図書館に涼みにいって、映画雑誌の新刊・バックナンバーなどを眺めていて、気になった映画を3つ紹介します。
「剣岳・点の記」 故新田次郎サンの、わりと地味な小説を実写で撮る。小説としては地味だけど、内容が結構濃い。明治時代の陸軍測地科(今風にいうと、国土地理院)の測量士達が、三角点を設営し測量するために、当時登山道がなく現地の人も恐れて近づかなかった剣岳を踏破する、というお話。かなり男臭いです。それを現地で実写するという試み。……だから相当危険ですわな。現に撮影中にスタッフが落石で大けがして、いちど撮影を中断と、映画会社が発表していたのだそうです。 夏の登山シーズンを前にクランクアップし、来年公開。 地味な作品なだけに、どれだけお客が入るかわかりませんが、わたしは楽しみ。
「ハッピーフライト」 あの「Swing Girls」を撮ったあと、矢口史靖監督がどういう方向にいくのかと思ったら……。旅客航空機のスタッフ、整備士さんやら空港側の人も含めての群像劇を撮るのだとか。そのために羽田空港を使うというのだから、Jazzオタから、工場萌えに興味が移ったということかもしれず、それだけもで興味深いところです。
「テラビシアの橋」 知る人ぞ知るUSの児童文学の大家、キャサリンパターソンさんの初期の代表作、……今から30年くらい前の作品が、実写映画に去年なっていたのですね。DVD評でようやく知ったわたし。「指輪物語」に刺激された当時の子供達が繰り広げる、ファンタジックな空想と小さな冒険談……、わたしも8年ほど前にペーパーバック版を読んだことがあります。たしかに、心理描写は卓越したものがあるが、正直これなら「Great Gilly Hopkins」(日本題「ガラスの家族」)の方が読み応えがあった……。なんというのかな、大人の目で見たときの物語の説得力がない、ファンシーなのは認めるけどさ(爆) そんな作品が、純粋な子供向け映画として撮られることは、それはそれでいいけれど、彼女の作品って、「Jacob Have I Loved」とか、他にも大人が読んでも読み応えがある作品が多い。そのあたりを、次は映画化してほしいところです。
※日本でミュージカルになったことがあります。今でも”おやこ劇場”向けの演目でどこかの劇団がやっているかもしれません。
テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術
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