渋谷駅の井の頭線乗り場に向かう渡り廊下に、 題名も掲げず、岡本太郎の壁画が飾ってある。 メキシコ市内の壁画群に加わって飾られるはずだった巨大壁画だ。
太い炎が、火柱として立つ。 その曲線の曲率にひとつとして同じものがない。 ゆらめき、枝分かれし、合流し 画面端に行き着く時には、あやかしく舌を出す顔となる。 火に焦がされ悶える人々 身がはじけ、骨まで焦がされるひと
しかし、炎の沸き立つ元は、あくまで中央の人になっている。
このようなしっかりした絵に、題名がいまさら必要だろうか。
あの日、あの場所で、新型爆弾が炸裂したのではない。 人が、炸裂させられたのだ。
20世紀日本での最大のヒューマニスト、岡本太郎は はっきりそう見抜いていたのだ。
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