メルクマール

シモーヌ回ではありますが、シリーズ全体としては、シモーヌを通してワタナベ・カナコを描くことに意味があったと思えます。彼女は、大富豪の嫁が道楽でビジネスとしているというレベルではなく、マジで有能なようです。

カナコが、夫の元愛人の娘（シモーヌ）の命を救ったのはなぜでしょうか。サイバディを私的利用するという危険まで侵して。やはり、優しさなのかな。本心からシモーヌを心配している様子でしたし。彼女は私利私欲ではなく、本当に人類のためにサイバディを使おうとしているのだろうか。

綺羅星十字団は、企業のバックアップも受けているようで、営利のためにサイバディの研究をしていると思っていました。演劇部のサリナも、そのように説明していましたし。もちろん、そういう人はいるだろうけれど、内部は一枚岩ではなく、いろんな考え方の人がいるのかもしれません。

カナコが結婚したのが1年前で、ほぼ同時期にサイバディでシモーヌを救ったということは、カナコは結婚前から綺羅星十字団にいたのですね。サイバディの重要性を知り、プロジェクトへの自分の影響力を増すために、金持ちと結婚したのかもしれません。

ミレーヌが、あえて誤解させたのはなぜでしょうか。シモーヌに、カナコは父親を奪った女だと吹き込んだのです。それはたぶん、シモーヌを成長させるためなのでしょう。復讐のためには、まずはカナコに信頼される必要があり、カナコのことを知る必要があります。そうやってカナコと向きあううちに、いろいろ学べるだろうという狙いで。実際、「鏡で自分の顔を見ているより、あの女の顔を見つめているほうがずっと長かった」と言っています。

カナコも、もちろん承知の上で、そうやってミレーヌを育て、自分の右腕にしようとしているのでしょうね。「ロマンチックだから」という理由もあるでしょうけど。

このところフィーチャーされている、ヨウ姉妹にも見せ場がありました。マリノは演劇部の練習を覗き見していて、最初はミズノのことが心配だったのだろうけれど、いつのまにかタクトを見つめていた。　「だって、ずっと見てるのは好きだからでしょ」と言ったミズノは、どこまで分かっているのかな。また、このセリフはシモーヌのことも言っているような。

スタガの「王の力」は、スターソードを強化する働きがあるようですね。ゼロ時間での能力だから、フェーズ２ということになるのかな。「才能は神様が与えてくれたのだから、使わないのは罪かもしれない」と、ヘッドが言ったのは、スガタに対してなのでしょう。このような、二重の意味に取れるケレン味のある会話が多い作品です。

今のところタウバーンは無敵ですが、スガタのおかげでますます無敵に。無敵すぎて戦闘シーンにあまり緊迫感が無いのは欠点でしょう。戦闘に新展開が欲しいところです。

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