名古屋市では、65歳以上の方々に「敬老パス」という福祉乗車券の一種を発券しています。これは、地下鉄・市バス・ガイドウェイバス・あおなみ線だけでなく、名古屋市内の駅・停留所ならJR・名鉄・近鉄・名鉄バス・三重交通でも利用可能になっています。それでいて1000円~5000円/年ですから、利用回数の制限があるとはいえ、かなりの太っ腹です。
そんな「敬老パス」を子供に持たせようと言いたげな施策を河村たかし市長がぶちまけた。
少子化対策の一環で、名古屋市内の小学生を対象に地下鉄と市バスが無料になる「子どもパス」を支給することを提案しました。「子供が保護者と一緒に様々な場所へ出かけ体験を広げる機会になるとともに名古屋の子どもを応援するメッセージにもなる」とのことで、早い話が子供の出掛ける機会を増やすことで、地下鉄やバスを(特に将来)より多く乗ってもらうことを目的にしているのだと思います。
まだ実施時期は未定な中で通年を予定しているとのことですが、ひとまずは実証実験として夏休みの間のみなど期間限定で試行し、効果測定をするそうです。仮に実施されることになれば、政令指定都市では初めてになるそうです。
・・・まぁ、これは河村市長の人気取り政策なのかなとか思えてならないんだよなぁ。しかも、半額とはいえ子供料金の収入が減ってしまうことにもなり、長い目で見ると赤字になる(ないしは拡大させる)可能性もはらんでいる施策なのではないかと思います。もちろん、「敬老パス」も同様な問題をはらんでいるのですけど、「敬老パス」もやりながら「子どもパス」も行うというのは、ちょっと虫が良過ぎるんじゃないのかと思えてなりません。
目的としては間違ってないけど、「敬老パス」をやっていることを思うと、現状更なる負担になる施策は・・・と思いますね。利用者の反発を買うのを覚悟で、「子どもパス」導入の代わりに「敬老パス」廃止なら・・・とならなければいいのですけど。