - 早月川 - ミラージュランド 日本海
予定歩行距離95km(内登山道67km)
一ノ越あたりで元気があれば、一気に剣沢まで行きたいところなので、
計画は変更があるかもです。
それに途中で天候・状況により停滞・エスケープも考慮しています。
出発前日は出張でバタバタしてるので、着々と準備を進めていますが・・・
荷物が過去最高に重そうです。
食料は量が多いので、
今回はなるべく軽めのインスタント系に絞りましたが・・・
それでも二人分46食(予備含む)の8キロほどになりました。
あと他にテン泊装備、剱越えの為のヘルメット等の岩場装備、etc・・・
今回私の荷物は30kgを越えそうです。
息子も剱岳を越える為に、、
半年間高山のハイマウントさんにボルダリングを覚える為に通いました。
後は1日の行動時間を長くしない計画なので天候次第で行けるのでは無いかと考えています。
でもダメな時は無理をしないで降りてきます。
さぁ、やれるのか?やれないのか?
できればやりきりたいです。
途中、携帯の電波があれば
こちらのFBページに状況を上げて行こうかと考えてます。
もし興味のある方いらっしゃれば、宜しければ見て下さい。
日本アルプス横断の旅
日本アルプス横断の旅、北ルートを一気に行きます。
新穂高から日本海へ。
双六からになりますが、TJARの逆を辿ります。
8月8日新穂高 - 双六小屋 幕営
9日双六小屋 - 三俣蓮華 - 黒部五郎小屋 幕営
10日黒部五郎小屋 - 黒部五郎岳 - 北ノ俣岳 - 薬師峠 幕営
11日薬師峠 - 薬師岳 - スゴ乗越小屋 - 幕営
12日スゴ乗越小屋 -越中沢岳 - 五色ヶ原 幕営
13日五色ヶ原浄土山一ノ越山荘 小屋泊
14日一ノ越山荘 - 立山 - 別山 - 剣沢 幕営
15日剣沢 - 剱岳 - 馬場島 幕営
16日馬場島 - 早月川 - ミラージュランド 日本海
予定歩行距離95km(内登山道67km)
一ノ越あたりで元気があれば、一気に剣沢まで行きたいところなので、
計画は変更があるかもです。
それに途中で天候・状況により停滞・エスケープも考慮しています。
出発前日は出張でバタバタしてるので、着々と準備を進めていますが・・・
荷物が過去最高に重そうです。
食料は量が多いので、
今回はなるべく軽めのインスタント系に絞りましたが・・・
それでも二人分46食(予備含む)の8キロほどになりました。
あと他にテン泊装備、剱越えの為のヘルメット等の岩場装備、etc・・・
今回私の荷物は30kgを越えそうです。
息子も剱岳を越える為に、、
半年間高山のハイマウントさんにボルダリングを覚える為に通いました。
後は1日の行動時間を長くしない計画なので天候次第で行けるのでは無いかと考えています。
でもダメな時は無理をしないで降りてきます。
さぁ、やれるのか?やれないのか?
できればやりきりたいです。
途中、携帯の電波があれば
こちらのFBページに状況を上げて行こうかと考えてます。
もし興味のある方いらっしゃれば、宜しければ見て下さい。
日本アルプス横断の旅