写真1 ハチ公前スクランブル交差点を通過するトラック搭載広告塔
写真2 渋谷の公園通りを行くトラック搭載広告塔
写真3 渋谷の公園通りを行くトラック搭載広告塔 目立ちたいだけのナンセンス広告
写真4 渋谷の公園通りを行くトラック搭載広告塔 ホストクラブの宣伝車
写真5 渋谷のファイヤー通りを行くトラック搭載広告塔 反対車線にも通り過ぎたトラック搭載広告塔が見える。
最近、混雑する繁華街の街路を、巨大な広告塔を載せて走り回っている大型トラックをよく見かけます。それも宣伝のための音楽を大音量で流しながらゆっくり走るので、やかましい限りです。
車体に広告を描いて街中を走る宣伝方法を最初に始めたのは都バスでした。その後、山手線の車両にも宣伝広告が載りましたが、こちらは宣伝効果が乏しいのか、いつの間にか消えました。しかし、街中を走るバスの車体の広告は効果があるので続いています。
その広告効果に目を付けて、始めたのが冒頭の大型トラックに広告塔を載せた宣伝車です。バスは人を運びながら、ついでに宣伝車として利用しているのですから良いですが、人も物も運ばないで空気だけを運ぶ大型車が、混雑する街路に割り込んで走るのは、いかがなものでしょうか?
大型トラックの宣伝車の性能は日進月歩しています。高音質のスピーカーシステムを搭載して大音量を流すので、高層ビルに囲まれた街路では、さながらカラオケ・ルーム内のように響きます。内照式照明システムを搭載して夜には光輝度を高めるので、まぶしさで街の景観を歪めます。それにトラック搭載の広告塔に描かれた宣伝文句も、デザインも、品が無くセンスが悪いものを見かけます。
大型トラックの宣伝車は、銀座や新宿など都内の繁華街に出没していますが、特に渋谷に集中して徘徊しています。渋谷は若者の街であり、最近は情報発信の街とも言われているので、宣伝効果が大きいからだそうです。
しかし、渋谷の繁華街の道路は、道幅は狭く、坂が多く、複雑に曲がっています。交通の流れが悪いところへ、バスより図体が大きい宣伝車が加わると、渋滞は一層ひどくなります。ところが、この渋滞が宣伝車にとっては望むところで、滞留時間が長くなるだけ宣伝効果が上がるというわけです。
(写真は渋谷の繁華街の路上で見た車載広告塔の一部です)
かくして、大音響をまき散らしながら、夜の街の景観を壊しながら、トラック広告搭載車が我が物顔にのろのろと渋谷の街を走り回ります。この異常な現象を誰も非難しないのは不思議です。
ある人が、これは言論の自由の権利だから制限できないと言ったので、思わず噴き出してしまいました。
(以上)