メルクマール

佐天さんが、ついに本領発揮したと思うのです。やはり彼女の役どころはこれだったんだな、と。

佐天は、四人組の中ではやや”蚊帳の外”にいる立場でした。ジャッジメントがらみのエピソードでは、黒子と初春が当事者で、美琴もそれを手伝うことが多いけれど、佐天は特には役目が無いわけで。

今回も、黒子はジャッジメントとしてポルダーガイストの調査、初春は衿衣の友人、美琴は木山との因縁、という立場から事件に関わっていますが、佐天はあまり関係がありません。

そもそも、超能力者を育てるための学園都市の中で、無能力者である佐天はアウトサイダーです。つまり”傍観者”なんですね。でも傍観者だからこそ、全体が見えることがあります。今回、佐天は冷静に「まわりが見えていない」ことを美琴に忠告し、彼女の暴走を止めることに成功しました。また、あのタイミングは仲直りの絶好の機会だったので、それを逃しませんでした。

これまで美琴は何度も、思い込みで突っ走っており、それで痛い目にあったことは一度や二度ではありません。前回もそうでした。なのに反省が無いわけですが、今回の佐天の忠告に従ったことは、彼女がやっと成長したことを表しているのでしょう。

僕は以前から、この四人組を『若草物語』の四姉妹に当てはめようとしていたのですが、いまいちしっくりきませんでした。特にメグが問題で。　アクティブで突っ走りがちなジョーは、美琴にぴったりです。　守ってあげたい感じだが、内面はけっこう強いベスは初春でしょう。　お嬢さんぶったおしゃまなエイミーは黒子でしょう。　でも母親的に姉妹のことを気にかけるメグと、佐天はちょっと違うかなと思っていて。

でも今回のエピソードで、やはり佐天はメグだったんだ、と思いましたね。四人の結束を常に気にかけていて、年長の美琴にも忠告できる彼女は、保護者的な立場と言えるでしょう。

ついでに言えば、メグは社交界に強い憧れがあり、自分の虚栄心に悩まされますが、それは超能力に憧れている佐天にカブります。

佐天はついに、実戦にも参加するようで。キャパシティーダウンの影響を受けない（であろう）彼女は、活躍の場がありそうです。

というわけで、ストーリーはいよいよ佳境に入ってきました。テレスティーナは能力体結晶の被験者ということで、やはり特殊能力があるのでしょうか。マーブルチョコの好きな色を出せるのも彼女の能力だとしたら、”確率操作能力”みたいなものかもしれず、強力そうです。ラスボスに不足はない戦いになるでしょう。

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