メルクマール

長瀬先生の抱える心の闇が、明らかになったようですね。　全国大会にまで行ったバスケ部を、彼女が主将の代で潰してしまったらしい。　二階堂先生が「思ったより元気そうだ」と言って、長瀬は「私は元気なのが取り柄ですよ」と意外そうに返していましたが、心の傷は確かにあり、それを心の奥底に閉じ込めているのでしょう。　そこを駆け魂に付け込まれてしまった。

部を潰した原因は、主将である長瀬が熱血過ぎて、周囲がついて行けなくなったといったところでしょうか。　部活をやっていると、そういう対立ってありますよね。　僕も経験あるなぁ。　まぁ僕は、そういう場合は冷めている側でして、だから長瀬先生は鬱陶しいと思えます。

正論であっても、熱血でも、過ぎると周囲は付いてきません。　クルマに例えれば、パワーのあるクルマでアクセルを全開にすると、タイヤが空回りして、前に進む力はむしろ弱くなります。　タイヤが滑らないギリギリのところに回転を調整することで、最大の加速をすることが出来るのです。　人間関係もそういうもので、周囲との接点を探りつつ、滑らない範囲で動かすことが肝要です。

ただ、タイヤにもグリップ力の高いものと低いものがあるように、同じ熱血であっても、周囲が付いてくるタイプの人と、付いてこないタイプの人がいるでしょう。　教育実習生というのは、実績もカリスマもありませんから、グリップ力はひときわ低いわけで、長瀬が空回りするのも無理ありません。

長瀬は、自分が熱血だという自覚は無いのですよね。　ジャンボ鶴間（鶴田）が好きだということからもわかります。　プロレスラーには、暑苦しいほど熱血なキャラクタは多くいますが、鶴田はそういうタイプではなく、どちらかといえばストイックな方です。　今回語っていた三沢もそうですな。　でもそれはプロレスという熱血な世界での相対的な話であって、現実世界で言えば、十分に熱血なキャラではあるでしょう。

熱血先生っぷりも、彼女としては、ドラマや漫画にあるような先生の姿を普通だと思っているのでは。　ドラマは極端に描れるのもので、熱血先生はありえないほど熱血なので、ドラマでは普通の先生が、現実の基準では十分に熱血先生だと思えます。

つまり、虚構と現実の区別がついていないわけで、桂馬と同類でしょう。　桂馬も、現実との折り合いをつけることができないでいます。　桂馬には苦手な分野だと思えるのですが、どうやって長瀬先生の心のスキマを埋めるのでしょうか。　そしてそれを通じて、桂馬も成長できるでしょうか。

ポチっとして頂けると励みになります！↓