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ほしあかりをさがせ
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デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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原典にあたって怖がりましょう(TPPをめぐる俗説を解きほぐす)
俗説では、やれ原発廃止も国民皆保険制度も、ISDS条項で潰されてしまうぞ、と響き渡っております

特に国民皆保険制度に関しては、去年の12月、米国の当局が、対象外です、と明言した後にも、伝播がとどまりません。
しかし、何人かの専門とする方が、誤解を解く文をネット上で公表されているように、その俗説は全くの誤解です。
私も、企業間の契約文取り交わし実務に携わった経験からいって、ネットで騒がれているのは、曲解でしかない、と感じております。

ここでは、ISDS条項がどのようなものか、を示し、
そのための仲裁機関(国際投資紛争解決センター)やその上部機関の世界銀行がどのようなものかをご紹介して、誤解を解く材料としたいと考えました。
どうぞ、虚心に原典にあたってから、再度ご自分で考えられんことを。

まず、ISDS条項の本質について。
『政府の規制により、外資系の事業者が国内資本の同業者と異なる差別的な待遇をされた場合に、その差別的な待遇で損害の補償を求める』
というものです。
ですから、国民健康保険事業のように、『外資、国内資本ともに排除されている事業』については、そもそも対象外で、訴えることができません。
また、仮に訴えることが出来る状況になったとしても(例えば、国民健康保険の事業を、国内資本の保険会社に譲渡するなどした後)、
訴えても、補償を求められるだけで、制度を強制的に変える権限は、仲裁機関にはありません。
なぜなら、ここにいう仲裁機関は、単なるADR(Alternative Dispute Resolution)の機関に過ぎないからです。

(参考)
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/投資家対国家の紛争解決
河野太郎氏のblog記事。
http://www.taro.org/2011/11/post-1124.php

また、ISDS条項に基づき仲裁を求める機関である『国際投資紛争解決センター』は世界銀行の下部機関で、米国の強い影響を受けている、ということを根拠に上げておられますが、
その世界銀行が今月14日に、次の内容のレポートを発表していることをこ存知でしょうか。
『世界銀行は国民皆保険制度の導入に向けてこの10年で大きな成果をあげた22ヶ国の調査報告書を発表しました。本報告書を元に評価ツールを作成するなど、今後も途上国の保健制度の拡充を支援していきます。
(中略)
世銀と日本政府は、この日本の知見を土台に、途上国の最近の課題も取り入れながら、保健システムの共同研究を進めています』
(世界銀行東京事務所 プレスリリースから)

(参考。対応する世界銀行の英文レポート)
http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2013/02/14/World-Bank-Group-releases-22-country-study-of-universal-health-coverage

また、現在の世界銀行総裁は、米国から推薦を受けた人ですが、長らくWHOの理事として、公衆衛生事業を所管した医師であることも
申し添えておきます。
それでもなお、
『国際投資紛争解決センター』が米国の意向を汲んで、国民皆保険制度を壊す判断をすると、お考えになるでしょうか?

テーマ:TPP - ジャンル:政治・経済