前回、将軍が梨深に、「とても長い、長い夢をよく見るよ」と話していましたが、僕も見ますね、長い夢を。『CHAOS;HEAD』 第9話 「拒絶 -rejection-」 の感想です。
その長い夢の中では、僕は別の人格で別の人生を生きていて、夢の中ではいろんなことが起こり、何年もの時間が経過することもあります。目が覚めて夢だったことに気付くのだけれど、少しの間は感覚が残っていて、「あんなにリアルなのに本当に夢なんだろうか。ああいう世界が本当にあるんじゃないのだろうか。」と思ったりします。でも夢での経験は長期記憶に移らないようで、すぐに忘れてしまうのでした。
経験による記憶の蓄積が『生きている』ことだとしたら、現実と夢の違いは、結局のところ『長期記憶に残るかどうか』だけなのかもしれません。もし記憶に残るのであれば、夢の世界を実際に『生きた』と言っていいのではないかと。そういう混乱が起こらないように、夢は記憶に残らない仕組みになっているのでしょうけれど、将軍は「夢で見たことを覚えている」と言っていました。それが出来る人と出来ない人がいる、と。 夢を覚えていられる人は正気でいられるのでしょうか。
ラストでネタばらしがありましたが、たぶん主人公である西條拓巳は、『将軍』の西條拓巳が見ている夢なのでしょう。彼が夢で見た別の人生の別の人格。彼は夢を覚えていることが出来て、さらに(おそらく)ギガロマニアックスでもあるので、夢が実体化するのでしょう。
前回、梨深は「彼は消すべき」と何回か言っていましたが、殺すとは言っていませんでした。夢から出てきた想像の産物なのだとしたら、「消す」というのがふさわしい表現であり。
「それは幻。心のうたかたなの。だから早く目覚めて。でないと、いつかあなたが西條拓巳に消されちゃう。」
「それでもかまわないよ。この夢は完結させなくちゃ。」
「完結した夢の後には、何が残るの…。」
梨深が恐れているのは、本物の西條拓巳が、夢の西條拓巳に飲み込まれ、逆に存在が消えてしまうことなのでしょう。でも、夢の西條拓巳にも同情していて、彼が本当のこと、実は誰かが見ている夢に過ぎないということを、知って欲しくないと思っています。拓巳が家族と思っていた人々は、きっと誰かが用意した偽りのもので、妹の七海もそうなのでしょう。あんな出来た妹は妄想の産物だと思ってましたヨ。
将軍が言うところの「彼にはやってもらわなくちゃいけないことがあるんだ」の内容はまだ不明ですが、あやせ風に言えば邪神と戦うことなのでしょうか。NOZOMIテクノロジーの一派が邪神を生み出すのかもしれませんが。
あやせは、テンセイ信仰会とかいう宗教団体にいたのでしょうね。そこで拷問の末に能力を覚醒させた。今もその管理下にあるようです。将軍も同じ病院にいるということは、やはり同様に監視下なのでしょうか。あるいは、あの看護婦は信仰会側が潜入させたスパイなのかな。
fun^10×int^40=Ir2 という公式は、おおかた E=mc^2 (アインシュタインの関係式) からの連想なのでしょうけれど、エネルギーのような線形な物理現象ならともかく、思考とか現実とかを表す式にしてはシンプルすぎる気がします。まぁ、fun とか int とかが、実は偏微分などを含む項の省略なのかもしれないけど。
これがノアIIの中心理論らしいので、なにか理屈をこじつけられないかと考えてみましたが無理でした。省略された項があるなら教えてくれ…
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