写真1 真鶴半島の岬をみる。
写真2 真鶴から小田原方面を見る。
写真3 根府川付近から見た相模灘。
写真4 根府川付近から見た相模灘。
写真5 相模灘の切立つ丘の上の家々に差し込む夕日。
東京は広い関東平野の真ん中にあるので、少しぐらい都心部から離れても、大海原の景色を見ることが出来ません。しかし、東海道本線に乗って西へ1時間余り行くと、小田原を過ぎる辺りから列車は高い丘の上を走ります。熱海駅に着くまでの暫くは、高い位置から相模湾の大海原を眺めることが出来るのです。
伊豆半島と三浦半島に囲まれた相模湾は、懐の広い大きな湾です。天気の良い日には、列車の窓から湾中央の彼方にある大島の島影が見えますし、更には三浦半島の向こう側にある房総半島の先端まで、はっきり見ることが出来る広大な湾なのです。
根府川駅から真鶴駅を過ぎて湯河原駅に至る間の十数分足らずの時間ですが、列車の眼下にこの大海原が広がる景色は、長い東海道本線の中で絶景だと思います。急ぐ旅でなければ、熱海まではこの景色の見えない新幹線には乗らず、東海道の在来線に乗ることをお勧めします。
最近この在来線で熱海まで往復した日は、偶々冬の寒冷前線が西方から関東地方に移動しているときでした。夕方の冬の空は厚い雲で覆われていました。相模湾の大海原には、その重い黒い雲がかかり、沈む夕日の光が僅かに西の雲間から差し込んでいました。
相模湾とその沿岸の光景は、何時も見慣れた明るい景色とは全く様相を異にして、ある種の凄みのあるものでした。走る列車の中から薄暗い光景を撮るのは、窓ガラスの反映が映り込み、またブレも生じるので難しいのですが、このフォトジェニックな光景を逃してはならずと、シャッターを切り続けました。
普段は余り見られない相模湾の一面を撮った写真5枚をご覧に入れます。
(以上)