いろんな要素を、うまくまとめた短編作品。 レベルE 第10話 『Boy meets girl』 の感想です。
ところで、”要素”と入力しようとしたのに、”ヨウ素”と変換されるのは嫌になりますな。まぁ、そこはそれ。いろいろあってサボり気味でしたが、アニメ感想をぼちぼち再開したいと思います。
その”要素”ですが、基本はB級テイストのSFなんですよね。でも人魚が登場して、ファンタジーのテイストがありました。映像もそれを意識したものでしたね。さらにヒーローものの要素があり、友情物語でもありました。
いろんな要素を1話に詰め込むと、とっ散らかったものになりがちですが、これはすっきりとまとまっています。今回のが、どこまで原作どおりなのかは分かりませんが、この作者は短編ストーリーをまとめるのがとてもうまいのでしょう。4話もとても良かったですし。
短編小説って、かつては多かったのですが、最近はあまり流行らないようです。たぶん、小説誌が減ったからでしょうね。昔はもっと多くの小説誌があって、いくつかの短編読み切りと、いくつかの長編連載が掲載されるスタイルでした。需要があるので、作家さんも短編小説を書いていたわけです。
今では、小説誌→単行本 というルートが少なく、いきなり単行本なので、作家さんとしては、一つのアイデアで多くの文字数を書ける長編のほうがワリがいいのでしょう。
でも、短編には短編の良さがあると思えます。少ない文字数の枠内で、起承転結のストーリーを綴るためには、世界観についてはごく一部しか描けません。だからと言って、それが小じんまりと見えてはダメで、大きな世界観があって、その一部だけが見えている、と感じさせる必要があります。残りを想像する余地があるのが、短編の魅力なのです。
今回のエピソードですが、ツインテール・マーメイドと、彼女たちの住む星について、詳しいことは語られません。でも、詩的な映像と相まって、どんな人々なのだろう、どんな暮らしをしていたのだろうと、いろいろ想像させてくれます。
カラーレンジャーたちも、彼らのキャラについて、まだ多くは描写されていないし、語る言葉は多くないのだけれど、目に見えない友情の絆を感じて、ぐっとくるものがありました。うまくまとまった、いい話だったと思えます。
ところで、マーメイドの傷を治した人物の後姿が映っていましたが、あれは王子なのでしょうか。だとすると、マーメイドとカラーレンジャーたちが出会ったのは、実は王子の計らいで、清水の父親とあの半魚人の関係も知っていて、このオチを計算していたのでは、と勘ぐってしまいます。
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