NHK総合テレビで毎週土曜19時半に放送している「ブラタモリ」。タモリさんが司会を務め、その土地にまつわる歴史・人の暮らし・地理などを深く掘り下げていく番組なのですが、その進行は実に緩く進められている、肩ひじ張らなくて見られる番組にもなっています。
番組そのものは、2008年のパイロット版、2009年10月~2010年3月の第1シリーズ、2010年10月~2011年3月の第2シリーズ、2011年11月~2012年4月の第3シリーズおよび2015年のパイロット版と続いていますけれども、番組が公式に1回目としているのは、2015年4月から始まっている第4シリーズからになります。その頃というのは、タモリさんの看板番組の一つだった「森田一義アワー 笑っていいとも!」(以下「笑っていいとも!」)が2013年に終了し、3年間休止していたこの番組を復活させてほしいという声が大きくなり始めた頃でもありました。
これまでのシリーズ(2008年のパイロット版を含む)では、「笑っていいとも!」が平日生放送で行われていた関係上、関東圏でしかロケができませんでした(この特殊な事情は、同じく看板番組だった「タモリ倶楽部」でも同じだった)。しかしながら、第4シリーズ以降(正確には2015年のパイロット版から)は、関東圏以外の地域のロケも行われ、2019年には徳島へのロケで全国進出を達成しています。また海外のロケも幾度か行われました。
そんな「ブラタモリ」、2024年の3月でレギュラー放送を終了することが発表されました。今日行われた定例会見で明らかになったもので、それによれば、「視聴者の皆さんにもっと楽しんでいただけるような番組を目指していく」と述べています。このことから、レギュラー番組では終了するものの、特番などの形で不定期開催という流れになるのでしょうね。
まぁ、わからなくもないです。タモリさん自身が今年で79歳になりますから、表に見せないだけで、年齢による衰えというのも全く無いわけではないでしょう。地方に行くロケも段々苛酷になってくると思います。特に「ブラタモリ」の場合は、街中だけでなく郊外の山地の方に向かうこともありますから、大変だと思いますよ。「笑っていいとも!」や「タモリ倶楽部」の時と同様、身体が元気なうちに身を引くというスタイルで終わらせようという意味合いなのだと思います。寂しいですけど、英断です。
今後行われるであろう特番を楽しみに待とうと思います。それまではレギュラー放送を十分に楽しみたいと思います。
そして、「ブラタモリ」の放送していた枠は、「プロジェクトX」が復活することになったそうです。
タイトルは、「新 プロジェクトX 挑戦者たち」(以下「新 プロジェクトX」)となり、有馬嘉男さんと森花子アナウンサーの司会で進められるとのことです。
有馬さんは現在ヨーロッパ総局の副総局長でパリに滞在しているので、この番組をきっかけに日本に帰国するのだと思います。鋭い洞察力と物怖じしない方ですが、時にひょうきんな一面を見せることもある人間味あふれる方でもあります。「国際報道」・「ニュースチェック11」・「ニュースウォッチ9」と見てきた方でもあるのですけど、司会進行能力も高い方です。
番組そのものは2000年~2005年まで放送され、昭和(主に高度経済成長期)の様々なプロジェクトを掘り下げるドキュメンタリー番組の側面を見せていました。今回の「新 プロジェクトX」も平成(主にバブル崩壊後)の様々なプロジェクトをドキュメンタリータッチで描いていくものになっていく予定です。
「新 プロジェクトX」も「ブラタモリ」とは方向性は違うものの、楽しみな番組になりそうです。