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鯨のような横浜大桟橋は異次元空間でいっぱい
1.横浜大桟橋-06D 1201q
写真1 巨大な鯨が横たわった形の横浜大桟橋

2.横浜大桟橋:飛鳥Ⅱ-06D 1408q
写真2 豪華客船に負けない巨大鯨の背中

3.横浜大桟橋:飛鳥Ⅱ-04D 1408q
写真3 横浜大桟橋の出入り口

4.横浜大桟橋:構造-07D 05
写真4 見慣れない奇妙な形の階段

5.大桟橋-04N 04qc
写真5 歩いていると大桟橋が揺れているように感ずる屋上の うねるようなウッドデッキ

横浜港は神戸港と共に東西日本を代表する国際貿易港ですが、クルーズ客船の発着港としては日本を代表する港です。そして、世界を周航する豪華客船が停泊する横浜大桟橋を訪れた人は、その形態が極めて独特なのに驚かされます。その内部は幾何学模様の階段と緩やかで広いスロープで満ちているからです。

長大な客船が横付けできるだけで良いのなら、桟橋は細長い平坦な堤防のような形で良いのですが、横浜大桟橋の全体像は、中央が高く盛り上がっていて、巨大な鯨が横たわったような形をしているのです。大桟橋への進入路は床が2階まで隆起し、床面の一部は屋上にまでつながっています。
(写真1、2)

客船専用の国際港ですから、横浜大桟橋では出入国する船客のために税関、検疫などの諸手続を行うスペースが必要であり、また多数の歓送迎者を受け入れるスペースが必要です。これらのスペースを横浜大桟橋内に効率よく設置する斬新な設計が施され結果、巨大な鯨が横たわる大桟橋になったのです。

大型客船が到着するとき出帆するとき、船に出入りする人も大勢ですし、外部から来る乗用車と送迎者も大勢です。大桟橋では大勢の乗船客と歓送迎客の流れを1階2階の上下に分けて回転するように桟橋内の通路が設計されています。
(写真3)

そのため横浜大桟橋内の構造の多くが、階段とスロープを巧みに組み合わせた形になっており、その結果、多くの階段はよじれた形の斜面となり、見慣れない奇妙な姿になっています。ですから階段を歩くとき不安を感じますが、これを思わぬ造形美と見る人もいます。
(写真4)

屋上に上がると、うねるようなウッドデッキと、ねじれる階段が組み合わされて、歩いていると横浜大桟橋全体が揺れているかのような感覚に見舞われます。
(写真5)

このような構造を専門語ではトポロジカル構造と云うのだそうですが、その学問は日本語で位相幾何学と言い、紀元前からあるユークリッド幾何学とは異なる、「やわらかい幾何学」として知られいます。成る程やわらかい空間は、桟橋内部でも屋上に上がっても、とらえ所の無いものと知りました。
(以上)

【2023/08/26 10:05】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
海浜都市、お台場の今と昔
1.お台場:オフィスビル群-13D 1905qtc
写真1 建ち並ぶオフィスビル街

2.お台場公園から見た海浜公園-02D 1206q
写真2 エンターテイメント施設のあるお台場海浜公園

3.お台場:海浜公園-72D 2211qc
写真3 お台場:海浜公園の砂浜

4.埋立地-02PAq
写真4 開発前のお台場 ススキの広がる荒れ地だった。

5.海辺-16P 96q
写真5 自然のままのお台場の砂浜

6.ウインドサーフィン-09P 87q
写真6 強い海風を受けて疾走するウインドウ・サーファー

東京で下町と言われる地域の殆どは、東京湾を埋め立てて拡大してきたところです。ですから昔から下町には絶えず東京湾からの潮風が流れ込んでいました。しかも東京湾は内海ですから海風は穏やかであり、戦前の東京の下町は、温暖で湿潤な住みよい環境の町だったのです。

しかし、戦後になると下町の海浜は、臨海工業地帯となったり、都市ゴミの捨場となったりして、海水浴や潮干狩りが出来た海辺は消えていきます。更に東京集中が始まり下町の臨海地帯にも高層ビルが建ち並ぶようになると、心地よい東京湾からの潮風は遮られて下町に入らなくなり、戦前にあった海の薫りは下町から消え去りました。

他方、東京の一極集中が進んだ結果、都心部では都市過密の弊害が生じてきました。そこで、都心部の都市機能を移転させる新しい場所として目を付けられたのが海浜部に存在するお台場でした。都心部に溢れる都市機能の一部を海辺に移転させようという計画です。

お台場は、その名の通り砲台を設置するため海中に造られた土塁です。開国を迫る欧米諸国の軍艦が江戸湾に侵入するのを防ぐため江戸幕府が築いた土塁です。ですから、ここは、海に突き出た離れ島で、海の光と風に満ちた自然の溢れる場所でした。

そのお台場の一つを核として埋立造成したのが現在のお台場新都市です。いま仕事やレジャーでお台場を訪れる人々は、広いお台場全域にわたって、オフィスビル街が建ち並び、各種の研究機関が進出し、エンターテイメント施設が配置され、素晴らしい近代都市が誕生したのを眺めることが出来ます。すっかり都市化したお台場の海は、波しずかで海風も穏やかな池のように静かです。
(写真1、2、3)

しかし、ここに海浜都市は建設される前のお台場は、遙かに野趣に富んだ海岸でした。遠くまですすき野原が広がり、遠くの対岸には荷揚げクレーンが並び、砂浜の海岸線は自然の儘に湾曲し、沖から強い海風が吹き込んで海面は波立ち、その海風を受けて疾走するウインドウ・サーファーを見ることができました。酷暑の最中に、爽やかで涼しかった昔のお台場風景を思い出しました。
(写真4、5、6)
(以上)

【2023/08/05 15:25】 | 風景 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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