写真1 桜通の八重桜 写真2 桜通のソメイヨシノ 写真3 柳通りの看板 写真4 柳通り 写真5 マロニエ通り 写真6 マロニエ通り 写真7 松屋通りのハナミズキ 写真8 松屋通りのハナミズキ 写真9 銀座みゆき通りの花祭り 写真10 銀座みゆき通りの花祭り 銀座でいちばん豪華で人通りが多いのは幅広い中央通りですが、中央通りと交差する小道の中には、華やかさの中にも落ち着いた雰囲気の小道が何本もあります。それらの小道には街路樹が植えてあります。
4月から5月にかけて、これらの街路樹に、若葉が芽を出し、花が咲きます。コンクリートのビル壁に囲まれた銀座の街にも、季節の息吹を感じさせるひとときです。
京橋寄りの桜通りは、ソメイヨシノの桜も咲きますが、主体は八重桜の並木が続く通りです。ソメイヨシノのようにすぐには散らず、長い間、濃いピンク色の重厚な花房で、花のトンネルをつくり、道行く人々を楽しませてくれます。 (写真1、2)
桜通の隣には柳通があります。街路樹の柳は、歌に歌われたり、映画の題名にもなったりで、銀座とは縁の深い街路樹です。明治の初めは、銀座は日本橋の場末の埋立地でしたから、湿地に馴染む柳が植えられました。初代の柳は疾うに消え失せて、二代目も枯れて、現在の柳通りにある柳は三代目です。まだ若い樹なので若芽も楚々としています。 (写真3、4)
パリのシャンゼリーゼ通りのマロニエは、ビルの高さ程もあり、枝を広げた大木の並木ですが、銀座のマロニエは、背も低く、ほっそりとして、まばらに植えてあります。それでも、銀座の並木の中では、街路に緑陰をつくる程の、ふくよかな葉を広げます。 (写真5、6)
5月の花の季節になると、上品な花で銀座の小道を飾るのがハナミズキです。その小道は松屋通りと言いますが、紅白のハナミズキの花が、ビルの壁のシックな色とマッチして、銀座ならではの花の道になります。 (写真7、8)
忘れてはいけないのは、銀座みゆき通りの花祭りです。毎年昭和の日(4月29日)に路上に色々な種類の花弁を敷き詰めて行う賑やかな祭りです。街路の並木に咲く花ではないですが、花の銀座に相応しい行事です。 (写真9、10) (以上)
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写真1 写真2 写真3 写真4 写真5 写真6 写真7 写真8 写真9 写真10 現在、公開されている皇居東御苑は、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部からなる、広大な庭園です。そこには江戸城の城門、濠、石垣などの遺構も含まれていて、所謂「庭園」の域を超えています。
そこで皇居東御苑の中で庭園らしく纏められた場所を探すと、一つは江戸城の二の丸庭園の跡であり、もう一つは本丸跡を整備した広場です。
二の丸庭園は三代将軍家光が小堀遠州に造成させたと言われるものですが、その後は余り使われずに放置され、九代将軍家重の代に再現されたものと言われます。と言うことは、この庭園は安土桃山時代から江戸時代前期までの伝統的な池泉回遊式庭園の一つです。
池の中央に中島が設けられて、両端から土橋が架けられていて、池の北側に州浜があり、州浜には雪見灯篭が据えられ、州浜の対岸の奥には滝があります。 (写真1)
大名達が江戸の藩邸で作庭した日本庭園と比べると、二の丸庭園の造りはやや平板な感じを否めませんが、庭園の周囲に土地の余裕があり、そこには雑木、大木が茂り、野趣のある日本庭園になっています。池端にはモダンな菖蒲田を設けて、将軍の庭から庶民の憩いの庭に変身しています。 (写真2)
他方、本丸跡は、往時本丸の御殿屋敷が密集していた場所でしたが、幕末には御殿は西の丸に移転して、その跡地は今は芝生の広場になっています。広々とした芝生の緑は、春には周囲の桜の花を、秋には紅葉を引き立てます。 (写真3)
更に、芝生の周辺部には植栽が施されて、芝生庭園としてなっています。芝生庭園の南端は九本丸御殿の玄関口でして、今は背の高い欅(けやき)の木が聳えています。その足下には刈り込まれた皐(さつき)が這っています。皐の柔らかな曲線は、打ち寄せる波頭のようであり、この情景は江戸湾の浜辺に見立てることができます。更にその波頭は、四季により色を変えて見飽きることはありません。 (写真4、5、6、7)
芝生庭園の北端の周辺部には背の高いプラタナスの並木がありますが、その裾を隠すように柘植(つげ)が密生していて、その柘植は幾何学的に刈り込まれています。その角張った柘植の植栽は、嘗てこの地に立ち並んでいた数多の御殿の屋並みに見立てる事が出来ます。そして、それらは広い芝生園の縁を囲うように曲線で伸びて、城壁のような趣となっています。 (写真8、9、10)
二の丸庭園の跡と、本丸跡を整備した広場庭園とを比較してみると、前者が平凡なのに後者は斬新です。本丸跡の芝生庭園の作庭は、現代風の人工が施されたもので、江戸時代の美を直接引き継いだものではありませんが、見立てを通して、不思議と古い江戸城の美意識に通じるものがあります。 (以上)
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