2014年からアニメ化されている「妖怪ウォッチ」。常に子供達の話題に上っていたはずなのに、今年に入ってから急激にその存在価値を失おうとしています。
「妖怪ウォッチ」は2012年にコミックとして展開を開始し、2013年よりゲーム、2014年にアニメ化されています。アニメ化されてからは2015年と2016年に子供の好きなキャラランキングでトップを獲得し、常にトップ5に入る安定した人気を保っていました。ところが、今年はランキングは圏外、年齢別のトップ3からも消えていました。
そうなった理由は、売り上げからも如実にわかるようになりました。
バンダイナムコホールディングスが提示している知的財産別売上高(年度別。年度の翌年3月が決算)によれば、2014年度には552億円、2015年度には320億円を記録したものの、2016年度には93億円に急落しています。2017年度は60億円を見込んでいたものの、第3四半期には38億円に修正せざるを得なかったばかりか、知的財産別売上高のリストにも消えてしまうほど、往時の勢いはどこへ・・・という感じに。
こうなった理由は定かではありませんが、実は今年から「妖怪ウォッチ」のアニメは模様替えされ、子供向けにしては結構ヘビーな展開らしいとのこと。マンネリ化して売り上げが落ちたところに、誰向けかわからないリニューアルも敢行され、ますます迷走してしまった・・・というふうでしょうかねぇ。
こうなると、「妖怪ウォッチ」の『生みの親』にあたるレベルファイブの業績がどうなるのかも気になるところ。「妖怪ウォッチ」が段々子供の心から離れていってしまえば、レベルファイブへの影響は避けられません。過去コンテンツ事業で大コケしたコンパイルの例に及ばず、過度な突っ込みは業績が悪化した時に、流れを戻せなくなってしまうんですね。
幸いなことに、レベルファイブは他にも優良なコンテンツが控えているので、すぐに炎上(経営危機)に陥ることは無いのでしょうが、状況によっては最悪の展開になりかねないので、『傷口』はなるべく早く直す(テコ入れする)ないしは塞ぐ(撤退する)べきではあります。
ちなみに、レベルファイブは東平尾公園博多の森球技場の命名権を所有しています(2020年2月まで)。現在のスタジアムは「妖怪ウォッチ」のキャラが登場してるんですね。サッカー場(ラグビー場も兼ねているが、メインはアビスパ福岡のホームグラウンドなので、サッカー場と表記)なのに「イナズマイレブン」じゃないところから、「妖怪ウォッチ」がレベルファイブのメインコンテンツとして展開されているんだなと思わせます。
レベルファイブを存亡の危機まで陥れてしまう『鬼っ子』になるか、再びレベルファイブを持ち上げてくれる『孝行息子』になるのか、その分水嶺が今年の売り上げになってしまうとは・・・。