大地を歩こう › 2014年10月

スポンサーリンク

この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
  

Posted by at

2014年10月29日

西穂高岳 6年目の挑戦にて登頂 2日目

【10月26日日曜日】 


えっくす
良い天気です♪


おはようございます。
5:30から朝食を済ませ、ちょっと時間のかかる朝の儀式を済ませ、のんびり6:35スタートとなりました。
時間的に、今日はこれでも余裕なはずです。


山頂までたったの2.4km!
でも、険しい2.4km・・・


焼岳、乗鞍が見送ってくれます。



まずはアップ運動も兼ねて、のんびりのんびり丸山まで。
体を暖めます。


6:55西穂丸山です。
ここで服を再調整。
思ったより風も無く、体が暖まります。


うーん、テンション上がる!



蒲田川方面に映る、影西穂連峰。
綺麗♪

さて、7:00スタートです。


とりあえず、計画通り独標まではみんなで揃って歩きます。
ただ、King氏希望で昨日よりゆっくり目のペースにしたので、荷物の無い息子はかなり余裕そうです。
最初のザレた斜面を登ってしまえば、あとは体力的に厳しい所は無いですね。


独標&ピラミッドピーク!
惚れ惚れします。


さて恒例のカウントダウンシリーズ。
先ずは12峰から。



独標の取り付きです。
2年前は怖くてここからロープ出したりしましたが、今年は何も言いません。
じっと見据えて自分でルートを確認しています。


「お父さん、行くよ」
と、先にスイスイ登り始めました。
うん、強くなってますね、2年前とは大分違います。


7:50 11峰 西穂高岳独立標高点です。
山荘から1時間15分、なかなかのペースですね。


後ろからTaichi君とKing氏も到着です。

ここで少し休憩をとりました。
私の中の予定では、ここからTaichi君とKing氏は先行して行ってもらうつもりだったのですが、予想以上に息子のペースがKing氏にあっているとの事で、このまま一緒に行く事にしました。
息子もその方が楽しいらしく、私もそれを望みました。
みんなで一緒に行く事にします。

でも、ここからは本人の行ける行けないにかかわらず、ロープ&ヘルメット装備で行きます。



8:10独標スタートです。
前は怖がって居ましたが、今回は怖がることなくスムーズに降りて行きます。


振り返って、Taichi君とKing氏。


サクっと10峰


10峰裏はすこし切り立っているので、リーチの短い息子はちょっと手間取りましたが、それでも2年前よりスイスイ。


9峰までの細尾根もスタスタ行きます。
なんだか今日は行けそうな気がします。


9峰!
2年前はココまで来るのが精一杯でした。
こんなにスイスイこれるようになるなんて・・・
3000m峰の修行の成果が出ています。
今日は先へ進みましょう。


9峰裏の1枚岩の渡り。
私は西穂の山頂まで行くのにここが一番怖い場所では無いかと思います。
息子、怖がりながらも果敢に足を進めます。


先にTaichi君に渡ってもらってサポートされます。
私は後ろからロープで確保。
無事に通過しました。
ここを抜ければしばらく怖いところは無いはずです。


独標を見下ろす位置まで来ました。
そしていよいよ・・・


8峰!
つまり?


8:40 ピラミッドピーク!
念願かなってようやくここまで来れました・・・
少しずつ少しずつですが、西穂の山頂に近づいてきています。
ここでまた休憩です。

さてどうするか。

今回の目標は達成したので、もういつ引き返してもOKです。
しかし、今回は大好きな兄ちゃん達が居るので息子は楽しくてたまらないようです。
体力も上がっているようで、全然疲れも見せていません。
これはコマを進めるチャンス。
息子も行きたいと言うので、このまま山頂を目指しましょう。



7峰



6峰




既にピラミッドピークですら見下ろす位置まで来ました。



4峰です。
5峰の文字が見当たらなかったのですが・・・?
どこかにあるのでしょうか?


TaichiくんもKing氏も楽しそうです。
今日の山は楽しい♪



3峰


2峰



いよいよ・・・
主峰が見えてきました。
手の届くところまで来ましたよ・・・



最後の壁にむけて足を進めます。



主峰の壁。
ここは難易度も危険度も高めです。
しっかりロープで確保を取ります。


下でTaichi君に待機してもらいます。
本来なら落石をよける意味で下に居てはいけないのですが、万が一の為にとそこに立っててくれました。
ありがたいです。
息子も強くなった。
綺麗な3点支持で、短い手足を命一杯伸ばして登ります。



・・・主峰


9:45 おめでとう、西穂高岳登頂。

ずっと願っていました。
「いつか二人で西穂高岳の山頂へ」


叶いました・・・
正直、3000m峰を制覇した時よりも心に溢れてくるものがあります。



ここに来て、歩いた峰々を見ながら、
「歩き続ければ必ず目標に辿りつく」
と彼に伝えたかった。

登り続けて6年目。
感無量です。

そして息子曰く
「お父さん、これで『穂高』岳制覇だよね?」

ん?
奥・前・北・西・・・
他には無かったでしたっけ?
無いですね、確かに。。。


ここでお互いの健闘を称えあい、お湯をわかして皆にコーヒーを振舞います。
インスタントでも山頂で飲むコーヒーは美味しいです。

「これ、燕ブレンド?」と岳大好きのKing氏。

違いますから(笑





ガスが出てしまって景色は少し残念でしたが、それでも達成感は大きいです。



そして山頂からみんなでヤッホー。
うるさくてごめんなさい。

しかし後で山荘で会ったお姉さんから聞いたのですが、この時間ノ岳の壁を単独で下降中にこのヤッホーを聞いたらしく、とても元気付けられたとの事でした。
良かった・・・

10:25
山頂でまったり40分。
それでは帰りましょう。


下りの壁もかなりスイスイ降り、息子はかなり技量が上がっているようです。


登りでは気付きませんでしたが、4峰に「チャンピオンピーク」の文字。
かすれて消えかかってます。


下りもやっぱり5峰の文字が見当たらなかったので、5峰と一緒に記念写真。



11:20
あっと言う間にピラミッドピークも通過です。



さて、9峰裏の一枚岩。
先行者の方が難なく通過します。
息子は・・・?


これまた足場が良く見えたらしく、登りの時と違って躊躇無く通過。
問題ありませんでした。


気がつくと、独標もガスが・・・
ガスが出ると不気味に見えます。


山頂方面もガスです。


11:55独標通過。


ザレた斜面を降りてくれば、もう安心ですね。


大正池周辺も紅葉が見頃のようです。


ありがとう、西穂高岳。
また来ます、何度でも来ます。



12:40 西穂山荘へ帰ってきました。


ここで昼食。
みんな大好き、西穂ラーメン。




休憩して、最後に記念撮影です。
お世話になりました。
そうそう、西穂山荘のトイレがとても綺麗に改修されていました。
外トイレも同じくです。


13:20 下山開始です。
兄ちゃんにぴったりついていきます。


14:10 ここの道も慣れたものでロープウェーまで50分でした。
登りとあまり変わらない時間ですね。



来るときと同じ、14:15のロープウェーに乗車できました。
ロープウェーから見える紅葉がとても綺麗です。
散りかけの頃が一番見事だと、個人的には思っています。


車まで到着、お疲れ様でした!




帰り道、みんなで一緒にひがくの湯へ。


相変わらず鉄分豊富です。
ここには既に北陸新幹線が走っています。E/W7系


そして新たなサービス。
うまい捧と記念撮影すると、コーラを1本頂けます!

もう意味が分からないですがありがたく頂きます。
ひがくの湯、好きですよ。



さて、無積雪期の息子との登山はココまでですかね?
今回も3000m峰制覇に並ぶ、メモリアル登山となりました。
やっぱり山を歩くのは好きです、しばらくは辞める事は出来なさそうですね。

次はどこの山に登ろうかな?


  

Posted by PENTAGON at 12:10Comments(0)

2014年10月28日

西穂高岳 6年目の挑戦にて登頂 1日目

土・日曜日で、息子と一緒に西穂高岳へ登ってきました。
私たち親子の始まりの山。

息子とは夏・冬問わず、今まで一緒に7回登りに行きました。
私単独では10回以上登りに行ってます。
峰々が続く綺麗な稜線に魅せられて、
私は西穂連峰が一番好きな山になりました。
息子が4歳の時に一緒に丸山近くまで登り、それから毎年登り続けています。
しかし、これまで息子は山頂までなんて、とても辿り着けませんでした。
独標から先は言わずと知れた縦走路。

「いつか二人で西穂高岳の山頂に」

そう思いながら少しずつ少しずつ山頂へ近づいていました。
ところが、2012年に息子が小一の時に独標を越えて9峰まで行ったのを最後に、3000m峰へ挑戦のためにしばらく行けませんでした。

今年3000m峰の挑戦も終わり、心に余裕が出来た事。
色々な山を歩き続けてあれから2年。
体も少し大きくなりました。
息子がどれだけ技量が上がったのかを計りに、
再び西穂高岳へ挑戦することにしました。

今年の目標は、2年前に辿り着けなかったピラミッドピークへ行く事。

前置きが長くなりましたが、それではいつもの長文行きましょう。

(今年の3月にも雪の中山荘まで行ってるので、事実上は8回行ってます。)

【10月25日土曜日】
私が午前中に仕事だったので、それが終わってからお昼に自宅を出発しました。
車を走らせて1時間。
鍋平高原の駐車場に到着です。


紅葉も終盤に入り、鍋平高原は見事に黄色です。
とても綺麗です。


笠ヶ岳が綺麗でテンション上がりますね!
14:15のロープウェーに乗車できました。



ロープウェーを降りたらいつもはまっすぐ外に出ますが、
今日は水を汲みに一番上へ。
水を汲んで準備して、14:40スタートです。
今日は山荘まで上げるだけです。
久しぶりの計画的な山小屋泊まりなので、荷物も軽くて楽ちん楽ちん♪


はぁ~、綺麗です。
好きだよ、西穂連峰・・・。


特に危険箇所も無く、15:30に西穂山荘へ到着です。
50分。息子も足が速くなりました。
荷物が軽いからかな?

山荘では先に到着していた友人、Taichiくん(21歳高校時山岳部)と
隊長King氏(山初心者43歳)が先に小屋の受付を済ませてくれていました。
今回の山行目的は、Taichi君がKing氏を引っ張って西穂高の山頂に連れて行くこと。
私と息子は目標ピラミッドピーク、あとはどこまで山頂に近づけるか。
と言うことです。
King氏、山は初心者とは言え、釣り趣味のおかげでそれなりに岩場を歩ける事を確認済みです。


King氏とTaichiくんは今日は先に来ていて、
独標まで足慣らしに行ってきています。
部屋に荷物を置いたら、休んでいるお二人に息子を任せて、私は丸山方面に写真を撮りに上がりました。



焼岳、乗鞍方面。
乗鞍の向こうに噴煙が見えます。
こっそり黙祷。


笠ヶ岳もくっきり見えます。


西穂!明日は行けるといいな~・・・
この日は雲も殆ど無かったです。
山頂に行けてたら、最高の景色だった事でしょう。


後は宿に戻って夕ご飯。
息子も残さずに全部食べれるようになりました。
いつもの生活と変わらず、8時には子供は就寝しました。
大人は9時まで飲み語り・・・

明日は行くぞ!



続く  

Posted by PENTAGON at 12:00Comments(0)

2014年10月14日

劒岳 早月尾根 雪で敗退

10月9日

剱岳へ行ってきました。
結果から言えば、7日の降雪により標高2700mより上の登山道に雪があり、途中で敗退してきました。
雪があるのが分かってて、アイゼンはあえて持っていきませんでした。
持っていたら自分の技量以上の領域に踏み込んでしまいそうで怖かったんです。
アイゼンが無ければ、雪があった時点で折り返し。
もし雪が消えていたらラッキー。
そんなつもりで臨みました。
あ、今回はソロです。


9月の下旬、私は仕事で北海道に行ってました。
27日昼過ぎから、一斉に知り合いからメール・メッセージ・電話多数。
「御嶽登ってないよね?」
「電話出てくれてよかった。。。」
・・・etc

心配して頂ける私は幸せ者です。

毎日TVで流れる不明者捜索のニュース。
聞いているだけでいたたまれない内容のニュース。
何より子供達が亡くなっている事に大きくショックを受けています。
もし北海道の仕事の時期が違ったりしたら、あんな晴天の紅葉綺麗な中、確かに自分も登ってたかもしれない。
・・・息子と一緒に。

9月は仕事の休みも2日しかなく、10月に北海道から帰っても次の日曜日は出勤。
心身ともにヘトヘトでした。
ただ、高山祭りのおかげで9,10と職場は休みに入るので疲れた体を癒したかったのですが・・・
居ても立ってもいられないのです。
その場に行って捜索の手伝いがしたい。
まだ家に帰れない方々を探しに行きたい。
でもそんな事は当然出来る訳も無く、また出来る技術も無く、お呼びで無いってやつですね。
行っても無駄な捜索が増えてしまうだけなのも自身で承知しています。
私ごときが何を言っているって感じです。
でも、気持ちだけはソワソワしてるんです。


よし、登ろう。


8日、仕事が終わったら荷物をまとめて、違う山へ行く事にしました。

車を走らせて上市へ。
そのまま山へ入り込み馬場島荘の駐車場に車を止めました。
起床2時、3時発の予定です。

体が疲れていたせいか、寝坊してしまって起きたのは3時半近くでした。
慌てて準備をして、お湯を沸かしてサーモスに入れます。
今回荷物は最小限。
トレラン用の軽いザック(と言っても20Lザックですけど)に入れて4時少し前に出発しました。



「試練と憧れ」
ごめんなさい、正直「憧れ」だけで来てしまってます。

4:00 登山道入口スタートです。

月食の後の綺麗な月明かりの中を歩きますが、森の中には月明かりが届かないのでヘッデン頼りに歩き続けます。
いきなりキュンキュン高度を上げますが、すぐに横移動になりました。
久しぶりに山を歩くのでペースがつかめずにいて、いきなり息があがりました。
ですので、木の丸イスが沢山あるあたりで足を止めて、立ち止まって少し休んでいました。
すると、後ろから「チリンチリン」と熊鈴の音が聞こえました。
あ、誰か来るな~・・・と思って静かに木のイスに座ったのですが、
どんどん大きくなる鈴の音。
そして鈴の音は目の前を通過してだんだん遠ざかって行きました。

音だけが。

ウンウン、今でもまだ登り続けてるんですね。
音が完全に聞こえなくなってから、私も再び歩き出しました。
だって怖いもん。

さて、再び登りが急になりひたすら高度を上げます。
上げても上げてもまだ1200m。
いや、厳しいな・・・
登りはじめて間もないのに、息があがり足も重いです。
そりゃ、登り始める前から体が疲れ切っていれば身軽な訳も無く・・・
何かにせかされるように、気持ちだけで足を上げ続けます。

すると、再び後ろから「カラカラカラ・・・」と熊鈴の音。
ちょっと身構えて後ろを振り向くと、木々の間からヘッデンの明かりがチラチラと見えてきました。
良かった、人だ。

なかなかペースが速く、あっという間に追いつかれて、挨拶を交わしてさっと先に行ってしまわれました。
速いな~・・・

標高1600mを越えたあたりで6時をまわり、向かいに赤谷山が見え始めたところで岩に腰を下ろして朝ごはんにしました。
・・・赤谷山ですよね?


赤谷山に朝日があたり、赤く色づきはじめました。
ここまで800mほど高度を上げています。
コンビニで買ったおにぎりをほお張り、朝沸かしたお湯を一杯。
今日は体が重いです。
でも、とにかく登りたい。
休憩していると、今度は後ろから「コロコロコロコロ・・・」と再び熊鈴の音。

若いお兄さんが登ってきました。ここまで1時間半で来たそうです。
私は2時間ちょっとかかったのに・・・
流石は早月尾根ですね、猛者しか登って来ないですよ。

朝食も終わり、再び歩きます。


しばらく歩くと、向こうの山の上に小屋が見えてきました。


知らない山域に来ると周りを見てもなんとなくしか山が分からないですね。
でも、位置からするとあれが大日小屋かな?

やがて1800mも越えて・・・


稜線の向こうにピョコっと見える頭。
地図から考えると、あれが浄土山かな?


7:00 ようやく三角点へ来ました。

足が上がらないですが、一応コースタイムよりかは少し速いです。
まぁ荷物も超軽量ですから当然なんですが・・・
軽量と言っても、必要最低限のツェルトやメット、雨具に防寒具、行動食に非常食に水3リッター、予備500mlは持ってますよ。




登山道には霜も降り始めています。
標高を上げるとやはり気温は下がってきますね。


池塘がありました。
独特の赤黒い水の色をしています。
植物の根から出るタンニンによる色ですね。
北海道の十勝川温泉は世界でも少ない、タンニン色のモール泉です。


しばらく登ると、山の向こうに別の雪のついた山が見えてきました。
うーん、立山かな?富士の折立、大汝山あたりかな?いや、別山?


8:00 ようやく早月小屋が見えてきました。
ここまで4時間・・・
一応コースタイムより少しは速いんですけど、いつもの単独ペースに比べればかなりスローな足取りでした。


振り返ると富山平野が一望できます。


北陸新幹線の高架橋が見えますね。
人類が造る建造物って凄い。
こんなに遠くからでも見えますね。


あれがなんて名前の尾根かは知らないですが、激しい岩陵帯がカッコいいです。
もちろんそんな所行けませんが。。。


剱がまぶしいです!


さて、早月小屋。
ここで再び腰をおろして、おにぎりを一つ頬張ります。
サーモスからお湯を飲んでいると、小屋の2階の窓がスッと開いて、小屋番さんが一言。

「上は凍っているから気をつけてね、無理だと思ったら帰って来るんだよ。」

と。
なるほど、やっぱり雪は解けて無さそうですね。
「ありがとうございます」と御礼を言い、再び歩き始めました。


休憩も10分ほど。さて、上へ行きましょう。


霜柱が大きいです!

さて、ココから先はトレッキングポールをしまって行きます。
しばらくはちょっとした林の中を進みますが、すぐに木々の高さは低くなり視界が開けてきます。




早月小屋が見えますね。
日影とひなたの気温差が激しいです。
だんだん風も強くなってきました。


空は青いのですが、遠くから雲が出てきてますね。
天気が悪くなりそうです。


あの雪がガッツリついてるのは、別山かな?
上は雪が凄いのかな?


山頂が見えます。
きっと近く見えて遠いんでしょうね。


こんな岩場がボチボチと出てきまして、細い尾根のわたりも出てきました。
ようやく剱らしい荒々しさの高度へ上がってきましたね。


うーん、あっという間に雲が迫ってきたな・・・


そして開けた所出ました。
2600m地点です。
ここで一度ザックを降ろして、ヘルメット装備します。
風も出てきたので目出帽も被ります。

するとこの辺で上から人が降りてきました。
朝一番に私を抜いていった方でした。
もう山頂まで行って帰ってこられたのかと思って話しかけたのですが、
なんと雪に阻まれて諦めて帰って来られたようです。
カニのハサミまで行く手前だそうです。
無理すれば突破できそうだけど、何かあると怖いので止めるとの事でした。

そうかー。
と言う事は、この上にはもう1人私を抜いていった若い子が居るだけですね。
(下から上がった人に限っては)
とりあえず自分も行ける所まで行こうと思い、御礼を言い別れました。


すると、ボチボチと登山道にも雪が出始めした。


なんて事無いトラバース道でも雪がついて氷になっていると緊張します。
これは、登りは良いけど下りは怖いな・・・
雪歩きは慣れてますけどさすがに怖いです。

と、この辺でもう1人今朝私を抜いていった若いお兄さんが降りてきました。
やはり雪があって諦めてこられたようです。
もう少し上と言うので、まぁ自分でも諦めがつくように行ける所まで行く事にします。


あー・・・山頂も雲に隠れちゃいましたね。
少なくともココから上は恐らく自分しか居ないはず。
風もかなり強くなり、精神的に弱気にさせてくれます。


人が踏みしめて歩いた後は氷になってツルツルです。
積雪量は大した事は無いのですが、かなり難易度が高くなってます。


あの岩を登って回り込めば、カニのハサミかな?

と思ったのですが・・・


その手前の登りがこの状況。
小さなルンゼっぽい場所で、雪が溶けずに残ってます。
人が歩く場所は踏みしめられ氷状です。
踏み跡を見ると、恐らく前の二人もここで引き返した事が分かりました。


高度は2760m
正直、これぐらいの雪なら登れそうです。
登れそうですけど、降りれ無さそうです。
頑張れば行けそうですけど、一度滑ったらこのまま奈落に落ちていく・・・

まぁ、当初の計画通りココまでですね。





よくよく見ると、足元には6本爪のアイゼンの足跡が2種類。
大きい6本爪と小さい軽アイゼンの6本跡。

うーん、これで降りてきたのかな?
それとも登ったのかな?


よし、帰りましょう。


少し降りてきた場所から見上げる剱岳。
まだ来ちゃいけないって事でしょうか?

この後2名の方とすれ違いますが、
先に下りた方の話を聞いたのか
「やっぱりダメですか~」
と言って、やはり私と同じく行けるとこまで行くと言って登って行かれました。


そして小屋までテクテクと戻り、小屋の向こうの一段高いところでお昼ご飯にする事にしました。
11時着です。
予定では山頂に着いている時間です。
ここでまたおにぎり、パン、アルファ米を食べていたら、
下から若いお兄さんが登ってこられました。

お話すると、なんと9時に馬場島を出て、
2時間でここまで来られたようで。
なんとも足の速い!
はなから雪を想定想定しているそうで、
このまま一気に山頂まで行かれるとの事でした。
きっと技術力がありそうな彼なら、
今日は山頂まで行けたでしょう。
その他のすれ違った方々は行けたのかな・・・?

その彼が出発してからしばらく見てましたが、恐ろしい速度でキュンキュン高度を上げていくのが見えます。
速いって速いって・・・


さて、のんびり休憩して11:50
私も下山します。


再び池塘が見えてきました。

池塘を覗き込むと、おたまじゃくしがいっぱい。。。

しかし、よーく見るとおたまじゃくしじゃない・・・


写真じゃ分かりにくいのですが、小さな手足があって、黒いウーパールーパーのよう。
コレって、オオサンショウオの幼生じゃないですか?
ハンパじゃない数が居るんですけど・・・

これがチュウゴクオオサンショウオじゃなくて、
日本古来のオオサンショウオだとしたら、立派な生息地として保全しないと・・・

って、この登山道が開拓されて長い事経っている訳ですから、
登られる皆さん知らない訳無いですよね。
珍しいものでは無いんでしょうか?

さて、この先はギュンギュン高度を下げますが、なんたって長大な道。
登りは余裕が無くてただただ登っていましたが、
下りは色々考える余裕があります。
この道は北アルプスでもマニアックな道でしょうから、
人も少なくて良い所ですね。

黙々と歩きながら色々な事を考えていました。
御嶽の事、自分の登山の事、色々。
元々山が好きで始めた訳では無い登山。
息子が「登りたい」と言った一言がきっかけで始めた山。
気がつけば歩く事が、登る事が大好きになり、最初はリスクに関して何も考えずに登ってました。
高い山を歩くたびに色々な事を理解し、またリスクも覚えてきました。
息子と21座制覇が終わったら、もう登る理由が無い。
そして楽しかった御嶽であれだけ多くの方が亡くなっている。


それでもまだ自分は山を登るのか?


早月尾根を降りながら、もう足はガクガクな状態。
最近のトレーニング不足。
北海道での不摂生のおかげで増えてしまった体重。
さらに疲れ切った体。
不安定な精神状態。
おそらく靴の中で足のマメも潰れてる。

それでも、

「まだ挑戦したいな」

と思ってる自分。
やっぱり山登るのが好きなんだ。
遅咲きの登山かも知れない。
もっと若い頃からハマっていたら、もっと危険な所まで踏み込んだかもしれない。
家族が出来て自分がくたばってはいけないから、
ギリギリの挑戦はしないようにする。

山は怖い。

難しい所をクリアすると、もっと難しい所へ挑戦したくなる。
どこかで歯止めをかけないと、リスクはどんどん大きくなる。

でも、今回の御嶽の噴火は・・・

リスクを感じて登っていた人は居たでしょうか?
ジャンダルムを目指す人や、槍の北鎌を歩く人は
「今日は死ぬかもしれない。」
と思いながら登る人は居ると思いますが、
御嶽を登る人が「今日死ぬかもしれない」
なんて考えないですよね。。。
それなのに・・・

色々な事をぐるぐると考えながら、黙々と歩き続けました。
ここの尾根は良いです。
何か、自分と向き合える感じがします。

下りの途中、ラテルネ瀧根さんとすれ違ったような気がしました。
瀧根さんのブログをみるとやはり登っていらっしゃったようですね。
この間、息子と南岳小屋と休憩した時にも、
いらっしゃったのを遠巻きに見ておりました。
憧れの登山家で、声をかけさせて頂くなんて恐れ多くて。。。







登ってる時は暗くてよく分からなかったですが、
標高によっては紅葉が見頃でした。

そして、登りの暗ーい中、必至で足を上げ続けた理由の一つ。
根っこ地獄。
早月尾根の下の方は、ひたすら木の根っことの戦いでした。

その訳は・・・





立派な立山杉の群生地なんですね。
登りでは見えてなかったので全く気付きませんでした。
下りでは写真撮ったりなんだり、余裕がありました。



そんなこんなで、14:10馬場島まで下山しました。

山頂まで行って無いのに標高差2000mってのは、流石にしびれますね。
「試練と憧れ」
憧れだけで登ったはずなのに、頂いたものは試練だけでした。
いいです、また来ます。



あっちに行くと大窓・小窓、赤谷山等・・・
ってのはわかりますが、「小窓」をわざわざ小さく書かなくても(笑

駐車場にて荷物整理していたら、遠くからヘリの音。

ヘリポートに一瞬降りて、すぐに飛び立って行きました。
上で何かあったのかな?
何事も無ければ良いのですが・・・


さて、下山後は馬場島荘にてお風呂に入ります。
温泉では無いですが、下山後にすぐに汗を流せるのは良いですね。
お風呂はとても清潔でした。
500円です。


後は車を走らせて高山まで。


うん、まだまだ登れる、登りたい。

まだまだ歩こう。


  

Posted by PENTAGON at 20:00Comments(0)