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変わる風景と変わらぬ風景 心と共に時代と共に
1.ウインドサーフィン-15P 86q
写真1

2.お台場:海浜公園-73D 2211qc
写真2

3.赤坂プリンス-04D 0612q
写真3

4.東京ガーデンテラス紀尾井町-13D 1901qr
写真4

映画「男はつらいよ」では、主人公の寅さんが行く先々の街中や農村の風景が屡々描かれています。その殆どは日本のどこにでもある平凡な日常風景なのですが、山田監督は人物を描くとき、その背景となる風景を丹念に選ぶそうです。同じ風景でも幸せな気持で見た景色と、不幸な気持で見た景色は全然ちがうように見えるのだと山田監督は言っています。

フランスの19世紀の写真家ウジェーヌ・アジェは、当時の印象派の画家達に販売するため「芸術家のための資料」としてパリの平凡な町並みを撮影していました。20世紀になると写真にも美を求める芸術写真が盛んになりアジェの写真は忘れ去られました。

しかし20世紀半ばになって写真家マン・レイはアジェの平凡で古風な町並みの写真はシュール(超現実的)な作品と言い出し、再び脚光を浴びます。アジェの撮影した街角は、今は消え去りモダンな姿になっていたので、ノスタルジアを刺激したのでしょう。

ここに掲げたウインドサーフィンで賑わうお台場公園(写真1)は1986年撮影のもの、レインボウブリッジ(1993年竣工)のある写真(写真2)とほぼ同じお台場公園の場所です。

また、銀色に輝く雁行設計による幾何学的美しさを誇る赤坂プリンスホテル(写真3)は2011年取り壊されて、東京ガーデンテラス(写真4)に置き換えられました。

山田監督は心の変化で現実の風景は変わると言いますが、往時の写真を見ると過去の記憶で郷愁を刺激され、現実の風景の味気なさに嘆くのです。
以上
【2023/12/31 16:26】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
新宿歌舞伎町にもビル超高層化の波が来たけれど歌舞伎町は変わらない
1.歌舞伎町:東急歌舞伎町タワー03Dq
写真1 東急歌舞伎町タワー

2.歌舞伎町:シネシティ広場-05D 2310qc
写真2 シネシティ広場

3.歌舞伎町:新宿東宝ビル-12D 2310q
写真3 新宿東宝ビル

4.歌舞伎町:東急歌舞伎町タワー:内部-04D 2311q
写真4 東急歌舞伎町タワー:内部

5.歌舞伎町:東急歌舞伎町タワー:内部-07D 2311q
写真5 東急歌舞伎町タワー:内部

6.歌舞伎町:セントラルロード-16D 231qr
写真6 新宿東宝ビル

西新宿の淀橋浄水場跡地が再開発されて、そこに超高層のビル群が起ち上がったのが東京の都市高層化の第一波でした。平成3年(1991)に都庁が新宿移転してこの第一波は完了しましたが、その後、都内の各地に次々と超高層ビルが建ち並び、令和3年(2021)の東京オリンピック頃までに、超高層化の波は都内をほぼ一巡した感がありました。

ところが今、JR新宿ターミナル駅周辺で超高層ビル建設の波が再び現れています。新宿西口のバス・ターミナルを囲むように立地している中層階ビルが次々に超高層化される計画が進んでいるのです。先ず、小田急デパートの解体作業が始まりましたが、それより先、2023年1月に西武新宿線の新宿駅の隣りに高さ225 m、48階建ての東急歌舞伎町タワーが出現したのです。
〔写真1)

東急歌舞伎町タワーは、以前映画館ミラノ座があったところで、新宿歌舞伎町の西端に位置し、シネシティ広場に面しています。と言うことは新宿歌舞伎町のもう一つの超高層ビル、高さ130 m、地上31階の新宿東宝ビルとシネシティ広場を挟んで対峙する形で並ぶことになりました。
(写真2)

歌舞伎町の二つの超高層ビルの中身は、高級ホテル、映画館、ライブホール、レストラン、ゲームセンター等ほぼ似たような施設が入っていて、ビル内に入れば、完結した一つの街中に居ると同然で、特別の興味がなければビル外の街中に出る必要はありません。
(写真3、4、5)

新宿歌舞伎町は、バー、キャバレー、ホストクラブなどで溢れ、周辺にはラブホテルが密集して、その猥雑さが犯罪の温床にもなっていて、世間では舞伎町は欲望の迷宮都市と云われていました。

大衆演劇場のコマ劇場が廃止になり、その跡地に超高層ビルの新宿東宝ビルが出現したとき、従来の歌舞伎町のイメージを大きく変えるインパクトがあるだろうと言われました。しかし残念ながら、歌舞伎町の従来のストリートの様相を変える力はありませんでした。
(写真6)

今また、歌舞伎町にもう一つの超高層ビル、東急歌舞伎町タワーが出現しましたが、これも従来の歌舞伎町の町並みの姿を変える力は無いでしょう。超高層ビルは、その建物の中で一つの街を形成しているので、ビル外の町並みとの関連が薄いからです。

冒頭に紹介した淀橋浄水場跡地の超高層ビル群が誕生した西新宿地区には、道路に商店が並ぶストリートが生まれないように、高層ビルはその中で完結する街になってしまい、既存の町とは相互の関係が薄いからです。
以上

【2023/12/20 20:53】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
野原に捨てられた自動車と電車の会話
1.廃車-01P q
写真1

2.廃電車-04P 95q
写真2

3.廃電車-03P 95q
写真3

自動車も電車も
使えなくなれば捨てられる

ゴミ捨て場では可哀想だと
雑草の茂る野原に捨てられた

よく見れば
自動車も電車も未だ使えそう

黄色く明るい雑草の花は語りかける
働けるのに退職ですかと

自動車と電車は答える
老後は花園で幸せだと

以上
【2023/12/10 20:17】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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