メルクマール

全体の半分が、同じ場所での2人の会話ですからね。心象風景はありましたけど。飽きさせずに見せきったのはさすがでしょう。ただ、所々に実写の人物が入るのは、違和感があってテンションが落ちるのが正直なところ。

羽川が、体を丸めて苦しんでいる映像が頻繁に入るのが印象的でした。彼女は真面目で一途なので、阿良々木君が好きだという気持ちが大きくなりすぎ、それを外に出せないことでさらに苦しんでしまった。病的な演出が多くありましたが、それは彼女が”病んでいる”からで。そうでないと、猫に憑かれたりはしないですから。

でも、猫が消えた後、いつもの調子のお説教にホッとしました。彼女は自分の中で、整理できるようになったのでしょう。それは誰もが通る道ではあります。

ものすごく、原作に忠実な展開でした。尺に余裕がありそうだったので、原作には無い撫子や真宵の登場もあるかなと思ったのですが、ちらっと映っただけでしたね。 阿良々木シスターズは原作ではセリフがないので（実は全編通して一度も無い）、ここはサービスか。

最終回の公開と同時に、続編の発表があるといいなーと思っていたのですが、ありませんでした。でも今回、前日談である『傷物語』の映像がかなりありましたね。わざわざキャラクタのデザインや設定をしたということで、やる気は多いにあるのでしょう。

でも僕は、どちらかといえば『偽物語』が見たいですよ。傷物語は前日談なので、大部分のヒロインが出ないし、アクション主体のハードな内容です。伝奇物作家としての西尾維新の筆致は冴えていますが、続編の『偽物語』のほうが、キャラが多彩で、コミカルな会話劇が多く、アニメで化物語のファンになった人に合うでしょう。こちらを先にやるのも手だと思いますね。ぜひ、旬なうちにやっていただきたいと期待しています。

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