メルクマール

今回、ワコやケイトの口から設定について語られましたが、かなり複雑ですよね。サイバディには、タウバーンのような『戦士のサイバディ』のほかに、『巫女のサイバディ』と『王のサイバディ』が存在する。『王のサイバディ』は最強だが、たぶん壊れている、アプリポワゼして第一フェーズの力を使うことはできるが、その代償に覚めない眠りについてしまう。

第一フェーズの力とは、アプリポワゼしたもの（スタードライバー？）に備わる（ことがある）異能の力で、ゼロ時間の外でも使うことができる。

複雑で、あんまり綺麗じゃない気もします。スタードライバーの力は、シンプルに「サイバディに乗れる」で良いと思えるのに、それだと話がふくらませにくいから『第一フェイズの力』という設定を後付した、というようにも見えて。でも、あえてまだ語られていないだけで、もっと本質的に、シンプルに説明できるのかもしれません。

スタードライバーには、ケイトやスガタ、タクトのような生まれながらの「しるしを持つ」ことによってアプリポワゼできるものと、綺羅星十字団の連中のように、電気棺で人工的にアプリポワゼするものとがいるようです。

ワコとスガタは、『島の人間』なので、しるしを持つのはわかるとして、タクトはなぜ持っているのでしょうか。そもそも彼は、なぜこの島に来たのか。彼の第一フェーズの力とは何なのか。なぜ時計を修理したかったのか。タクトについては依然として謎だらけで、それが物語の核心だと思えます。

タクトは、「ワコを守る」ことを戦う理由にしているので、ワコに強くこだわっているはずですが、ワコとスガタの仲を取り持とうとします。ワコと恋愛することよりも、ワコが幸せであることが大切、という大人な考え方でしょうか。

ワコの真意は不明ですが、彼女にもよく分かっていないのは。しるしを持ち、島に縛られている境遇が同じなので、ワコにとってスガタは分身のような存在であるはずで、それだけに『自己愛』と『同族嫌悪』がないまぜになった感情があるような。だから「あの人」というような、やや余所余所しい呼び方になるのでしょう。

スガタの力について説明された時点で、彼が力を使って眠りにつくのは予想できたのですが、さっそく今回とは早い展開です。「王の柱」とは、広範囲の敵を殲滅できる、戦略兵器のような力なのでしょうか。

サカナちゃんの物語も、急展開でした。『サム少年』は『イカ大王』を倒して『王様』に謁見するのですが、王様はイカ大王の血を、死ぬために欲しがっていたのでした。『永遠の人生』という呪いから自由になるために。

この物語の、『サム』がタクトの比喩だとしたら、『イカ大王』はヘッドなど綺羅星十団でしょうけれど、『王様』はスガタ、あるいはスガタのサイバディなのかな？　

王様は『少女』をサカナの惑星に縛りつけていたけれど、サムが王様の願いを叶えたことで、王様は死に、少女は自由になったのです。これはこの先の展開を暗示しているのでしょうか。

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