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ほしあかりをさがせ
山登り・サイクリング・星見・石仏探し 本命は何なのか、出たとこ勝負で行ってみましょう
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デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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過大設備が足かせになる。
使ってくれる見込みがあるから、設備投資する

これは、その時点ではもっともまっとうで、健康的な投資の姿である。
が、その需要増の見込みが、「一時のこと」と分かっていたらどうだろう?

昨日、シャープで内部的に数千人規模の人員整理が検討されていることが、報道された。
全世界で5万人規模の会社の中での数千人の人員整理、言い換えれば、5%程度の人員整理ということになる。その規模の大きさをどうとるかは、まさに人それぞれだと思う。

ここに至るまでこの会社は、3年に一回くらいの勢いで、世界最大規模の液晶パネルの生産設備を導入し続けてきた。

その最たるものが、大阪・堺の工場だったが、これの立ち上げのためには、単なる社債の発行だけでは足りず、株式交換権付き社債(昔風にいうと転換社債)を発行したうえで、さらに建設資金が足りずに、国内のTVメーカとの共同出資まで当て込んでいた。

当時は、その共同出資元が液晶パネルを相当数買い取る予定になってもいた。
そして、その買取量見込みも、足元で売れていくTVの数量から考えて、チャレンジングなものではあっても、過大とまでは誰も言えない程度のものであった。

ただひとつ、大きなリスクがあることを、忘れたふりしていた。

国内での地上波放送のデジタル化にともなう、買い替え特需が当時起き始めていたという事実だった。

私じしん、特需商戦の最終盤に大手電気店で勤務したので、生産を増強しても最悪数か月待ちになったという需要の大きさを目の当たりにしている。
増強しても追い付けない需要増を、必死に追いかける投資をした。

しかし、その需要増は、去年の7月で完全に終わった。
その後の需要落ち込みは、季節変動要因を差し引いても、最盛期の1/10とも1/20ともいう。

需要最大の時期に合わせて、設備を増強する。
供給責任を考えると、そのような要請は当然くるだろう。

しかし、その最大需要が、そのような性質のものか、を検証することなく、設備を借金で賄おうとすると、今回のシャープのようなことになってしまう。

・需要がどの程度継続するのか、
・季節や時間帯だけの問題でないのか

等々、短期から長期まで、需要の変動要因が必ずある。

それらの変動要因が、実は社会的な情勢変化や、天候などに左右されるものであるならば、
過剰投資、過剰な生産能力となって、
「維持費と減価償却にカネを取られるのみのお荷物」となってしまう。

ましてその投資が、借金で賄われていたら‥‥。

今、電力会社が原子力発電を停めることが、直接的に経営危機につながる理由も、実はまったく同じこと。
原子力発電という、巨大すぎる生産設備を停めたために、その建設費や、減価償却費用が会社全体の採算をも悪化させているのである。

さらにいうと、このような「一時の極大需要を当て込んで設備を作る」というおバカな投資をしているのは、家電メーカや電力会社だけではない。

通勤時間帯の極大需要に対処するために増強される自動車道や、最近首都圏近郊で増強されている鉄道新線もそうである。
それらの社会インフラが、減価償却や修繕・再投資の費用を全く予算せずにつくられており、あと10年くらいの間に、その営繕費用だけで、国庫が破たんするはずだ、とOECDが何年か前の「対日経済サーベイ」で指摘しているのを読まれた方も少なくないと思う。

この病理をどのように解きほぐし、余剰設備を持たない社会を作るか、
日本が設備倒れにならないように、考えを深める必要がある。

テーマ:経済 - ジャンル:政治・経済

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