メルクマール

巴姉さんは、公式サイトによると28歳ということで、そろそろ結婚したいお年頃なのでしょうね。　女性の場合、あまり仕事にうつつを抜かしていると、婚期を逃すという通念？があるようで、巴もそれに悩んでいます。　このまま出会いの無い職場にいるよりは、実家に戻ったほうがいいのではと。　女性にとってはリアルな話なのでしょう。

どうせ辞めるのだからと、「どうにでもなれ」とやったことが、すべて裏目？に出て、逆に株を大いに上げてしまうというコメディでした。　でも、そういうこともあるでしょう。　巴は、辞めるついでに、困った客を撃退して、自分が責任を被り、後輩を守ってやろうとしています。　つまり基本にあるのは、緒花たちに良かれという気持ちで、無私の善意が実ったという話でもありました。

仕事仲間とうまくやるには、基本的には善意が必要だと思うのですよね。　仲間を出し抜いてやろうとか、責任を被せようとか、手柄を独り占めしようとか、策を弄していると、一時的にはいいかもしれないけれど、いつかしっぺ返しが来るものです。　まぁ、上手くやってしまう人もまれにいますが、それには高度なテクニックが必要です。

それよりも、仲間が困っていたらなるべく助けて、後輩のヘマの責任は引き受けて、という善意をベースに行動していたほうが、最終的には自分にとって得になる確率が高いと思っています。　これも処世術です。　今回のストーリーも、そういう話なのでしょう。　善意がベースにあるから、緒花たちの心に届いて、信頼を勝ち得ることが出来たのです。　いつか、緒花たちが巴を助けてくれるでしょう。

今回、巴視点ということで、緒花たちの違った可愛さを見ることができたのも収穫でした。　先輩を慕う後輩のまなざしを受け止めて、愛おしいようなくすぐったいような気持ちになれました。

「起きろ！起きろ！起きろ！パンツを上げろ！お嬢さんたち！」というセリフの元ネタは、フルメタルジャケットのハートマン軍曹ですね。　原典は、「起きろ！起きろ！起きろ！マスかきやめ！パンツ上げ！豚娘ども！」です。　サバゲーマーが反射的に従ってしまう気持ちはわかります。　放水しながら叫んでいた「ゲッサム！」もフルメタルジャケットで、なにげに戦争映画好きな巴姉さんでした。　そもそも、あの客と相性良かったのでは？

巴は、結婚のことはひとまず置いておいて、仕事をしっかりやろうと気持ちを切り替えたようです。　そうやって溌剌と働いていれば、いい縁にも恵まれそうに思えますね。　現実は、そんなに甘くないかもしれませんが。　ともあれ、「熱意と善意をもって、しっかり働けば、きっと物事は良い方向に向かう」というのが、この作品のテーマでしょう。　そしてそれは、僕がいつも思っていることなので、共感できるのでした。

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