写真1 写真2 写真3 写真4 写真5 写真6 写真7 写真8 写真9 畑は畠とも書きますが、両方とも意味も読み方も同じで、水田以外の農地を意味します。しかし、元々は「畑」は焼き畑を意味し、「畠」は白田(はくでん)と書いて焼き畑以外の農地を指しました。
畑には畝(うね)があります。蒔いた種や、出た芽を風による被害から守るのが畝の役目です。同時に、畝は作物の種類を区分して、農作業をし易くする整理整頓箱のようなものです。 (写真1)
その整理整頓箱の姿は、作物の生長に応じて変化します。畝の線をなぞらえて、芽生えは真っ直ぐに延びたり、或いは微妙にうねりながら延びています。真っ直ぐな畝は機械耕作の畑であり、うねる畝は手作業の畑でしょう。 (写真2、3)
ビニールの衣装を纏って芽を出す畝もあります。 衣装には、白いものもあり、黒光するものもあります。 全身に衣装をすっぽり被る畝もあり、片肌脱いだ畝もあります。 縁取り縫いのステッチのある衣装を纏うお洒落な畝もあります。 決められた場所に二列に整列して芽を出した行儀の良い畝がありました。 (写真4、5、6、7)
広がる畑を見渡せば、畝は畑の絵柄となります。 或る畑の大地は、時にはきめ細かな小紋の着物を纏い、時には艶やかな絞り染めの着物を纏います。
ランド・アートはナスカの地上絵だけではありません。零細農業の日本の農地には、無数のランド・アートが、誰にも観賞されること無く、描かれては消えていきます。それを発見するのは農村散策の楽しみです。 (以上)
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